本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。
見えざる帝国との戦いが終わった10年後のif要素のある物語です。
今回の話は残酷な描写が出ます。苦手な方は読まないことをお勧めします。
「クズ。お前には夢はあるか?」
資料を収めようと資料室に向かおうとする
「夢ですか?そうですね……」
上司の問いに粕人は腕を組んで考える。
「四番隊の隊花である竜胆の花言葉『悲しんでいるあなたを愛する』を具現化した前隊長の
それと他人に理解されなくても自分のやり方で皆に貢献する涅隊長のような死神に。
「その夢じゃないヨ!」
そう言おうとした言葉は上司の突っ込みによってかき消された。
「お前に聞いているのは実現したい夢ではなく寝たときに見る方の夢だ!」
そう言って奇怪な顔の上司は続ける。
「もう一度聞こう。クズよ、お前は寝るときに見る方の夢は見る方か?」
「夢ですか夢は……」
特に見ることはないですね。
そう言おうとする言葉を、粕人は口の中で止める。
(待て、葛原粕人。涅隊長は夢があるかないかと聞いているのだぞ?ここで『特に見ることはないですね』なんて言ってみろ。一気に不機嫌になった涅隊長が何をするか分からんぞ?例えば、『だったら今すぐ夢が見られるように麻酔なしの解剖や王水に全身を浸かるなどして恐怖に満ちたところで睡眠薬を飲ませるとしようかネ』など恐ろしいことを言いかねないぞ!!)
「あぁ!!よく見ます!!もうバリバリ見ますよ、涅隊長!!」
やや棒読みの部下の言葉に、マユリは満面の笑みを浮かべる。
「そうかそうか。それなら良かった。もし『夢は特に見ることはないですね』なんて言おうものなら『だったら今すぐ夢が見られるように麻酔なしの解剖や王水に全身を浸かるなどして恐怖に満ちたところで睡眠薬を飲ませるとしようかネ』と考えていたところだったヨ」
「あ、そうなんですか」
本当にするつもりだったのか、この人!?とは露にも出さず粕人は笑顔で答える。
「さて、そんなよく夢を見るお前のためにこんなものを開発した」
そう言ってマユリはどこからかキャタピラの上に白い手のようなものがついた物体を取り出す。
何ですか、これ?
そう聞く前にマユリは説明する。
「見ただけで理解できないクズに、この私がわかりやすく説明してやろう。これは
「あぁ、これってドラ○もんの夢た○かめ機ですね。『ド○えもん のび太の南海大冒険』で活躍した以外はネタにしかならない『なんでこんなひみつ道具作ったの?』って言われる――ッ!!」
男は慌てて口を押さえるが、遅かった。何故ならば目が笑っていない笑みを浮かべながらマユリが刀を抜こうとしていたからだ。
「
「い、いいい、いいえ!何でもありません涅隊長!!夢か現か確かめるなんて僕ら凡人には永久に思いつかない発想を思いつきかつそれを実現してしまうその発想力と実現能力!!流石は涅隊長です。これぞまさしく
叫ぶように賞賛の言葉を贈る男に、マユリは「
「というわけで早速使ってみろ」
「あ、はい……」
マユリに渡されると粕人はしぶしぶ使うことにした。
「今現在、僕は夢を見ている!」
粕人の言葉に反応し、夢現確認機は小柄な男のほっぺたをつまんだ。
数秒後。
マユリの前には夢現確認機に首がもげるほど引っ張られ、
「うむ。夢現確認機の引っ張る力を強くしすぎたみたいだ。これは改良するべきだネ」
そう言ってマユリは夢現確認機を回収すると研究室に歩みを進めた。