仮面ライダーロンパ、仮面ライダーボード   作:ガンダムラザーニャ

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『 』による先導

遡ること少し前。

 

アランブラが召喚した兵士たちを足止めするために残った空と白。

 

「ふぅ、今回は本物のドクターがメインだから俺たちはその露払いしてるが・・・」

 

「うん、あの人たちは、メインを取るべき。

だから、白たちは取り巻きの相手、してるけど・・・」

 

「あぁ、そうだな・・・」

 

「「なんか、飽きてきた」」

 

敵に囲まれているのにも関わらず二人はそうつぶやいた。

 

端から見れば、集団に囲まれて二人でそれらの相手となると圧倒的不利だ。

 

しかし、この二人はこの戦いに飽きたとかではない。

 

いくら倒しても一向に減らない敵の相手に飽きたのだ。

 

「・・・白、お前のそれってハッキングできんだろ?」

 

「うん。

白、今からにぃが、何が言いたいのか、何となく、わかる」

 

「じゃあ俺がなるべくそれができやすいように時間を稼ぐから、頼むぜ妹よ?」

 

「うん、任せて」

 

二人は敵の攻撃をかわしながら行動を開始する。

 

「さて、こいつはどうだ?」

 

『ロンパ!』

 

空はガシャコンサーチャーの画面からどの情報が弱点として弱いのかを調べ、発射する。

 

撃たれた兵士は消滅することなくその場で停止する。

 

そしてほぼすべての兵士を停止させたところ至る。

 

「にぃ、もう大丈夫?」

 

「あぁ、やってくれ」

 

「うん」

 

『ツナガレ!』

 

『ショット!』

 

まだ使われてなかった弾丸に設定し、白は停止した兵士に銃口を向けて放つ。

 

 

 

 

 

現在に至る。

 

「な、何だと!?」

 

「空、白、そいつらはどうしたんだ!?」

 

「なぜバグスターが味方になっているのだ!?」

 

三人は驚きを隠せなかった。

 

それもそのはず、さっきまで戦っていたアランブラの兵士が空と白に引き連られているのだから、驚くのも無理はなかった。

 

「貴様ぁ、我が軍勢に何をしたぁ!」

 

「それは、白の、『絶対絶望少女』の力」

 

白はガシャコンハッキングガンをアランブラの兵士に向けて告げる。

 

それはまるで、暴虐の王に立ち向かうレジスタンスの如く。

「総員、ドクターを助けて。

そして、勝利をその手に!」

 

それと同時に兵士は動きだしアランブラの兵士を永夢と飛彩から引き離すように場所を移しながら取り押さえようとする。

 

「これは・・・」

 

「何がどうなっているのだ!?」

 

「言ったろ?

白のガシャットの能力の一つさ」

 

「うん。

白の、『絶対絶望少女』は、モノクマっていう、殺戮兵器が蔓延る街で、少女がハッキング銃と呼ばれる武器を使って、戦いながらその街で起こっていることを探る、アクションゲーム」

 

「じゃああの敵を引き連れたのは?」

 

「この武器で、敵の中にあるプログラムをハッキングして、ジャミングを仕掛けた。

本来は、一体だけ操れるはず、だったんだけど」

 

「そこで俺がこいつであいつらを弱体化したってわけ」

 

白と空はガシャットの説明をする。

 

詰まる所、白の『ガシャコンハッキングガン』で操れるのは一体だけで、複数を操ると『ガシャコンハッキングガン』でも操り切れず、ましてやジャミングを振り切ろうとすると数秒で解けてしまうデメリットがあったのだ。

 

そこで空は『ガシャコンサーチャー』を使って敵がジャミングを振り切れないほどに弱体化させる、といった行動をとった。

 

その結果、白は複数の敵をジャミングして引き連れることができたのだ。

 

「ええい、何をごちゃごちゃと抜かしているか!

消え失せるがいい!!」

 

すると、業を煮やしたアランブラが杖を振るい魔法を使おうとした。

 

その時だった。

 

「おっと、そのネタはもう飽き飽きなんだよ」

 

『ロンパ!』

 

『クイック!』

 

空は瞬時に『ガシャコンサーチャー』を構え、アランブラの杖を粉々に破壊する。

 

「なにぃ!?」

 

「じゃあ、後はドクターであるあんたらがとどめ指しな」

 

「おう!」

 

「お前に言われるまでもない!!」

 

『ガッシューン!

ガシャット!

キメワザ!』

 

永夢はドライバーの横のスロットにガシャットを差し込みボタンを押し、、飛彩はガシャコンソードに挿し込みエネルギーをためる。

 

『マイティクリティカルストライク!!』

 

『タドルクリティカルフィニッシュ!!』

 

永夢はスロットのボタンを再び押すと同時に一気に飛び上がり、飛彩はガシャコンソードに炎を纏わせ薙ぎ払うかの如く斬撃を飛ばす。

 

「なっ!?

ふん!!」

 

アランブラは結界を張って防御を取ろうとするが炎を纏った斬撃はそれをいともたやすく切り捨てる。

 

「はああああああああああ!!」

 

飛び上がった永夢は足にエネルギーを溜めながらキックを構え、アランブラの胴体にヒットさせる。

 

「ぐ、ぐああああああ!!?」

 

『GAME CLEAR!!』

 

アランブラは攻撃に耐えられず爆散し、ゲームクリアの表示が現れる。

 

 

 

 

少年のゲーム病が無事に完治し、女性と一緒に帰るのを見送る。

 

「いやぁ、今回はひやひやしたなあ白」

 

「うん、まさか、本当に複数ハッキング、出来たなんて」

 

「空君、白ちゃん!?

大丈夫!?」

 

二人を見送った後、空と白は戦闘での疲労かその場で倒れこんでしまった。

 

「おそらく、現実で初めて変身したからその負荷だろうね」

 

「らしいな黎斗のおっさん。

しばらくしたら動けそうだが、毎度ゲーム病の治療でこんなになるともはやクソゲーになっちまう」

 

「うん、今のところ、最高のゲームがクソゲー、何としても阻止」

 

「そうだね。

すまないが、宝生先生や飛彩先生、ポッピーはCRに戻ってもらえるかな?」

 

「しかし、二人は・・・」

 

「大丈夫、あとは私に任せてください。

飛彩先生もそれで良いですね?」

 

「・・・一般人がまともに動けるというのでありましたら」

 

「じゃあ社長!

私もCRに戻ってるね!」

 

黎斗は三人を帰したあと、その場には空と白、黎斗の三人になった。

 

「・・・君たち、もうとっくに起き上がれるんじゃないかな?」

 

「ばれてたか。

まぁ、あんたに聞きたいことがあったからわざとこうしたんだが」

 

そう言って空と白は起き上がる。

 

「あんたはさ、何のゲームを作りたくて、俺たちからデータを採取してんだ?

こんな体張ったゲームなんて、一般人にやらせようってんならもう少し保険でも掛けたほうが良いと思うが」

 

「白たちが思うに、白たちが今使っている、ガシャットを一般販売させて、戦わせる気?」

 

「・・・そうだねぇ。

君たちの読み通り、私はあるゲームのデータの入ったガシャットを一般販売させようとしているのは当たりだ。

だが・・・」

 

黎斗は手を大きく広げる。

 

それはまるで、大いなる夢か野望を語るかのように、すべてを我が手中に収めようと言わんばかりに。

 

「それらの問題を解決し、なおかつ一般の方々に夢と冒険を与え続けるのが、ゲームマスターである私の使命だ・・・。

そのためには君たちにバグスターと戦って、データを集めてほしいのさ」

 

「なるほど、それがあんたの本性ってとこか。

いつもの二枚目よりも、今の方が十分お似合いだぜ。

だがな、俺らはあんたに頼みたいことあんだがどうだ?」

 

「ほう、何かな?」

 

「そのゲームができた暁には俺たちに最初にプレイさせろよ。

それで、ゲームが万人受けするかそれともただのクソゲーかを試させてもらう」

 

「一応トップシークレットだが、断ったらどうするんだい?」

 

「その時は、この情報を、衛生省に、送る」

 

白はスマホの画像を黎斗に見せる。

 

そこにあったのは黒いガシャットの入ったケースとそれがとある事件に関わっていて未だにゲンムコーポレーションが保有しているということだった。

 

「・・・全く、そんなことされたら、断れそうにないな」

 

「ああ、だが俺たちはただあんたのゲームをやりたいだけなんだわ。

テストプレイヤーとそれを雇ってるゲーム会社の社長のよしみで良いだろ?」

 

「それとも、白たちにさせたら、都合悪い?」

 

空と白は黎斗に詰め寄るように要求する。

 

黎斗はそんな二人を見て少し考えてから口を開く。

 

「良いでしょう。

そのゲームを最初に君たちにやってもらう」

 

「へっ、交渉成立だな」

 

「にぃ、でもこれ少し脅迫みたい」

 

「良いんだよ、白もやってみたいだろ?

おっさんの作るゲームをさ」

 

「うん、やってみたい」

 

「全く君たちは・・・。

さて、そろそろ戻ろう」

 

三人は色々と会話を交わしながらゲンムコーポレーションへと戻っていった。


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