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【機動戦士ガンダム】 ギャン 解説【ゆっくり解説】part24 (13:54) http://nico.ms/sm30768165 #sm30768165 #ニコブラウザ
別にギャンに拘っているわけではないです。好きですけど(笑)
他は大体管野よう子さん聞いてます。
後オリキャラはイメージソングがあったりする。
クリムゾン……真っ赤な誓い
スカーレット……赤い華
です(´・ω・`)
ゼノは、静かに構えを取る。
ここは会場のすぐ近くにあるレッドリボン軍本部のデンジャールーム。仮想空間を用いた訓練施設は地球の強戦士達が組手するのに無くてはならない存在だ。
想定するのはかつての未来を思わせる荒廃した都市郡。所々から煙があがり、ゼノの脳裏に否応なしで悪夢が蘇る。
「くっ……!──ぐあっ!?」
ゼノが顔を歪めた瞬間だった。
突如として飛来したどどん波がゼノの額を痛打する。
もんどり打って倒れたゼノはすぐにバク転の要領で起き上がり今しがたどどん波の飛んできた方向を睨み警戒する。
だがそんなゼノの背後にいつの間にか移動していた桃白々が、やれやれと言わんばかりに彼の背中へ声をかける。
「──どこを見ておる」
「でぇやっ!」
ゼノは自分自身驚くほどの
「甘い甘い。いつまでもそんな未熟な格闘術がこの私に通用するとは思わないことだ」
桃白々は未熟と断じたが、ゼノの扱う武術は悟飯から受け継いだ魔族流とも呼べるものであり、極めれば本質は亀仙流に近い。しかし彼が生き抜く為に必要とした武は速攻特化に傾倒しており、それをして桃白々は“未熟”と断じたのだ。
「が、がはっ……!」
桃白々は踏みつけていたゼノの足の甲から足の指を離し、解放された彼へ向かって強烈な掌底を水月へと叩き込む。
打撃と同時に気を
「この私が、日に二度同じ相手に敗れると思うなよ。だがまあ筋はよい。この大会が終わったら基礎からみっちり鍛え直してくれるわ」
言いつつ桃白々はトランクスの水月を再び足で打倒して呼吸を取り戻させる。
「……ごほっ、ごほっ……! あ、侮っていました。素手とはいえ、力で迫れば勝てると……!」
「それが甘いと言っている。そもそもあの時の私が本気で全ての技を持ち出していれば、お前が勝てる道理などないわい」
鼻息も荒く断言する桃白々。だがそうなればゼノには疑問が浮かんでくる。なぜあの場でそれを出さなかったのかだ。
そんなゼノの様子を察したのか、再び桃白々がため息を吐く。
「……馬鹿弟子めが。私はこれでも元殺し屋ぞ? 何故衆人環視の下、秘奥の術理をつまびらかにせねばならん」
「な、なるほど」
ゼノは内心で自分が殺されかけたことに臆していたが、死にかけるなど今更である。
ならばと気持ちも新たに鍛えてもらおうと彼が立ち上がろうとして、不意に桃白々が仙豆をゼノへと投げつける。
「もうじき貴様の試合ぞ。鍛えるのは後回しだ」
「そうか……! あ、ありがとうございます! えっと、確か次はヴォミットが相手ですね」
ゼノは日頃付き合いのある16号が、この大会において自分と戦えることを心待にしていたなど知るよしもない。だが友人とも言える彼が、自分との戦いを望んでいるのだということは薄々感じていた。
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ヴォミットは、ひとり武舞台の上で自分の手を見つめる。
暖かさすら与えることが可能な、見た目だけなら完全に人のそれと変わらない擬似的な肉体。
そこに魂を宿した電子頭脳を持つ自分が合わさることで、ヴォミットという個人は存在している。
どこまでが自分なのか。そんな不安はとうに乗り越えてきた。それ以上に、彼が自己のアイデンティティを見失わないのはひとえに秘めた想いが故にだ。
──ぶっちゃけ秘めているつもりなのは本人だけであるが。
ドクターゲロの施した技術の粋は、ある偶然を引き起こした。
ヴォミットの動力に使われている“眠り姫”の宝石は、彼の
ならば彼にとって、心が最も震える瞬間とは何か。
昂り、燃え、熱を持つのはどのような瞬間であったか。
──ヴォミットにとって、それは考えるまでもないことだった。
そんな中、ゼノが仮面を着けて武舞台へとやって来る。
「……ゼノ、俺が別の世界から来た存在なのは以前話したよな」
「ああ、どうしたんだ急に?」
二人はその純朴な性格も相まって意外と仲がいい。また当然だがゼノはヴォミットの気持ちを知っており、それがまたヴォミットの心情を複雑なものにしていたのだが……。
「いや、これからお前と戦うことに何か運命めいたモノを感じてな。お前と彼が赤の他人なのは百も承知だ。承知だが……敢えて俺は今日お前に勝って、思い出を乗り越えていく!!」
ヴォミットの様子が変わる。全身に薄っすらと浮かぶ紅い膜は彼をあらゆる災厄から守る絶対守護の鎧であり、その効果は例えパワーだけなら破壊神に匹敵するゼノであっても変わらない。
「……なんだかよくわからんが、俺は告白の当て馬か?」
「みなまで言うなぁっ!!」
仮面越しにニヒルに笑ったゼノへ、ヴォミットが顔を真っ赤にして突っ込む。
奇しくも開始の合図を待たずしての開戦となったが、ここまで来てこんな程度のことで反則負けなぞありえない。クリムゾンからアナウンサーに続行の指示が送られる。
ぶつかり合う二人。まず有利に立ったのは全力での体当たりをお見舞いしたヴォミットだった。
人造人間である彼は有機的な部分を表面的に再現しているとはいえ、その重量は1トンに近い。再改造によって増した人工筋肉の出力に任せ、力任せに自らをゼノへと叩きつける。
「お前の恋を応援してやりたいのはやまやまだが……この程度では負けてやれん!」
両腕で受け止めたヴォミットの体を武舞台へと投げつけるゼノ。
ヴォミットは各部から展開したブースターによって慣性を制御し、滑るように体勢を整える。
「はあっ!」
打ち出されるヴォミットのロケットパンチ。ゼノはそれを受け止め握りつぶそうとするが、遠隔ながら展開され続けるフィールドジェネレイティングアーマーによって阻まれる。
「ヘルズフラッシュ!」
そして自らの耐久力における絶対優位性を活かし、ヴォミットはゼノの隙を突いて超至近距離で必殺のヘルズフラッシュを放つ。
「くっ! はああっ!!」
ゼノはヴォミットの腕を離し、気を解放することで無理矢理ヘルズフラッシュを防ぎきる。
「まだだぁっ!!」
ヴォミットは自動で回収・再接続された両腕を振るい、ゼノへと連続で殴打を振るう。
普通であればパワーで上回るゼノはヴォミット相手に圧倒的な優位を保つことができる。
しかしどれだけ反撃しようとも、ヴォミットに攻撃は通じない。師として仰ぐ形になった桃白々とは別種の無敵。
ゼノは打ち合いながら徐々に溜まるダメージを計算しつつ、この勝負唯一の必勝法を行動に移す。
「だあっ!!」
ゼノはヴォミットのパンチを筋肉で無理矢理受け止めると、その胴体を抱き締め急激な速度で空中へと飛び上がる。
その行動から、ヴォミットは恐れていた方法をゼノが取ってきたのを悟る。
「ぐうっ、外れん!」
「このまま地面に叩きつける!」
そう、ゼノが考案したのはシンプルイズベスト。ヴォミットが動けないように羽交い締めにした上で、リングアウトを狙うこと。
パワーで勝るゼノだからこそ可能な力技であった。
「ぬおおおおおおああああああ!!」
ヴォミットが全身の出力を臨界まで上げることによって拘束を逃れようとするが、フィールドジェネレイティングアーマーは肉体の防護も同時に行っており腕を引きちぎって隙を生むこともできない。
落下する浮遊感を味わいながらヴォミットは無力さを感じる。
(終わり……!? 終わりなのか……! こんな、こんなところで……!!)
この勝負。勝っても負けてもヴォミットにとって得るものはない。
だが彼にとってこの戦いはきっかけだった。
彼女の涙を見続け、悲しみを見届け、唯一同じ世界から生き延びた帰還者として、抱き続けた想い。
彼の想いが──弾けた。
「スカーレットォォォッォオ!!」
「なにっ!?」
ヴォミットがゼノの拘束を振り払う。パワーで圧倒していたはずのヴォミットが力尽くで自らを振り払ったことで、彼の警戒感が増す。
ヴォミットの心が震える。力が漲る。
「俺は……俺はぁ!」
ヴォミットの一撃を受け、ゼノが殴り飛ばされる。
「明らかにパワーが増している……! どういうことだ!」
困惑するゼノ。しかし、彼の困惑は違う意味で加速することになる。
「君が好きだ! スカーレットーーーーーー!!!」
「ここで言うのかそれを!? ぐはあっ!?」
思わずつっこみそのせいで直撃を受け上空へと飛んでいくゼノ。
ヴォミットのパワーはどんどん上がり、既に全身は界王拳さながらに紅い燐光と電撃に包まれている。
「君の健気な姿が好きだ! 逆境に耐え、孤独を乗り越え、それでも咲き誇る花のような君が好きだ!」
「こ、こんな戦いがあるのか!?」
ゼノは驚愕し体勢をどうにか整えようとするが、もはや彼は戦いどころではない。ぶっちゃけ恥ずかしくてしょうがない。
「白衣に隠された君のシルエットが好きだ! 長く伸びた紅い髪が好きだ! 眼鏡に隠された稚気と愛らしさが大好きだーーーー!!!!」
叫ぶごとに上昇していくヴォミットのパワー。
なおその様子を見る面々のリアクションもまた様々である。
ベジータは照れ臭そうに、気の毒そうにゼノを見つめ、思わずブルマを抱き寄せている。
ターレスは爆笑し、ラディッツは心底同情するようにヴォミットを見ている。
悟空は快活に笑い、悟飯は素直に感動し、ピッコロは困惑した顔で見ている。
クウラは興味なさげに酒を飲み、クリリンと18号は顔を真っ赤にして見つめあっている。
桃白々は呆れて顔を手で覆っている。
──そして、クリムゾンは既にセルへと変身していた。
なお渦中にあるスカーレット本人は、顔を真っ赤にしてどこからか取り出した下敷きで顔を扇いでいる。
「バーニングアタック!!」
ゼノがどうにか状況を整理しようとエネルギー波を放つが、彼も気が動転している。ヴォミットの体にエネルギー波が通用しないことをすっかり忘れていたのだ。
「俺はスカーレットを愛している!」
「わー……」
思わぬ形での全力告白にスカーレットは棒読みでリアクションするしかない。彼女もまたヴォミットの気持ちはとうにわかってはいたのだが、まさかこの局面で告白されるなど思いもよらなかった。あと隣で臨戦態勢に入ってる父親をどうやって止めようか本気で悩んでいた。
ゼノは自身の放った光線によってヴォミットの接近を遮ってしまった。それでも普通の相手ならばまだ咄嗟に反応することもできただろう。
ゼノは、無数の気弾にまぎれて接近したヴォミットの腕に捕まってしまう。
「ヘルズスパーーーーック!!!!!!」
「ぐああああああああああ!?」
フィールドジェネレイティングアーマーによって逃げ場をなくした赤い雷撃がゼノの全身の襲い、大ダメージを受けるゼノ。
彼が強いのは間違いない。ゼノの実力はこの大会において紛れもなくトップクラスであり、正面から戦える相手など極めて少ないのが事実だ。
無力化され気を失う寸前、ゼノは苦笑いで自分を見つめるマイの姿に安堵して意識を失った。
『しょ、勝者! ヴォミット選手!!』
アナウンサーは武舞台を睨み上げるクリムゾンの姿を見ないようにして、勝利者を宣言するのだった。
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満場一致のその言葉によって、8人がかりで取り押さえられたクリムゾンへ告げられたのがその言葉だった。
だが彼も妥協しなかった。したくなかった。なんだか気がつけばもうひとりの娘である大スカーレットはヴォミットとイチャイチャしてるしぶっちゃけ叩き潰してやりたくてしょうがなかった。
そんな彼に呆れ妥協させるためのアイデアを出したのは、意外なことに破壊神であるビルスであった。
理由は簡単。こんなくだらないことで大会がご破算になるなどごめん被るからである。
そして急遽始まったヴォミット対クリムゾンの本気腕相撲対決。
結果はクリムゾンへ
ここに一組のカップルが成立し、目的を達成したヴォミットは決勝戦を辞退した。
ついでに宇宙の危機も救われた。
ヴォミットくんの恋はバレバレです。どれくらいバレバレかと言うと、初恋の小学生くらいにバレバレです。気づいてないのはピッコロさんくらい(´・ω・`)
後本編でわかりにくいですけど、ゼノくんの強さは普通に悟飯以上です。それを完封する桃白々が異常だと思ってください(笑)
ぶっちゃけ本編で出てないだけで彼に使わせなかった禁じ手とか色々あるんですよ。ただそれやると大体相手死んじゃうっていう( ̄▽ ̄;)
さて、いよいよ大会も終わりが見えてきました。自分でもここまで楽しめるとは思いませんでしたが最後まで駆け抜けたいと思っています。
次回予告
如何なる因果の悪戯か。
向かい合うは戦闘民族。
戦うことを糧として、積み上げたるは強さの証。
次回【決戦】。ただぶつかれ、