仮面ライダーロンパ、仮面ライダーボード   作:ガンダムラザーニャ

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最初ですので、まだ変身しません。


交渉

ゲンムコーポレーション、檀黎斗が社長として経営しているゲーム会社だ。

 

「さて、永夢たちは仮面ライダーとしてバグスターと戦っている。

この先、君たちはどうなるんだろうねえ?」

 

黎斗は笑みを浮かべながらパソコンに映っているそれぞれの仮面ライダーのライダーガシャットのデータを見ている。

 

その時だった。

 

「社長、大変です!」

 

「うん、どうしたんだい?」

 

社長室に社員が慌てて入ってきた。

 

「実は、一週間前に配信したわが社のオンラインゲームをたった一人のユーザーによって現在配信されているステージを全てクリアされているのです!」

 

「・・・そのゲームは?」

 

「こちらになります。

以前、社長が自ら作られたオンラインゲームです」

 

黎斗は訝し気に聞くと社員はノートパソコンを開き、黎斗に見せる。

 

「『マイティクロニクルX』?

確かに私が作ったが、それを一週間もしないうちにすべてクリアしたと?」

 

『マイティクロニクルX』

 

『マイティアクションX』の後に開発されたオンラインゲームで、プレイヤーがマイティを動かしてプレイするのは変わらないが、その代わりにマイティ同士が戦ってレベルが上がったりそのレベルに応じて受けれるステージが増えるようになっているゲームだ。

 

黎斗自身、そのゲームを簡単にクリアできるように作ったわけではないし、むしろレベルが上がってもそのステージは難攻不落とも呼べる難易度に設定していたのだ。

 

それに、いくらマイティ同士で鍛えられるとはいえ、一週間でどうにかそのステージまでたどり着けるとは思えない。

 

「まさか、あのゲームをクリアするとは。

どのユーザーがクリアを?」

 

「このユーザーになります」

 

社員はパソコンを動かし、ユーザーのランキングを表示する。

 

その一位にいるものが、今回『マイティクロニクルX』をクリアしたプレイヤーである。

 

「『 』と書かれいて・・・、何と読むのか、さっぱりですが」

 

「・・・『 』(くうはく)

 

「えっ?」

 

黎斗はそのユーザー名を見ると思いだしたような言い方で社員に言う。

 

「く、『 』ってあの都市伝説になっている天才ゲーマーですか?」

 

「ああ、私もいまだに信じられないが、彼に間違いない。

まさか、『 』がわが社のオンラインゲームをプレイしていたとはね」

 

「ど、どうしますか?」

 

社員は困惑しながら聞く。

 

それもそのはずだ。

 

『 』

 

今ゲームが普及している現代において彼の名前を聞かない者はいないだろう。

 

相手がどんなチート、バグ、不正行為しようが必ず勝つ。

 

誰もその正体を知らない。

 

それゆえに今では都市伝説として語られている。

 

それが天才ゲーマー『 』。

 

「面白い、ぜひ彼をわが社のテストプレイヤーに迎えたいな」

 

「でも、相手は正体もわからないゲーマーですよ?」

 

「だからこそだよ、ここからは私が交渉するから、君は下がり給え」

 

「失礼しました」

 

黎斗は社員を下がらせる。

 

「さて、君はどんな輝きを見せてくれるんだ?」

 

社長室で一人になった黎斗は笑みを浮かべる。

 

しかし黎斗は知らなかった。

 

『 』は一人の天才ゲーマーではなく二人で一人の天才ゲーマーであることを。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、何とか勝てた・・・」

 

目の前の大量のパソコン画面を前に赤髪の少年、空はぐったりと背もたれにもたれかかる。

 

「にぃ、白も勝った」

 

空の隣で白髪の少女、白がスナック菓子を両手で食べながら足の指だけでパソコンゲームを操作している。

 

「あのなあ妹よ、『 』のアカウント使って足で操作するのやめてくれません?」

 

「お腹、すいたから。

にぃ、も食べる?」

 

「・・・いただきます」

 

空は白からスナック菓子をもらい頬張る。

 

そんなときに一通のメールが来た。

 

「にぃ、メール来てる」

 

「え?

誰からだよ?」

 

「にぃの、お友達?」

 

「ぐふっ!?」

 

空は『友達』の言葉を聞いて少しうろたえてしまう。

 

「い、いやーこのかた18年生きてきた俺への妹からの嫌みが聞こえた気がするなぁー」

 

空はうろたえながらも持ちこたえる。

 

「でも、このアドレス、ゲンムコーポレーションの」

 

「ゲンムコーポレーションから?

どんなんだよ?」

 

空は白と一緒にメールを見る限り。

 

『やぁ、君が『 』だね?

私はゲンムコーポレーションで社長を勤める檀黎斗だ。

今回は君をわが社のテストプレイヤーとしてスカウトしたいのだが、どうかな?』

 

「・・・社長直々のメールだと?

あぁ、あのオンラインゲームのことか」

 

「にぃ、断っとく?

白たち、ニートにとって、どうでも良いことだし」

 

「それもそうだな。

俺たちからしてみたらこんなのどうでも良いことだしな」

 

空は白と相談しながらメールの返事をする。

 

『仕事先の紹介お疲れ様。

だが、生憎そんなことする気起きないし、辞退させていただくさ』

 

メールを送信するが、すぐに返信が来た。

 

『そうか、それは残念だ。

君たちの実力を見込んでスカウトしたのだが』

 

『どういう意味だ』

 

『君はゲームで病気を治すことができると言えば信じるかい?』

 

「・・・」

 

「・・・」

 

空と白は檀黎斗のメールを思わず黙り込む。

 

ゲームで人を治す?

 

何を馬鹿げたこと言ってるんだこいつ。

 

でも、そんな病気があるなら、と二人は考える。

 

互いに見つめあった後、空はメールを書いて送信する。

 

『確かにそんな病気があるってんなら、偉大な医者になれたかもな。

だったらその話に乗ってやるよ』

 

『そうか、では交渉成立だね。

では近々ゲンムコーポレーションにて話がしたい。

ゲームで治せる病気のことで直接会って話がしたいんだ』

 

『了解、じゃあ明日にでも顔出そうか?』

 

『あぁ、いつでも構わないさ』

 

それっきり、メールはなくなり、空と白はため息をつく。

 

「妹よ、俺たちは周りに理解されることはなかったし、現実もクソゲーとかって思った」

 

「うん、白もそう思う。

でも、相手が言ってるようなことって、ある?」

 

「まぁ、今回はあくまでも乗ってみるのも一興かと思ったまでさ。

それに俺たちは二人で一人の『 』、だろ?」

 

「『 』に、敗北はない。

例えどんなゲームがあっても、白たちは、負けない」

 

二人はそう呟いて、互いにゲームを再開させる。

 

二人で一人の天才『 』。

 

この二人の物語が幕を開ける。




どうです?
自分なりに『 』の口調とか書けたと思いますが、似てますか?

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