うちの姉様は過保護すぎる。   作:律乃

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今回はネタに全力疾走したものとなってます。
歌兎がすごいツッコんでます……この子は私の心のダーク部分のせいで【"死んでしまう話数"と"ヤンデレ奏者のみんなに愛される話数"】でUA伸びがいい主人公となってますからね(笑)

私の笑いのツボは他の人に比べると可笑しいと思いますが、楽しんで読んでもらえると嬉しいです!

では、本編をどうぞ!!


001 肝試し

7月6日。

暦の上ではすっかり夏となり、外国での仕事が早めに終わったとのことで日本に帰国したマリねぇとセレねぇ、そして何故かクリスお姉ちゃんの提案により《TIKITIKI 奏者勢揃い肝試し大会》というのが半強制的に開かれたのだった。

本当になんでそんなにノリノリなのか分からないクリスお姉ちゃんが肝試しを行う場所として提案したのはこれまた大定番のその地域で何かが出ると噂に上がる廃墟であった。そんな時にそんなベタなところでしなくてもいいのに……怖がりではうちの姉様とどっこいどっこいであるクリスお姉ちゃんは何故ここまで乗り気なのだろうか? 何か変なものでもマリねぇとセレねぇに飲まされたのかな?

 

そんなこんなで現時刻 23:00。

 

良い子は既に夢の世界へと旅立っている時刻にマリねぇの『狼狽えるなッ!』と『セレナぁあああああ!!!!』という雄叫びで叩き起こされた……ううん、ツッコまされた僕達はうとうとしている間にパジャマから私服へと着替えさせられ、意気揚々とマリねぇ、セレねぇの手に引かれて、後部座席へと押し込まれてから点々と散らばっている奏者のお姉ちゃん達を拾っていったのだった。

というか、起こしに行くマリねぇってなんで『狼狽えるなッ!』と『セレナぁあああああ!!!!』という雄叫びしかあげないんだろ……ここまでその声が聞こえてくるし……助手席で待ってるセレねぇが顔真っ赤にしてる理由が僕にも分かるからやめてあげてほしい。後、さっきから姉様が僕を抱き枕か何かと勘違いしているのかギュッとして離してくれないのをどうかしてほしいし、さっきからブツブツと小声でお経唱えるのもやめてほしいというよりやめて! こんな深夜に聞くと本当に怖いからっ。

 

「あァッ! 歌兎なんで離れちゃうデスかっ」

 

なんで離れるって今この瞬間の姉様が一番怖いからだよ! だって、僕の顔を"この世の終わりだ"みたいな青白い真顔で見つめてくるだけじゃなくてボソボソお経唱えてるんだよ? この状況が怖くない人が居たら挙手してほしい。

 

「…姉様、暑い」

「あたしは暑くないデス。むしろ寒いデス……これはきっとトリハタってもんデス」

「…鳥さんが旗を振ってるの? ともかく僕が暑いから少しあっちに行って」

「ゔぅあぁあああああん」

 

泣いたっ!? どうして!?

垂れ目がちな黄緑色の瞳から大粒の涙をポロポロと流しながらワンワンと赤子のように泣く。

そんな姉様に抱きしめられながら、僕はワタワタと助手席に座るセレねぇや姉様の左肩にちょこんと頭を乗せて眠りについていたシラねぇへと視線を向けると丁度シラねぇが姉様の鳴き声で浅い眠りから起きたところだった。

とろ〜んとした薄桃色の瞳をパチクリとした後に隣でガン泣きしている姉様にギョッとしている。

 

「…! あれ? 切ちゃん、なんで泣いてるの?」

「歌兎があたしのことを要らないって……ゔっぅっ……あっちに行けっていうんデス……」

「ーー」

 

ゔっ……シラねぇの"ジィーー攻撃"が胸に痛い。

で、でも 僕の言い分だって聞いてほしい……だってこの車に乗った時から青ざめた顔を間近で見ながらお経だよ? これが怖くないわけないでしょう? 今、真夜中だよ? いくら大好きな姉様でも怖いものは怖いんだもん……仕方ないでしょう……。

 

シラねぇのジィーー攻撃から視線を逸らしたその時だった勢いよくスライド式の扉が開き、向こう側からドヤ顔のマリねぇが眠たそうな響お姉ちゃんと未来お姉ちゃん、そして後で分かるマリねぇとセレねぇの協力者であるクリスお姉ちゃんを連れてから大泣きしている姉様へと雄叫びを上げたのはーーーー。

 

「切歌、狼狽えるなッ!」

「うっさいんデスよ!!!!! こっちは妹に拒絶されたんデスよ!!!!!! 狼狽えるよりもこっちの方が一大事デスよ!!!!」

 

今度はキれたッ!?

しかもあんだけ『狼狽えるなッ!』って言ってマリねぇが姉様の怒声に狼狽えちゃってるよ……姉様って太陽のような明るい性格な上にあまりマリねぇに怒ることってないもんね……。

 

「うろうろうろうろうろうろ……狼狽えるなッ!」

「マリア、いい加減にしないと頭かち割りますよ」

 

うわーーお、砕けた"デス"無しのマジ口調での脅しがきたよ。あっ、マリアからドヤ顔が消えて、代わりに悲しそうな顔をしてる。

 

「ちくしょう……かなわないわけだ」

 

へ? は? ねぇ、何がッ!? 何がかなわないのっ!? やめて、閉めないで!! 今、この小さな空間にカオスが充満してるんだよ!?

ほら、響お姉ちゃんも未来お姉ちゃんもクリスお姉ちゃんだって姉様とシラねぇの向こう側座りにくそうにしてるよ!?

 

(セレねぇ……)

 

あぁ、セレねぇでもこのカオスをどうにかすることはできないと……本当にどうするの……このカオス。

 

「それじゃあ、出発するわよ」

「…マリねぇ。翼お姉ちゃんと奏お姉ちゃん、カルねぇは?」

 

今この場所にいるのは、今だにワンワンと泣いている"姉様"に"僕"、"シラねぇ"の向こう側に涎を垂らしながら"未来お姉ちゃん"の肩で眠りにつく"響師匠"に両腕を組んで不敵に笑う"クリスお姉ちゃん"。そして、この車を運転している"マリねぇ"と助手席に座っている"セレねぇ"の8人だ。

今、S.O.N.G.に所属している奏者は11名ーーなのだが、確実にいうとカルねぇはマリねぇへとギアを渡しているので奏者ではないのーーだが、ここには8名と3名も居ない。

 

「フ。歌兎、横を見てみなさい」

 

(へ?)

 

って何アレ!?

僕らが走っている車の横に青い線が走る銀色の巨大な壁みたいなものがある。いやちょっと待ってこの展開ってーー

 

「ーーいや、剣だ! 歌兎」

 

そんな声と共に大きな壁……剣からかっこよく宙返りしながら降りて来た三人の人影は僕がさっきマリねぇに訪ねたその本人達だった。

 

「私の車では8名が限界だから、翼に奏とカルマをお願いしたのよ」

 

『お願いしたのよ』って……翼お姉ちゃんが運転出来るバイクって最低でも二人乗りだった気がーー

 

「ーーフ。問題はないさ、歌兎。奏には私の右側の剣に乗ってもらい、左側の剣にはカルマに乗ってもらって、私の肩にしっかりつかまってもらっていたからな」

 

何その芸術乗りっ!? 普通に危ないよ。

でも僕の○ギン○ョル○も危ないし……二人を助けたくてもガン泣き姉様が僕を離してくれない。

そんな中、マリねぇの車から降りたシラねぇがちょんちょんとカルねぇの横腹を突く。

 

「カルマ、私の禁月輪に乗る?」

「翼のバイクも良かったけどあまり邪魔するのもあまりスリリングすぎるのもな……調、頼んでもいいか?」

「うん、いいよ。ーーVarious shul shagana tron」

 

ピンクと白……そして、何よりも今僕に抱きついてガン泣きしている姉様が身につけているイガリマと対となるギア・シュルシャガナの技である【禁月輪】にて運ばれることになったカルねぇを見届けた後、目の前でガン泣きしている姉様をどうにかして泣き止ませる方法を考える。

そして、姉様のガン泣きも僕の必死の呼びかけにてすっかりよくなり、僕は姉様をまた泣かせしまわないように今度は僕から姉様に抱きつき、僕のすっと〜んな胸元とは比べ物にならないほどに女性らしい曲線美を描く胸元へと顔を埋めて眠りにつくことにした。寝ていればきっと姉様のお経も聞こえないはずだから……うん、絶対聞こえないからっ。そう思い込むことで眠りにつくことに成功した僕はスヤスヤと寝息を立てていたのだがーー

 

「ーー……う、……たう……、歌兎っ」

 

という姉様の必死な呼びかけに目を覚ました僕はいつの間にかおんぶの状態になっていることに気づく。

 

「…ん?」

「歌兎、起きたデスか……?よかった……ひぐっ……本当によかったデス……ゔぅあぁあああああん」

「…ね、姉様……?」

 

なんでまた泣いてるの? というよりもここどこ!? 意識が途切れる前にマリねぇが説明していた話ではこんな森林の中ではなかったはずだけど……?

 

「みんなとはぐれて……迷子になっちゃったんデスぅううううう」

 

そう泣きわめく姉様に僕は絶句するのだった。




あんまり面白くなかったデスかね(笑)
でもハチャメチャな方が私は書きやすいのデス!(何故か得意げ)
因みに、この話の時間軸はメインストーリーのパラレルワールドとなっており、歌兎が【ミョルミル】とは別のギアを纏うようになってます。そのギアは今後登場させる予定なので伏せ字でのお披露目とさせてもらいました(礼)
ということで、切ちゃんと歌兎は無事奏者のみんなのところへと帰ることが出来るのでしょうか?
次回をお楽しみにです!



ここから余談に入ろうと思うのですが……その前に前の更新ですっ飛ばしてしまったガチャのご報告をさせて頂こうと思うのですが……定期的に☆5は翼さんは舞い降りてくれまして、翼さん以外は奏さん・マリアさん・クリスちゃんといった年上組となっております。
思えばこの小説を書き始めてから、年上組が来てくれるようになったんですよね……溢れ出る"甘やかされたい"という念が年上組を引き寄せてしまうのか……?よくわかりませんが、【シンフォギア1〜4期放送記念ガチャ】の100枚メダルにてあと一枚で切ちゃんの【終曲・バN堕ァァSuナッ血イ】が上限解放できるところまで来ました!!(ガッツポーズ)
また、驚くことにAXZ配信ガチャの最初の10連にて☆6ギアのマリアさん……【Vitalization】が当たりました……(放心)

今後する切ちゃんのギアもこんな風に来てくれるとありがたいんですけどね……こればっかりはもう運しかないですよね……(笑)




さて、皆さんは既に知っていると思われますが……なんとッ!XVのキャラソンのジャケットが響ちゃんに引き続き、切ちゃんが解禁されましたッ!!!(うおおおおおおおおおおお)

響ちゃんのジャケットデザインはもうカッコいいの一言に尽きると勝手ながら思っていまして…切ちゃんのジャケットも最初に拝見した時は『カッケー』でしたね!!
そういえば、今回の切ちゃんの構えって珍しいデザインデザインですよね…【G/AZX】では脇が見えるような感じで鎌を構えていて、【GX】では下から刈り上げるように構えているんですよね。
それが今回はなんていうんですかね………うまく言えないんですけど、違う構えとなっているので……気になった方は是非是非チェックしてみてくださいね!

また、切ちゃんの戦闘曲とB面も発表されたんですが……思わずつっこんじゃいました、『いやいや、真っ二つにしちゃあダメでしょ!?』って……まー、ザババは二人で一つだからねっ。きっと調ちゃんの戦闘曲で切ちゃんに足りないものを補ってくれてるバス!


そして、B面の『はっぴーばーすでーのうた』は見るからに涙が溢れてくる(涙)
確か公式のツイッターにて『切歌はこれからも本当の誕生日を知らないまま生活していきますが、この誕生日(4/13)をこれからも大事にしていきます』的なメッセージが公開されたと思うんですが……そのメッセージはここの歌のフラグでしたか……(勘違い?)
はっぴーばーすでーのうたということはXVの本編にて切ちゃんの本当の誕生日……過去が明かされるってことでしょうか???

んー分からぬ(悩)
今回の話はキャッチコピーから明らかに響ちゃんと未来ちゃんの話となるでしょうからね……その上に切ちゃんの過去まで触れてたら、話数が足りなくなりそう(笑)

だがしかし、公開さんが本当の誕生日を知らないままって書いてるんですから……知らないままなのかな……なんか悲しいけど……(涙)

ともかくこのはっぴーばーすでーのうたって前のB面のはっぴーにゃっぴーばけーしょんと似てて可愛いですよね〜(ニヤニヤ)
どんな曲になるかは分かりませんが、私は切ちゃんのCD発売を心待ちにするばかりです!!!

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