うちの姉様は過保護すぎる。   作:律乃

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更新は本当は来週にしようと思ったのですが…あの情報を見てしまってからはどうしても書きたくなってしまいまして、書かせて貰った次第です。

文字数はいつも通りで、今回の話で歌兎とチノちゃんのおつかいは終わりを迎えます。
ここまで、二人のおつかいを見守っていただいた読者の皆様ありがとうございます(礼)

二人の冒険で少しでも皆様が癒されたのならば嬉しく思います、では最後となる冒険をご覧ください!


010 ご注文は売り場ですか?

子うさぎに連れられて、向かった先にあったのはまさかの野うさぎたちの村みたいなものだったらしく…僕もチノも最初こそ戸惑ってしまったけど、クリクリのまん丸で見上げてくる野うさぎ達の可愛らしい仕草に我慢できなくなり、蹲ってスリスリと身体をすり寄せてくる子うさぎを抱っこしたときにはその気持ちいい感触に頬が思わず緩んでしまった。

その後、どんどん集まってくる野うさぎたちに囲まれながら、彼らをもふもふしていたら、いつの間にか空の色がだんだんと暗い方に向かっていっていて…膝の上に乗せている子うさぎを名残惜しそうに地面に置いて、僕らはその場所を後にした。

 

「…もふもふ暖かくて気持ちよかった」

 

まだ掌に残っているそれぞれ違う野うさぎ達の毛並みを思い出しながら、左隣にいるチノに話しかける。

すると、興奮気味の様子で僕の方を見ると、髪と同色の水色の入った銀色の瞳をキラキラをさせながら、早口で話し出す。

 

「はい、どの子達もそれぞれ違っていて…あんなにもふもふ出来たのは初めてです」

「…それなら良かった。また、一緒にもふもふしようね」

「はい」

 

暫くの間、あの野うさぎ達の村は僕らの秘密基地のようになるのだろう。

野うさぎ達に貰ったもふもふパワーで歩くスピードが上がる中、空を見上げて、花青緑色の端末へと視線を落とすと時刻は13:05となっていて、チノと出掛けたのは11:00だった気がするので…きっと今頃、うちの姉様が暴走するかしないかのギリギリのラインではないかと思う。

姉様曰く僕と長い時間離れてしまうと"歌兎エキス"がだんだんと減っていき、尽きると身体が重くなったり、気分を害したり、ひどい時にはめまいに続いて、嘔吐と…かなりヤバイ状態となるらしい。らしいというのは、シラねぇ越しから聞かされたからで、僕自身そこまで弱っている姉様を見たことない…いや、僕が《嫌い》と言ってしまった時は号泣しちゃって、弱々しかったか…。

しかし、その弱々しかった姉様も僕に抱きつき、頬をスリスリするだけで"歌兎エキス"が補給出来るそうで、忽ちに元気になる。

強く抱きしめてくる時は苦しいけど、その分姉様が元気になってくれるのならばそれでいい。姉様には笑顔が似合うし、シラねぇや他のお姉ちゃん達もどんよりしてる姉様よりも明るい方が好きだろうから。

 

しかし、元気すぎるというのも考えもので…これは、リゼお姉ちゃん。明日げっそりしてるんじゃあ……。

 

(…明日、リゼお姉ちゃんにお礼言っとこ)

 

「ココアさんも切歌さんも心配してるでしょうね」

「…ん、でもココアお姉ちゃんよりも姉様の方が心配」

「そう、ですね…。リゼさん、大丈夫でしょうか」

 

僕の台詞に苦笑いを浮かべるチノも姉様が大暴れして、それを取り押さえるリゼお姉ちゃんのことを心配しているようだった。

取り敢えず、これ以上リゼお姉ちゃんの負担にならないようにするには---

 

「---…姉様が心配して、ラビットハウスを飛び出す前に帰らないと」

「そうですね」

 

チノとうなづきあい、僕はラビットハウスから徒歩50分程度の所にあるスーパーみたいな建物へとチノに連れられて入っていく。

 

 

 

 

ⅰ.

 

「…えーと、モカお姉ちゃんに貰ったメモに書いてあるものは揃ったかな」

 

そう言って、僕は繋いでない方の手に摘んでいるメモへと視線を通す。

因みに、なんで手を繋いでいるのかというと、夕方言えど人が多くてはぐれてはいけないというわけで…深い意味はないのだが、何故か道行く人に《まぁ、仲のいい姉妹ね。どちらがお姉ちゃんなの?》や《よく似てること、初めてのおつかいなのかしらね。微笑ましいわ》、《そこの双子のお嬢さん達、これおじさんからのサービスね》と目的地に向かう前に屋台のお兄さんやお姉さん達につかまり、駄菓子やたい焼きを貰う始末。

 

(そんなに僕とチノお姉ちゃんって似てる…?)

 

よくうちの姉様やココアお姉ちゃんは間違って、声をかけてくるけど、他のお姉ちゃん達やお客さん達は間違えずに呼んでくれるから…あの二人だけが特別だと思っていたのだが、ここまで見知らぬ人に声をかけられるのはそれだけ似ているということなのだろう。

 

(…着ている服は真反対って感じなんだけどな)

 

僕の服装は、姉様が何処からか入手した可愛らしいしろくまさんの顔がプリントアウトされているフード付きのダボダボっとした真っ白なパーカーから僅かに覗くのは、丈の短い花青緑色のショートパンツ。そして、僕の脚を包み込むのは真っ白なニーソックスである。

一方のチノは、長い水色が入った銀髪をポニーテールにして、真っ白なカーディガンに腰のところにアクセントとして大きなリボンが付いているワンピースを着用している。

 

ボーイッシュな服装で固めている僕と女の子らしくキュートな服装で固めているチノ。

明らかに違うのだが…思えば、上に羽織っているパーカーとカーディガンの色が"白"という面は一致しているため、つい双子に見えてしまうのかもしれない。

 

(そもそもうちの姉様、本当にどこからこんな服買ってくるのかな)

 

姉様のアニマルフード好きは今に始まったわけじゃないけど、僕は姉様が何処からか大量のアニマルフードを入手してくるのかが不思議でたまらない。

と、余計なことに思考を割いていると、チノが身を寄せてから僕の手元にあるメモをのぞいてくる。僕はチノに見やすいようにメモを向けると

 

「えっと…無地のシャツと黒いスカートは手に入れましたね。あとは---」

 

---僕の制服の色となる"黄緑"の生地をこの膨大な布の海から探し出すだけなのだが…ひとまず、緑色系統が積み上がられている布地のコーナーに二人で向かう。

 

「この黄緑とかどうですか?」

 

目の前にある黄緑の布を取り出すチノが僕にその布を当てる。それを見て、僕は渋い顔をすると

 

「…んー、もう少し薄い方が好き」

「そうですか、ならこれは」

 

その後もチノに見立ててもらい、気に入った黄緑色を見つけた僕とチノは無事、ラビットハウスに帰った瞬間にそれぞれの姉に抱きつかれたのだった…




ということで、無事おつかいを終えた二人に抱きつく姉達…そして、その姉達を取り押さえていたリゼお姉ちゃんとモカさん、お疲れ様です(礼)
…へ?モカさんは本編に出てなかった?
あはは、いやですね、皆さん〜。モカさんは文字には出ていませんでしたが、ちゃんとそこには居ましたよ(皆さんから視線をそらす私)


さて、話を返させてもらいまして…私がどうしてこの話を書いたのかというと、私がXDと一緒にプレイされて貰っている『きららファンタジア』の方にごうちさの『チノちゃん』と『ココアちゃん』の二人の参戦が決まりまして、嬉しすぎて、テンションがおかしい方に向かう前に文字に残そうと書かせてもらった次第です。
待ちに待った二人の参戦、これは是非ともゲットしたい!!と意気込む中---

---XDで、今日から始まった『絆結ぶ赤き宝石』で登場した『カーバンクル』が可愛いのと…響ちゃんと未来ちゃんのイチャイチャ。そして、さりげなく優しいクリスちゃんにニヤニヤがとまりません!
まだ、イベントをされてない方がいらっしゃると思うので多くは語れませんが…ひびみくの絡みはヤバイとだけ伝えておきます。また、マリアさんも可愛かった…(*´Д`*)

また、今回のイベントで井口さんと高垣さんがラジオで書かれたメモリアが実装されるんですね。
二人が演じられているキャラでのイベントでしたので、まさかと思いましたが…まさかここでくるとは…!?と驚きが隠せませんでした。
二人のメモリア、是非ともMAXまで鍛えたいものです(微笑)

ここまでお付き合い頂きありがとうございました。
夜風がだんだんと寒くなっていきますが、風邪などひかれないようにお気をつけ下さい、ではでは〜(о´∀`о)

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