天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。



眠八號に弟が出来るようです(後編①)

 二番隊 砕蜂(ソイフォン)の自室

「え~、何事でしょうか。砕蜂隊長」

 突然の呼び出しにボケ~としただらしない顔で耳をほじりながら第四分隊裏見隊(りけんたい)の一人、月光(げっこう)が尋ねる。

(……相変わらずこいつは!)

 ぶん殴りたい衝動を「時間の無駄だ」と自分自身に言い聞かせ、砕蜂は本題に入る。

「お前は十二番隊の葛原(くずはら)粕人(かすと)が長期休暇を取ったことは知っているか?」

「あ~。そうですね。おかげで月に一度の飲みが流れましたから。いや~本当に残ね──―」

「すぐに居場所を突き止めろ」

「……え?」

 会話のキャッチボールを完全に無視した上司の言葉に、月光は固まる。

「聞こえなかったのか? 『すぐに居場所を突き止めろ』。そう言ったのだ」

「いやいやいや!!」

 月光は右手をブンブンと振る。

「あいつが長期休暇取ろうが取るまいがどっちでもいいじゃないですか! それに──―!?」

 言葉を止めて月光は戦闘態勢に入る。なぜならば

 

尽敵螫殺(じんてきしゃくせつ)雀蜂(すずめばち)』!」

 

 目の前の上司が斬魄刀を抜いていたからだ。斬魄刀はアーマーリング状の刃に変化する。

(頭がおかしくなったか!? この人は!! ハッ……!?)

 後ろの気配に月光は後ろをチラリと見る。そこには大きく見開かれた目と髪型以外は砕蜂と瓜二つの女性、鬼塚(おにづか)静気(しずき)が斬魄刀を抜いて迫っている姿だった。

(しまった!!)

 月光の右肩が掴まれる。

記呪筆(きじゅひつ)第弐画、与着呪(よちゃくじゅ)!」

 静気は右肩を掴む左手ごと躊躇することなく赤くなった刀身で刺した。

「離れろ!!」

 月光は予備動作無しで音すら置き去りにする速さで裏拳を放つ。しかし静気はそれをあっさり回避する。

「月光。これを見ろ」

「え?」

 砕蜂が懐から取り出したものを見て月光の目がハートマークになる。そこにあったのは現世で最近注目を浴びている松本(まつもと)乱菊(らんぎく)似の黒髪セクシー女優、松下(まつした)蘭華(らんか)の水着写真集だった。

「ウホッ!」

 食い入るように見る月光。だが彼はすぐに異変に気づいた。

「ハッ!?」

 月光は自らの股間に視線を移し、両手で触る。そこには普段なら躍動(やくどう)するはずのモノがピクリとも反応していなかったからだ。

「な、なぜ……!? ま、まさか……!!」

 月光は思わず後ろに立つ静気を見て、気づく。

鬼塚静気(あの女)! 記呪筆の呪いで俺の愛しの自主規制(ピ──)を!!)

「月光」

 砕蜂の呼びかけに月光は振り返る。

「元に戻して欲しければ……わかっているよな?」

「……ッ!!」

 月光は歯を食いしばる。しかし彼に選択肢はなかった。

 

「チクショ~~~~~~ッッッ!!!!」

 

 血の涙を流しながら風のように月光は砕蜂の前から姿を消した。

「ご苦労だった、静気。さて」

 月光が立ち去った後、砕蜂は静気の方へ振り返り、満面の笑みで言った。

「労いの気持ちを込めて、今からお前の好きな野菜を最高級で出してくれる美味い店に行くとするか」

「……それは呪いの反動で嗅覚と味覚が不能になっている私への嫌味かしら、梢綾(シャオリン)(砕蜂の本名)?」




今気づいたのですが。中編と前編が変な所にありましたのに今気づきました。すぐに訂正します。読んでくださった皆様、本当に申し訳ありません。

あと今回の話が個人的に面白かったので、後編は①と②に分けようと思います。申し訳ございません。

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