天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。


番外編 虎徹清音が涅マユリの発明品を拾ったようです

「ふふふ」

 外でぶらついていた(くろつち)マユリは不気味な笑みを浮かべながら歩いていた。そして(おもむろ)に懐から変哲(へんてつ)もない眼鏡を取り出す。

(これは透視眼鏡。よく漫画とかであるかけるだけで服などが透けて見える眼鏡だ。これがあれば誰が何を仕込んでいても一目瞭然だ。敵はもちろん親しき者であっても操られたりして爆弾を持っていたりする可能性も否定できないからな。この眼鏡があればそう言った事態にすぐに対応できる)

「えぇ、やだぁ!」

「いやいや、本当だって!」

「嘘でしょ!」

 マユリの前に可愛らしい女性死神が話しながら歩いている。

(よし、あいつらで試してみるか。おっとこれは私の発明品がちゃんと効果を発揮するか試すだけでそれ以外の目的はないぞ)

 そんなことを思いながらマユリが透視眼鏡をつけようとした時。

「あ、涅隊長。こんなところで何をされているんですか?」

「うわあぁっ!?」

 マユリが普段からクズと呼んでいる男が後ろから声をかけてきた。驚いたマユリは透視眼鏡を落としてしまう。

 その眼鏡を。

「ニャー」

 でぶでぶしい虎猫が地面に落ちる前にキャッチするとそのままどこかに消えてしまった。

「わ、私の……私の発明品が……」

「どうしたんです?涅隊長……ッ!?」

 男は後ずさる。マユリが怒りを露わにして刀に手をかけていたからだ。

「よくも、私の実験を邪魔してくれたな。クズの分際で!」

「え、実験?」

「今日と言う今日は許さん!お前の身体を解剖してホルマリン漬けにしてくれる、そこに直れ!!」

「い、嫌です!」

 男は背中を見せて逃げ出した。必ず捕まると知りながら。一分一秒でも長く生き残るために。

 

 

 

「ニャアー」

「あ、猫だ!」

 十三番隊第三席、虎徹清音(こてつきよね)の前にマユリが持っていた眼鏡を(くわ)えた猫が現れる。

「ニャー」

「くれるの?ありがとう!」

 猫は清音に眼鏡を渡すとどこかに消え去った。

「何だろう、この眼鏡?」

 清音は試しに眼鏡をかけてみる。眼鏡はかけているのを忘れるほど軽く、度が入っていないのか気持ち悪くなることはない。

「あ、そうだ。浮竹(うきたけ)隊長に書類を届けにいく途中だった。寄り道している場合じゃなかった」

 仕事を思い出した清音は眼鏡をかけていることを忘れて急いで宿舎に戻る。

「あぁ。戻ったか」

「あ、……え!?」

 清音は思わず固まった。そこには斬魄刀以外何も身に着けていない小椿(こつばき)仙太郎(せんたろう)の姿があったからだ。

「え、な、ワキクサアゴヒゲ猿!何で服着てないの!?」

「服?着ているじゃないか」

 仙太郎は(すそ)を引っ張る。しかし服が透けて見える眼鏡をかけている清音にはつまんでいる動作をしている仙太郎にしか見えない。

「う、うう、うわああああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!??」

 訳もわからず清音は赤面しながら駆け出した。

「どうしたんだ、アイツ?」

 仙太郎は何故か赤面して走り去る同席の後姿を見ていた。

 

 

 

(どういうこと?どういうことなの!?どうして皆裸なの!!??)

 かけているのを忘れるほど眼鏡が軽くかつ違和感がないため、清音はこの異常が眼鏡のせいとは気づかずにいた。

 見る人全てが裸。

 異常すぎる光景に頭の処理が追いつかず、浮竹に書類を届けると言う任務を忘れ、清音は自室で体操座り顔を隠す。

「おい、どうしたんだ。清音?」

 部下の異常を聞きつけた上司、浮竹が扉を開けて清音に声をかける。

「う、浮竹隊長……ッ!?」

 その時清音は見てしまった。敬愛する浮竹(うきたけ)十四郎(とうしろう)の裸身を。

 そして。

「ぶはああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっっっっっ!!」

 天井にも届きそうな大量の鼻血と共に床に倒れ込んだ。

「き、清音!誰か、急いで四番隊に!四番隊に連絡してくれぇ!!」

 出血死しそうなほどの鼻血を噴出した部下を介抱しながら浮竹は様子を見ていた隊員に命令した。

 その際、駆けつけた四番隊の隊員が清音の眼鏡を取った後、誤って踏みつぶしてしまったため、清音は二度とこのようなことになることはなかった。

 

 

 

 一方その頃。マユリがクズと呼んでいる男が瀞霊廷の隅で物言わぬ肉体になっているのが発見された。

 


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