『準決!サクサク行くぜ!お互いヒーロー家出身のエリート対決だ!飯田天哉
『ready――――START!!』
開幕と同時に轟君が氷で攻撃してくるが、飯田君黒煙を吹かしながら勢いよく飛び上がり突破、即座に蹴りを入れるも轟君はしゃがむことで回避。しかし飯田君は着地と同時にその場で旋回して頭上から一撃を加えた
飯田君は轟君が立ち上がるより早く上着を掴んで場外に出そうと猛スピードで駆け出したがあと少しの所で急に減速、そのまま氷付けにされてしまった
不自然なまでに急な減速だったので、恐らく轟君が何か仕掛けたのだろう。予選からずっと大技しか使っていなかったから気付かなかった
『飯田行動不能!轟は決勝進出だ!!』
次は僕の番だ!
――――――――――
―― 緑谷 ――
『続いて爆豪勝己
『ready――――START!!』
合図と共に一直線にかっちゃんの懐に潜り込み鳩尾目掛けて右拳を叩き込むも、かっちゃんは後ろに飛び退き且つ、拳が触れる寸前で僕の腕を掴むことで勢いを殺した
そして、すぐに僕の腕を掴んだまま連続して爆発させてきた
[金剛石]と[
即座に左拳を顔面目掛けて振り抜くも首を反らすことでかわされた
しかし、掴んでいた右手を振りほどくことには成功した
『緑谷先制攻撃でダメージを与えるも爆豪から手痛い反撃を貰ったぁ!』
数秒のにらみ合いの後、動いたのはかっちゃんだった。後ろ手に[爆破]を起こして加速し、接近してくる。迎え撃つ様に構え、カウンターを狙う
一直線に向かってきたかっちゃんだが、残り2m程まで接近した所で消えた
次の瞬間、後頭部に衝撃が走りたたらを踏む。振り替えれば苦々しい顔で右手を押さえているかっちゃんの姿
ギリギリで急激な進路変更をすることで僕の視界から逃れ、そのまま後ろから死角をついた攻撃をするも[金剛石]と[
ダイヤモンドを素手で殴れば痛めもしようものだ
振り向き様に顔面目掛けて右の掌底を当てようとしたが、またしても感付かれて上体を反らされた。即座に後ろにある右足の足首の力だけで床を蹴って一歩分踏み込んでから[爆破]、左足を軸足に反動で一回転してそのまま裏拳を放つ。2度に渡り避けられたことを考え、インパクトの直前に[巨大化:拳]を発動。
さすがのかっちゃんもいきなり裏拳がダイヤモンドの壁に変わって迫ってきたら避けられまい
予想通り、避けられずに直撃を受けたかっちゃんは弾かれるように吹き飛ばされるが、【個性】の[爆破]で姿勢を制御し、踏ん張ることで場外になることを防いだ。追撃したくなる気持ちを堪えてその場にとどまる。前回は欲をかいて追撃したことで手痛い反撃を受けたからだ
『流れるようなコンボが決まったー!死角からの攻撃も意味をなさず、爆豪カウンターを食らった!』
――――――――――
―― 爆豪 ――
ちっ!これじゃ埒が明かねえ!爆熱は効くから良いものの、物理攻撃が効かねえんじゃ意味がねえ。奴は治癒の【個性】も使えるからチマチマ削ってても無かったことにされちまう。だからといってクソ髪みたいに接近からの連続爆破を仕掛けようものなら、耐えきった上にドギツイ一撃を放ってきやがる。頭でっかちで才能なんて俺の足元にも満たない木偶の癖にいざ対峙すると厄介極まりない。しかも、前回の戦闘訓練の時は使えた
クソ気に食わねえが現時点では俺より強い。だが‼️それがどうした!現状俺より強かろうがなんだろうがねじ伏せてこそ意味がある!
「かっちゃん!」
「あ゙あ゙ん?」
「決着を着けよう」
「上等!前回はてめえに負けたが、2度も勝てると思うな!」
今度こそ俺が勝つ!!!
――――――――――
―― 緑谷 ――
[怪力]
「らぁ!」
「嘗めんな!そんな見え見えのパンチなんざ食らうかボケ!」
殴り付けた拳は[爆破]の反動で小刻みに動くことでかわされ、お返しとばかりに[爆破]のカウンターを放ってくる
「ぐっ!ストック!」
[複製腕]
[剛力]
[
「これならどうだ!」
[複製腕]で連続して殴るも右に左にヒラリヒラリとかわされる
「ストック!」
『爆豪からの攻撃は無力化してる様だが、怒濤の攻撃もかわされちゃあ意味がない!どうする緑谷!ん?緑谷光ってね?』
[
[
[引き寄せる]
「当たれぇ!」
「ぐっ!」
ならばと【個性】で引き寄せて殴るも爆発の反動で後退して勢いを殺され、当てた拳も交差した腕に阻まれ決定打とはならなかった
「ストック!」
「デェェクゥゥゥ!!!」
かっちゃんは殴られた勢いを利用して距離を開けると、[爆破]の勢いでもって空中に飛び、追加の[爆破]により回転と加速を加えて突っ込んでくる
「
[翼]
[硬化]
「
[複製腕]を楔のようにステージに突き立て固定、翼で全身を包み発動しっぱなしの[金剛石]と[
「――
『麗日戦で見せた特大火力に勢いと回転を加え、まさに人間榴弾!!さしもの緑谷もこれは効いたか!?』
あまりの威力に後ろに押され、楔代わりに腕を打ち込んでいたステージは1mほど削られて
『無事だぁ!あの人間榴弾すら凌いだぁ!!』
[引き寄せる]
肩甲骨あたりのジクジクとした痛みと全身の軋みを堪え、反動で動きの鈍いかっちゃんを引き寄せて[複製腕]で手足を拘束
「クソ!放せ!」
『手足を拘束されて身動き取れない!爆豪ピーンチ!!』
「降参する気はある?」
「ふざけんな!んなもんあるわけねえだろ!」
さっきの技の影響か、少し勢いが落ちた爆発を発生させながらキレている
「ならこの一撃でもって決着を着けさせてもらう!」
[
「ストック」
『んん?やっぱ光ってんぞ?緑谷の右腕が一昔前の特撮ヒーローの3分タイマー張りにピッカピカ光ってんぞ!なんか派手な必殺技でも繰り出すのか!?個人的には好きだがヒーローとしてなら予備動作が長ったらしい技はお勧めしないぞ!』
[
そして複数の増強系の【個性】を蓄積すればその力は計り知れない。繰り返すほど累積していき解放時に凄まじい力を解き放つ。反面、その力に体が着いていかない場合もある
【個性】の多重使用で耐えられるようにすれば大丈夫だが、最低でも15分は間を開けるか、[
それに、ストックの部分だけを使ったとしても[
今のように拘束して必中の状況を揃えなければ自滅のリスクがある
「一点集中:隻腕・赤鬼の腕」
[
「
「ぐぶ!」
身動きの取れないかっちゃんの腹部に力を解放した拳を叩き込んだ
『直撃ー!!ど真ん中にドギツイ一撃が入ったぁ!!!』
拘束を解いたことで支えを失い崩れ落ちたかっちゃんにミッドナイトが駆け寄り判定を下す
「爆豪君、行動不能!決勝進出、緑谷君!」
『よって決勝は轟対緑谷に決定だあ!決勝戦は15分後に行うからそれまでちょっち休憩な!』