Fate/kaleid liner~指輪の魔術師~   作:ほにゃー

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魔法少女と魔術師の誕生

この状況はなんだろう?

 

全裸のイリヤ、全裸(タオル着用)の俺、気絶してる全裸(タオル着用)の士郎さん、喋る胡散臭いステッキ。

 

明らかにおかし過ぎる。

 

『あれ~?貴女、今胡散臭いと思ってますね?そこの君も?』

 

心を読まれた!?

 

「い、いや……うん」

 

「てか、ステッキが喋る時点で胡散臭過ぎるだろ」

 

『はぁ~、嘆かわしい。現代では魔法少女に憧れる都合のいい女の子はもういないのでしょうか………』

 

何やら落ち込んでるみたいだが、何を言ってるのがさっぱりわからない。

 

「取り敢えず、士郎さんの顔の上から退いてくれないか?流石に、士郎さんが可哀想だ」

 

『おやおや、随分とお優しいですねぇ。ですが、優しいだけじゃ今時の女の子は惚れたりしませんよ?』

 

余計なお世話だ。

 

「む~……レイは優しい以外にも逞しくて頼りになるとか良い所一杯あるもん」

 

イリヤが俺を擁護するかのようにステッキもといルビーに言う。

 

俺はいい幼馴染を持ったな………

 

嬉しくて顔がニヤける。

 

『…………ふむ』

 

ルビーは何やら考え込むと、ステッキの手で持つ部分を動かし、俺の腰のタオルを叩き落とした。

 

つまり――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の男の象徴がイリヤに見られた。

 

俺は慌ててタオルを拾ってもう一度隠すが、時すでに遅し。

 

イリヤに完璧に見られ。

 

「何してるの、この変態!」

 

『これは失礼。ちょっと出来心で。おっと、鼻血が出てますよ』

 

そう言い、ルビーはイリヤの鼻血を拭いた。

 

それから数分後、立ち直った俺は今湯船に浸かってる。

 

イリヤからそのままだと風邪引くからっと言われ、イリヤの許可を得て、湯船に入ってる。

 

『さて、話を戻しますが、やりませんか?魔法少女』

 

「えっと、なんかもう話に着いていけないんで他を当たっていただけますでしょうか?」

 

敬語になってる………

 

だが、ルビーは意地でもイリヤを魔法少女にしたいのかグイグイと詰め寄ってくる。

 

「楽しいですよ、魔法少女!気合で空飛んだり!ビームで敵をやっつけたり!恋の魔法でラブラブになったり!」

 

「え?」

 

え?何その反応?

 

まさか、いるの好きな人?

 

『おっ!今反応しましたね!意中の殿方がいるんですか?』

 

「いないよ!そんなのいないよ!」

 

その反応、まるでいるような反応じゃないか。

 

相手は誰だ?

 

クラスの誰かが?

 

『ムキになるのが怪しいですねぇ。お相手は誰ですか?ベタにクラスの男の子ですか?あ!分かりました!そちらの……!』

 

「うわあああああああああああああ!!いないって言ってるでしょ!このバカああああああああ!!」

 

イリヤはルビーを掴み窓の外へ投げようとする。

 

が、ステッキが離れず、イリヤの動きは止まる。

 

『ふっふっふ!想像以上にちょろかったですねぇ。血液によるマスター認証、接触による使用契約、そして、起動のキーとなる乙女のラブパワー!全て滞りなく頂きました!』

 

こいつ、何処が愛と正義のマジカルステッキだよ1

 

どう見ても悪役じゃないか!

 

『さぁ、最後の仕上げと参りましょうか。貴女の名前を教えて下さいまし?』

 

「い……イリヤス……フィール…フォン……アインツベルン!」

 

まるで抗えない未知の力によって操られるかのように、イリヤは自らの口で名前を言う。

 

『やっふぅぅぅぅぅぅ!これでマスター登録は完了ですよ!』

 

イリヤがルビーとなんらかの契約をした瞬間、急に俺の首からかけられてるチェーンに通された指輪が光りだした。

 

「こ、これは……!」

 

訳の分からない事態に俺は驚きながらも、眩しい光から間を守るように目を覆う。

 

気が付くといつの間にか俺とイリヤは風呂場の外、というか家の外に出ていた。

 

「あれ?いつの間に?」

 

「ななななな何これ!!?」

 

イリヤの絶叫が聞こえ振り返る。

 

するとそこには、ピンクを基調とした露出が多めの服を着たイリヤが居た。

 

「まさか………本当に魔法少女になったのか?」

 

「レイも外に居たんだって、レイ!」

 

俺の方を見たイリヤが驚きの表情になる。

 

「その恰好、何?」

 

イリヤに言われ俺は自分の姿を見る。

 

裸ではない。

 

いつの間にか服を着ていた。

 

だが、俺の服じゃない。

 

それは裏地が赤で裾に銀色のラインの入った黒いコートを羽織り、黒いシャツに黒いスーツの様な長ズボンを履き、ベルトを通す穴にはチェーンが通され、チェーンには数個の指輪が通されていた。

 

そして、両親の形見である指輪はいつの間にか俺の右手の中指に嵌められていた。

 

しかも、錆は取れ、宝石の部分黒色だが、これが本来の輝きなのか綺麗に輝いていた。

 

俺はその姿を見て思わず言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんじゃこりゃああああああああああああ!!?」

 

 


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