天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。

見えざる帝国との戦いが終わった10年後のif要素のある物語です。


新章第三十話 マユリは運動不足の局員たちのためにあるものを開発したようです

 深夜。涅マユリの部屋。

「う~む」

 マユリは一人考えていた。技術開発局は日夜尸魂界(ソウルソサエティ)の発展のために局内で実験・研究などに没頭している。それ故に運動不足が懸念されるようになっていた。

「何かいい方法はないだろうか。どこかに移動せずにその場で運動できれば……その場で運動?そうか!!」

 何かを閃いたマユリはすぐに脳内のアイディアを再現しようと行動を開始した。

 

 翌日。マユリの部屋。

「隊長、どうかされましたか?」

 次の実験の準備など仕事の準備を終えて一休みしようとしたところに緊急の呼び出しを受けた十二番隊二十席、葛原(くずはら)粕人(かすと)は嫌な予感を感じつつもそれを感じさせない笑顔を作っていた。

「ククク。クズ。私はとんでもないものを作ってしまった」

 よほどの自信作なのか、マユリは満面の笑みから「ククク」という笑い声を止められずにいた。

「いや。私の作るものに間違いはないのだが。これは最近のものでは一番といっていい、素晴らしい作品だネ」

「いや、さっさと見せろよ……ッ!!」

 つい出た本音に粕人は慌てて口をふさいでごまかそうとする。しかし自分が作ったものを見せびらかせたくてウズウズしているマユリはあえてそれを受け流す。

「クズ、私は前々から考えていたことがあった。それは技術開発局の人間は研究等に没頭するあまり運動不足になってしまう点だ!」

「あぁ~、確かにそうですね」

 前々から自分も思っていたのか、粕人も大きく頷く。

「そこで私は考えた。ならばその場で運動できるようにすればいいと。そこで開発したのが、これだ!」

 そう言って指差した物を見て粕人は固まった。なぜならば彼はそれを見たことがあったからだ。それに気づかないマユリは嬉しそうに説明する。

「これは屈伸(くっしん)マジック!座ってポンポンと上下に動くだけで正しいスクワットができるという優れものだヨ!そしてお腹、ヒップ、太もも、内もも、ふくらはぎの5つの部位を同時にトレーニングできるというまさに十分な運動時間を確保できない局員たちにとって待ち焦がれていた夢のような発明だヨ!!」

「お言葉ながら隊長、この屈伸マジックに似たスクワット○ジックというものが現世に――」

 粕人はそれ以上言うことができなかった。何故ならば目が笑っていない笑みを浮かべながらマユリが刀を抜こうとしていたからだ。

()(むし)れ『疋殺(あしそぎ)――」

「い、いいい、いいえ!凄いです凄いです涅隊長!!座るだけで正しいスクワットができるなんて誰も思いつかなかった発想を思いつきかつそれを実現してしまうその発想力と実現能力!!さすがは磁束密度の単位「テスラ」にその名を残すなど多くの実績・貢献をしたニコラ・テスラを超える実績と貢献をする男、涅マユリ!!!」

 大量の汗をかきながら賞賛の言葉を述べる粕人に、マユリは「ニコラ・テスラと比べられてもな」と言いつつもまんざらでもない顔で刀を元に戻す。

「では、クズ。早速使ってみるがいい」

「あ、はい」

 粕人は屈伸マジックのサドルに腰掛けてゆっくりと力をかけていく。そして

「よっ」

 と力を抜いた。次の瞬間

 

「うぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!――――」

 ボオオオーーーーーーンンンッッッ!!!!

 ドガアアアーーーーーーンンンッッッ!!!!

 

 粕人の体はゴムの力で打ち出された小石のように上昇すると天井を突き破った。

 天井を突き破ってもなお速度の落ちない粕人は霊力を完全に遮断する瀞霊壁(せいれいへき)にぶつかり

 

 ジュウッ

 

 水の入った灰皿に押し付けたタバコの火のように消えてしまった。

「ふむ。どうやらこの屈伸マジックには改良の余地がありそうだネ」

 そう言うとマユリは部下に天井を直すように命令すると屈伸マジックの改良に取り掛かった。

 

 




久しぶりの開発シリーズ。何を開発させるかを考えることも大変ですが粕人のゴマすり台詞を考えるのも結構難しいです汗

ニコラ・テスラがどんな方か知りたい人はニコニコ動画で『ニコラ・テスラ』と打つと可愛らしい女の子二人が紹介している動画があります。

あと個人的な話ですが、この間健康診断がありました。そこで気づいたこと
「へぇ、自分って172センチなんだ。乱菊さんとほぼ一緒じゃん(実際は筆先文十郎の方がちょっと高い)。まあ私の場合は腹が出ているんだけど。ははは……あれ、なんか涙出てきた」


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