インフィニットストラトス ~空から降ってきた白銀と少女~ 作:鉄血のブリュンヒルデ
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新星少女 Episode Start
「ふんふんふーーん♪後3ヶ月でいっくんも中学生かー。制服姿楽しみだなー♪」
大きなディスプレイの前で高速でキーボードを叩きながらそう言う少女は、ファンタジーから出て来た様な独特な格好をしていた。
機械的な兎の耳に、ドレスを纏った少女。
その名前は篠ノ之 束。
現在、この星で知らない人は殆どいないと言われるマルチパワードスーツ『インフィニットストラトス』、通称ISの開発者である。
そしてここは、束の数ある秘密ラボの1つである。彼女はISの動力源のコアを467個製造し何故かそこで製作を止め、行方を眩ませた。故に彼女は世界の全ての国から絶賛逃走中なのだ。
そして、彼女がキーボードでディスプレイを操作していると
キィーーーーーーーーーン
と、空気を切り裂く様な音が周囲に響いた。
「おや?レーダーに反応だ。ISの反応じゃないし、そういえば外に監視カメラあるんだっけ。えっとー、え?!空から何か落ちてきてる?!えとえと、取り敢えず逃げるんだよォォォォォ!」
ドカーーーンッ
束が猛ダッシュで逃げると、先程いた場所にはクレーターが出来ていた。
「えぇ?!何、あれ?」
そしてそこには、人の形をした白いロボットの様な物がクレーターに背中を預けていた。そして、そのロボットの胸部が開き、中から―――
「え?!女の子?!えぇっとぉー、くーーちゃーん!取り敢えず今すぐ来てぇ!」
束が大声で叫ぶと、近くのドアから銀色の髪の少女が入ってきた。
「束様、どうかしましたか?………何ですかこれ」
「束さんもわからないよ!それよりほらほら!あそこにドカーーーンッ!って落ちてきたあれの胸の所がパカーンッて開いて女の子がでてきたんだよ!」
束は必死に自身の助手や家事等を担当している『クロエ クロニクル』に状況を説明しようとしているが、混乱して擬音ばかりになりクロエも混乱しだしている。
「取り敢えず見た方が早いよ!ほら!こっち!」
そう言ってクロエの腕を引き、クレーターの中心へ向かう。そしてそこには、透き通る様な白い髪の少女が倒れていた。
「ねぇ?!いるでしょ?!」
「えぇ、居ますね。しかし運ばなくていいんですか?怪我をされている様ですが」
「あっ、そうだった…取り敢えず寝室に運ぼうか。うんしょっと、うわぁーこの子かるーい!ねぇ!くーちゃんほらほら、一人で担げるよ♪」
少女を背負いながらぴょんぴょん跳ねて束がはしゃいでいると突然後ろのロボットの様な物の2つのカメラアイが十字型に光った。
『待ってください』
「え?今の声、くーちゃんじゃないよね?」
「はい、違いますが」
クロエからの答えを聞いて束はゆっくり後ろを振り向いた。
『その人をどうするつもりですか?』
「うぉーー!ロボットが喋った!ねぇ、くーちゃん今の見た?!喋ったよ!」
『質問に答えて下さい、その人をどうするつもりですか?』
束が興奮するのを白いロボットは冷静に眺めながら声を出す。そして、その声に束も落ち着いて少女をクロエに預けてロボットに近寄った。
「別にどうもしないよ、ただ怪我してるみたいだからこのラボの寝室に運んで手当てしようと思って、それと君って名前あるの?」
『開発者より付けられた機体名はウッドベルネクスト、そしてマスターが付けた私の名前は『ギンギラ』です』
「ふむふむ、ギンギラかぁー。うーん……よし!今日から君はギンギラちゃんだ!」
束はそう言ってギンギラを指差した。
『わかりました。すみません、名前をお伺いしてもよろしいでしょうか』
「うん!私はこの星で一番の大天災、篠ノ之 束さんだよー♪」
腰に手を当て思いっきり胸を張ってどや顔で束は自己紹介をした。
『わかりました、束さん。とにかく現在の状況を説明して頂けるとありがたいのですが』
「うん!いいよ、と言いたいけどあの娘の事も気になるし、君もボロボロだし。あの娘の手当てと君の修理が終わったらでいいかな?」
『はい、構いません。ですが私の構造は自分で言うのもなんですが最新鋭の物です。あなた一人で直せる物では無いと思いますが』
「まぁまぁ、この大天災の束さんに任せなさい!」
そう言って束はギンギラを大きな機械に乗せて、施設内のもう1つのラボに向かった。
そんなこんなで、これが全ての始まり。束と少女とギンギラが出会ってしまったが為に起こる、世界を、いや、2つの星を揺るがす大事件の始まり。
どうでしたか?楽しめて貰えたのなら幸いです。
と言っても序章なんですが(笑)
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