天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。

見えざる帝国との戦いが終わった10年後のif要素のある物語です。


新章第十五話 正月記念!護廷十三隊対抗凧揚げ大会

 マユリの私室。

 葛原(くずはら)粕人(かすと)は上司である(くろつち)マユリに呼び出されて部屋に来るや否や一枚の紙を渡された。

「えっと、『正月記念!護廷十三隊対抗(たこ)()げ大会』。開催日は明日ですね。ま、まさか……」

「そのまさかだ。クズ、お前が十二番隊代表として出ろ」

「……」

 粕人は固まるしかなかった。なぜならば書類が作られた日付は去年の11月。つまり12月時点ではマユリの手にあったと推測できる。にも関わらず粕人にはその情報が一切入っていなかった。むろん他の隊員の話で正月に凧揚げ大会があることは知っていた。しかしその責任者は誰がするかは十二番隊内であがることはなかった。故に粕人は上司である涅マユリが凧揚げ大会の責任者ですでに準備をしているものだと思っていた。

 しかし現実は何の準備もしておらずあろうことか部下である自分に翌日伝えるというもの。

「……わかりました。凧揚げの件、了承しました……」

 このようないきなりは日常茶飯事。逆らえば死よりもひどい実験と言う名の拷問が待っていることを知っている粕人は上司の命令を受け入れた。

 

 

 

 翌日。

 凧揚げ大会は壮絶なものだった。

 自分達の凧を一番高くあげようと凧と凧がぶつかり合い、凧を破壊しようと破道が飛び交う。

 粕人のあげるマユリの顔を模した耐熱性と耐久性を兼ね備えた特別製凧は揚げているのが粕人ということもあり十一番隊の更木隊長凧と二番隊の夜一様凧の集中攻撃を浴びて撃沈した。

 正月記念!護廷十三隊対抗凧揚げ大会は制限時間終了時点で一番高く上がったものを勝者とするというルールが定められている。このままでは凧を落とされた十二番隊が最下位が決定的だった。

(このままでは涅隊長に何されるかわかったものではない。卑怯だがアレを使う!)

竹馬棒(ちくばぼう)千寿(せんじゅ)護国(みくに)万耶(まや)!」

「「「「おう!!」」」」

 粕人の呼び声に四人の女性が答えた。四人は粕人の身体をマユリの顔を模した巨大凧に固定すると一気に凧を上空に浮き上がらせる。しかし並の死神以上の身体能力を持つ彼女らを持ってしてもはるか上空に位置する他の凧に追いつく様子はない。

「よし、やるぞ!」

 残り30秒。粕人は秘策に出た。

 粕人は頭の上にあるものを取り付ける。それはマユリに渡されたヘリ蜻蛉(とんぼ)改参だった。

 某アニメに登場しそうな秘密道具を頭につけた巨大凧は見る見るうちに他の凧の追従を許さないほど上昇する。

「よし!これで十二番隊の優勝だ!」

 残り数秒で勝利を確信した粕人は忘れていた。瀞霊廷(せいれいてい)には瀞霊壁(せいれいへき)がありその瀞霊壁に使われている殺気石(せっきせき)には霊力を完全に遮断する鉱石で作られていることを。そして殺気石には切断面から霊力を分断する波動が球体状に出されている。

 みるみる上昇する巨大マユリ凧は

 

 ジュウッ

 

 粕人と巨大マユリ凧は殺気石が放つ波動の障壁にぶつかり、水の入った灰皿に押し付けたタバコの火のように消えてしまった。

 

 

 

 翌日。

 正月記念!護廷十三隊対抗凧揚げ大会は特に目立つことなく上がっていた三番隊の優勝、最下位は最後数秒で消滅した十二番隊で終わった。

 その結果発表の紙を見たマユリは見る者を恐怖のどん底に叩き落す笑みを浮かべながら呟いた。

「さて、あのクズにはどんな拷問(人体実験)をしてやろうか!」

 




今日また実家を離れます。次回投稿はGW頃になるかと思われます。

その間もネタの提供や感想頂けると幸いです。

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