うちの姉様は過保護すぎる。   作:律乃

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響ちゃん、そして茅さんお誕生日おめでとうございますッ!!!

そして、今回の話はかなり短めです。あっという間に読み終えてしまうかもしれませんが…読者の皆さんに楽しく読んでもらえればと思います。

ーーーー

歌兎「…今回の話は姉様がやけ食いしてる話だよ」
切歌「なんデスとぉおお!!?」

って話。


001 秘密

「ごくんごくん」

 

右手に持ったジョッキの中に入っている薄茶色のしゅわしゅわっとした飲み物…コーラを(あお)るように飲んだあたしは勢いよく木で出来た机へとジョッキを叩きつける。

 

「ぷわぁー」

 

コーラの弾ける泡で僅かに汚れてしまった口元を乱暴に吹いたあたしを見て、にこにこ笑うのが真向かいに座る癖っ毛の多い短めの茶色の髪に琥珀色の瞳を持つ少女…響さんで、このふらわーに来る前に表を歩いていたのでほぼ強引に連れ込んだという経緯があったりする。

 

しかし、そんな経緯も無かったように響さんも楽しげにコーラで喉を潤したり、目の前でじゅうじゅうと美味しそうに焼けているお好み焼きを突いたりしているので、成り行きとはいえ響さんを捕まえられて良かったかもしれない。

 

(よぉーし!今日は飲んで!食って!忘れてやるのデス!調や歌兎の事なんて)

 

ふらわーのおばさんが注いでくれたコーラをまた一気飲みし、子コテでお好み焼きを切り取り、口に運ぶ。

 

「おぉ、すごい勢いで食べていくね、切歌ちゃん。私も負けたらないね!」

「おばさん、コーラもう一杯おかわりデス」

「はいよ」

 

熱々に熱したお好み焼きを冷まさずに口に含んだ為、火傷してしまった舌を氷の入ったコーラで冷やしながら、響さんとお好み焼きを突いていると、響さんが不思議そうな顔をして、あたしの短パンにあるポケットを見つめる。

 

「そういえば、切歌ちゃん。いつも大事そうに持ってるミニ歌兎ちゃんキーホルダーはどうしたの?無くしちゃった?」

 

響さんがいう"ミニ歌兎ちゃんキーホルダー"とは、今年のあたしの誕生日に歌兎から貰った誕生日プレゼントであって、歌兎を象ったぬいぐるみが付いたそのキーホルダーは歌兎の手作りらしく、他にも色んな服装を着た歌兎のぬいぐるみが腕に収まりきらないほどに贈られ、その歌兎たちはあたしのベットの上に綺麗に並んで座っている。

 

そんな歌兎ぬいぐるみを思い浮かべながら、あたしはキリッと響さんを睨み、ドンドンと机を叩く。

 

「そんなわけないデスッ!!あたしが歌兎を無くすなんて…!今日は…たまたま家に置いてきているだけなのデス」

「そうなんだ」

 

歯切れ悪くそう言うあたしにうなづいた響さんがごくんとコーラを一口含み、お好み焼きを子コテに乗せ、かぶりつく。

もぐもぐと頬を膨らませ、お好み焼きを食べる響さんに習い、あたしもお好み焼きにかぶりつく。

 

その会話から沈黙が降ってきて、無言でコーラを呷ぎ、お好み焼きを食べ尽くしたあたしと響さんはお腹を抑えながらもやけ食いへと街へ繰り出すのだった…




というわけで、突然始まった切ちゃんのやけ飲み食い。
彼女がこうなってしまったのには、ちゃんと訳があるのデス…その訳を次回は書ければと思います(礼)


今日から始まった『調べ歌う二重唱』の後半戦ですが…一言、感動しました(涙)
ネタバレになるといけないので、多くは語られませんが…ラストの挿し絵は卑怯デス…とだけ書かせてもらいます。

また、新たに追加された『ダイスキスキスギ』はきりしらファンには堪らん楽曲ですねっ(大興奮)
調ちゃんも切ちゃんの声がどこかしっとりしてるのも私的にはグッとでした!!
また、最後の歌詞がズルいですね……

あぁ、早くフルで聴きたいなぁ…(〃ω〃)

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