うちの姉様は過保護すぎる。   作:律乃

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悪ノPさんの【眠らせ姫からの贈り物 -gift(ギフト)-】からヒントを得て、今回の話を書かせてもらいました。

この曲を聴いたことがおありの方はタイトルから大体察知がついていらっしゃると思いますが…まぁ、そんな感じの話となると思います…(微笑)

ですが、参考にさせて貰った曲とは違い、人は死にません!そこだけは保証します!!

しかし、それ以外のことはーーと、そろそろ本編へのコールをしないといけないようですので…ここで話を切らせてもらおうと思います。

では、最後の最後にゾクリッとする話の開幕デス。

本編をどーぞ!!


って、こんなゆる〜く始めちゃったけど…振り返るのなら今だからね!
あとこの話を読んだ後にクリスちゃんを嫌いにならないでくださいね!

※今回の話はR-15をギリギリまで攻めたものとなってます…。
最後か中盤はエロスが入ります。
故に15歳以上の方は回れ右をよろしくお願い致します(土下座)

また、書きたい事を詰めに詰め込んだので…かなり長めです。
どうか、ゆったりとお楽しみください。


チビへの贈り物(gift)《クリうたエピソード》

1,

 

食堂に入った僕は食券を買う前に姉様が座る指定の席の隣に座られてもらい、ほんの少し届かない椅子の高さにジレンマを感じつつ、姉様が僕の頼んだ麻婆豆腐定食を持ってきてくれるのを足をパタパタさせて待っていると左隣にドカッと腰掛ける人の気配を感じる。

 

(‥‥? 誰だろ?)

 

チラッと横目で見て見ると見慣れた薄紫色が入った銀髪から生えたアホ毛に紅いシュシュによって括られたお下げが目に入る。

そして、一見すると不機嫌そうに見える幼い顔つきをして、彼女のギアのイメージカラーである赤を基調とした服を身に纏っている少女の知り合いは僕は一人しか知らない。

 

なので、僕は思い当たる人物の名前を隣に座った人へと問いかけてみる。

 

「‥‥クリスお姉ちゃん?」

「あぁ、そうだけど……あたしじゃあいけなかったか?」

「‥‥うんん、いけないことないよ。クリスお姉ちゃん、いつも僕に優しくしてくれるから‥‥僕、クリスお姉ちゃんの事好きだもん」

「そっ、そっか……ま、まぁー、チビを可愛がるのは年上の役目みたいなものだからな」

 

顔を真っ赤に染め、膝の上に置いてあるピンク色の手提げから二つの包みを取り出したクリスお姉ちゃんはそれを食堂の机に置くともう一方を僕へと差し出す。

 

「ほら、チビ、今日も多く作ったらこれやる」

「‥‥いいの?」

 

差し出された水色の包みのへと僕は視線を落として、もう既に自分用に作ってきたのであろう赤色の包みを解いているクリスお姉ちゃんの横顔へと尋ねる。

すると、クリスお姉ちゃんはチラッと僕の方を見て、頬を染めるとボソッと言う。

 

「……さっきも言っただろ。多く作りすぎてしまったし、それにお前はいつまでもチビだからな。あの過保護の事だから、お前の好きなものしか食わさないと思うし……あたしが見てやらないとお前がチビなままだろ」

 

(いいやそんな事クリスお姉ちゃん言ってなかった)

 

"それに僕はそこまでチビじゃない。姉様にも大きくなってきたデスねぇ〜って言われたばかりだから……僕がこのままチビである可能性はない"とむすっとした気持ちで喉まで出かかった言葉を飲み込んだ僕は薄く笑うとクリスお姉ちゃんにお礼を言う。

 

「‥‥ありがと、クリスお姉ちゃん。‥‥食べてもいい?」

「あぁ、好きにしろ」

 

そういえば、ここ最近こうしてクリスお姉ちゃんに弁当をもらうことが多くなった。

渡される理由は"多く作りすぎたから"がダントツ一位で、次が"僕がチビだから"というものだ。

 

水色の包みを外し、中から出てきた藍色の小判型の弁当箱の上に置いてあった箸箱から箸を取り出すと、弁当箱の蓋をあける。

 

(そんなに僕小さいのかなぁ‥‥?)

 

クリスお姉ちゃんは純粋に僕の成長と老婆心からそう言ってくれているのだと思うのだけれども……ここ最近いつもそう言われ、弁当を差し出されると暗い気持ちになってくる。

僕はそんなに小さく、奏者のお姉ちゃん達から頼りなく思われているのか、と。

 

パカっと開けた可愛らしい弁当箱に綺麗に盛り付けられたおかずは、真ん中におむすびとオムにぎが置かれており、おむすびの方には海苔で羽とまん丸な目が付いていて、頭の上には赤ウインナーで器用に鶏冠(とさか)が作られている。隣のオムにぎにもおむすびと同じように羽とまん丸な目が付いていて、頬には人参でまん丸な頬と唇が付いている。

そして、空いた隙間にはミニトマトやブロッコリー、カリフラワーに唐揚げ、半分にしたハンバーグなど彩りよく入れられている。

しかし、その美味しそうな見た目と裏腹に真ん中にドカーンと居座っているのは、おにぎりで出来た鶏とひよこだ。

 

(これって俗に言うキャラ弁だよね‥‥つまり、僕はクリスお姉ちゃん‥‥ううん、奏者のお姉ちゃん達からそう見えるっていう‥‥)

 

ガクーンとなる気持ちを持ち直し、両手を口元の前に重ねてから小さく"いただきます"と言ってから、箸でまず唐揚げを掴み、パクリと一口齧り、途端に溢れ出してくる鶏肉本来の旨味に舌が唸る。

 

「‥‥あむっ。‥‥んまい」

 

パクパクと弁当のおかずとひよこオムにぎを食べているとパタパタと慌ただしい足音が聞こえてくる。

続けて聞こえてくるのは、特徴的な《デス口調》に砕けた幼さが残る声音……これはひょっとしなくても、うちの過保護な姉様に違いない。

 

「あぁーっ!!クリス先輩、何歌兎に弁当あげてるデスかぁ!!今から麻婆豆腐定食を食べるっていうのに!!」

「切ちゃん、食堂ではしぃーだよ」

「デスが、調。クリス先輩がぁっ!!」

「静かにしないと駄目」

「……ごめんなさいデス」

 

弁当に向けていた視線を横に向けるとそこには右手に自分が頼んだデラックス定食、左手に僕が頼んだ麻婆豆腐定食を持った姉様が隣で焼き魚定食を頼んだシラねぇに注意され、しょんぼりしていた。

流石、シラねぇである。伊達に数年うちの過保護な姉様と一緒に行動を共にしているだけあり、姉様の扱いに慣れてる。

因みに姉様がデラックス定食を頼んだ理由は"なんだかデラックスって大きくて強そうデェース!"という独特の価値観からだそう。

 

しょんぼりしつつ、僕の隣に腰掛けた姉様はゆっくりとお盆をテーブルに置くと小言で尋ねてくる。

 

「歌兎、麻婆豆腐定食食べれますか?」

「‥‥頑張って食べる」

「よしよし、歌兎はいい子デス」

 

僕の頭をぽんぽんと優しく撫でた姉様へと口元いっぱいにご飯粒を付けたクリスお姉ちゃんが目の前にある弁当を傾け、小首を傾げる。

 

「お前らも良かったら食うか?」

「いいデス。敵に情けは貰わない主義なんデス」

「お前はいったい何と戦っているんだ……」

 

プスーッと頬を膨らませた姉様は両手を口元の近くに添えると小さく"いただきます"と言ってから目の前のデラックス定食を食べていく姉様にため息を漏らすクリスお姉ちゃん。

 

(しかし、何がデラックスなんだろ?)

 

姉様が頼んだ定食のおかずの量は僕の麻婆豆腐定食と同じように思える。

青い線が走る大皿にハンバーグ、オムレツ、唐揚げといった子どもから大人までもを魅了し続けるラインナップが色どりよく飾られ、小鉢にはきんぴらが添えられている。

 

今の所おかしな所はない。

しかし、視線が持っている茶碗へと向けた瞬間、僕の目はまん丸になった。

 

(へ‥‥? 何それ?)

 

とんぶり茶碗に山盛りによそわれた白米、そしてとんぶりに注がれている豚汁。

まさか、デラックスって……そういうデラックス?

おかずではなく主食を引き立たせる方のデラックス?

明らかにおかずとご飯や味噌汁の量が不似合いな気がするけど……姉様が美味しそうに食べているのなら、まぁ……いっか。

 

「クリス先輩。私、唐揚げ食べたいです」

「分かった。ほらよ」

「ありがとうございます」

 

そんな姉様と違い、シラねぇはクリスお姉ちゃんからおかずを貰うことにしたらしい。

小さくお礼を言うシラねぇを見て、口をあんぐりと開けている姉様は恐らくシラねぇがクリスお姉ちゃんからおかずを貰うとは思っていなかったのだろう。

 

「調に裏切られたのデス……」

「裏切ってないよ、切ちゃん」

「だって、それ……クリス先輩のおかずデス」

「このおかずはこうする為に貰ったんだよ」

 

そう言って、お箸で器用に唐揚げを半分にしたシラねぇが姉様の大皿へとちょこんと片方を乗せるのを見てキョトンとする姉様にシラねぇがは淡く微笑む。

 

「クリス先輩の弁当に残っていた唐揚げを切ちゃんがジィーと見てたから。欲しいのかなって思って貰ったんだけど……迷惑だった?」

「全然迷惑なんかじゃないデス!そうデス。はい、これどうぞデス」

 

お返しとばかりに自分の唐揚げを半分にした姉様がシラねぇの皿に置く。

 

「ありがとう、切ちゃん。焼き魚いる?」

「欲しいデス。じゃあ、あたしからはハンバーグあげるデスね」

「うん」

 

姉様とシラねぇが其々のおかずをはんぶんこにし始めるのを見て、クリスお姉ちゃんがやれやれと溜息をつく。

 

「たく。こいつらはいつでもどこでもだな」

「‥‥そこが姉様とシラねぇのいい所」

「あぁ、そうだな。たく、頬にソースが付いてるじゃないか。喋りながら食うからだ」

 

ごしごしとクリスお姉ちゃんに頬を拭かれ、僕はお礼を言う。

弁当箱に残ったカリフラワーを口を含むと弁当箱を終い、クリスお姉ちゃんに手渡すのだった。

 

 

 

2,

 

クリスお姉ちゃんの手作りの弁当を食べた事によってその美味しさに危機感を覚えた姉様が競う形で作り始めた手作りの弁当を毎日貰う日々の中、ほんの少しだが僕の体重が増えていっているらしい。

嬉しいけど、毎日あの量は流石に胃がもたれてくる。

 

(でも、二人とも僕の為と思って作ってくれてるんだもの。頑張って食べなくちゃっ)

 

そう思い、僕が今日も二人の弁当を完食したそんなある日の夜、僕達は海外のチャリティーライブから帰ってきたマリねぇとセレねぇと共に食卓を囲んでいた。

マリねぇとセレねぇを向かい側に隣にいる姉様がふぅーふぅーと息を吐き、ポトフを僕へと差し出す。

 

「はい、歌兎。あーん、デス」

「‥‥あーん。うむ…ぐむ

 

スプーンの上に乗っかったウインナーを口に含み、噛み締めた瞬間僕は小首を傾げる。

 

(あれ?)

 

パリッとする皮から溢れ出すウインナーの肉汁が舌を濡らしてみても僕の舌はその甘味を感じることが出来ない。

 

(味がしない‥‥?)

 

な、なんで?

う、そっ……嘘だよね?

嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘

う、そっ……だよね……こんな事ってありえないっ。

だって、お昼は美味しく食べれていたのに……。

 

「美味しいデスか?歌兎」

「‥‥」

「歌兎?」

 

味の感想を問う姉様の声はパニック状態に陥っていた僕には聞こえなくて、僕はただだだひたすら噛みしめ、噛み砕いていく。

まるでグミやガムを味がなくなるまで噛み続けるみたいにウインナーを噛み続ける僕に姉様は困惑した表情を浮かべ、他のねぇや達も僕の奇行にびっくりしている様子だった。

 

それから数十分後にも噛み続ける僕に姉様が恐る恐る声をかけてくれる。

 

「歌兎、流石に噛みすぎデスよ」

 

僕はゴクリと喉を鳴らして、もう既に形あるものが無くなったそれが胃へと落ちていく中……僕はある事実に打ちのめされていた。

 

「‥‥姉様。僕、味を感じなくなっちゃった」

 

顔面蒼白。

青白い表情をした僕は前を向くとそうボソッと呟き、姉様はその垂れ目がちな黄緑色の瞳をまん丸にする。

 

「へ?」

 

その後の事は何も覚えてない。

気づいたら、姉様とマリねぇ達に抱きかかえられ、S.O.N.G.に駆け込まれ、僕はみるみるうちにメディカルルームに入室され、様々な診察が行われたのだった。

僕はそれを放心状態で受けて、今はベットの上に座って、目の前にいるクリスお姉ちゃんの顔を見ている。

 

「ほら、これやるよ」

「‥‥でも、僕は」

「食べてみないと分からないだろ。ほら、あーんしてやるから」

「‥‥うん、ありがと、クリスお姉ちゃん」

 

こんな異常な時でもクリスお姉ちゃんの弁当だけは暖かくて、美味しくて、泣きそうになる僕の心を癒してくれるのだった。

 

 

 

3,

 

結局、原因不明という結果を受けた僕は暫くS.O.N.G.のメディカルルームに通いながらなら退院していいという許可が出て、僕は退院祝いである贈り物(gift)をあげると言われ、クリスお姉ちゃんの家に来ていた。

ソファに腰掛け、ボゥーとした様子の僕の隣に腰掛けたクリスお姉ちゃんが差し出す。

 

「ほら、これお前の好きなやつだろ?」

 

差し出された大皿の上には僕の好物の麻婆豆腐がなみなみと入れられていた。

 

「‥‥頂きます」

「どうぞ」

 

麻婆豆腐を一口口に含み、その舌をつく辛味に涙する。

 

(僕はもう‥‥この辛味を感じることも出来なくなってしまった‥‥。姉様‥‥泣いてた‥‥)

 

シラねぇ、マリねぇ、セレねぇに背中を撫でられながら、姉様は人目も気にせず泣いていた。

"なんで歌兎が味覚を失われなければならないんデスかぁ!あの子が何をしたっていうんデスっ!!あの子ばっかり……どうしてこんな目に"

ねぇや達に囲まれ、わんわん泣く姉様の柱に隠れて見ていたその時の僕は胸が締め付けれるのを感じた。

 

(僕が姉様を泣かしてしまった‥‥)

 

大好きな姉様を、敬愛する姉様を泣かしてしまった。

その事が何よりも僕には辛かった。

やっと姉様に迷惑をかけなくても生活出来るように……戦闘でも立ち回れるようになったっていうのに……。

 

それを思い出しながら、食べていたからだろう。

気づくと僕はポロポロと涙を溢れ出しながら、麻婆豆腐をかけこんでいた。

 

クリスお姉ちゃんはわざわざ立ち上がってまで水を汲んできてくれたらしく、涙しながら麻婆豆腐を食べていく僕の前へと水が注がれた透明なコップを置く。

 

「泣くほど美味しかったのかよ。ほら、水ここに置いとくな」

「‥‥ありがとう、クリスお姉ちゃんっ」

 

クリスお姉ちゃんが入れてくれた水を口に含み、麻婆豆腐を食べ進めている最中だった。

 

その異変が起こったのはーーーー。

 

「ーービ? おい?」

 

すぐ近くにいる筈のクリスお姉ちゃんの声が遠のき、目の前が高熱に侵されたように目の前が霞む。

 

「おい!どうしたっていうんだよ、大丈夫か?」

 

火の中でドロドロとプラスチックの様に溶けていく視界の中でも目の前でぷるんぷるんと揺れるその年に不似合いな二つの果実だけはバッチリの目が捉えていて、その果実が揺れる度に僕は身体の奥から湧き上がってくる性的興奮を押さえつけない。

 

(この果実にしゃぶりついたら美味しそう‥‥)

 

生唾と共にそう思った瞬間、僕はクリスお姉ちゃんをソファへと押し倒す。

 

「何やってるんだよ…チビ…」

 

肩を押さえつけられ、忽ち自分へと跨ってくる僕を見上げて、唖然とした様子で呟くクリスお姉ちゃん。

そんなクリスお姉ちゃんの赤いセーターに覆われた二つの果実の一つへと掌を添えながら、僕は怪しげに笑う。

 

「‥‥僕の前にこんなものチラつかせたのはクリスお姉ちゃんでしょう?こんなもので挑発して‥‥僕に触って欲しかった?」

「お、お前誰だよ……本当にあのチビなのか?」

 

僕の変貌ぶりが恐ろしいのか、小刻みに震えるクリスお姉ちゃんが次第に愛おしく思えてくる。

 

「‥‥僕は僕だよ、クリスお姉ちゃん。それよりさっきから僕が胸に触るたびにピクピクしてるね? 気持ちいいの?」

「チッ、違っ!」

 

ニヤニヤと不気味嗤う僕がセーター越しに触れる度にピクピク震える事を指摘してみると、クリスお姉ちゃんの顔がみるみるうちに真っ赤に染まっていく。

 

(可愛いな‥‥)

 

年上に思えない童顔を不似合いな大きな果実越しに見ているとさらなる性欲駆られる。

この人の全てにしゃぶりつき、味わい尽くしたいという性欲に。

 

(そうだ‥‥このまま、クリスお姉ちゃんを僕のものにしちゃえばいいんだ‥‥)

 

そうすれば、クリスお姉ちゃんの全てが僕のものになる。

 

ここはクリスお姉ちゃんの家だから、誰も助けに来れないし、僕が部屋に入る時に鍵を閉めていたから……行為の最中に乱入者が入るっていう事もないだろう。

 

(じゃあ、決まりだね)

 

僕はクリスお姉ちゃんの両手を両膝で押さえつけると赤いセーターを上へとたぐり上げる時、同時にブラジャーも上に持ち上げる。

 

「ちょっ、馬鹿っ!何やってーーんぅん……っ」

 

つぅーー、と舌でクリスお姉ちゃんのお臍にかけて走っている縦線をなぞりながら、ゆっくりと重力に押しつぶされることなく綺麗な形を保っている双丘の片方へと向かっていってる僕を止めようと身動きするクリスお姉ちゃんは震える声で僕を止めようとする。

 

「や、やめ……ろっ……!チビ……っ。あたしとお前がそんな仲になったって知ったら、あの過保護がーー」

「ーー‥‥今は姉様のことは関係ないでしょう? 」

「関係あるだろ!あいつはお前の事を何よりも大切にしているだろ!?」

「‥‥そうだね、僕の姉様の事が大切で大事にしているよ」

「だったら……ッ」

「‥‥クリスお姉ちゃんは何か誤解をしているよ」

「……へ?」

 

目をまん丸にするクリスお姉ちゃんの顔近くに自分の顔を近づけると、髪と同色の少し吊り目を間近で見つめながら、ハッキリと

 

「僕はただクリスお姉ちゃんからの退院祝いの贈り物(gift)を頂いているだけなんだから」

 

そう言い怪しげに嗤う僕にクリスお姉ちゃんの表情は一気に恐怖で染まる。

そんなクリスお姉ちゃんの唇を奪った僕はゆっくりと開いた掌を下へと向かわせるのだった。

 

(さぁ、目の前のクリスお姉ちゃん(gift)をありがたく頂こう)

 

その後、忽ちに甘い声や如何わしい水音やソファが軋む音がリビングへと響くのだった。

 

 

 

 

エピロ,

 

翌日の朝、静まり返ったリビングのソファには折り重なる様に眠りに落ちている少女達がいた。

ソファに寝そべる薄紫色が入った銀髪の少女の胸元へと顔を押し付け、気持ちよさそうに寝息を立てている水色が入った銀髪の少女。

二人の銀髪は絡み合いながら、ソファからカーペットへと垂れ下がっており、ソファの上に折り重なる両手も髪と同じ様に絡み合っていた。

 

そんな二人から離れた場所にあるキッチンの上に無造作に置かれた大学ノートにはこう書かれていた《愛するチビの為のgift》と。

 

その時、悪戯な隙間風がその大学ノートをパラパラとまくり始める。

どのページにもびっしりと文字と写真が貼り付けられており、その文字や写真から連想するのはどうやらこの大学ノートは薬の配合を書いたものらしい。

時々、グラム数、数字の記号や数式が見え隠れするのだからそういう事だろう。

 

そして、隙間風は飽きた様に付箋が貼られているページを開くと何処かへと消えていってしまい、その不意に開かれたページを照らすのは窓から差し込む陽の光である。

 

その陽の光に照らされているそのページに書かれていたものはーー《味覚を失わせる薬の配合》《媚薬の配合》というタイトルで赤いマジックペンでデカデカと書かれていて、その下にはその薬を使う日にちと時刻が書かれていた。

 

その時、カーテンから差し込む陽の光によって一足先に目を覚ました薄紫色が入った銀髪の少女は穏やかな表情を浮かべると自分の胸元に顔を押し付けて眠りこける水色が入った銀髪の少女の汗よっておでこにへばりついた前髪を指先で横によけるとキスを落とし、そして

 

「……あたしからの(gift)、喜んでくれたか?チビ」

 

こう呟いたのだったーーーー。




ぎ…ギリギリ、R-15だよね?多分(汗)
肌は見せてないし、直接的な言い回しはしてないからね……多分大丈夫だと思うけど、R-18だと思う人は後でこっそり教えてくださいね(微笑)

今回の話は作中にてよく登場した【gift】の四文字がキーワードとなってます。
【gift/ギフト】は《英語では贈り物》の意味、《ドイツ語では毒》の意味という事があり、最後のセリフを《毒でなく薬》にしたのは、諺の中に【薬も過ぎれば毒となる】というものがあり……今回の話ではまさにその状況でしたからね、歌兎は(汗)

タイトルにある【贈り物(gift)】はクリスちゃんが歌兎に送ったもの……そう、お弁当のことを意味しています。
薬に塗れていたお弁当を毎日食べ続けていれば、それは味覚も失われてしまいますよね…(大汗)
また、歌兎が気づかなかったのは、ほんの少しずつ薬を入れられていたからです。



と内容が中々にゾクッとしたものだったと思うので、少々私の事を書くのですが、内容が中に変態じみてるので……そういうのは嫌な方はご覧にならないでくださいね(微笑)




この小説を読まれている方は私が切ちゃんの中の人…茅野愛衣さんを推していることは知っているといらっしゃると思います。

その茅野さん…私は茅さんと呼ばせてもらっているのですが、その茅さんに関する話をさせてもらおうと思います。

私、基本アニメはAbemaにて観させてもらっているのですが…お正月に【ノーゲームノーライフ ゼロ】【ご注文はうさぎですか?? 〜Dear My Sister〜】を観たんですが、その中に登場するシュヴィちゃんとモカさんの「この分からず屋」「ココアの寝坊助」を延々とリピートしていたって話です。
淡々と、クールに罵倒されるのも好きなんですが…ロリ声・可愛い声で罵倒されるのもいいなぁ〜と…もう駄目だな、私(笑)

私は基本茅さんが演じていらっしゃるキャラのセリフはついつい数回リピートしてしまうんですよ…【とある魔術の禁忌目録Ⅲ】の五和ちゃんの『あわわ…』とか可愛すぎて、ついリピートしすぎてしまうんですよね…(笑)


という茅さん話がしたかった私の雑談コーナーをここまで読んでいただきありがとうございます!
寒い日が続き、インフルエンザも流行っているので…どうか、お身体にお気をつけてください(土下座)

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