インフィニットストラトス ~空から降ってきた白銀と少女~   作:鉄血のブリュンヒルデ

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ここから新章開始です!
そしてお気に入りが一人増えてめっちゃ喜んでいる作者です笑


大冒険の始まり
始まりの始まり First Episode


「「「出来たーーーーー!」」」

 

『マスター、束さん、クロエさん、お疲れ様です』

 

ステラとギンギラが地球に来てから、既に7ヶ月が経っていた。ギンギラの新機能の搭載、リミッターの調整、コアの適合率の調整、それらを兼ねてのシュミレーションを何度も繰り返して遂にギンギラの調整は終了した。

 

「やっと終わった。もっと早ければ良かったけど流石にこれが限界かな…今までお疲れ、スーちゃん、クーちゃん」

 

「ギンギラの整備とかはやったことあったけど、ここまで本格的な物は初めてだよ…」

 

「やはり、未知の技術が使われている事もあり作業は難航でしたね。これでも早い方かと思われます」

 

全員が疲労と睡眠不足で今でも倒れそうな時に、束はフラフラしながらデスクに向かった。

 

「スーちゃん。一つ提案があるんだけど」

 

「なんですか?また新機能とかだったら嫌ですよ?」

 

「流石に束さんでもこれが限界だよ…ってそうじゃ無くて、スーちゃんにはここを出て貰いたいんだ」

 

「……………え?」

 

突然の束からの提案に思考が追い付かないステラは、やがて理解し始めて困惑した。

 

「え?どうして!?私何か、悪い事しました!?」

 

「あっ、違う違う!ごめん、疲れすぎてて言葉のチョイス間違えた。あのね、これから私とクーちゃんはギンギラちゃんの改修と同時進行で建造した移動型ラボで色々な場所を転々とする予定なの。だから、スーちゃんはここじゃない場所、出来れば私の親友に預けたいって思うんだ」

 

「どうしてですか?私がいたら邪魔なんですか?」

 

「だから違うって!私とクーちゃんはもう慣れてるからどうって事無いけど、スーちゃんにはこんな生活を送って欲しくないんだ。普通に学校に行って、友達作って、そうやって生きて欲しいんだ。だからね?」

 

「でも…」

 

「大丈夫ですよステラ様。ステラ様は沢山の人と繋がって、一番星を目指すと言いました。ならこれはその為にも必要な事です」

 

「クロエさん…」

 

「決めるのは、スーちゃんだよ」

 

 

「私は………………」

 

 

 

 

 

 

その後ステラは束達と新しく作った自室に行き、布団にその顔を埋めた。

 

「私は…どうすればいいの?」

 

ステラはこの7ヶ月の事を考えていた。

 

 

あの日、ここに落ちた日。私は束さんに手当てをしてもらった。ギンギラの修理もしてくれた。

 

4日目の日、私を家族って言ってくれた。私の為に色々考えてくれた。

 

今日までの7ヶ月、ギンギラの改修と調整、そしてこの星で生きる上での基礎知識とISの基礎知識を教えてくれた。

 

そして今日、私の将来を心配してくれた。

 

 

 

……その夜、ステラは部屋から出る事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-翌朝-

 

 

「…束さん」

 

束達が朝食をとっていると、心を決めた様な表情のステラが立っていた。

 

「私決めました。ここを出て、束さんの親友の所に行きます。そして、前に言ってたIS学園に入学出来る歳になったら、IS学園に入ってもっと色々な事を学んでここに帰ってきます。そして、束さんの夢の手伝いをする」

 

「スー、ちゃん?それ本気で言ってるの?」

 

「はい、本気です」

 

ステラの言葉に束は感激のあまり少し涙目になっていたが、直ぐに涙を拭い満面の笑みをステラに向けた。

 

「わかった!それじゃあ今から私の親友に連絡取るね!」

 

「束様、親友とは千冬様の事でしょうか?」

 

「そうだよ、て言うか束さんが親友と呼ぶ人間はこの世に三人だけだよ?」

 

「千冬様?それって前の話に出てきた世界最強(ブリュンヒルデ)の織斑千冬さんですか?」

 

「うん!ちーちゃんは私の大親友なのだ!ちょっと待っててね~、直ぐに繋げるから」

 

そう言うと束はポケットからスマホを取り出した。少し前にステラの日用品を買うついでにステラの物を買い、束は機種変更した物だ。わざわざ変装までして。

なんでも「これが個人的に一番カメラと画像処理が高性能で、何より画面が広くてゲームがより一層楽しめる」との事だ。購入した際にステラは「エクスサーマル?」と聞き間違えていた。そしてクロエは初めて束から買って貰ったガラケーをこれからも大切に使っていくと言って束を泣かせていた。

 

prrrr prrrr prrガチャッ

 

『なんだ、束。お前から電話とは珍しいな』

 

電話口から凛々しく、威厳を感じさせる様な声が聞こえた。

 

「うん、実はちーちゃんに折り入ってお話があるんだけど、今度いつ日本にいる?」

 

『明々後日には日本に着くぞ、て言うかお前出歩いて良いのか?噂ではまたお前の捕獲に失敗したとどこかの国の官僚がぼやいていたらしいぞ』

 

「ふふーん、私を捕まえようなんて事にISを使ってる内はこの大天才束さんは捕まえられないよ!ハハハッ!」

 

束が高笑いをしているとスマホから今度はため息が聞こえた。

 

『天災の間違いだろ。で?話とはなんなんだ』

 

「とっても大事な話だよ。だから直接会って話すよ」

 

『?…まぁいいさ、それで?いつ来るんだ?」

 

何時もなら出さないような束の真剣な声に戸惑いながらも、千冬は質問を変えた。

 

「明々後日!」

 

『……まぁ、私は昼頃には帰る。今は夏休みだ、家には一夏がいるだろうから茶ぐらい出すだろ』

 

「わかった、じゃあまた明々後日ね~♪」

 

『あぁ』

 

ブツッ、プー プー プー

 

電話を切ると束は急にどっと疲れた顔になった。さっきのテンションはどこへやら。

 

「はぁー、ちーちゃんと話すの久しぶり過ぎて緊張したー…。て言うか、もう限界…」

 

束はそう言いながら近くのソファーにもたれ掛かった。

 

「とりあえず、今日はもう寝よ。あとスーちゃんとクーちゃんはこっち来て」

 

「え?良いですけど、なんですか?」

 

「わかりました」

 

二人が束の元に行くと、束は二人を抱き寄せた。

 

「このままここで寝ちゃおうよ」

 

「え、いや、寝るならベッドに…」

 

「やだ、ここがいい」

 

「しかし、私達は…」

 

「三人一緒に寝るの」

 

「「はい…」」

 

二人はそのままされるがままになってそこそこ大きめのソファーの上で瞼を閉じた。

 

「ねぇ、スーちゃん。私はスーちゃんと離れ離れになってもスーちゃんの事見守ってるし、大好きだよ」

 

「…ステラ様、私も同意件です。これから大変かも知れませんが、そんな時はいつでも連絡を下さい。いつでも励ましますよ」

 

二人にそれぞれの言葉を聞き、今まで自分が大切な人間と思われていた事を嬉しく思いながら迫ってくる眠気に身を任せた。

 

「うん。私も、大好きだよ…束、さん……クロ、エさん……」

 

そしてやがて全員が眠りについた頃にギンギラは静かに自分達が落ちてきた時に開けた穴から、夜空を見上げていた。

 

『今頃、EDN-3rdではまだ戦闘が行われている。あの戦いはそう簡単には終わらない筈。どうかご無事で、

 

 

 

 

 

 

 

……ブレン』

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は短めです。

どうしよう、全然転入までの下りがまるで思いつかない笑

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