バカと緋弾と武装探偵   作:DJTAiGA

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0弾 プロローグ

 ――空から女の子が降ってくると思うか?

 

 映画やアニメではいい導入かもな。

 それは不思議で特別な事が起きるプロローグ……

 

 ――なんて回想は今はどうでもいい!

 

 俺、遠山キンジは――

 現在進行形で危機的状況に瀕している。

 しかもそれは1つではなく3つ。

 それも、跳び箱の中で。

 意味がわからない。

 

 まずは落ち着け、落ち着いて今の状況を整理するんだ。

 

 まずはここが何処であるか。

 俺が跳び箱に嵌っている点。

 体育の授業で使うような道具が多数ある点。

 これらにより、ここは体育倉庫であると認識できる。

 

 次に3つの危機がどのようなものであるかの整理だ。

 まずこの場所の外。

 あの事件(・・・・)が夢でないのならそろそろ確実に追加攻撃……

 UZIが搭載されたセグウェイもしくはそれ以上のヤバイ何かが来るはずだ。

 これが危機その1。

 

 そして眼前。

 先ほど起きたとある事件。

 その影響で今だ気絶している女の子(可愛らしい下着丸出し)を抱っこしているようなこの状況。

 そしてあろうことか俺はその美少女の胸に手が触れてしまっている。

 多くの男からみれば羨ましい状況なのだろうが俺にとってこれは危機なのだ。

 さらに言えばこの状況が3つ目の危機の原因であると予想される。

 これが危機その2。

 

 そして3つ目の危機……

 ――今のところこれが一番厄介なんだ。

 

 俺が嵌った跳び箱から5メートル程離れたところにある同じ形容の跳び箱。

 そこに俺と同じように嵌っている俺の友人であるはずの人物。

 吉井明久は――

 

「死にさらせ! この変態ロリコン野郎!」

 こう言い放つのであった……

 

 俺が一体なにをしたと言うんだチクショウ!

 

      ☆

 

 空から女の子が降ってくる――

 

 それって魅力的な事だと思うんだ。

 それは不思議で特別な事が起きるモノレール……

 あれ? なんか違う? まぁいいや。

 主人公はその女の子の為に戦い正義の味方への道を進んでいくことになるんだろう――

 

      ☆

 

 ……パチ

 

 目を覚ます。

 それと同時に違和感を覚える。

 

 なんでこんな狭っ苦しいところで寝てたんだ?僕。

 まず、寝ていたにしては体制がおかしい。

 

 箱にお尻から嵌ったような感覚。

 その箱の感触は固く、質感からして恐らくこれは木材でできた箱だろうと予想する。

 

 というかそもそもここはどこだろう。

 とにかくまずは脱出しないと。

 

 上半身はかろうじて動く状況だったので何とか試行錯誤し謎の箱からの脱出を試みる。

 しかし中々抜け出せない。

 

 くそう、うまい具合に嵌っちゃってるなこれ。

 

 体を横にひねったり箱の端を持って体を持ち上げようとしてみたがうまくいかない。

 しかし脱出を試みて暴れてる間にカラーコーンやハードル、バレーボールなどが目に入った。

 それでここが何処だか理解する。

 

 体育倉庫だね、ここ。

 

 そうだ……

 確か自転車に爆弾が……

 

「う……っ。痛ッってぇ……」

 

 必死に先ほどまでの事を思い出していると少し離れた場所から声が聞こえた。

 今の声はキンジだな。

 

 あぁ、思い出した。

 一緒に登校してた時にあの事件(・・・・)に巻き込まれたんだった。

 変な嵌り方をした所為かキンジのいる方向は見えないけど取り敢えずお互いの生存確認の為に声をかけないと。

 

「キンジ、無事かい?」

「ぅぐッ……。吉井こそ無事か?」

 

 意思を伝えられる程度には無事らしい、まずはよかった。

 そして試行錯誤し続けたのが幸いしたのか少し嵌りが緩くなった。

 このまま抜け出せそうだ。

 徐々に体制を変え抜け出していく。

 そしてキンジの方を見ることが出来るようになったのでそちらの状況を確認しようと視線をキンジに向ける。

 そして目に入ったのは……

 

 跳び箱に嵌ったキンジand同じ跳び箱に嵌っている美少女(シャツ捲り上がり状態)

 

 ――ズガンッ!

 

 おっと、手が滑って発砲してしまった。

 

「おまっ! なんて事するんだ! この跳び箱が防弾じゃなきゃ当たってたぞ!」

「ごめんごめん、手が滑ったんだ」

「お前のM93Rは腋のホルスターにしまってあるはずだろ!」

「そんなことはどうでもいいんだよキンジ、その女の子の状況について説明を求めるよ。 そのシャツは君ががめくったのか!」

「ち……違うッ! これは偶然だ!」

 

 そんな羨ましい偶然があってたまるか。

 ともあれいきなり発砲するのはよくないよね。

 まずは無駄だとしても言い分を聞かなきゃ。

 

 ――チャキ。

 

「おいまて、なんで銃を構え直してるんだ」

 

 おっと、また手が滑るところだった。

 ひとまず僕に攻撃の意思はないと伝えなきゃね。

 

「犯罪者に命は必要ないと僕は思うんだ」

「まてまてまて! 誤解だと言っているだろ! それにそれは武偵法違反だ!」

 

 武偵法?『仲間を信じ仲間を助けよ』って奴だっけ?

 そんなの今は関係ないじゃないか、僕は犯罪者と仲間になったつもりはないからね。

 他にも9個ほどあった気がするけどどうでもいいや。

 

「吉井、恐らくお前が今考えているのは武偵憲章だ。武偵法とは違う」

 えっ、あれ? そうなの?

 武偵法ってなんだっけ?

 てかなんでキンジは僕の考えていることが分かったの?

 って、危ない危ない、気を逸らされるところだった。

 これが誘導尋問って奴か......キンジめ、やるじゃないか。

 だけど残念ながら僕には通用しない!

 観念しろキンジ!

「と……取りあえず俺もこの跳び箱から抜け出す! だから一旦落ち着……」

 僕の様子を察知したのかキンジは慌てて抜け出そうとし──

 

 ――フニュッ

 

「「・・・・・・・」」

 

 キンジは触れた。

 まだ幼いであろう少女の胸に……

 これを犯罪と言わずなんというのか。

 

 ――死刑確定だ、遺言も聞かず殺してやる。

 

「死にさらせ! この変態ロリコン野郎!」

 

     ☆

 

 そもそもなぜこんな事になっているのか、それは1時間前から始まったある1連の出来事が原因だった……

 




自分の文章力のなさを呪いたい。
とりあえずそれぞれの原作の文章に似せるために1巻から読み直してきます。

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