受験生たちがそれぞれ仮想敵と戦いPを稼いでいるその様子を「画面の向こう側」として多くの試験官たちが観察し、それぞれ評価している
「この入試は敵の総数も配置も伝えていない。限られた時間と広大な敷地・・・そこからあぶり出されるのさ
状況をいち早く把握する――情報力――
遅れて登場じゃ話にならない――機動力――
どんな状況でも冷静でいられるか――判断力――
そして純然たる――戦闘力――
市井の平和を守る為の基礎能力が
画面には各個、【個性】を最大限生かして現状を把握する者、縦横無尽に駆け回る者、状況に左右されず敵を倒す者、ただ只管に敵を屠り続ける者と様々な受験生が映し出されている
「今年はなかなか豊作じゃないか?」
「いやーまだわからんよ、真価が問われるのは・・・これからさ!!――圧倒的脅威――それを目も前にした人間の行動は正直さ・・・・・・」
ヒーローに求められることを語っている試験官に対し、別の試験官が『質が良い』と優秀な成績を出す受験生の多さを理由に問いかけたが『まだこれからだ』と試験官はボタンを押して答えた
その答えは現れた
つい先程までは果敢に敵に挑んでいたにもかかわらず、
そんな中、凄まじい速度で飛び出し、今まさに
「「「「おおぉぉ!!」」」」
その様子に試験官たちは先ほどとは一転、その顔に歓喜を露わにした
少年は
そしてその場から
いよいよ現場は
「メリットは一切無い、だからこそ色濃く浮かび上がる時がある。ヒーローの大前提!!自己犠牲ってやつが!!」
試験官が一様に画面を見つめる中、紫電を纏った腕で雷轟と共に
――― 試験終了後 ―――
「実技総合成績出ました」
画面に各受験生の成績が─戦績が映し出され試験官たちは最終評価を下していく
「
「そして
アレに立ち向かったのは過去にもいたけど・・・ぶっ飛ばしちゃったのは久しく見てないね。思わず
それにしてもこいつの【個性】って何だ?地面から棘出して、すげー早くてバリア張って、んでメッチャ跳んで
「ぶん殴る時電気纏ってたよね?」
「肌も黒光りしたムキムキだったけど、そのあと色白の細い体だったからそれも【個性】だろ?」
「手を大きくして
試験官達は少年の【個性】が何かとそれぞれが試験中に使用していた【個性】を上げていく
「えーっと、資料によると彼の【個性】は・・・おいおいおいおい!!マジかよ‼」
そんな中、一人の試験官が手元の資料から少年の【個性】を確認すると驚きの声を上げた
「どうしたよ?」
「こいつの【個性】、[覚える]【個性】だ‼しかもご丁寧なことに額に青い石があるってよ‼」
資料には『とある人物』を連想させる【個性】が記載されていた
「おいおい、冗談だろ!?」
「しかもこいつ【無個性】の診断受けてんのに8歳で【個性】が発現してるよ‼その上、親の親そのまた親まで戻ってもこの【個性】に行き着く可能性0だと!!」
「確か奴がいなくなったのって7年前だよな?もしかしてってことはあり得るか?」
「あり得ないって言いたいところだが、アイツならやってのけそうだな」
「マジかよ、今年の生徒は金の大粒どころか出所不明の金塊まであるのかよ・・・」
多くの試験官に衝撃を与え、雄英高校一般入試は幕を閉じた