天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。

見えざる帝国との戦いが終わった10年後のif要素のある物語です。
+切り替え式時間望遠鏡というドラ○もんの切り替え式タイ○スコープとよく似た秘密道具で見たIFです。楽しんでいただければ幸いです。


新章第三十三話二番隊編 偉大な先生、鬼塚

 話は十二番隊第二十席、葛原(くずはら)粕人(かすと)が二番隊に異動することが決まった時に(さかのぼ)る。

「……」

 二番隊隊長兼隠密機動総司令官を務める女性、砕蜂(ソイフォン)は自室で腕を組ながら考えた。

 自分と崇拝する四楓院(しほういん)夜一(よるいち)とのを引き裂く原因になった浦原(うらはら)喜助(きすけ)。満足に仕事をせずに金勘定のことばかり考える副隊長、大前田(おおまえだ)希千代(まれちよ)。浦原喜助の元部下であり不気味な男、(くろつち)マユリ。そんな彼らの次に嫌いな男、葛原粕人をどこに配属させようかと。

 砕蜂にとって葛原粕人は自分と四楓院夜一との仲を(ことごと)く妨害してきた嫌悪する存在である。砕蜂にとって葛原粕人という男は全否定したい存在だった。

 しかし好き嫌いの激しい砕蜂だが、一方で嫌いな相手でも必要とあらば感情を抑えて評価する冷静さも少なからず持ち合わせていた。

 死神の基本となる四つの戦闘方法、(ざん)(けん)(そう)()全てにおいて平隊士並なものの、腕力などの身体能力は上位席官と互角以上に渡り合え、雑用に限れば隊長級まで活躍できる粕人をぞんざいに扱う気にはなれなかった。

「……」

 考えた末。砕蜂は自分が嫌う浦原喜助を神のごとく崇拝しているという一点を除けば自分と相性が良く、かつ信頼できる同日誕生で幼馴染みであり親友であり好敵手である部下、鬼塚(おにづか)静気(しずき)の下に置くことを決めた。

 

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 鬼塚静気の部屋。

「今日からお世話になります葛原粕人です。よろしくお願いします」

 粕人は目の前に座る、ギョロっとした目と髪型以外で砕蜂と見分けがつかない女性に腰から頭を下げる。

「うむ」

 粕人の新上司、二番隊第三席兼檻理隊(かんりたい)分隊長の静気は大きく(うなず)く。

「これからお前には私の右腕として存分に働いてもらうためにいろいろ叩き込む。覚悟しておけ!」

「ハッ!」

 見事な敬礼をする粕人に静気は満足そうに頷く。

「今日からみっちりバシバシしごくぞ! それは『偉大な教師、鬼塚』と言われるほどに! 英語風に言えばGreat(グレート) Teacher(ティーチャー) Onizuka(オニヅカ) 。略して──」

他誌だよ、それは!(言わせないよ!)

 

 

 略語を言おうとする静気を、粕人はコメディアンのように間髪入れずに突っ込んだ。

 

 

 


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