天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

118 / 192
この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。

見えざる帝国との戦いが終わった10年後のif要素のある物語です。



番外編 阿近さんと一富二鷹三茄子

技術開発局。

「や、やべぇ……眠い…………」

12月31日23時頃。

技術開発局では十二番隊副隊長、阿近(あこん)が年末に向けて準備をしていた。年末ということもあり多くの人員が休みに入っておりかつ仕事も多忙を抱える。

さらにはこの数日は家に帰ることはもちろん風呂にもゆっくり浸かる暇もなかった。雑用のスペシャリストの葛原(くずはら)粕人(かすと)が死んでいることも忙しさに拍車をかけた。

舟をこぐ体を、コーヒーを飲んだり冷水で顔を洗うなどして耐えていたが限界が来ていた。

ついには幻覚を見るまでになっていた。

『よちよち、よちよち』

『おや、阿近が寝ようとしているな』

目の前には上司である(くろつち)マユリと羊の格好をした涅マユリ専属モルモット兼生贄、葛原粕人の姿があった。

『よし眠そうだな。羊を数えて眠らせてやるとしよう』

(いや、眠らせないで下さい……)

幻覚にそんなツッコミをしそうになるほど阿近は疲れていた。

『さあ、飛べ!キビキビ飛んで阿近に数を数えさせるんだ!!』

『ヒィ~~~!!』

いつの間にか用意されたサーカスなどでは定番の火のついた巨大な輪に立つ羊粕人が悲鳴を上げていた。

「それはかわいそうだから止めて上げて下さいよ!!」

そう突っ込むと、強面の副隊長は意識を失った。

 

 

「ん……ここは?」

目を覚ますとそこはのどかな草原だった。綺麗な青空、白い雲。

「ん?」

ある一団が阿近の目に止まる。そこには

「あ、あれは今年引退を表明した日○富士。その隣にいるのはルパン○世の時に味方、時に敵、時に恋人の○不二子。そして筆先文十郎が足を向けて寝られない藤子・F・不二○先生……。何か富士やら不二やら藤がつく名前が……ハッ!」

聡明な副隊長は気がつく。

「もしやこれは一富士(いちふじ)二鷹(にたか)三茄子(さんなすび)か!?」

その答えを証明するかのようにパタパタと空から何かが降りたった。

「どうも鷹です!」

「鶴だドンドコドーン!」

降り立ったのは鶴の格好をした眠八號(ねむりはちごう)だった。

「阿近さん!見た目で判断してはダメです!姿は鶴でも心は鷹です!」

「……でも鶴だよな?」

阿近のツッコミに眠八號は赤面してパタパタとどこかに飛び立ってしまった。

「う~ん、とりあえず俺は急いで仕事に戻らないといけない。見たところナスっぽいものもないみたいだし……とりあえず夢で寝てみたら逆に起きるか?」

そう思った阿近は横になって目を(つむ)る。

『よちよち、よちよち』

『おや、阿近が寝ようとしているな』

目をうっすらと開けるとそこには上司である涅マユリと羊の格好をした涅マユリ専属モルモット兼生贄、葛原粕人の姿があった。

『よし眠そうだな。羊を数えて眠らせてやるとしよう。さあ、飛べ!キビキビ飛んで阿近に数を数えさせるんだ!!』

『ヒィ~~~!!』

いつの間にか用意されたサーカスなどでは定番の火のついた巨大な輪に立つ羊粕人が悲鳴を上げていた。

「いいからそれは!!」

そう突っ込むと、強面の副隊長は意識を失った。

 

 

 

「…………ハッ!?」

意識を覚醒させた阿近は周囲を見渡す。そこはいつも見慣れた技術開発局だった。

「ふう、見ると縁起がいいといわれる富士?と鷹?は見れたとしてナスが見れなかったのは残念だったな。ん?そういえばなんか顎が重い、な……」

鏡を見て強面の副隊長が固まった。

そこには顎が茄子のように伸びた自分の顔があった。

 




昨日実家に帰ってきました。
見ていない間に色々な方が見ていただけていることに驚きました。
来年も引き続き読んでいただけると幸いです。

それでは皆様今年はお疲れ様でした。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。