俺の嫁はサイヤ人の王女様?   作:ssgss
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やっぱり昔のものを投稿することにしました。
新しいものを楽しみにしていた方は申し訳ありません。


最悪の出会い

 えーっと、これは一体どういう状況でございましょうか?

「うわ、うわああああああああああああああああああああああああんん!!!!!」

 うるせえ…。
 俺は自分の隣で泣く赤子に苛立ちを覚える、未来の英雄にこんな言い方はどうかと思うが、本当にうるせえ。
 それにしても、本当にどうして俺は()()()()になって、何故孫悟空……いや、今はカカロットか。
 どっちでもいいがどうして俺まで赤ん坊になってカカロットの隣で寝ているんだ!? 何、これって何? 俗に言う転生ってやつ? こんな死亡フラグまみれの世界に? ……ご冗談を。

「おいおい、スゴいなバーダックのガキが、パラガスの子供を泣かせたぞ。戦闘力は低くても、バーダックのガキは根性あるな」

「ああ。それに、ベジータ王は自分のご息女だけじゃなく、ターニップの息子……ホウレンだったか? にもかなりの期待を持たれてるって噂だぞ」

 うん、確信した。
 これ絶対惑星ベジータだわ、どうしよう、これじゃあ赤ん坊のまま俺フリーザに惑星ごと木っ端微塵にされちまうよ。
 しかもちょっと待てそこの戦士たちよ、今なんて言った? ベジータ王の、ご息女? それってベジータのことじゃないよな? だってベジータって男だもんな?

「いやーそれにしてもベジータ王女は素晴らしいな、女性の戦闘員、しかもまだ5歳だぜ」

 どうやら俺の耳がおかしくなったわけではないようだ。
 しかし、どうしてベジータが女になっている?
 これも俺がこの世界に来てしまったせいなのか?

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 あれから数年の時が流れた。
 何故か転生したことで名前がホウレンとなった俺は今、惑星クリンドと呼ばれる惑星(ほし)にいる。
 結果から言うと、俺はあの後すぐに惑星ベジータから俺の両親によって逃がされた。俺の親父であるターニップもカカロットの親父であるバーダックと同じように勘が鋭かったらしく、幼子である俺をこの穏やかな生物しかいない惑星クリンドに飛ばした訳だ。

「今の俺の年齢は5歳だから、ベジータ王子、いや、この世界だと王女は今10歳くらいだろうな」

 どんくらいの強さなんだろ?
 原作登場時のベジータは戦闘力が18000だったけど、今はそれよりずっと幼い。いくらガキのころにはベジータ王を越えていたといっても、15000に届くか届かないか、それくらいのはずだ。
 
「まあいいや、修行しよ」

 そう、俺はこの惑星クリンドに着いて、自分の力で立ち上がれるようになってからすぐに修行を始めた。この星は惑星ベジータ程ではないにしろ、重力は強い、おそらく地球の重力の7倍ほどだろう。

「ホウレン。今日も修行をしてるのかい?」

「まあな」

 俺に話しかけてきたのは、クリンド星人であるラコー。この星では俺の育て親である。
 ちなみに今の俺にももちろん尻尾はある、だから満月の日は絶対に空を見ないようにしている。

「毎日熱心なのは良いことだけど、どうしてそんなに強くなろうとするんだ? 別に強くなくたって、毎日が楽しいじゃないか」

 ……ふう、この星の奴は皆こうだ。
 どいつもこいつも強さを求めようとしやがらねえ、言ってしまえば貧弱な奴らだ。

「お前らも少しは鍛えろよ。そんなんじゃいつか敵が来たときに困るだろ」

「そうなってもお前が居てくれるからいいじゃないか?」

 はあ…。
 俺もどうにか宇宙船でも見つけて、この星から抜け出すかな。
 でもなぁ、この惑星クリンドはやたら飲み物が美味い。一口飲めば天にも昇る気分とは正にこのことだと、俺はこの星のドリンクを飲んで思った。

「しかしだな……ほら言った通りだ」

 俺は自分の耳に届いた落下音により、その音のした方向を向いた。

「何!? あっちは、長老がいる方角だ!」

 ……遠くから聞こえてくる轟音に、俺は瞬時に自分の気を低めた。
 どうせこんなことするのはフリーザ軍の誰かだ。
 スカウターなんていう壊れやすい機械に頼ってるような奴らじゃ俺は倒せないだろうな。

「ラコー、あんたはここにいろ。あっちの奴らは俺が守る。心配するな」

「わ、分かった。だがホウレン、気をつけるんだぞ」

 俺を心配するラコーに親指を立てて俺はその場を後にした。
 この気、結構強いな。
 でもギニュー特撰隊じゃないな。気が5つもない、それどころか一つしかない。
 となると、俺の知らないフリーザ軍の兵士か? どっちにしろ、会ってみれば分かるか、ソイツは俺には勝てねえってことが。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 俺が長老の住む区画にたどり着いた時には、惨状という言葉が似合うほどに酷かった。
 建物は煙を上げて、崩壊し、村人たちも皆体から血を流して倒れている。だが、それでも微かな気を感じるから生きてはいる。
 だが……

「お前がここをこんなにしたのか? あんまり人様に迷惑をかけるようなやり方は俺は好まんのだが?」

「ん? あら、あなたサイヤ人じゃない。私たち以外にもまだ生き残りが居たのね。……けど、戦闘力たったの800。その程度じゃ私には勝てないわよ」

 俺にそう言ってくるのは肩ほどまでの長さのショートヘアの黒髪、戦いに身を置いているはずなのにまったく汚くない、それどころか美しいとさえ感じるその黒髪をしたその女の右目に青のスカウターを掛けている。
 誰だこいつ? 私たち以外って言葉から分かるのは、こいつも俺と同じサイヤ人のはずだが、こんな奴を俺は知らないぞ。

「それにしてもここの星の人たちは弱くて話にならないわね。弱いんだからさっさと、この星を渡せばいいものを」

 その女は、転がっているクリンド星人を足蹴にする。
 やれやれ、強いものが弱いものを淘汰する。それは自然なことだが、俺が育った星をここまでボロボロにされちゃあ、ちと腹が立つな。
 見たところ俺より年上みたいだが、サイヤ人には関係ねえ。

「おいあんた、スカウターを外して俺と戦え。ソイツでフリーザ軍の奴らに連絡されたら面倒だ」

「………………」

 女はスカウターを外したかと思うと、突然それを踏み潰した。
 スカウターを着けていても分かってはいたが、こいつ、かなりの美人だな。

「まったく、格の違いが分からないなら、教えてあげるしかないわね。超エリートサイヤ人の力教えてあげる」

 ……その言葉、その構え、まさか…。

「おいちょっと待て、あんた…名前は」

「…ハハハ! そうね、今から死ぬあなたには教えてあげるわ。私の名はベジータ。いずれこの宇宙の頂点に立つものよ」

 俺と彼女の出会いは、それはそれは酷い出会いであった。




途中までは昔のものを再投稿するだけなのですが、途中からは前とは展開を変えるので不定期更新になります。

あと、前とはベジータの髪型を変えました。

変更前:セミロング

変更後:ショート