天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。

見えざる帝国との戦いが終わった10年後のif要素のある物語です。
+切り替え式時間望遠鏡というドラ○もんの切り替え式タイ○スコープとよく似た秘密道具で見たifです。楽しんでいただければ幸いです。


新章第三十三話十番隊編 仕事の鬼、松本乱菊

 松本(まつもと)乱菊(らんぎく)はジュースと食べ物を頬張りながら、つい最近十二番隊から十番隊に異動になった葛原(くずはら)粕人(かすと)に注文をつけていた。

 

「粕人。この仕事お願いね」

「わかりました松本副隊長!」

「粕人。この書類の山、今日中に処理しといてね」

「わかりました松本副隊長!」

「粕人。ご飯を作ってくれない?」

「わかりました松本副隊長!」

「粕人……」

「わかりました」

 

 

 

「ん?」

 いつもいつのまにか眠っていた乱菊はふっと目を覚ます。

「今何時かしら?」

 目をこすりながら時計を見ようとした矢先

「え?」

 乱菊は顔を青ざめ、固まった。

 そこにあったのはまるまる太った自分の姿。ぶよぶよに肉のついた頬、自慢の大きくて形の整った胸よりも存在感を示す大きなお腹。

 その姿は美しさに絶対の自信を持つ乱菊には絶対に認められない、美しさとは程遠い醜くだらしない姿だった。

「い、い、い…………」

 

 いやああああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!!! 

 

 たるんだ頬を掴むようにして乱菊は悲鳴をあげた。

 

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「違う、違う違う違う! ……こんなの私じゃない! こんなの……ッ!?」

 バッと起き上がる。と同時に鏡を見る。そこに映っていたのはいつもの自分だった。

「なんだ、夢か……」

 

 むにゅ

 

「え?」

 腹から伝わる、いつもなら感じない違和感。

「ま、まさか……」

 乱菊は恐る恐る自らの腹の肉をつまんだ。

 

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 一時間後

「ひ、()(つが)()隊長! た、たたた、大変です!!」

 いつもであれば「失礼します」と断りを入れてから入室する粕人の慌てた様子に十番隊隊長、()(つが)()(とう)()(ろう)は「何事だ!」と問いただす。

「松本副隊長が……松本副隊長が!」

「松本が……!?」

 粕人を引き連れ副隊長室に向かう。そこにいたのは

「次の案件は何!!」

「は、はい! 次はこちらを!!」

 矢継ぎ早に報告してくる部下たちに的確に指示を出しながら、必死の形相で書類の案件に目を通し、『仕事命』というハチマキを頭に巻いた松本乱菊の姿だった。

「…………」

「…………」

 普段は隙あらばサボる不真面目な副隊長が真面目に働く姿に唖然とする二人は知る(よし)もなかった。

(頭を使うとカロリーが消費されるって言うからね! もっと頭を使わないと‼)

 

 

 

 ダイエット目的で仕事に集中しているということに。

 


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