インフィニットストラトス ~空から降ってきた白銀と少女~   作:鉄血のブリュンヒルデ

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始まりの始まり Fourteenth Episode

 

冬も終わり、春が芽吹き始めた3月。

この月に行われるのは、ステラや一夏達のいる中学校の卒業式。そして公立高校の入学試験である。

 

「一夏、準備出来た?」

 

「おう、出来てるぜ」

 

「頑張って来てね!私応援してるよ!」

 

「そっか、ステラの入試ってもう終わってるんだっけ」

 

「うん」

 

本来IS学園の入試も、一夏の受験する藍越学園と同じ日に行われる。しかしステラは。

 

「ステラすげぇよな。IS学園の推薦入試通るなんて」

 

「へへへっ」

 

そう、ステラはIS学園の推薦入試の枠を校内で勝ち取り、尚且つ合格したのだ。

IS学園は全世界から入学志願者が受験する為、普通入試でさえ倍率は10倍を超えている。故に推薦入試の枠は一校につき2枠しか無く、その中でも受かるのは僅かな学生だけだ。

 

「確か、今日荷物送るんだよな?」

 

「うん、それで明日専用機申請の為に1回IS学園に行ってから、なんか試験とは別に模擬戦するんだって。それで明後日にはここを出る……」

 

「不安なのか?」

 

「え?ううん!違うよ?!」

 

一夏の言葉にステラは酷く動揺しながら答えた。流石に一夏でもこれには気付いた様で、ため息を吐きながらステラに向き直った。

 

「ステラ、不安なら電話でもすればいいだろ?それでも不安なら1回帰ってくればいい。いつでも帰って来いよ。お前が鈴に言ったんだろ?ここがホームだって」

 

「一夏……」

 

『マスター、私もいます。ですから何かあれば溜め込まずに私や信頼出来る人に吐き出しても良いのですよ?』

 

「ギンギラ……」

 

一夏達の言葉にステラは1度俯き、そして満面の笑みを浮かべながら顔を上げた。

 

「うん、そうだね!ありがとう!」

 

「おう」

 

『はい』

 

「それじゃあ、行ってくる」

 

「うん、入試頑張ってね!」

 

「あぁ!」

 

ガチャッ、ガタンッ

 

「よしっ!じゃあ始めようか!」

 

一夏が家を出た途端にステラは立ち上がり、荷造りを始めた。3年間で増えた荷物一つ一つに思いを馳せながら。

そして1時間程経った頃ステラは自分の僅かな、しかし思い出が多く詰まった荷物を眺めていた。

 

「……………こことも、お別れだね」

 

『はい。ここには多くの思い出があります。楽しかった事も、辛かった事も』

 

「うん、そうだね。半年前は身体中撃たれてたなんて思い出す暇も無かったね」

 

『こう言ってはなんですが、EDN-3rdを離れてこの星に来て良かったと思います』

 

「流れ着いた星がここで良かった。2つ目の家族も出来たしね」

 

その時、机の上に置いてあったテレビのリモコンにステラの手が触れて、そのまま落ちてしまった。そしてその衝撃でスイッチが押されてテレビの電源がつき、そこにはニュース番組が流れていた。

 

「あぁもう!なんか締まり悪いなぁ…」

 

そう言いながらリモコンを拾おうとするステラの耳に、慌ただしいニュースキャスターの声が響いた。

そしてその一言は、世界を震撼させた。

 

『え?!た、たった今入った速報です!なんと世界で初めてISの男性適合者が現れました!』

 

そして次の一言が、その者の関係者を驚愕させた。

 

『名前は織斑一夏!第1回モンド・グロッソ優勝者織斑

千冬の弟の織斑 一夏君です!』

 

「は?」

 

「「「「「「「「「「はぁぁ?!」」」」」」」」」」

 

そして、後に世界はもう一度揺れる事となる。

 

二人目と三人目、そして四人目の男性でありながらISに適合した人間。

 

 

 

五反田 弾、御手洗 数馬、津上 翔一の存在によって。

 

 

 




やっと1章が終了しました!
ここまで長かった!そしてその割に最後が短い!

とりあえず次回はキャラ紹介をします。
その次からはようやく本編突入!出来ればお楽しみに!

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