インフィニットストラトス ~空から降ってきた白銀と少女~   作:鉄血のブリュンヒルデ

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始まりの始まり Fourth Episode

皆さん初めまして!織斑一夏です!今日は束さんが家に来ると千冬姉から聞いて、昼食の素麺を湯がいています。

 

え?なんで俺がナレーションしてるかって?初登場だからですよ!

なので今回は作者に変わり俺がナレーションをしていきます。

 

ピンポーンッ

 

あ、束さんが来たみたいですね。

 

「はーい、ちょっと待って下さーい」

 

ピンポーンッピンポーンッピンポーンッ

 

「ちょっと待って下さいってば!」

 

玄関の扉独特の重みを感じながら扉を開くと、そこには束さんと見慣れない女の子がいた。

 

「ヤッホー♪いっくん久しぶりー♪」

 

「確かに久しぶりですね。とりあえずどうぞ上がって下さい」

 

「うん♪ん?これは麺つゆの匂い?やったー素麺だぁー♪」

 

麺つゆの匂いってそんなに強いっけ?あ、束さんだからわかったのか。

 

束さんがノリノリで家に入って来ると、後ろからおどおどしながら女の子もついてきた。なんなんだ?あの子。

 

「あ、そうだ。ねぇいっくん」

 

「はい?」

 

「この子はステラ・ターナーっていうの。後でちーちゃんが帰ってからしか話せないんだけど、この話はいっくんにも聞いて欲しいの」

 

「え?いや、いいですけど」

 

その時、玄関の方からガチャッという音が聞こえた。

 

「今、戻った…」

 

少し気だるそうだが声の感じでわかる。我らが世界最強(ブリュンヒルデ)、織斑千冬だ。

だが、そこには奇妙な光景が広がっていた。

 

「お帰り、千冬…姉?」

 

なんと、歩きながらうとうとしていた。あの千冬姉が。

 

「どうしたいんだ?千冬姉」

 

「ん?あぁ、一夏か…気にするな。ただの時差ボケだ…」

 

この時、「全世界の女性にこの姿を見せてやろうか」と思ったのは秘密だ。

 

その時、リビングから束さんが飛び出してきた。

 

「ヤッホーーー!ちーちゃん久しぶりーー!」

 

「騒がしい」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁ!?ちーちゃん、アイアンクローはだめぇぇぇぇ!」

 

加速をつけて飛んで来た人を片手で止めて更にきっちりアイアンクローを決めた。もはや人間じゃないな。

 

「一夏、今失礼な事を考えなかったか?」

 

うぇ(いえ)まりも(何も)!」

 

俺は焦るとたまに滑舌が悪くなる。非常に不便だ。

 

「ちーちゃん!早く降ろして!頭蓋骨が!」

 

バキッ!

 

「あ、これ割れた。ハハッ、割れた」

 

バタッ

 

「束さん?!え?!ちょっ、えぇ?!」

 

割れましたか。頭蓋骨が割れましたか。

 

 

そんなこんなで一時間が経った頃。

昼食と束さんの回復が終わり、今は座敷で向かい合って座っている。真剣な話をするならやっぱりここが落ち着く。

 

 

 

 

 

「それじゃあ本題に入るね………この子を、預かって欲しいの」

 

「「………は?」」

 

束さんに突然そんな事を言われ、間抜けな声を出してしまった。まぁいきなり子供預かってって言われて困惑するなって方が無理がある。

 

「束、きちんと最初から説明しろ」

 

「あのね、詳しくは話せないんだけど。この子は今親の所に帰れないんだ。あ、虐待とかじゃないよ?本当なら私が面倒見たいけど、この子に逃亡生活なんてさせたくないし。だからお願い!ここでこの子を預かってくれないかな?お願いします!」

 

すると突然束さんが土下座をした。あの束さんが、だ。

 

「お前がそこまでするとはな。おい、ステラと言ったか。お前はどうしたいんだ」

 

急に話を振られ女の子、ステラさんはあたふたした後に今までほとんど閉じていたその口を開いた。

 

「私は束さんと一緒に居たいです。でも私が居る事で束さんに迷惑がかかるなら私は束さんの元を離れようと思いました。でも織斑さんの迷惑なら、私は一人でどうにかします」

 

「そうか、なら一人でどうにかしろ」

 

「え?ちーちゃん?!」

 

「おい千冬姉!いくら何でもそんな言い方ねぇだろ!」

 

「……分かりました」

 

そう言うとステラさんは立ち上がってお辞儀をして部屋から出ようとした。しかし、その時。

 

「合格だ」

 

「「「え?」」」

 

千冬姉の謎の言葉にまた俺は間抜けな声を出してしまった。そしてそれは今度は束さんとステラさんもだった。

 

「ここで変に食いついたりせずに、自分の発言に責任を持てるのか。それを試したんだ」

 

その言葉を聞くと、ステラさんと束さんは力が抜けた様に座り込んだ。

 

「もー、ちーちゃんびっくりしたよぉ…」

 

「すまない事をしたな。それに、一夏の反応も見たかったからな」

 

ニヤリと笑いながら千冬姉はそう言った。その言葉に反応して、ステラさんの方を見てから俺は話を始めた。

 

「今まで家族は千冬姉だけだったから少し複雑だけど。でも出来る限りの事はするよ」

 

「良かったな束。一夏がこんなで」

 

「うん!いっくんありがとう!」

 

そう言いながら束さんは俺に抱きついた。いくら天才って言ってもこういう無邪気な所は子供と変わらない。

 

「さてと、なら空き部屋を片付けるか」

 

「え?千冬姉が片付け?」

 

スゥッ…

 

「ごめん千冬姉。謝るから無言で構えるの止めてくれ」

 

そして、部屋の片付けを始めて三時間。

 

何故こんなに時間がかかったかと言うと、その部屋にたまたまアルバムが仕舞っておりそれを見て束が幼い千冬姉を見てはしゃいでそれを恥ずかしそうにアイアンクローで誤魔化して、また頭蓋骨割ったり。

 

束が時間削減の為にと作った超強力掃除機を作ったが暴走してブラックホールが出来そうになったのを千冬姉が自力で止めたり。

 

俺が作るの忘れてたプラモを見てステラさんが目を輝かせてたから「いる?」と聞いたら思いっきり首を縦に振って、そこから色々教えて若干時間使ったり。

あ、ちなみにこの時に「さん」はいらないと言われて呼び捨てと普通に喋っていいと言われたのでやっと楽になった。

 

そして貯まったごみをゴミ置き場に束が持っていこうとして全員で必死に止めたり。

 

あれ?ほとんど束さんのせいだ。

 

……まぁ!そんなこんなで三時間。

 

「ふぃー。疲れたー」

 

「本当だ全く」

 

ゴキッ(首が折れる音)

 

「いやいやちーちゃん。これは不味いよ」

 

「お前なら大丈夫だろう」

 

バコッ(首がはまる音)

 

「いや大丈夫だけどさ」

 

うわお、ここに人外が二人も。

 

そんな人外トークが繰り広げられている時に。

 

ぐぅーー

 

「あ…………//」

 

ステラのお腹が鳴った。

 

「ふっ、そうか腹が減ったか、丁度いい。一夏、今日は豪華な料理でも作れ」

 

急にそんな事言われても……なんて言えば何をされるかわからない。

 

仕方ない。飛びっきりの料理を作って驚かせてやる。

 

「あ、料理なら私も手伝います」

 

「良いって、今回は祝いなんだし。それと、敬語は無しな。俺が普通に喋っていいならステラも普通じゃないと落ち着かねぇよ」

 

「あっなら、その…一夏、手伝う」

 

「いや、だから良いって。ステラがうちの家族になることの祝いの料理なんだから、祝われる側が作っても仕方ないだろ?」

 

「いや、でも」

 

「ステラ、ここは一夏に任せておけ。コイツの料理の腕はそこらのレストランにも引けを取らん」

 

「そうそう、いっくんの料理は絶品だよ!」

 

「なら…一夏、お願い」

 

「おう、期待して待っとけ」

 

そうして俺は有るだけの材料で料理を始めた。

 

 




今回少し短めです!
それと、次回から登場させるキャラの性格で迷っています。出来れば意見頂ければありがたいです。

すみません。
ここのは消して活動報告の方にアンケートを作りました。お手数おかけしますがどうぞよろしくお願いします。

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