うちの姉様は過保護すぎる。   作:律乃

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本編の直しもうたわれの方もまだあまり進んでないけど、どうしてもアンソロジーのこの話が書きたかった……っ(切実)

何故なら大好きなネコネちゃんが奮闘する話だからですッ!!!!

って事で……この作品の元となる話は【うたわれるもの 偽りの仮面 電撃コミックアンソロジー】の中にある【森野カスミ先生】の【ホロロン鳥の飼い方】という作品です。
本作を読ませて原作を読ませたいと思われた方は……振り返らずに本屋へと突っ走れッ!!


漫談編 ホロロン鳥と兎と時々意地っ張り。 前編

1.

 

 ホロロン(ちょう)

 

 この世界に暮らす人にとってその鳥はとてもポピュラーだそうで……僕と姉様がこの世界に召喚されて、最初に出会った"ココポ"もそのホロロン鳥だそう。

 

 だそうと曖昧な言い方をするのは、そのココポを見た時のクオンお姉ちゃんやネコネお姉ちゃん達がなんとも言えない顔をしていたからである。

 正直、僕も姉様もホロロン鳥はココポしか見たことがないし……ココポの育ての親であるルルお姉ちゃんが「ホロロン鳥」というのならばそうなんだと思う。

 

 といった感じで結果、ホロロン鳥とココポの真相についてイマイチよくわからないままにここまでこの世界を過ごしてきた僕と姉様はある日、どこか興奮した様子のネコネお姉ちゃんとクオンお姉ちゃん、そしてその二人の後ろで眠たそうに大きな欠伸をしているハクお兄さんに呼ばれるがままに白楼閣の荷物置き場へと連れてこられていた。

 

 そこに置いてあった木で出来た箱の前に腰を落とすクオンお姉ちゃん、ネコネお姉ちゃんに習う形で僕と姉様も腰を落とした瞬間、垂れ目がちな黄緑の瞳と眠たそうに開かれた黄緑の瞳が徐々に開いていき、キラキラと光りだす。

 

「ふわぁ………」

「……これはヤバイのデス……」

 

 キラキラと光り出した理由は目の前に開かれている木で出来た箱の中にある。

 まず、箱の底にはふかふかの暖かそうな(わら)が所狭しとひきつめられており、その上をふわふわもこもことした小さな物体が『ピヨピヨ』と可愛らしい声をあげながら歩き回っているのだ……これが可愛くないわけがないッ。

 

「ピヨ」

 

 小さな両脚でしゃがんでいる僕と姉様の前へとトコトコと歩いてきて、一言だけ鳴いてから小首を傾げるその姿も大変愛らしく、すっかり骨抜き状態の僕と姉様はゆるゆるな表情へと早変わりし、僕たちの横にいるクオンお姉ちゃんとネコネお姉ちゃんも同じように目の前にいる小鳥の愛らしさにメロメロな様子だった。

 

「姉さま……やばいです」

「えぇ……ヤバイかな……」

 

 四人で目の前の木箱の中を自由奔放に動き回る小鳥達を見つめ続けていると僕の方へと一匹が近づいてくるとジィ–––と見つめてくるのでその円らな真ん丸な瞳を同じように見つめてみる。

 

「そうデス。クオンさん、ネコネ、この子達ってなんなんデスか? 歌兎に優りそうな可愛さと愛くるしさだったので聞くのを忘れてしまっていたんデスが」

 

 箱の中の一羽とにらめっこしている僕の横顔を見やり、更に表情をにやけさせながら自分の目の前にいるクオンお姉ちゃんとネコネお姉ちゃんに木箱の中にいる小鳥達の正体を訪ねる姉様の緩みに緩みきった表情を見ながら、苦笑いを浮かべるネコネお姉ちゃんがボソッと呟く。

 

「キリカさんの基準ってなんでもウタウさんなのですね………」

「ふぇ? 何か言ったデス? ネコネ」

「いいえ、なんでもないのです」

 

 澄まし顔のネコネお姉ちゃんを暫くキョトンとした様子で見ていた姉様へとクオンお姉ちゃんが箱の中を指差しながら首をかしげる。

 

「ええと、この子達のことが知りたいんだよね? この子達はホロロン鳥かな」

「な……なんデスとォォォォォォォォォ!!!!?」

 

 今日一の姉様の『なんデスと』は白楼閣の外へと鳴り響き、近くの山へとぶつかっては木霊(こだま)して返ってくる。

 

「…ピヨ」

「…ごめんね、うちの姉様が大きな声出しちゃって。そんなにピクピクしないで、怖くないから……」

 

 そう言って、一匹掌に乗って背中を優しく指先でさすってあげるとその様子を見ていた箱の中のホロロン鳥達が『僕も、私も撫でてッ、撫でてッ』と言わんばかりに群がってきてしまい、みるみるうちに僕の上半身はもふもふふわふわの波に飲み込まれていき……その様子に気づかないほどに姉様は動揺しきっており、自分の頭の中にあるホロロン鳥のイメージと僕に群がるホロロン鳥を交互に見比べては自分の中で整理できないままに情報だけが脳へと蓄積させていき、垂れ目がちな黄緑の瞳の中がぐるぐると渦巻きを作っていき……そして、"ばたんきゅ〜"とその場に倒れてしまったのだった。

 

 

 

2.

 

 姉様が目を回してしまい、倒れてしまったから……数十分後、クオンお姉ちゃんとネコネお姉ちゃん、ハクお兄さんにおぶさって貰い、居間で横にしてもらった姉様の横に腰を落とした僕をなんとも言えぬ顔で見つめてくるハクお兄さん、どこが羨ましそうに見つめてくるクオンお姉ちゃんとネコネお姉ちゃんへと小首を傾げる。

 

「…ハクお兄さん、クオンお姉ちゃん、ネコネお姉ちゃん? 僕に何かついてる?」

「僕に何かついてる……って沢山()()()()()()だろう。クオン、どうするんだ?」

 

 ハクお兄さんの茶色い瞳越しに僕自身の身なりを見てみるとほんの少し頭の上や肩に鮮やかな毛並みをしたふわふわもこもこの小鳥達が乗っかっているくらいでハクお兄さん達の様子がおかしくなるようなことはないと思うのだけど……。

 

「んー、いいんじゃないかな? この子達もウタウの事を気にいる様子で、ウタウ自身も気にしてない様子かな」

「気にしてない様子かなって……後で面倒事になっても自分は知らんぞ」

 

 ハクお兄さんの言う面倒事とはなんのことだろう……? と小首を傾げる僕に合わせて、頭の上と肩に乗っかっている小鳥達も同期(シンクロ)した動きで(クエッション)マークを沢山浮かべているとネコネお姉ちゃんがズイッと身を寄せてくる。

 

「ウタウさん、羨ましいのです。わたしもウタウさんのようにホロロン鳥に……動物に懐かれたいのです」

「懐かれてもうっとおしいだけだろう」

「ハクさんは夢のカケラも持てないヒトなんですね……」

 

 やれやれと言った感じで小馬鹿にしたようにそう言うネコネお姉ちゃんにハクお兄さんはムッとした様子で売り言葉に買い言葉で声を荒げる。

 

「なら、ネコネはホロロン鳥と動物に好かれて、何がしたいんだ?」

「決まってるじゃないですか! 飼うのです!」

 

 胸を張り、得意げにそう言うネコネお姉ちゃんに僕とハクお兄さんは眉を顰める。

 

「…飼う? ホロロン鳥を?」

「はい、そしていつかはココポのように大きく育ててあげたいのです!」

 

 ホロロン鳥ってココポのように大きくなるものなんだーと呑気に思いながら、僕は自分に群がっている小鳥達を見やり、この子達がココポのように大きくなった様子を想像して、嬉しく–––––なるわけはなく、ゾッとしていた……。

 

(もし、この子達がココポみたいに大きくなっちゃったら……僕潰されちゃう……)

 

「ピヨ」

「…ふふ、ありがと。君たちは僕の事を心配してくれてるんだね」

 

 僕を元気付けようとしてくれているのか、スリスリともふもふふわふわボディを頬や首筋、髪の毛へと擦り付けてくれている小鳥達を指差しで撫でてあげながら……目の前で口論しているハクお兄さんとネコネお姉ちゃんのやり取りを静観(せいかん)してみる。

 

「ココポのように育ってたいって……ココポと違ってウタウに群がってるのは普通のホロロン鳥だろ? よくわからんが」

「……」

「ハク……」

「えっ、何?」

 

 意気揚々としていたネコネお姉ちゃんの赤い瞳が目に見えて暗くなるのを見て、クオンお姉ちゃんが可哀想な人を見るまでハクお兄さんを見つめる視線を受けて、ハクお兄さんはなんでそんな目で見られているのかが分からない様子でキョトンとしている。

 そんな様子のハクお兄さんから視線を逸らしたクオンお姉ちゃんは隣で落ち込んだ様子のネコネお姉ちゃんの背中を撫でる。

 

「ネコネ。()()は気にしなくていいのよ」

「…アレって」

 

 アレ呼ばりにハクお兄さんは物申したい様子なのだが……傍観しててなんだけど、僕もさっきの言い方はないと思う。

 

「……ん? あ、れ……? あた、し……何して……」

 

 ハクお兄さんが女性陣に知らぬ間に冷たい視線で見られている中、タイミングが良いのか悪いのか……うちの過保護な姉様が右手で顔半分を覆いながら起き上がる。

 

「…おはよ、姉様。もう大丈夫?」

「うん、大丈夫デスよ、ウタ………」

 

 ど、どうしよ、姉様が起きて早々、僕を見つめたままフリーズしちゃったんだけど………おーい、ねえさーま? 僕が見えてますか?

 あんぐりと口を開けてから僕を見つめたまま、フリーズする姉様へと近づくために前のめりになって、目の前で小さく掌を降ってみたりしても反応は無くて、困惑する僕の耳に聞こえるのはハクお兄さんのムッとした声で–––––

 

「そんなことよりも鳥の飼い方とかわかるのか? たとえ大きく育てたとしてもチビっ子一人で世話できんのか?」

「ハク〜〜〜〜? ちょっと大人気ないかな」

 

–––––そして、瞬時にクオンお姉ちゃんの毛並みが美しい白い尻尾によってこめかみの辺りをギシギシと音が鳴るくらいに締め付けられて、苦しそうに顔をしかめるのが通常の流れで……

 

「く、くるしい……」

 

 僕は思わず失笑してしまっていると突然ドスンと横から体当たりされ、畳の上に倒れこみそうになりながらも耐えて、横を見やるとそこに居たのは鼻息が荒く、表情がダラダラにだらけきっている乙女がするべきではない顔をしている姉様だった。

 

「…姉様。あまりギュッてされると苦しいよぉ……」

「ああん、もうぉ! どういうことデスか!? この状況ッ。気絶してかと思うと目の前にもふもふふわふわづくしの妹がいるなんて……はあ……ウタウ、可愛すぎるのデス、大好き」

「…僕も姉様の事が大好きだよ。だから、もう少しだけ離れて……があっ……これ以上しめちゃ、だめ……」

 

 いつにも増して万力の力で抱き寄せ、強烈な頬ずりする姉様から一ミリでも良いから逃げようと身をよじっていると突然居間へと響く可愛らしい怒鳴り声。

 

「飼い方ぐらい知っているのです。ハクさんに言われると癪ですのでココポでやってみせるのですよ!」

 

 ハクお兄さんにそう宣言したネコネお姉ちゃんは此方も同じようなやりとりを行なっている僕と姉様の手首を其々掴む。

 

「にゃっ……ネコネっ、いきなり引っ張られるとバランスが崩れるデス!?」

「…おっとと……」

「ネコネ!」

 

 バランスを崩しながらもネコネお姉ちゃんに導けるままに部屋を後にする僕と姉様の背中に投げかけるのはクオンお姉ちゃんの叫び声だった……

 




後編に続く〜

今度はもっとネコネちゃんと歌兎を絡ませたいっっ。



【ゴジラVSシンフォギア】、最後の最後までいいシナリオでしたね……(しみじみ)
そして、何よりも番外編の最後の最後に現れたイラスト……はぁ……やっぱ切ちゃんって可愛いな…(デレデレ)

切ちゃん可愛いといえば……皆様は12/4に発売された【XV3巻】【XDアルバム2】を無事手元にゲット出来たでしょうか?
私はどちらもアルバムの方は遅れてしまいましたがネットの方で購入させていただきました!
3巻の表紙のクリスちゃんもさることながら内容、そして特典映像の【しないシンフォギア】と私にとっては大満足な内容でした!
また、12月28日は表紙を飾っているクリスちゃんの誕生日ということで……ネタバレになるかもしれさんがしないはそのクリスちゃんの誕生日にまつわるエピソードでしたね!
個人的に好きなのは最後の最後にあるひびみくのシーンです!!! 思わず『うおお……』って歓喜の声が漏れちゃいましたから……改めて、響ちゃんと未来ちゃんの絆は固いと思いました。
きりしら関係のシナリオではニヤニヤさせられ、クスッと笑わされました。
まず、本当に場外ホームランを決めた切ちゃん……落ち込んでいる様子が可愛いけど……調ちゃんのいう通り、昔のわんぱく野球アニメじゃないんだから……加減しないと……(.失笑)
しかし、割れたガラスを弁償するくらいにお小遣いを貰っている事に驚愕。
一応調べてみたけど、一枚安くて約五千円。高くて約一万円。
ふーむ、修理代で蒸発したってことは……切ちゃんのお小遣いは五千〜一万内って事かな? んー、今時の高校生にしては少ない気も……ハッ!? うまいもんマップ完成のための買い食い資金が多いのか!?(閃き)
兎も角、その後の『調と共同作業』『ケーキ入刀』は調ちゃんじゃなくてもそりゃ照れちゃうなって思いました(笑)

【アルバム2】の感想はフルで聴くとやはりどの曲も名曲ですね……特に響ちゃんの【KNOCK OUTッ!】はフルでも名曲ですし……響ちゃんのシャロンちゃんへの気持ちが沢山入った曲でもありますし、何よりも勇気をもらえるッッ!!! 因みに、好きなフレーズは最後の最後にある【君は強い】です。
また、クリスちゃんの【SONG FOR THE WORLD】も間違いなく名曲……クリスちゃんの心境が沢山含まれてますし、ずっと前にラジオで高垣さんが言っていた事はそういうことか……と納得させられる事が歌詞を読んでありました。まだ解読できてないところが多いと思いますので、またゆったりと歌詞を読んでみようと思います!
さて、ここからは【ダイスキスキスギ】と【アカツキノソラ】の感想を書こうと思います。
まず【ダイスキスキスギ】は聴いているだけでニヤニヤしてくる歌ですね〜♪ なんだよ『愛が過呼吸すぎて』って……もう!! お祝儀あげるから、そのまま結婚しちゃえ!!!(大興奮で変なテンションになる)
そんな二人のラブラブ感がふんだんに入ったこの曲で好きなところは調ちゃんは『分からず屋』。切ちゃんは『にゃっにゃ……暴走』ってとこです。まず何よりも『にゃっにゃ……暴走』の歌い方可愛すぎるだろッッッ(吠える)こんなんどうにかなっちゃうわァァァァ!!!(発狂)
また、【アカツキノソラ】は切ちゃんらしい曲でしたね……確かにスピード感があり、可愛らしい歌詞でしたが……読み込んでいくとぐさっとくる所がある……。『誰かの笑顔 誰かの幸せ 積み重ねた絆のメモリー 失ったら…?と思うと 何よりも怖くて いっそ自分が消えて みんなを守るのなら…』のところ、何度うるってきたことか……(号泣)でも、間間の『NoNo』が可愛いんだよな……こんちくしょー(可愛さを噛みしめる)
また、この曲の"太陽"は"希望(たいよう)"と書くのですね……。

希望(たいよう)に……なれるように』……か。

私は既に切ちゃんは希望(たいよう)になれてると思っているんだけどな……。
私にとっての切ちゃんは出会った時から希望(たいよう)でしたし……切ちゃんへの気持ち、中の人・茅さんへの気持ちもこれからも変わる事はないでしょうからッ!!!!(断言)

ま……私よりも切ちゃんへの愛が凄い人、茅さんへの愛が凄い人がいると思うので……あんまり偉そうな事は言えんですけどね……(大汗)
ですけど、私なりに二人への気持ちと愛をこれからも伝えていきたいと思います。




最後の最後にロスフラではルル(ルルティエ)さんを単独ガチャでゲットして……嬉しすぎて、契約6まであげちゃいました(照)

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