トランクスが再びこちらの歴史へとやってきた。
未来の師匠、悟飯によって教えてもらった気の察知能力、それによって2つの場所で大きな気を感じ取ることが出来た。
「2人の人造人間は別々に出現したのか…?」
取り敢えず北の都に飛び立つことに。
その頃地球に向けてターレスも移動をしていた。
あと1時間で地球にたどり着く、既に地球から発せられる気を僅かながら感じ取っていた。
最後の休養という事で軽い眠りについた。
北の都。
悟空とラディッツは攻めきれないもどかしさに悩んでいた。
特にラディッツは気を吸い取られたことにより、19号よりもパワーが落ちているので、今の所戦闘経験によってその差を埋めているが次に少しでもパワーを取られたら一気に畳み掛けられてしまう。
そして2人とも本気を出しておらず、様子を見られていると言う感じがしていた。
と、そこにトランクスが到着。
「トランクス!」
「悟空さんに…貴方は?」
「お前がトランクスか、俺はラディッツ。カカロットの兄だ」
「貴方がラディッツさん!初めまして」
軽くお辞儀をする。
と、トランクスが人造人間の方へ向き直ると、
人造人間はデータにない人間が来たことに驚きの表情を見せている。
しかし、それはトランクスも同じであった。
「お、俺の知っている人造人間じゃない…!」
その言葉に人造人間が反応し、言葉を返す。
「その口ぶり、お前はどこか違う世界から来たのだな。お前の言う人造人間とは黒髪と金髪の奴らだろうか」
「!!そうだ…人造人間17号…18号…」
「そうか。私はドクターゲロ。そいつらを作った者。そして又の名を人造人間20号と言う」
「人造人間…20号…」
「そしてこいつが人造人間19号」
「人造人間が4人…そんな…」
話についていけていない悟空とラディッツ。
ようやく口を開いた。
「トランクス、おめぇの未来じゃ17号と18号って奴らが暴れたんだろ?」
「はい」
「ならきっとベジータ達が戦っている奴らだ。ここはオラ達に任せておめぇはそっちに行け」
「え!?で、ですが…」
「良いから行け!」
「は…はい!」
トランクスはベジータ達の方へと急いで飛び立った。
悟空とラディッツは既にこの周りに無数のカメラが戦いのデータを収集していることに気づいていた。
トランクスはジョーカー。ならば今ここでデータを渡すわけには行かない。ドクターゲロという奴がここに居るのなら、恐らくあちらにはトランクスが倒さなければならない仇が居る。それにベジータに会いたいであろうと思った上での行動であった。
「懸命だが愚かだな。2人の命を捨てて1人の命を救うか」
「そいつはどうかな…?」
と、悟空が黄金の気を纏う。
「どうだ?」
「予測済み、それは超サイヤ人」
19号が口を開く。
「やっぱりか…どうする。カカロット」
「ラディッツ、一回落ち着け。オラも超サイヤ人のデータを取られたのは分かってる」
「ならなんだ?」
「後30分位か…時間稼ぎするぞ」
ラディッツも上を見上げた悟空の仕草によって把握する。
ターレスが到着するまで耐えなく。
それが今の2人に出来る事。
南の都。
「ちっ…超サイヤ人でも敵わないなんてな…」
「はぁ…こんな者なのか、これじゃあ孫悟空って奴も弱そうだな」
「くっ…」
と、1つの気が近づいてくるのを感じた。
「貴様は?」
降り立ったその青年に問う。
「初めまして、ベジータさん。それに…」
「ナッパだ」
「ナッパさん。トランクスです」
「そうか…お前が…」
「ベジータ、3人で掛かっても変わると思うか?」
「さあな、だが今はこいつの力を信じるしかないだろう。トランクス、行くぞ」
トランクスは未来では死んでしまった父の逞しく勇ましい背中に見惚れていた。
そして悟空さん達は父さんに合わせるためにあっちに行けと行ったのだと気付く。
ならば、感謝の意を込めて結果を出すしかない。
「はい!」
トランクスが超サイヤ人になる。
「そうこなくっちゃ」
目の前には憎き18号、ベジータとナッパは17号と対峙する。
そして剣を引き抜くと何度目になるかも分からない人造人間との戦いに身を投じた。
再び北の都。
あれから30分は経った。
もうすぐターレスが到着するはずだが、先に悟空達の方が限界を迎えそうであった。
悟空はもう超サイヤ人になる気力は残っておらず、ラディッツに関してはあの後パワーを吸い取られ、悟空が2人を相手する状況下になった。19.20号共そろそろ頃合いと見て攻撃の手を厳しくしていく。
恐らく個の力であれば、超サイヤ人の悟空は2人より互角かそれ以上。しかしvs2人になった事で圧倒的に劣勢。
そして遂に20号に足を掴まれる。
「しまった…!」
「では、エネルギーを頂こう」
「ちっ…させて…たまるか!」
地面に横たわっていたラディッツがその体制のまま、20号に気弾を放つが19号が間に入り塞がれてしまう。
「19号、お前はあいつのエネルギーを吸収するんだ」
「了解しました」
ラディッツに近づき首根っこを掴むと3度目のエネルギー吸収が始まった。
悟空は何とかもがいているが、ラディッツに関してはもがく気力もなく苦しそうに声を上げている。
「くっ…ぐぐ……まだ……まだだぁぁぁぁぁ!!」
悟空が最後の力を振り絞り一瞬だけ超サイヤ人になる。
そして油断していた20号の頬に掴まれていない足で蹴りを入れる。
「ぐっ!」
すぐ様掴みかかろうとする20号と気を使い果たし倒れこむ悟空。
しかし横から19号の声が響く。
「新たな反応あり」
「何?…これは上か!」
するとすぐ側にポッドが着陸した。
「へへ…時間は稼いだぞターレス…」
そのまま気を失う悟空、19号の手から離れたラディッツもまた気を失った。
ポッドが開き中から悟空と似た顔の男が出てくる。
「貴様らが人造人間か」
「む……データにあるな…お前はターレスか」
「ほぅ、あまりこの星には居なかったが良く分かったな」
「この星おいて私の目はどこにでもある。全てデータとして収集済みだ」
と、ターレスがニヤリと笑う。
人造人間に近づきながら話を続けた。
「地球においては…だろ?」
「……」
「所詮、貴様らはその程度。宇宙にまで目を向けられない下級者だ」
「……19号!奪ったパワーを試すときだ」
「はい」
「そうか、なら俺も試させてもらうか。神精樹の実を食べ続けた力を」
簡単な力の図
人造人間内なら、
17>18>19=20。19と20はエネルギーを吸収出来るのであまりにも大きすぎる力でなければ17号と力を超えることも可能です。
サイヤ人達は
超トランクス>超ベジータ>超悟空>ナッパ>ラディッツといった感じです。
ターレスは一体どこになるのかは次回のお楽しみです。