うちの姉様は過保護すぎる。   作:律乃

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こんばんわー、どうも律乃デス!

久しぶりの続けての更新ですが…この話は前の話の答え合わせとなっております。
さて、前の回にて皆さんは珍しい事を見つけることができたのでしょうか?そして、その珍しい事はあっているのでしょうか?

それでは…本編をどうぞ!

※毎度のことながら、読みにくいかもです…(ぺこり)


007 ご注文は呼び捨てですか?

「お姉様、スポンジどこデス?」

 

流し台に置いてある食器やお椀に僅かに残る汚れを水で流しながら、切歌はキョロキョロと辺りを見渡す。

 

「スポンジならそこね」

「…ありがとうデース」

「どういたしまして」

 

切歌に問われたシャロは流し台の近くに置かれている小物入れからスポンジを取り出すと切歌へと差し出す。

それを受け取った切歌がお礼を言う中、とてとてと両手に盛りつけ皿を持った歌兎が歩いてくる。

 

「…姉上様、お皿持ってきた」

「ありがとう、歌兎ちゃん」

「…へへ」

 

歌兎から皿を受け取ったシャロがさりげなく頭を撫でる中、ぷくーっと頬を膨らませている者が一人。

 

「…お姉様も歌兎もばっかりずるいのデス」

 

成長すればきっと美人になるであろう整った顔立ちの原型をとどめてない程に膨らむ切歌の頬を見て、シャロは小さくため息をつくと

 

「切歌もお皿洗いありがとうね」

「はいデス!」

 

なでりなでり、とシャロに明るめの金髪を撫でられながら、切歌は嬉しそうに顔を綻ばせる。

その笑顔を見て、思わず可愛いわね…と思ってしまったシャロはもうすっかり二人のお姉ちゃんであろう。

 

しかし、そんなほっこりした話で終わることがないこの二人のお泊まりはやはり切歌の日頃の行いが悪いからなのであろうか?いいや、恐らく常に波乱の道を歩いてきた暁姉妹だからこそだろう…そして、その暁姉妹に加わってしまったシャロもその波乱から逃れることはできないだろう。

 

「…姉上様、お風呂の湯出ない」

「へ!?うそっ!?」

 

一人、お風呂の湯をためようとお風呂場に行っていた歌兎が戻り、そう言うとシャロが血相を変えて、蛇口をひねるが全くもって湯が出る様子はない。

 

「…はぁ、困ったわね…。いつも通っている銭湯は今日は運悪く定休日だったと思うし…これは千夜にお風呂借りるしかないわね」

 

頭を抱えたシャロは切歌がお皿を洗い終えるのを待って、隣の《甘兎庵》へと向かうのであった……

 

 

 

 

ⅰ.

 

「え、えっと…ココアさん…?リゼさん…?どうして、私を見たまま黙ってるんですか?」

 

チノはコーヒーカップをふきんで拭きながら、自分を見つめたまま黙ったままのココア・リゼを見て、困惑している。

 

「びっくりするよ!!だって、歌兎ちゃんとチノちゃん、お互いを呼び捨てにしてたんだもの!」

「いつの間にそんなに仲良くなったんだ?」

 

興奮が冷めらないのか、前のめりで問い詰めてくるココアと純粋に疑問なのか、リゼも僅かながらに前のめりになって問いかける中、チノが言いにくそうにその訳を話すのであった。

 

「実は…」

 

それは珍しくチノが忘れ物をした時のことだった。

取りに帰ろうか、隣の席の人に借りようかで迷っているチノの耳へと聞き慣れた声が聞こえてきた。

 

『…チ…!…て』

 

振り返るチノが見たのは、チノが忘れた数学の教科書を持って走ってくる腰の辺りまで伸びている水色の入った銀髪を風に遊ばせ、悪魔を象った半袖パーカーを揺らしながら、華奢な足を懸命に動かしているチノの家に実の姉と暮らしている少女で、チノの目の前に止まった少女…歌兎は肩で息をしながら、チノへと数学の教科書を差し出す。

 

『はぁ…はぁ…、良かった…。間に合って…』

『ごめんなさい、歌兎さん』

『…いいよ。僕と姉様はチノお姉ちゃん達の家に居候させてもらってるんだから』

 

淡く微笑み、そう言った歌兎はチノと並んでいる二つの人影に気付く。

歌兎の視線に気づいたのか、チノと並んでいる二つの人影…マヤ、メグの方へと手を向けたチノが二人を紹介する。

そして、紹介された歌兎も自己紹介をして、そこで話が終わるものだと思っていた。

 

だがしかし、マヤの何気無い一言がいつまでも歌兎の心に残ってしまうのだった。

 

『そういえばさ、なんで歌兎って私達のことを"お姉ちゃん"って言うんだ?』

 

腕を後ろに組み、八重歯をのぞかせながらそう問うマヤに歌兎は右手の人差し指と親指を顎に添えて、暫し考えた後

 

『…んー、癖だと思う。僕は産まれた時から周りは年上ばかりだったから』

『ふーん、ならこれからは私らが同い年だからお姉ちゃんつけなくても良くなるな』

 

ニコッと笑うマヤに歌兎は顔を固くしたところで、チノの回想は終わり

 

「というわけで、歌兎さんは頑張って、私とマヤさん、メグちゃんを呼び捨てにする為に密かに二人で特訓してたんです」

 

チノが言う特訓というのが、歌兎が戻ってきて言った『おやすみ、チノ』というものだろう。

確かに、恥ずかしがり屋である歌兎やチノにはそういうちょっとした事から慣れていくのが一番いいかもしれない。

 

「じゃあ、チノちゃん。私のこともお姉ちゃんってーー」

「ーーココアさんはココアさんですよ」

 

ココアのセリフを遮り、そう言うチノにココアがいつものようなリアクションを取って、ラビットハウスでの一波乱が終わりを迎えたのであった……




というわけで、マヤちゃんの一言で歌兎がチマメ隊の名前を呼び捨てする為に毎晩、チノちゃんのへと『…おやすみ、チノ』と練習する歌兎の話でしたが…次回は、千夜ちゃんの風呂場を借りに行った暁姉妹三姉妹の話となると思います。



と余談なんですが…今回のイベントが可愛すぎてつらい…。
切ちゃんが可愛いのは痛いほど分かるのですが、切ちゃんロボと調ちゃんロボの可愛さたるや…それに、昔の自分を象ったロボに鬼神の形相となるマリアさんが面白すぎるっ!私、今回のイベントのマリアさん好きですよ!

さて、後半戦はどんな話となるのか…楽しみに待っていようと思います!

そして、まだロボギアの切ちゃんをお迎え出来てないです……。
しかし、新しいアイコン…白衣を着た切ちゃんが調ちゃんロボを頭に乗せているものをゲット出来たので、嬉しいのですが…やはり、ロボ切ちゃんが欲しいなぁ…(切望)

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