仮面ライダーディスクロス   作:楓神スラッガーエース

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お待たせしました(おそらく誰も待ってない)
。新フォームやライバルの出現、あとは作者の好きなアーティストが元ネタのゲストキャラありの第三話です。


第三話「繋がるビート」

——ライドモンスター、それはアプリの数だけ存在し、自ら考え、行動する『電子生命体』。

彼らはライドディスクで実体化し、そしてクロスドライバーでその力を発揮する。

今、ネットの海の底から、最凶の人工知能が動き出そうとしていた。

近未来、人類-ヒト-の知能を人工知能-AI-が超える——。

 

 

創都学園高校付近、午後1:30

午前授業が終了するチャイムが鳴り、帰宅する生徒、部活動を始める生徒などが散り散りに行動を始める。

洸祐は特に予定もないため、高校を出て、市街地の図書館に向かう。

 

創都学園都市、創都自然公園、午後1:35

図書館敷地内の公園で、シンセサイザーの路上ライブの準備をしているすこし年下の少年・浅木涼介を見つけた。

洸祐と涼介は隣近所の付き合いだ。

「あ、涼くん!久しぶり!」

「あれ?洸兄、今日学校だったの?」

「うん。涼くんは路上ライブの準備?」

「1時ごろから始める予定だったんだけど、愽貴が寝坊して今この状態。でもこれがほぼ日常だからw」

二人は公園のベンチに座り、話し始める。

「すごいよね、いつもスマイル動画でNEXSTの動画を見ているけど、博貴くんの歌声と、涼くんの音楽がベストマッチしていて。」

音楽ユニット・NEXST(ネクスト)、ボーカルのHIROKIこと清水愽貴とキーボードのRYOこと浅木涼介の二人で構成されている、スマイル動画限定で活躍しているユニットだ。

「愽貴と知り合ったのは比較的最近なんだけどね、宙ヶ街高校のオリエンテーションで気が合って…みたいな。」

「そういえば、博貴くんってどんな人なの?」

「それがスゴイ家でね、なんでも代々450年くらい続いている日本舞踊の家元なんだって、だから長男の愽貴が直に継がなくちゃならないって…」

「それって、愽貴くんは嫌なんじゃ…。」

「それは僕も思ってヒロキに聞いたよ。そしたら愽貴も生まれたときから、この道で歩いていくか不安だったって、でも大事なのは周りがどうこうじゃなくて、今の自分がノッているか否か。自分の道は自分で切り開いてこそだって。愽貴らしいでしょ?w」

「確かに、生放送の愽貴くんもそんなこと言ってた気がするしw。」

「ま、いずれ後を継ぐかはわからないけど、現状スマイル動画限定での活動を許してもらえたし、みんなも楽しんでくれてるから涼介的にもオールオッケーかなw。」

「(僕も、ある意味ウィンザ達のおかげで一歩踏み出せたようなものなのかな…?)」

ふと、洸祐が思ってると…。

「ごめん!涼ちゃん!今日生放送とライブやることすっかり忘れて!!!」

「んも~…これで通算三度目だよ?」

「本当にごめん!今度お昼奢るからさ!」

「ホント?ならいいや、みんな待ってるし、セッティングはじめるか!」

涼介と愽貴の二人はセッティングを始めた。

「おい、洸祐!」

「えっ、ウィンザどうしたの?」

「なんかヤベーくらいにバグレイダーの気配を感じるんだが…」

「本当!?」

[CROSS DRIVER SYSTEM UP!]

クロスドライバーを装着するが…

「いないよ?」

「あぁ~そうじゃなくて、現れそうな予感がするんだよ…。」

「予感?」

「あぁ。」

その時、涼介のシンセサイザーの外部スピーカーからノイズ交じりのエネルギーが出てきて…

「バグレイダー!?」

「予感的中か!」

スピーカーのバグから生まれたスピーカバグレイダーが現れた。

事前にドライバーを付けていたのが功を奏したのか、スピーカバグレイダーが現れたとともに周りにいた人は蜘蛛の子を散らすように逃げていく。

スピーカバグレイダーの音波の波動が駐車してある車を、公園の塀を壊していく。

そして逃げ遅れたであろう涼介にまで襲い掛かろうとしている…。

「マズい!」

[WIND DISC START UP!]

[WIND DISC SET!!]

「変身!」

[CROSS UP! WIND HOPPER!!]

すぐさまディスクロスに変身、スピーカバグレイダーを蹴飛ばして涼介を助け出した。

「君は…?」

ディスクロスは涼介に振り向き、スピーカバグレイダーに立ち向かう。

 

[ATTAC-ROSS WEAPON!ACTIVE!]

アタックロスウエポンをソードモードに展開、スピーカバグレイダーに一撃をくらわせようとするが…

「っ、いない!?」

まるでホログラムかのように消えた。

「残念、我はここだァ!!」

一瞬のうちにディスクロスの背後にいたスピーカバグレイダーが至近距離で波動攻撃を仕掛けてきた。

その一撃をくらったディスクロスは吹っ飛ぶ。

「そうだ!検索機能でなら…」

「いや、それはムリだ。」

「なんで!?」

「俺の検索機能は敵の隙を付けないと検索できねぇ、あの速さだと、ライメイのマーキング能力もほぼ無理に近い、それにアイツ…おそらく『エクスの欠片』でとてつもなくパワーを増強しているに違いねぇ…。」

「嘘!?『エクスの欠片』って敵が使うとパワーアップしちゃうってこと!?」

「何処を見ていやがるッ!!」

「うわっ!?」

スピーカバグレイダーに蹴飛ばされ、吹き飛ぶディスクロス、その視線にいたのは…

涼介と愽貴だった。

 

「愽貴、あれ一体何!?」

「確証はないけど、今ネットで都市伝説になっている『仮面ライダー』ってヤツなんじゃない?」

「『仮面ライダー』!?」

「えっ、涼ちゃん知らないの!?バイクに乗って颯爽と現れて、怪物を倒して颯爽と何処かへ行ってしまうさすらいのヒーローだよ!?」

「…作曲に集中しすぎてニュース見てない。」

「えぇっ!?」

「でも、あのヒーローが僕たちのために戦っていることはわかるよ…でもあの状況だと…。」

涼介はスピーカバグレイダーに圧倒されているディスクロスを見る。

「でも、何が起こるかなんて神様にもわからないじゃん。」

「えっ。」

涼介は愽貴の一言で愽貴を見る。

「俺はさ、『奇跡』って言葉を信じてるんだ。俺ね、思うんだ。涼ちゃんと出会ったのもある意味『奇跡』なんじゃないかって。」

「愽貴…。」

「だからさ、信じてみようよ。『仮面ライダー』があの怪物を逆転してくれる奇跡を。」

愽貴の言葉に呼応したのか、涼介が持っていたスマホから青い光がディスクロスの許へ飛んで行った。

 

「何だ!?これ…。」

ディスクロスの掌の青い光は、青いディスクに形成された。

「こんなことってあり得るの?」

「いや、俺も知らねぇが…奇跡かもしれねぇな。」

[WATER DISC START UP!]

ウォーターディスクを起動、するとそこから青いカマキリの姿をしたライドモンスターが出現した。

「アタシのこと呼んだ?ヒーロー見習いクン?」

「いきなりこんなこと言うのもアレなんだろうけど、僕の力になってくれない?」

「勿論!このアタシ、クアッド様にかかればどんなバグレイダーも一撃!!ってもんよ!!」

「よし、行くぞ!」

[WATER DISC SET UP!]

[CROSS UP! WATER MANTIS!]

緑のアーマーのウィンドホッパーフォルムから、青いアーマーのウォーターマンティスフォルムにチェンジ。

「そんなこけおどしが通用するか!!」

スピーカバグレイダーが高速攻撃を仕掛ける。

「マズい!またあいつが…」

「こーゆー時のためのアビリティでしょ?一気に片付けるよ!」

[WATER DISC ABILITY ACTIVE!!!]

ウォーターマンティスフォルムの特殊能力は音速レベルの高速移動。スピーカバグレイダーの高速攻撃をアタックロスウエポン・ブレードモードで圧倒する。

「なぜだぁぁぁぁ…『エクスの欠片』を持っている我がこのような輩にぃ…!」

「なんでって…それは”僕達”だからだ!」

「よぉし!アタシたちの勝利のビート、あいつに聞かせちゃお!!」

「うん!」

[DISC SET! FINAL BREAK!]

「「激流ライダーカットォ!!」」

ウェポンにディスクをセット。水のエネルギーが刀身に宿り、ディスクロスは波に乗るかのように地面を滑って、スピーカバグレイダーにとどめの一撃をお見舞いした!

 

「よし!」

「やったぁ!!」

物陰から見ていた愽貴と涼介もディスクロスの勝利に安堵した。

「涼ちゃん、今度こそライブ再開する?」

「そりゃぁもちろん!生放送を待っているみんながいるしね。」

涼介と愽貴は、生放送する場所へと戻っていった、その時に涼介はディスクロスにサムズアップを向けていた。

 

[SYSTEM SHUT DOWN!]

「よし、『エクスの欠片』ゲット!まさか涼くんのスマホからライドモンスターが出てくるとはねぇw」

「ウィンザにも予測不能なことをするのがアタシクオリティ☆!」

「まさか本当にお前だったとはな、クアッド…」

「何よその表情ー!アタシマジ激おこなんですけどー!!!」

その時だった、紫色の禍々しい波動のようなエネルギーが、自然公園の空気を一変させた。

そして、洸祐達の許に歩いてくる洸祐と同じ年のような少年が見えた。

「ディスクロス―いや、『神薙洸祐』。お前の情報はハッキングした。すぐさま『エクスの欠片』を寄越せ。」

「君は一体誰なんだ!?」

「俺の名は、白堊 靈斗。そしてもう一つの名は…」

[SYSTEM START!]

右手に握っているショットガン・デストローダーから禍々しい音声が流れる

[DEADLY DISC START UP…!]

紫と黒の混ざったディスクを起動、すると紫の蜘蛛のライドモンスター・ペインが姿を現す。

「ライドディスクにライドモンスター!?」

[DEADLY DISC SET!]

「変身…!」

[STAND UP! DEADLY SPIDER!]

靈斗と名乗った少年は黒とガンメタのボディを身に纏い、そしてペインの身体が分割、アーマーを形成した。

「仮面ライダーデストレイ…トロイアには手出しはさせない…!」

 

COMING TO NEXT STAGE...?




さて、いかがだったでしょうか。
デストレイ出現で洸祐はどうなってしまうのか?
そしてデストレイ・靈斗(レイト)は一体何者なのか?
その真相は次回以降だんだん明らかになりますのでお楽しみに!

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