託された力   作:lulufen

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第6話 試験終了後

 ―― 緑谷 ――

 

「ふう、疲れた~」

 

【個性】の同時使用はやっぱつかれるなぁ

 

「あの」

 

「えっ」

 

 この声は‼

 

 聞き覚えのある声に振り向くとそこにはあの”かわいい子”がいた

 

「さっきはありがとう!!転んじゃった時はもうダメかと思ったよ~」

 

「今朝、助けてもらったからお相子だよ。それに困ってる人を助ける、それがヒーローってやつだからね!」

 

 ここでどもったら変な奴だと思われちゃう!!やばっ変な汗かいてきた!!

 

「そっか!!でもありがとう!!」

 

「う、うん、どういたしまして!処で足の怪我は大丈夫?瓦礫に挟んでたみたいだけど・・・」

 

「ああ、平気平気!!ちょっと痛むけど大した怪我じゃないよ?」

 

 両手を突き出して左右に振り問題ないと少女は言った

 

「ならよかった」

 

「そうだ自己紹介がまだだったよね?私は麗日お茶子!よろしく!!」

 

 そういって右手を出してくる

 

「僕は緑谷出久よろしく!!」

 

 慌ててズボンで手を拭い、自己紹介しながら握手した

 

 女の子の手だ!!柔らけえ!!そして彼女の名前ゲット!!!!よっしゃぁぁぁ!!!!!

 

 彼女の手は最高に柔らかかった

 

 ――――――――――

 ―― 受験生 ――

 

 緑谷出久が麗日お茶子と話している一方、他の受験生たちは唖然としていた

 

「あいつ、何だったんだ・・・?いきなりギミックに飛び出したりして・・・」

 

 あまりの光景に受験生の一人がポツリと呟き、それに呼応するように周りも話し出す

 

「増強型の【個性】だろうけど・・・規格外だな。あんなでけえのひっくり返してからのズドンだろ?」

 

「でも手がデカくなってたから複合型じゃね?」

 

「良く分からんが、とりあえずすげぇ奴だってのは間違いねえよ」

 

 そこじゃないだろう!見てなかったのか!?奴は彼女を救わんと飛び出したんだ!!残り時間・・・己の身の安全・・・合格に必要な要素を天秤に掛け・・・それでも尚一切の躊躇なく!!!そして救助も完璧にこなした!!試験という場でなかったら当然!!僕もそのようにしたさ!!

 

「ん?」

 

 おや!?試験・・・当然・・・!?おやおや・・・!?

 

 眼鏡をかけた少年が、『彼』の【個性】について話している受験生に対して「見るべきは【個性】ではなく行動だ」と、そして「試験じゃなければ自分だって」とくわっと目を見開き下唇を噛み悔しがったが、直後何かに気付いた

 

 ――――――――――

 ―― 緑谷 ――

 

「はい、お疲れさま~、お疲れさま~、お疲れさま~、ハイハイ、ハリボーだよハリボーお食べ」

 

 注射器のような髪留めを着け、同じく注射器のような杖を持った老婆――リカバリーガール――が受験生を労いながら現れた

 

「随分派手にやってたけど怪我はないかい?」

 

「はい、大丈夫です!!多少のかすり傷なら【個性】でもう治ってますから。」

 

 覚えていてよかった[自己治癒(セルフヒール)]の【個性】!でも疲れるんだよなーこの【個性】使うと

 

「ほう、複合型の【個性】かい?」

 

「いえ違いますけど、複数の【個性】が使えるんです。それより彼女を見てもらえませんか?足を瓦礫に挟んでいたので」

 

 リカバリーガールが僕に怪我について問いかけてくるが、「自分は問題ないから彼女をお願いします」と麗日さんを指さした

 

 僕なんかより麗日さんだ、平気だって言ってたけど仮にも瓦礫に挟まれたんだ。見てもらった方が良い

 

「えっ!?」

 

「はいよ、チユ~~~~~」

 

「「「「!!?」」」」

 

 急に話を振られた麗日さんは驚いていたが、リカバリーガールはさっそくとばかりに【個性】を発動させ怪我を治療した。

 そして何よりその【個性】の発動方法に周囲は驚いていた

 

 メッチャ唇のびた!!

 

「なんか疲れが出てきた」

 

「そりゃお前さんの体力を消耗して治してるからね」

 

「ちゃっちゃといくよ、他に怪我した子は?」

 

 麗日さんは疲れたと言っているが怪我したままよりずっと良い

 リカバリーガールは他の受験生を治す為に離れていった

 

「それじゃあ、もう行くね?お互い受かってるといいね!!」

 

「うん、次に会うのは入学してからだね」

 

 バイバイとお互いに挨拶をして別れた

 

 ――――――――――

 ―― 受験生 ――

 

「・・・・・・」

 

 そうか・・・!この試験がそういう構造なのであれば奴は・・・

 

「クッ!!」

 

 離れたところで緑谷出久とリカバリーガールを見ていた眼鏡の少年はある答えにたどり着き、強く(ほぞ)を噛んだ

 

 試験の合否の通知が届いたのはそれから一週間後だった

 




かっちゃんの前だと条件反射でおどおどするけど、ほかの人の前では好青年(中身はめっちゃテンパってる可能性大)って感じの出久君

ヒロインをお茶子ちゃんにするか、不治の病(ロリコン)を発症させるか
なんか不治の病(ロリコン)に侵されてほしいって要望が結構あるけどどうすっぺか

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