天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。

見えざる帝国との戦いが終わった10年後のif要素のある物語です。


新章第十話 粕人は最強最狂の死神に目を付けられたようです

 粕人は自室で瀞霊廷通信にある占いを読んでいた。

『9月14日A型の方。今日は涅隊長に目を付けられ更木隊長に追い回されるくらい最悪な一日になるでしょう。幸運を切り開くラッキーアイテムは赤色の物。血にまみれた身体を隠してくれるでしょう!』

「それでどんな幸運が切り開かれるんだ!」

 占いに突っ込みを入れる粕人。

「ま、占いは占い。どうせ外れるさ!」

 そう言って小柄な男は懐にいれた白いハンカチを取り出し、赤いハンカチを懐に入れなおした。

 

 

 

 一時間後。

 粕人は上司である(くろつち)マユリに中庭に呼び出されていた。

「クズ、こいつをつけろ」

「おとととっ!」

 奇怪な顔の上司が投げる物体を慌てて受け止める。見るとそれは大砲の砲口部を模した筒だった。

「見ただけで理解できないクズに、この私がわかりやすく説明してやろう。それは高圧縮空気弾。手にはめて撃とうと考えると空気の衝撃波が発射させるという仕組みだヨ」

「あぁ、『ドカン』と言う行程が意思に変わったところを除けばドラ○もんの空気砲――ッ!?」

 慌てて口を押さえる粕人だったが、遅かった。何故ならば目が笑っていない笑みを浮かべながらマユリが刀を抜こうとしていたからだ。

()(むし)れ『疋殺(あしそぎ)――」

「い、いいい、いいえ!何でもありません涅隊長!!撃とうと考えるだけで空気の衝撃波が発射させるなど僕ら凡人には永久に思いつかない発想を思いつきかつそれを実現してしまうその発想力と実現能力!!流石は涅隊長です。これぞまさしく尸魂界(ソウルソサエティ)のエジソン!涅マユリ!!!」

 バクバクとなる心臓の鼓動を感じながら賞賛の言葉を贈る男に、マユリは「エジソンなどと比べられてもネ」とまんざらでもない笑みを浮かべて刀を元に戻す。

「というわけで適当にそこの壁でも撃て」

「え、でも……」

「いいから『撃て』というのがわからんか!なんなら0距離でお前の腹を撃ってもいいんだぞ!」

「は、はい!わかりました!!」

 高圧縮空気砲を右手にはめると、粕人は壁に向けて空気砲を放った。

 

 ドゴーーーーーーンッ!!

 

 空気の衝撃波は壁に大きな穴を開けた。その威力の凄さをさらに際立たせるかのように大量の土ぼこりが宙に舞う。ふと強烈な風が土ぼこりを遠くに運び、

 

「!!??」

 

 粕人は恐怖で固まった。なぜならばそこには腹を押さえて片膝をつく鬼も恐れる十一番隊隊長・更木(ざらき)剣八(けんぱち)がいたからだ。

「久しぶりだな、ガキ。確か葛原粕人……とかいったか。さっきの攻撃、なかなかのもんだったぜ」

 粕人の上司であるマユリとはまた違う不気味な笑みを浮かべながら剣八は立ち上がって剣を抜く。

「久しぶりに俺と遊ぼうぜ!!」

「イヤアアアアアアァァァァァァッッッ!!!!」

 ガハハハハハッ!!と笑いながら向かってくる剣八に、粕人は脱兎の如く逃げ出した。

 

 

 

 その後流魂街から遠く離れた荒野で『生き残るためには最強最狂の死神を殺すしかない』と考えた粕人は使用者の腕や身体を動かし、握っているだけで相手と戦うことができる妖刀殲滅丸(ようとうせんめつまる)と着続けている限り手足が麻痺しても骨が砕けても鎧の力が続く限り動き続けることができる死守天装(ししゅてんそう)を装着。さらに筋肉を増強したり減少したりと筋肉の量を自分の意思でコントロールすることが出来る筋肉調節剤、一粒食べれば100日分のカロリーが摂取できる丸薬を数粒、顔に塗ってから丸い物を見ると狼男に変身しその者が持っている本能を爆発させるため本来眠っている力をフルに出せる戦闘能力増強クリームを服用。

 並の死神なら数秒で死に絶えるであろうドーピングに次ぐドーピングで自分と命のやり取りをしようとする、戦いに魅せられた死神に襲い掛かった。

 

「すげぇ、すげぇぞ!久しぶりに本気でやりあえるぜ!!」

 

 そんな粕人を前に、剣八は満面の笑みを浮かべた。

 歩法の達人、隠密機動総司令官・砕蜂(ソイフォン)に近い機動力と前七番隊隊長・狛村(こまむら)左陣(さじん)に迫るほどの腕力、冷静に戦況を見極め的確な判断を下す京楽(きょうらく)春水(しゅんすい)の足元に及ぶ的確な動き。

 速・力・知。すべてを兼ね備えた強敵に、剣八は眼帯を外し自分に牙を向く強敵との死闘を楽しんだ。

 

 

 

 粕人が白骨死体寸前までやせ細り絶命するその時まで。

 




筋肉調節剤が膨大なカロリーを必要とすることを失念していたので『一粒食べれば100日分のカロリーが摂取できる丸薬』をつき足しました。

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