うちの姉様は過保護すぎる。   作:律乃

59 / 74
主筆の時間上、朝ごはんシーンしか書けませんでした…(大汗)

短いですが、楽しんでもらえると嬉しいです。

それでは、本編をどうぞ!!


003 シュレンディンガーのキス~(しょう)~

沢山のねぇや、お姉ちゃんたちの手により、体の至る所にあった赤い所に虫刺され薬が塗られ、僕が感じていた痒みもすっかり直り、再び姉様の腕に抱かれて、食堂へと向かっていた。

ガシッとさっきよりも抱きしめてくるのはきっと恐らく数分間の間だけど僕を他のねぇやたちやお姉ちゃんたちに弄ばれたからだろう。

 

(僕は弄ばれたって思わないんだけど…)

 

だがしかし、それはあくまでも僕の気持ちであって、姉様の気持ちではない。

ドスンと勢いよく椅子に座り、頬をまん丸に膨らませている姉様の右隣に腰掛けるのは僕で左隣に座っているのがシラねぇだ。

 

「切ちゃん、ごめんね…。みんな、歌兎の事が心配で仕方ないんだよ…悪気があるわけじゃないの、分かってあげて」

 

そう言って、日替わり定食Aのメインのおかずが乗っけてある藍色の皿からハンバーグを一口サイズに箸で器用に切り分けたシラねぇは左手を受け皿に隣にいる姉様へと「あーん」と差し出すと口を開けてパクリと食べた姉様はまだ怒りが収まらないのか、口を動かしながらも愚痴を漏らす。

 

「もぐもぐ…分かってるデスが、歌兎はみんなの妹じゃなくて、あたしの妹なんデス。なのに、あたしの前であんな風に歌兎をーー」

「切ちゃん、そんなに掻き込んだらむせるよ」

 

いつものように姉様とシラねぇが仲むずましく食事を取っているのを横目で見ながら、僕も目の前にあるエビフライ定食へと手をつけていく。

まずは小皿に盛り付けてある微塵切りにされたキャベツと人参に甘酸っぱいドレッシングがかかっているのを平られた後にメインであるカリカリに揚がったエビフライを口に含むとじゅわ〜りと甘みと油が舌に広がり、唇は油によってテカテカになってしまうのを紙ナプキンで拭こうとした時に不意に尿意に襲われてしまった。

 

(…あっ、トイレ行きたくなっちゃった)

 

ジッとしてたら大丈夫かなって思ったけどこれトイレに行かないとダメみたい…と判断した僕は隣でまだ頬を膨らませている姉様の膝の部分を人差し指と親指で詰まるとくいくいと自分の方へと引っ張る。

 

「あむ? どうしたデスか、歌兎?」

 

まるでハムスターのようになっている姉様へと「トイレに行ってくる」とだけ伝えて、付いて来ようとするのを止めてからスタスタとお手洗いへと向かう。

 

「…ハンカチはここにあるから…」

 

このハンカチでしっかりと手を拭いてから、トイレを出ようとした時だった…ドッシン、と誰がにぶつかったのは。

ぶつかった衝撃で軽く弾かれてよろめいた僕は慌てて頭を下げる。

 

「…ごめんなさいっ。僕、しっかり前向いてなくてーーいった」

 

僕がぶつかってしまった人は怒っているのか、下を向いている僕を壁へと押し付けると前を向こうとする僕の顔へと何かを掛けた誰かは何回も深く息を吸い込んでから、僕の唇へと柔らかくハリのあるものを押し付けてきたのだった。

 

「…んっ!?」

 

突然の事に脳が状況を処理が追いつかない中、掛けられた布の隙間から見えたのは谷間に隠れるように並んでいる二つのホクロだった。




という事で、何者かにまたキスされている歌兎ですが……犯人はどうやら【谷間に隠れるように並んでいる二つのホクロ】がいる人らしいですね。

因みに、この特徴は私が原作を観ていて、この子にそんなホクロがあったらいいなぁ〜と思って書いたものなので、もしかしたら原作と違うかもしれません(大汗)

なので、後少ししたら書こうと思っている【お風呂シーンにて犯人はこの子か!】と目星をつけていただければ嬉しいです!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。