人類に逃げ場なしさん、勿忘草さん、hisaoさん、誤字報告ありがとうございます。
前回での師匠のイラストほんと可愛いですわ。とりあえずタブレットの待ち受け確定(´・ω・`)
なお今回も書いてる内に楽しくなって文量が上昇中( ̄▽ ̄;)
うーむ、掲載ペース的にもうちょっと削らなくてはいけないのに(--;)
まあその分詰め込みましたのでお楽しみください。
あの世で騒動の種が生まれようとしている頃。
武舞台にひとりの少年が上がってきた。
憧れの
『さあ次の試合! 私は心配でなりませんッッッ!! 説明不要の巨体ハイパーメタリック軍曹対孫悟飯くんの戦いです! 危なかったら逃げるんですよぉー!! それでは!
アナウンサーの声を聞き、サングラス越しに瞳を光らせたハイパーメタリック軍曹が動き出す。
『いよいよ大巨人が動き出しましたッッ! 身長15メートル40センチ!! 体重90トンという巨人もかくやという巨大ロボット! 解説席の21号さん、何かアピールポイントはありますか!』
アナウンサーの言葉に、いつの間にやら解説席でいつものワンピースに白衣を着た格好で座る21号が嬉しそうに語りだす。
「よくぞ聞いてくれたわ! このハイパーメタリック軍曹をタダのマシンと思っちゃだめよ! その原動力は私達人造人間の動力源でもあるものを改造した大型永久式エネルギー炉! それを全身に搭載した特殊変圧機構によってパワーを数十倍から数百倍に増幅することが可能よ! さ・ら・に! このハイパーメタリック軍曹の表面を包み込む
「おりゃあ!!」
勢いよく語った21号だが、それを待っていたかのように悟飯が動いた。
それはなんの変哲もないただのアッパーだった。だが、その一撃を受けたハイパーメタリック軍曹が、舞った。
「はあっーー!!」
さらに倒れ込む最中のハイパーメタリック軍曹にだめ押しと言わんばかりに、悟飯は空中で両手を頭上に掲げピッコロ直伝の気功波を放つ。
「魔閃光!!」
発射された気功波の直撃を受け、武舞台が揺らぐ。あまりに一方的な展開に、21号は女の子がしちゃいけない顔になっている。
先程も告げたが、孫悟飯が武術を始めたのはほんの一年前である。それは、端から見れば些細な、しかし本人にとっては劇的なきっかけが始まりだったのだ。
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「え!? ホーンライダーが来てるんですか!!」
その日、小スカーレットの勉強を見る約束に来訪していた孫悟飯少年はクリムゾンの応接室で勉強していた。今回は小スカーレットの友人であるビーデルも参加しての勉強会である。すでに大学レベルの勉強をしている悟飯からすれば到底低いレベルの内容を教えていることになるのだが、“教えることも勉強になるから”とチチを説得してこの役割を楽しんでいた。
数少ない友人と触れ合う機会であり、いつもであれば場所を移して勉強会を続行するのだが、この日ばかりは孫悟飯少年の反応が違った。
そんな彼の様子を訝しんだクリムゾンへ、孫悟飯少年の横に立つ小スカーレットがフォローを入れる。
「それじゃお父さん! 用件が済んだらホーンライダーと悟飯くん会わせてあげてよ!」
「ええっ!? わ、悪いですよぉ!」
突然の小スカーレットの言葉に孫悟飯少年は驚くが、彼女は止まらない。さらにそれを援護するようにビーデルも彼女の援護に加わる。
「いいわね! 悟飯くん、こんな機会早々ないんだからお願いしちゃいなさいよ!」
「そうよ! 普段ワガママなんて言いっこないんだから、コネが使えるときくらい使いなさいな!!」
「コネってそんな……」
少女二人にたじたじとなり、苦笑いを浮かべる孫悟飯少年。その様子にクリムゾンは微笑をこぼすと、娘からの頼みを快諾する。
今回ホーンライダーことギニューがクリムゾンの元へ訪れることとなったのは、彼に提供する新しいバトルジャケットが完成したからでもあった。
「構わんよ。そうだな、一時間ほど待っていてくれ。少し話もするからな」
そう言って笑顔のクリムゾンによって別の部屋へと案内された三人。
そこで悟飯は二人からホーンライダーの話題を振られ、それをきっかけとして孫悟飯少年にスイッチが入る。
二人は後悔した。オタクに好きな話題を振ることの危うさを知らなかったのだ。
「──なんと言っても劇場版での見所はバトルアントラーのレインボーロードだよ! アレを見たら僕もバイクが欲しくなっちゃってさ。お母さんに頼んだら「免許取れるまではダメだ!」って言うんだよ? 私有地広いんだしいいと思うんだけどなあ。あ、それと悪役だけど今回の劇場版で正式に銀幕デビューしたガッシュさんことイグサーの活躍も見所だね! これまで演技力という面では固さがあった彼だけど、どこか吹っ切れた部分があるのかスゴく自然な悪役っぷりだったよ! いやぁ、それにしてもイグサーが暗黒四天王の一人に過ぎなかったっていうラストは衝撃だったね! でもホーンライダーを助けるキャプテンレッドっていう格好いい味方も現れたしますます目が離せないよ! でも不思議だな、キャプテンレッドの台詞から考えるとどうにも素直に味方をしに来たとは思えないんだよ。そうそう、わざわざ“私は私が私であるがゆえに手を出しただけだ。有象無象に追い詰められるでない”って言いながらホーンライダーを追い詰める暗黒軍団数百人を蹴散らすシーンは圧巻だったね。どこから取り出したのかわからないぐらいに大量の重火器で敵を蹂躙しちゃうし!それから──」
こうして小スカーレットとビーデルは孫悟飯少年によるホーンライダー談義を一時間二十分三十四秒の間聞かされ続けた。なお小スカーレットは寝てしまったがビーデルはこれを耐え、笑顔で聞き終えてみせた。恋する乙女は強いのだ。
そうこうしている内に別室へとクリムゾンがやって来た。ホーンライダーことギニューも一緒だ。
「ほっ……! ほんも……!! ほ……!」
「“ほ”しか言えてないわよ」
起きた小スカーレットからの鋭いツッコミも意に介さず孫悟飯少年は感動に打ち震えている。
サイン、ツーショットの写真、握手と、一通りのファンサービスを済ませたギニューは、不意に気になったことを彼に告げた。
「君は、戦いが嫌いなのかね?」
その言葉に反応したのは、孫悟飯少年とクリムゾンだった。他の少女二人はどういうことかと首を傾げている。
「……あまり、好きじゃありません。僕は小さい頃からスゴく力があったから、無闇にそれを振るえばみんなが困ることになってしまいますから」
どこか儚げに、自分の掌を見つめる孫悟飯少年。ホーンライダーことギニューはそんな少年の肩に優しく手を乗せると、しゃがみ目線を合わせて過去の自分を語った。
「……私はかつて“悪”だった男だ。その罪過はどれだけの善行を果たそうと覆せるものではない。だがな、そんな私でも力を振るう意味を知ることができた。所詮どれだけ強くなろうとも、力は力だ。恐れることはない。君が持つ素晴らしい力を、正しい方向へ振るえばよいのだ」
「……はい!」
憧れの人からの激励。僅かな時間に過ぎなかったが、その言葉は紛れもなくひとりの少年が幼い頃から抱えこむ根元的なトラウマを払拭した。
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その日、レッドリボン軍本部からいつも通り筋斗雲で帰宅した孫悟飯少年は、食事の席で両親に武術をやりたいと告げた。
「な、なにを言ってるだ悟飯ちゃん!?」
突然告げられた言葉に、ご飯をよそっていたチチの手が止まる。
「別に、将来武術家になりたいってわけじゃないんです。……ただ、僕が持つこの力を正しい方向に振るうには知識だけじゃダメなんです。お父さん、僕を鍛えてくれませんか?」
「おう、いいぞ」
「悟空さ! まだ話は終わってねえだ!!」
トントン拍子に進んでいく話にチチがしゃもじを悟空に向けるが、彼は至って平静にチチや悟飯と向き合う。
「そう怒るなよチチ。悟飯の目を見れば、よほどの覚悟があるのがわかる。でも悟飯、オラじゃお前を厳しく鍛えてやることはできねえ。だからオメエを鍛えるのにオラも応援を頼るし、あちこちに泊まりに出掛けることにもなる。それでもいいか?」
「はい! よろしくお願いします」
「だから勝手に決めるでねえ! ……はあ、仕方がねえだなったく。ホーンライダーのことぐれえでしかワガママを言わねえ悟飯ちゃんが……。まあ運動するのは悪いことでねえだしな。けど悟空さ、それならそれでオラにも考えがあるだよ」
なぜか頬を赤くしたチチが悟空を上目遣いで睨む。
悟空はチチのその態度にしばらくは励む必要がありそうだと頬をかくのだった。
チチが懐妊したのは、それから二ヶ月後のことだった。
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亀ハウスにてクリリンと亀仙人監修の下、孫悟飯少年が亀仙流の基礎を学んでいる。その横には悟空の姿もあった。
「よいか、亀仙流は“よく動き、よく学び、よく遊び、よく食べて、よく休む”のがモットーじゃ。決まった型というものはない。じゃからお前さんにはここで1ヶ月ほど武術の基礎を学んでもらう」
「はい!」
亀仙人の指導の下、孫悟飯少年の修行は続く。これまでまともに鍛えたことのない彼だったが、最初は息切れしていた数多の修行も三日ほどで軽々とこなせるようになっていた。
その様子を見て、クリリンが苦笑しながら悟空に話しかける。
「……あれで将来武術家にならないっていうんだからスゴいよな。才能だけで言ったら、べジータの所のトランクスくんよりスゴいんじゃないか?」
「ああ、オラも
「みんなって、クリムゾンさんの言うところのZ戦士全員でか? 潰れるぞ、さすがに」
「そこはオラ達がちゃんと見てやれば大丈夫さ。でもクリリンも気になるんだろ? アイツがどこまで行けるのか、よ」
「まあな。よっしゃ、いっちょ俺も先生やりますかね!」
父親とその親友の間で行われる会話を知らず、孫悟飯少年の修行は続く。やがて約束の一ヶ月が過ぎ、彼は亀仙人から山吹色の道着を受け取ってカメハウスを後にした。
この一ヶ月が、亀仙人に再び現役復帰を決意させるのだが、それはまた別の話。
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「ダダダダダダダダダダッッ!!」
デンジャールームにて、無数のエネルギー弾をべジータが乱射する。さすがに超サイヤ人ではないが、その威力はここでなければ地球への被害を考慮しなければいけないほどに高威力である。
「……くっ!」
「目で見てから反応するな! 空気の震えを肌で感じ、風を切り裂く音を耳で感じ、命が焦げる臭いを鼻で嗅ぎとれ!」
「は、はい!」
べジータからの修行は苛烈ではあったが、的確ではあった。その厳しいながらも戦闘センスが磨かれる修行に、孫悟飯少年の潜在能力は大きく引き出されていく。
「……あの~、これってなんの修行なんでしょうか?」
「ああ? 休憩だよこんなもんは。お前、無茶苦茶な修行やってるだろ。してるんだかさせられてるんだか知らねえけどな。俺との修行は、こうやって横になって自然と対話するもんだとでも思っておけ」
「は、はい」
ターレスとの修行は日々限界まで鍛えられる孫悟飯少年への休息として与えられた。このとき無意識にターレスが口をついた“自然との対話”を気がつけば孫悟飯少年は身に付けていたのだが、ターレスはそのことには気づいていなかった。
「悟飯! 俺はべジータのように逐一指摘などせん! 技が欲しければその実力で盗み取れ!!」
「はい!」
ピッコロと孫悟飯少年の修行は激しい組手に終始した。彼はこの修行で無数の格闘パターンを学習し、ピッコロもまたそれに合わせるように毎回戦いかたを変えた。なおピッコロが一度先生と呼ばれて滅茶苦茶照れたのは内緒である。
「ふむ、他の者が実戦的な修行をしているのならば俺は理論立てた戦いの構築を指導しよう。座学は得意だろうが、未知の分野でもある。お前の理解しやすい方法でいいから、わからないことがあれば質問しろ」
「はい!」
ラディッツは自らがこれまで培ってきた戦いの知識を孫悟飯少年へと授けた。立ち回り、戦いへの準備、日常における体調及び栄養管理など、学習することは多岐に渡った。また彼は上流階級におけるテーブルマナーなどもこの機会に習得した。
「よぉし俺の出番だな! 無意識にかなりのレベルで習得してるみたいだけど、俺からは気の操作を教えさせてもらうぞ。目標は元気玉を作れるところまでだ!」
「はい! 頑張ります!」
「お、いい返事だな。よっしゃ、さっそく開始するぞ!」
クリリンはその卓越した気のコントロールを孫悟飯少年へと授けた。彼は幼い頃から今まで、常に戦闘力抑制装置である禁箍児を着け続けていた。その間実に9年。彼は最大限に配慮された禁箍児によって激痛をほとんど感じることなく莫大な戦闘力を抱え続けた。クリリンからの気を扱う修行は、その枷を外す第一歩となる。
「……なぜ俺が指導などという真似をせねばならん。おい小僧、俺はまどろっこしい特訓などせん。俺が攻撃をするから貴様は全力で回避しろ。死ぬ気でな」
「は、はい……!」
クウラが向けた人差し指から超高速で発射されるデススティンガーを避ける修行。それは武道家としてはどこかぬるま湯のような環境で育った孫悟飯少年にとって、死の一歩手前を垣間見る修羅場となった。意図してか、図らずともか。彼はこのクウラからの攻撃を避ける致死一歩手前の修行によって、内なる恐怖心を克服することに成功する。
「オラが教えるのはかめはめ波だ。ひとつ覚えちまえば気功波は応用でなんとなっから、見て覚えちまえ」
「はい、お父さん!」
笑顔で指導する悟空だが、超感覚肌の悟空による指導で覚えられるのは悟飯ぐらいである。かめはめ波自体も目の前で悟空は撃っただけであったが、悟飯はそれだけで気功波の扱いをあっさり覚えてしまった。そのことに興奮した一同が我も我もと自らの必殺技を教えていくのだが、それはまた別の話である。
「最後は私だな。今後は順に手が空いた者からこれまでの修行で得たものをさらにブラッシュアップさせていくこととなる。なので、私からはお前が“殻”を破る手伝いをさせてもらおう」
そう言って、孫悟飯少年の頭に手を置くクリムゾン。
「むん!」
「うわ……! 体の奥から、熱が……!!」
「む……? なんだこの凄まじいパワーは……! しかも、底が見えない、だと……!」
クリムゾンをして驚愕させた潜在エネルギー。クリムゾンはかつての最長老のように潜在能力を解放する僅かなきっかけを与えたに過ぎなかったが、直接触れたことで感じたそのあまりのパワーに冷や汗を流さざるを得なかった。
こうして、孫悟飯少年はわずか一年の間に宇宙最強の面々から武術の指導を受けることになり、どうせだからと勧めた母の言葉もあり銀河最強決定戦へと出場することを決めたのだった。
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魔閃光の爆煙が収まると、そこには無事な姿のハイパーメタリック軍曹の姿があった。
「よ、よかった~。あれ結構お金かかってるんだから、簡単にやられちゃ困るのよね」
「娘よ、その予算はどこから出た」
解説席で父による娘への尋問が始まったが、気にしているのはヴォミットこと16号ぐらいだ。
軍曹は上空の悟飯を睨むと、そのままサングラスを光らせそこから赤いエネルギー光線を発射する。
しかし孫悟飯少年は慌てない。修行の終盤、変身前とはいえ本気のデススティンガーを避け続けた彼には如何にハイパーメタリック軍曹の攻撃と言えど早々命中はしない。
「ダブルサンデー!」
伯父の技により顔面を攻撃する悟飯。彼はそれをきっかけに近づくと、ハイパーメタリック軍曹が対応する前にその顔面へ拳を叩きつける。
「バリアで攻撃が通らないなら、通るまで殴り続ける……!!」
すでに大学卒業レベルの学力があるとは思えない脳筋発言にラディッツが頭を抱えるが、実はそれこそ21号にとってもっともされたくない手段ではあった。
「だだだだだだだだだっ!!」
まるでべジータの連続エネルギー弾のごとく怒濤の連撃がハイパーメタリック軍曹を武舞台へと埋めていく。自身のバリアと武舞台のバリアに挟まれ、さながらドリブルされるかのように翻弄される巨体。
抵抗すらまともにできないハイパーメタリック軍曹だが、孫悟飯少年は容赦しない。
完全にめり込んだハイパーメタリック軍曹へ向けて、空中で人差し指を掲げクウラの必殺技であるスーパーノヴァを展開する。
「終わりだぁぁぁぁっ!!」
スーパーノヴァによって武舞台を貫通していくハイパーメタリック軍曹。
バリアの特性を見抜けなかった悟飯は彼を倒すことはできなかったが、結果的に動けなくなったハイパーメタリック軍曹は、満足に抵抗できず地面へと落下していった。
『ハイパーメタリック軍曹選手場外です! よって、孫悟飯選手の勝利!!』
アナウンサーによる勝利宣言。それを見た誰もが、怪物の誕生を確信した。
ホーンライダー劇場版。CGなし、ワイヤーなし、早送りなしとどっかのムエタイ映画ばりの文句で撮影された作品。なおこの作品に出てくる暗黒軍団とはガーリックランドで会えます。キャプテンレッド? いったいどこの総帥なんだ……(なお撮影を見に来た息子がホーンライダーが追い詰められる姿に泣き、急遽参加することにした模様)
なお本編での台詞はアドリブ。「私は私が私であるゆえに手を出しただけだ。有象無象に追い詰められるでない(息子泣いたから参加するぞ。なに追い詰められてんだギニュー)》
にしても出番だよ悟飯くん(´・ω・`)
けど史上最強の弟子にしたら思ったより楽しかったです(笑)
才能マックスかつ努力家で頭もよくて死線も強制的に潜らされてことで彼の将来は(戦闘力的に)安泰です。
なお出場した中で子供は彼だけですが、クリムゾンがこれを認めたのは
・敗北条件にあるとはいえ、武道大会そのものは殺し合い前提ではないため。
・悟飯の実力が全参加者中でも上位のレベルに至ったため
という過保護な理由だったりします。
では次回予告です。
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勇者と英雄。かつて大王の頃対峙した相手が見せる“強さ”に、彼は笑む。
失った過去を、反芻しながら。
次回【獅子】。猛ろ、烈火のごとく。