天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。

先に申し上げますが、今回は間違いなく迷回になると思われる話です。

BLEACHに出演されている声優さん達がカバーされた曲を聞いてみた方がわかりやすいと思います(というより聞かないと意味がわからないと思います)


第九話 物真似マイク

技術開発局で一人の男が十二番隊隊長・(くろつち)マユリの部屋を訪れていた。

「涅隊長。お呼びとのことで参りました」

「おお。クズ、良いタイミングで来るじゃないか」

「あ、いや。俺はクズじゃ……いえ、何もありません」

男は言いかけた言葉を飲み込む。ここで「クズじゃない」と言えば怒りを買うと思ったからだ。そしてまずいタイミングで来てしまった自分の不幸を男は呪った。

「と、ところで涅隊長。今回は我々凡人が思わず度肝を抜かす大発明を?」

「度肝を抜かす?うむっ、確かに度肝は抜かすなぁ」

奇怪な顔の技術開発局局長は意味深な笑みを浮かべながら懐から黒い筒状の物を取り出した。

「見ただけで理解できないクズに、この私がわかりやすく説明してやろう。これは物真似マイク。これでこのマイクに搭載された曲を歌うとその者になりきってしまうという代物だ。と言った所でクズにはわからんだろうから私が一曲歌ってやろう」

「(『BLEACH』の初代エンディングテーマ『Life is Like A Boat』を歌ってます)」

「うぉぉぉっ!」

その美声に男は惜しみない拍手を送り、気づく。

「って、涅隊長はネム副隊長と一緒に『Life is Like A Boat』をカバーしているじゃないですか!歌えて当たり前じゃないですか!!」

「いちいち五月蝿い男だな、細かいことをグチグチと。じゃあお前が歌ってみろ」

そう言ってマユリは男に手渡す。

 

 

マイクの底にある自動モードというボタンを押して。

 

 

「じゃあ……え?」

男がマイクを持った瞬間、男の姿が変わる。いつの間にか男の目の前には全身が見える鏡が置かれていた。

「な、なんで俺、藍染隊長になってんの!?」

男の姿は紛れもなく眼鏡を破壊し髪形をオールバックにし『私が天に立つ』と言って尸魂界から消え去った藍染惣右介(あいぜんそうすけ)だった。

「え、えぇ、えええぇぇぇっ!?」

藍染の姿になった男は。

「(藍染惣右介の姿のまま速○奨(はやみしょう)ボイスで『キュティー○ニー』のオープニング曲を歌っています)」

(いや、これ……藍染隊長のイメージ崩れるから!BLEACHファンの藍染隊長のイメージ崩壊するから!)

しかし男が止め様にも、藍染の姿のまま男は速水○ボイスでキューティーハニーを熱唱する。

「はぁはぁはぁ……」

○水奨ボイスでキュー○ィーハニーを歌いきった男は思わずその場に崩れ落ちる。

「どうだいクズ。物真似マイクの性能は?」

「『どうだい」じゃないですよ!?BLEACHファンを敵に回すつもりですか!!・・・・・・え?」

批難する男の身体が勝手に動き出す。同時に姿が元五番隊隊長、藍染惣右介から十番隊隊長の日番谷(ひつがや)冬獅郎(とうしろう)に。

そして。

「(日番谷冬獅郎の姿のまま朴○美(ぱくろみ)ボイスで『○ューティーハニー』のオープニング曲を歌っています)」

(今度は日番谷隊長の声でまた『キューティーハ○ー』かよ!BLEACHファンを敵に回すよ!ホントにマジで!!)

どうにかして止め様とする男だが、先ほどできなかったことが今回もできるはずがなく、またしても日番谷冬獅郎の姿で○ューティーハニーを熱唱する。

「はぁはぁはぁ……」

○璐美ボイスでキュ○ティーハニーを歌いきった男は思わずその場に崩れ落ちる。

「く、涅隊長……」

いい加減にしてください!。元の姿に戻った男はそう言おうとした。が、言えなかった。

「ほらクズ。次の曲が始まるよ」

「次?……な!?」

またしても男の身体が勝手に動き出し、姿を変える。十刃(エスパーダ)の№6、グリムジョー・ジャガージャックに。

(ってまたキューティーハニ○か!!)

男の予想は的中した。

「(グリムジョーの姿のまま諏○部順一(すわべじゅんいち)ボイスで『キュ○ティーハニー』のオープニング曲を歌っています)」

「はぁはぁはぁ……」

○訪部順一ボイスで○ューティーハニーを歌いきった男は思わずその場に崩れ落ちる。

「ううう、あああ……」

男は崩れ落ちる。男にマユリを批難する余裕はなかった。

あるのはBLEACHファンを激怒させたのではないのか、という不安のみ。

「それじゃあどんどん行ってみようか。なあにそのマイクに内臓されている曲はまだまだあるからね」

邪悪な笑みを浮かべる上司を後先考えず殴りかかろうとした男であったが、今度は十刃の№4、ウルキオラ・シファーに変身し『ドラ○もんのうた』や『○の上のポニョ』の主題歌を熱唱。それが終わると元十刃№3、ネリエル・トゥ・オーデルシュヴァンクの姿で『ガッチャ○ン』の主題歌や『Dr.スランプ ア○レちゃん』の主題化『ワイワイワ○ルド』などを熱唱。

その後も姿を変え、よりにもよってBLEACHファンが抱くキャラクターのイメージを崩壊させる歌ばかりを熱唱させられた。

 

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

百曲以上歌わされた男は顔面蒼白な顔で部屋の布団に倒れこみながら思った。

この小説を読んだBLEACHファンの方々が心が広い方ばかりでありますように、と。

 

 

 

 

 

 




今回の話はBLEACHに出演された声優さんがカバーされた曲を聴いていて思いつきました。
あと「あのキャラがあの曲を・・・・・・嘘だろ?」と思われたかと思いますが、本当に歌っています。嘘だと思うでしょうが、本当です。

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