―― 緑谷 ――
「ふう、疲れた~」
【個性】の同時使用はやっぱつかれるなぁ
「あの」
「えっ」
この声は‼
聞き覚えのある声に振り向くとそこにはあの”かわいい子”がいた
「さっきはありがとう!!転んじゃった時はもうダメかと思ったよ~」
「今朝、助けてもらったからお相子だよ。それに困ってる人を助ける、それがヒーローってやつだからね!」
ここでどもったら変な奴だと思われちゃう!!やばっ変な汗かいてきた!!
「そっか!!でもありがとう!!」
「う、うん、どういたしまして!処で足の怪我は大丈夫?瓦礫に挟んでたみたいだけど・・・」
「ああ、平気平気!!ちょっと痛むけど大した怪我じゃないよ?」
両手を突き出して左右に振り問題ないと少女は言った
「ならよかった」
「そうだ自己紹介がまだだったよね?私は麗日お茶子!よろしく!!」
そういって右手を出してくる
「僕は緑谷出久よろしく!!」
慌ててズボンで手を拭い、自己紹介しながら握手した
女の子の手だ!!柔らけえ!!そして彼女の名前ゲット!!!!よっしゃぁぁぁ!!!!!
彼女の手は最高に柔らかかった
――――――――――
―― 受験生 ――
緑谷出久が麗日お茶子と話している一方、他の受験生たちは唖然としていた
「あいつ、何だったんだ・・・?いきなりギミックに飛び出したりして・・・」
あまりの光景に受験生の一人がポツリと呟き、それに呼応するように周りも話し出す
「増強型の【個性】だろうけど・・・規格外だな。あんなでけえのひっくり返してからのズドンだろ?」
「でも手がデカくなってたから複合型じゃね?」
「良く分からんが、とりあえずすげぇ奴だってのは間違いねえよ」
そこじゃないだろう!見てなかったのか!?奴は彼女を救わんと飛び出したんだ!!残り時間・・・己の身の安全・・・合格に必要な要素を天秤に掛け・・・それでも尚一切の躊躇なく!!!そして救助も完璧にこなした!!試験という場でなかったら当然!!僕もそのようにしたさ!!
「ん?」
おや!?試験・・・当然・・・!?おやおや・・・!?
眼鏡をかけた少年が、『彼』の【個性】について話している受験生に対して「見るべきは【個性】ではなく行動だ」と、そして「試験じゃなければ自分だって」とくわっと目を見開き下唇を噛み悔しがったが、直後何かに気付いた
――――――――――
―― 緑谷 ――
「はい、お疲れさま~、お疲れさま~、お疲れさま~、ハイハイ、ハリボーだよハリボーお食べ」
注射器のような髪留めを着け、同じく注射器のような杖を持った老婆――リカバリーガール――が受験生を労いながら現れた
「随分派手にやってたけど怪我はないかい?」
「はい、大丈夫です!!多少のかすり傷なら【個性】でもう治ってますから。」
覚えていてよかった[
「ほう、複合型の【個性】かい?」
「いえ違いますけど、複数の【個性】が使えるんです。それより彼女を見てもらえませんか?足を瓦礫に挟んでいたので」
リカバリーガールが僕に怪我について問いかけてくるが、「自分は問題ないから彼女をお願いします」と麗日さんを指さした
僕なんかより麗日さんだ、平気だって言ってたけど仮にも瓦礫に挟まれたんだ。見てもらった方が良い
「えっ!?」
「はいよ、チユ~~~~~」
「「「「!!?」」」」
急に話を振られた麗日さんは驚いていたが、リカバリーガールはさっそくとばかりに【個性】を発動させ怪我を治療した。
そして何よりその【個性】の発動方法に周囲は驚いていた
メッチャ唇のびた!!
「なんか疲れが出てきた」
「そりゃお前さんの体力を消耗して治してるからね」
「ちゃっちゃといくよ、他に怪我した子は?」
麗日さんは疲れたと言っているが怪我したままよりずっと良い
リカバリーガールは他の受験生を治す為に離れていった
「それじゃあ、もう行くね?お互い受かってるといいね!!」
「うん、次に会うのは入学してからだね」
バイバイとお互いに挨拶をして別れた
――――――――――
―― 受験生 ――
「・・・・・・」
そうか・・・!この試験がそういう構造なのであれば奴は・・・
「クッ!!」
離れたところで緑谷出久とリカバリーガールを見ていた眼鏡の少年はある答えにたどり着き、強く
試験の合否の通知が届いたのはそれから一週間後だった
かっちゃんの前だと条件反射でおどおどするけど、ほかの人の前では好青年(中身はめっちゃテンパってる可能性大)って感じの出久君
ヒロインをお茶子ちゃんにするか、不治の病(ロリコン)を発症させるか
なんか不治の病(ロリコン)に侵されてほしいって要望が結構あるけどどうすっぺか