この素晴らしい女神に祝福を!   作:紗代

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スタートポイントが必ずしも初心者向けであるとは限らない

天使によって異世界に飛ばされた私が最初にしたのはやっぱり情報収集である。そしてこの世界に来て一か月たった今、情報をまとめてみる。

 

そのいち。この世界はゲームのRPGと同じようなシステム(レベル、スキルなど)で出来ている。

そのに。死んでも「リザレクション」というプリーストの魔法で復活できる(ただし一回だけ)。

そのさん。正直これに一番驚いたんだけど、この世界にはイノリアス教という私を信仰している宗教がある。

いや、なんていうか、この世界は私たちのいた世界とは根本的に違うわけだから向こうであった叙事詩があるわけじゃない。世界の作りだって違うはずだ。ならやっぱり行き着くのは転生者。おそらくメソポタミアを研究していた人物か強い縁を持つ人物だろう。

まあ、女神が神代でもない世界をぶらつくなんてそうそうないことなので他人の空似程度の認識でまかり通っている。何より私の全盛期・・・ギルと結婚した辺りの姿ではないので指を指されることもない。

なので昔と同じように絶賛世界旅行中である。なお、お金については問題ない。何もしなくても増えるから。でもモンスターたちが見逃してくれるわけではないので徹底的に応戦する。まずこの世界に落とされたときの場所が色々アレだった。なんていうか竜種の巣窟みたいになってる所謂危険地帯というやつでもちろん人っ子一人いなかった。当然である。なので出会う竜(襲い掛かってきたの)を片っ端から締め上げ懐いてきてくれるものもいたけど、生憎私の騎乗スキルは竜に対応していないので残念ながら連れてこれなかった。

そのあとは自分を信仰してるところの総本山というか、「聖地」と呼ばれているキガル・シュテムに行ったり、王都に行ったりとあちこち回った。しかし問題が一つある。・・・・魔王軍と戦うために呼ばれたのに魔王軍の幹部と一回も会っていない、ということだ。

魔王を倒すにあたって越えなければいけないのは幹部のはず。なのに噂を聞きつけて行ったのにも関わらず全くエンカウントなしでそのままダンジョンクリアしていたのはこれで何回目だろう。

まさか、まさかとは思うけど・・・・・・・・・・・・うっかりとか、ないよね?・・・・ない、よね。でも天使様に呼ばれたときも咄嗟に判断してれば防げないわけじゃなかったからなあ・・・・あれ、出端からくじいてる気がする。

 

まあ、気を取り直して次の行先を探す。と言っても一番危険そうな王都の周りはもう回ったしキガル・シュテム周辺は異端審問官的な子たちが駆逐する勢いで倒しているのでさすがの魔王軍も寄り付かないし・・・・

 

「となると、後はここしかないんだよなあ」

 

ここは魔王軍の最前線より遠いから正直一番出会う確率が低いと思って一度も行ったことがなかったんだけど、背に腹は代えられないしね。

 

「試しに行ってみるか――――――――――――アクセル」

 

こうして私はリオに跨ると次の目的地アクセルへと向かうのだった。




黄金律最高!そして感想の方でも指摘がありましたが実のところ言うとちゃんと対応してればわざわざそんな間抜けっぽい飛び方しません。なんで後ろ見ちゃうかな・・・っていううっかりです。
ダンジョンエンカウントも見事に行き違いやトラップに引っかからず幹部や兵士に隙を見せることなくサクサク進んで行くうっかり(というより幸運といったらいいのか?)で相手にすら出来てないです。

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