本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。
前回の『番外編 砕蜂が涅マユリの素材保管庫から某漫画に登場するノートに似たノートを盗み出したようです』の後日談になります。
「
「そうはいかん。一度のみならず二度も夜一様の
砕蜂が男の胸に刻まれた蜂紋華を突き刺そうとする。
(ま、まずい。このままでは殺される!何か、何か助かる方法・・・・・・あった!)
あと数ミリで針状の刃が胸に当たる寸前。男はあることを思い出すと目の前の隊長にしか聞こえない小声で訴える。
(「あ、砕蜂隊長。僕、夜一様と砕蜂隊長がもっといい関係になる方法を知っています!」)
ピタッ!
小声で言い放つ男に、砕蜂は突き刺そうとした刃を止める。
(「夜一様と、私が……いい関係になる方法、だと?……ハッ!また書いた相手を百合にするノートだろ!今度は騙されんぞ!」)
(「ち、違います!今回のは別のものです!」)
隠密機動総司令は顎に手を置いて一考する。
(「詳しく話せ。ただしまたロクでもないものだと判断した場合……」)
私はお前を容赦なく刺すぞ。
砕蜂の冷たい視線に男は血の引いた顔で何度も頷く。
(「で、前回とは違う夜一様といい関係になる方法とは?」)
(「は、はい。それはですね――」)
再びマユリの保管庫から砕蜂はノートを盗み出した。
保管庫から盗み出したノート。それは『同性が好きなら異性が好きになり、異性が好きなら同性が好きになる』ノートだった。
砕蜂は夜一を捜す。
「一護。お主身体が鈍っているのではないか?この程度の攻撃で息を切らすようじゃまだまだじゃの」
「はぁ、はぁ……悔しいが夜一さんの言うとおりだ」
休憩にしようと言う夜一の言葉に、一護は地面に大の字に寝転がる。
夜一は一護の訓練に付き合っていた。
(よし)
砕蜂はノートに名前を書く。
『
効果はすぐに現れた。
「の、のぉ。一護」
頬を赤らめながら夜一が一護に近寄る。
「ど、どうしたの?夜一さん……」
潤んだ瞳で自分を見る夜一に、一護は若干引きながら尋ねる。
「お、お主。『黒崎』ではのうて『四楓院一護』と名乗るつもりはないか?」
「え、何言ってんの?夜一さん……」
(な、何を言っているのです!?夜一様……ハッ!?)
砕蜂はここに来て真相に気づく。自分が書いたノートは『同性が好きなら異性が好きになり、異性が好きなら同性が好きになる』のではなく『同“姓”が好きなら異“姓”が好きになり、異“姓”が好きなら同“姓”が好きになる』ノートだったことを。
つまり、黒崎一護の苗字は四楓院ではないので同じ苗字にしようとしているのだ。
(よ、夜一さまああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!)
声を出すのも忘れ、砕蜂は急いでノートに書き加えた名前を消した。
翌日。涅マユリがクズと呼んでいる男が自室で冷たくなっているのが発見された。