うちの姉様は過保護すぎる。   作:律乃

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 2章開幕ッ!


2章
011 今日の姉様なんか変


2.

 

 僕、暁歌兎には三つ上の姉がいる。

 名前は切歌。暁切歌。

 僕の性格が内向的であるならば、姉は正反対の社交的な性格である。

 外見も僕が腰まで伸びた銀髪で眠そうな瞳。そして成長を迎えることなく…このままぺったんなのでは? と思うほどにスットンと小さな胸にちんまりした身長。

 一方の姉は肩まで伸びた金髪でたれ目がちな瞳。そして成長期を迎え、どんどん大きくなっていく胸にサラッと伸びた長身な身長。

 似ているところといえば前髪と瞳が黄緑なところだろうか。それ以外は悲しいほどに似ていない……。

 

「––––」

 

 にしても、なんで姉……姉様は僕のことをジ–––ッとシラねぇ如き熱き視線を僕に向けてくるのだろうか。

 昨日からどこか様子が可笑しかった姉様に誘われて、一緒のベッドに潜り、眠ったのだが……いつの間にか起きていた姉様により僕は普通の枕から腕枕に変更させられた。右腕の上に乗っかった僕の後頭部を自分の方へと引き寄せた姉様は起きた僕を見つめながら、銀髪へと右掌を差し入れたまま後頭部を撫でる。

 

「…あ、あの…」

「なに? 歌兎」

 

 眠そうに見開かれた瞳に映るのは淡く……どこか疲れを感じさせる笑みを浮かべる姉様の姿で。

 優しく撫でてくれる掌の感触も間近でこっちを見つめ続ける黄緑の瞳も淡い笑みを浮かべる桜色の唇も……記憶にある姉様のどの表情よりも大人びているように思えて、気付くと僕は縋るように姉様の方を向き、ギュッと寝間着を握りしめる。

 

「歌兎?」

「…今日も。今日も……一緒に居てくれるんだよね?」

 

 両手でしがみついていないと姉が何処かに行ってしまいそうな気がして……そうしないといけないような気がして……思わず我が儘を言ってしまった。

 

(我が儘……。僕、悪い子になっちゃったのかな……)

 

 自分勝手な我が儘を言ってしまい、心配そうに見上げる僕を空いた左手で"よしよし"と頭を撫でた後に微笑む姉様に僕はコクンと頷く。

 

「ええ。今日も明日も明後日もずっと一緒にいましょう。…………そのためにあたしは戻ってきたのデスから…」

 

 最後に呟かれる小さな声は聞こえないまま、僕はなでなでと優しく髪の毛を撫でる姉様の掌に夢心地になりながら、僕は更に身を寄せるのだった。

 

 

 

 

 

 

3.

 

 気持ちよさに目を細める妹の姿を目下で見下ろしながら、あたしは昨日から考えていることへと思考をチェンジする。

 

(ここはやっぱり過去なのだろうか? そして、過去ならば………あたしは()()()()()()()()()()()()しまったのだろうか?)

 

 昨日、マムの部屋にいつの間にか居たあたしはご飯を呼びに来た歌兎と共に晩御飯を取り、お風呂というよりもシャワーを浴びた後に一緒にベッドへと潜り込み、掛け布団を胸元まで引き上げてあげて目を瞑った。

 数分後、スヤスヤと健やかな寝息を立てる妹の声に目を覚ましたあたしは今まで見ていた光景を思い出していた。

 ゴロンと妹の方へと寝返り、枕を頭を乗っけて気持ちよさそうに眠りにつく歌兎の頭へと自分の右腕を差し込む。自分の方へと妹を引き寄せながら、おでこへとキスを落とし、前髪へと鼻を押し付け、軽く目を瞑り、考え事と見たものを順番に並べていく。

 まず、晩御飯の時に見たみんなについて。既にリビングのようなホールに居たのはウェル博士。そして、調とマリア、セレナにマムを加えた計5人。歌兎に導かれるままに自分の席に座り、周りにいるみんなへと視線を配らせ、記憶にあるみんなと重ね合わせてみせる。すると、やはり記憶にあるみんなよりも()()感じられた。調もマリアもセレナも記憶にある三人よりも若く幼いように思え、不思議がられると思いながらもお風呂の時に思い切って、歌兎に『何歳なのか?』と聞いてみた。そして、少し困ったような顔をしながら返ってきた答えが––––

 

(––––11歳)

 

 "11歳"。つまりここは2年前の過去ということになるのだろうか? 歌兎の言葉通りならば。

 仮に。だとしたら。あたしはかなり昔まで時間を遡ってしまったらしい。まだ確信しているわけではないが……。

 

(でも、マムが歌兎がドクターがいる。歌兎と一緒に建物を探検した内装は響さん達と戦う前に潜伏していた廃病院と一緒だった)

 

「はぁ…………」

 

 思わず深いため息をついてしまう。

 分からないこと、理解できないことが沢山ありすぎて、頭が痛い。

 しかし、確認しなくてはいけないこと、考えなくてはいけないことがまだ沢山ある。これくらいで休むわけにはいかない。

 

「…姉様?」

 

 全てはこの子を守る為に。

 全てはあの結末を迎えない為に。

 

 

 もう二度、この手を離さないと決めたのだから……。

 

 

「なんでもないデスよ、歌兎」

 

 そう言って、更に歌兎を引き寄せたあたしはすんすんと鼻を鳴らしながら、小さな身体を自分の方へと更に手繰り寄せる。

 

「…姉様、苦しいよ。それにもう少ししたらシラねぇが起こしにくるよ」

「なら、それまで歌兎成分の補給をするデス」

「…ちょっ、姉様。そこは……っ」

「およ? 歌兎、ここは成長期デスか? 前よりもここは大きいような……」

 

 その後、身体を捻り逃げようとする歌兎との謎の攻防戦がベッドの中で行われ、決着が着く頃にはあたしも歌兎も瞼を閉じ、すやすやと寝息を立てて、二度寝へと移行していた…。




次回 聖遺物・メギンギョルズ

 かの女神が使っていたと言われる力帯。
 かの女神の神力を倍増させるその力を彼らは人の想いで変化させようと目論む。
 その目論見は過去の産物。


 だが、その目論見は平面化が変化を遂げていた–––––。


 その変化が齎らすのは破滅か希望か…












シンフォギアライブですが…………私は落選しました(お"お"お"お"お"お"ぉ"ぉ"の"の"の"の"の"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"……)

暫く"るぅーるぅーるぅー"と悲しみの唄を歌いながら、絶望オーラを纏いながら、更新していこうと思います……

軽く泣けてきました……(最早号泣)

最近、何もやる気になれないし…する気も湧かないし…気力も活力も元気も湧かない…

ガチャじゃ切ちゃんあんまりきてくれないし……偶に来てくれてももう上限解放している奴だし……

私はこれから何を糧に生きていけばいいのだろう……




だとしてもッ!!!!




某Xデー(4/13)はもうすぐッ!!

今回はどんな4コマ漫画、メモリアになるのかワクワクしつつ、Xデーガチャを沢山回せるよう歌唱石を集めていこうと思います!

Xデーからのフレンド欄は"中の人繋がり"で《切ちゃんと弓美ちゃん》にしようと思ってます。メモリアの方も二人が映っているものを載せようと思いますが…無ければ、切ちゃんオンリーにしようと思います。

世の中、全国ではコロナが流行っておりますので……読者の皆様はどうかご自身のお身体にお気をつけて、日々を過ごしてください!!

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