うちの姉様は過保護すぎる。   作:律乃

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更新遅くなりました……大変お待たせしました……(高速土下座)
6月の初めから高熱を出してぶっ倒れていましたが、体調もだいぶん良くなってきたので……亀のようにゆっくりですが、更新していこうと思っております。

今回から始まる【シュレンディンガーのキス】は【幾千のバットエンドを乗り越えて】の世界線での話となっています。
簡単にあらすじを書かせていただくと……本作の主人公・歌兎を含めた奏者達は"とある訓練"の為にS.O.N.G.が用意した訓練施設へと来ており、その訓練をしている最中にオートスコアラーの襲撃が起こり、交戦後にいつものように実姉である暁 切歌の背中でスヤスヤと眠りについている歌兎へと密かに想いを寄せているとある少女こと"その少女"とその少女が引き起こしてしまった"キス事件"がこの話のキーワードとなっております。

読者の皆様も歌兎と共に"その少女"とは誰なのか?を推理しつつ、シュレンディンガーのキスをご覧ください!

では、本編をどうぞ!!


001 シュレンディンガーのキス~()~

 その日、その少女(・・・・)彼女(・・)を含めた全奏者達はとある訓練の為【 《S.O.N.G.》が用意した訓練施設へと来ていた。

 しかし、訓練の最中に新しい敵…オートスコアラーが出現し、交戦後にいつものように姉の背中でスヤスヤと眠りについてしまった彼女の年相応の無垢(むく)な寝顔をチラッと見てしまったその少女の胸の底にひっそりと育んでいた恋心が急速に実っていくのを感じた。

 

 訓練施設へと戻った奏者達は姉の背中でスヤスヤ眠りにつく彼女を労う声をかけるのを待ってから"うっこらしょ"とその場にピョンと飛んだ姉は左肩に顔を埋めて眠る彼女へと優しい眼差しを向けた後に奏者達へと視線を向けてからぺこりと頭を下げる。

 

「歌兎、疲れたようなので寝かせてくるデス」

 

 と頭を下げたことでズレ落ちてしまった彼女を落とさないように器用に抱っこし直した姉はトコトコと寝室まで歩いていき、彼女を抱っこしながら、布団を敷くとゆっくりと布団へと横たわらせて、水色が掛かった銀色の伸ばしっぱなしである前髪を手櫛で掬うとそのおでこへと唇を寄せるとチュッとリップ音を暗闇の中へと響かせた。

 そして、慈しむような眼差しをスヤスヤ寝息を立てている彼女へと向けた姉は微笑みながら、彼女のさらさらな髪へと手を差し込む。

 

「おやすみなさい、歌兎……しっかり休んでくださいね」

 

 その一言だけ伝えるとスクッと立ち上がり、彼女が眠る寝室を後にした。

 姉が寝室を後にした数時間後、彼女を取り囲むように部屋に集まっていた少女達が寝室を埋め尽くすように布団を敷き、其々何気ない会話の後に眠りについた。

 全員が眠りにつき、まん丸お月さんが灰色の夜空を優雅に泳いでいっている中、その事件は起きたのだった––––––––。

 

 

 

 今日の出動により、より一層彼女への想いを強めていったその少女は寝静まった寝室で一人起き上がると抜き足忍び足で彼女の布団へと歩み寄ると仰臥位(ぎょうがい)で健やかな眠りにつく彼女の下腹部へと跨がる。

 

「すぅ……すぅ……」

 

 そして、穏やかな寝息を漏らす彼女の年相応に幼くも適度に整っている顔の挟み込むように両手をついたその少女は改めて彼女を見下ろす。

 僅かな光を灯す電灯に照らし出されたサラサラな肌触りが気持ちいい水色の掛かった銀髪はシーツへと円を描くように広がっており、彼女が寝返りを打つ度に緩やかな波を立ててはその少女を魅入(みい)らせては吐息を漏らす。

 

「ーー」

 

 暫し、銀髪に魅入っていたその少女は今度は彼女が身につけている寝間着へと視線を向ける。

 彼女は普段から"自分の事は時の流れに任せる"と"姉には絶対服従(ふくじゅう)"という不思議な性格の上に"自分の事よりも他人(ひと)の事が第一"という自己犠牲が周りにいる人に比べて多く備わっていた、故に彼女が今のような状況に陥っているのは必然ともいえた。

 

「んぅ…っ……んーーっ、ん……」

 

 ゴロンと寝返りを打とうとした彼女が今回身につけてもらった寝間着はどうやらいつものように彼女の姉が好んで着せている色んな動物がプリントアウトされた大きめなサイズのパーカーのようで、今回はレッサーパンダようだ。クリクリなまん丸な瞳の周りにはふわふわな真っ白と真っ黒、黄土色のボア生地で彼女の華奢な身体を包み込んでいる……そう、本来ならば包み込んでいるのだが……彼女はどうやら寝相というものが悪いらしく、彼女の臀部(でんぶ)の所まであるはずのダボっとしたパーカーはお臍の辺りまで捲れ上がっており、サイズが大きなせいで右肩からずり落ちた襟首からは小さな肩と鎖骨、膨らみかけの胸元が半分以上があらわになっており……その少女は自然と生唾を飲み込んでいた。

 

「……ごくり」

 

 細身なのにしっかりと筋肉がついた小さな肢体……シミやシワひとつない真っ白できめ細やかな肌へと思わず手を伸ばしたその少女は自身の掌から伝わってくる感触についつい我慢ができなくなってしまった……。

 今の今まで募らせていった彼女への小さな恋心はその少女が思っているよりも破裂しそうなほどに胸へと募っていたのだ。

 

 

 

 

––––––––––故にその少女は彼女の唇へと自分の唇をくっつけてしまったのだろう……。

 

 

 

 

「……んっ」

 

 最初に唇をくっつけた時は触れるか触れているか分からないようなもの……そして、続けてくっついた時は最初よりも長くしっかりと……その次からはべったりと小さな唇の形や瑞々しい感触を味わい尽くすように上唇、下唇を引っ張っては摘み引っ張っては摘みを繰り返す。

 

「……はぁ……はぁ……」

 

––––心が、身体が熱くなってくる……

 

 彼女と唇をくっつけるたびに溢れんばかりの高揚感がその少女を襲うが……同時に多福感と罪悪感が溢れてくる。が、その少女は彼女の唇を奪うことをやめなかった。

彼女が眠っている時にもしかしたら初めてだったかもしれないファーストキスを奪ってしまったかもしれないという罪悪感よりも彼女とのキスで得られる多福感の方が優っていた。

 

「……んんっ、あむ、れろ…」

 

 圧倒的な多福感を貪り尽くすためにその少女は彼女の唇を奪い、遂には小さく赤い舌へと自分の舌を絡めていく。上下に絡めるのを延々と続ける。その度に彼女の唇の端からは涎が垂れては下に引いてあるシーツへとシミを増やしていく。

 

「……れろれろ、あむ……はぁ……っ、ん……っ」

 

 酸素が薄くなり、遂に唇を離したその少女は自分の唇から流れて汚れた頬を拭った後に涎で汚れる彼女の頬を慈しむように拭った後に今度ははだけた寝間着から覗く小さな膨らみへと唇を寄せるとパクリと滑らかな白い肌を咥え込み、続けて強い力で吸い付く……のを二箇所付けた後にジィ––––とアニマルパーカーのチェックを下までさげた後に左右へとはだけさせたことにより、半裸になった彼女へとその少女は同じように"赤いアト"を付け続ける……頬を赤らめ、胸に溢れてくる多福感に導かれるままに。




ということで、"その少女"とは誰なのかでしょうか?

と言いながらも全然情報がないですものね……(汗)
少なくとも今回の犯人は"姉様"ではないので、容疑者リストから除外してください(笑)

因みに、容疑者リストに載っているのは……

◆立花 響 ちゃん
◆風鳴 翼 さん
◆雪音 クリス ちゃん
◆マリア・カデンツァヴナ・イヴ さん
◆月読 調 ちゃん
◆天羽 奏 さん
◆セレナ・カデンツァヴナ・イヴ ちゃん
◆珠紀 カルマ さん

となっております。

この中の誰が"その少女"なのでしょうか?
"その少女"……この表現だけでも数名は除外できますね(笑)




最後に、今始まっているイベントやガチャについて語りたいのですが……あまり長く書くと目星をつけていらっしゃる読者の皆さんの邪魔になるので、簡単に述べますと……ここ最近の出る出るパワーにより翼さんがより多くうちの陣地に舞い降りてくれます!
本当にありがたい……(手を合わせる)

続けて、お知らせなのですが……来週から"うちあね"こと"うちの姉様は過保護すぎる。"は【毎週火曜日】に更新しようと思っています。あくまで予定なので、一日早かったり遅かったりとなると思いますが、変わらずに応援していただけると嬉しく思います!

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