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―――――
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ボ―――ン!!!!
なんだ、騒がしい
「うう・・・・」
「!!緑谷!意識が戻ったのか?」
あれ?ここは?・・・
「緑谷?おい、緑谷ってば!!」
誰かが呼びかけてる気がするが上手く聞き取れない
『はやく立て。まだ稽古は終わっとらんぞ!』
「そっか」
お爺ちゃん達との稽古の途中だったっけ・・・・・
「なにがそっかだよ!意識が戻ったんならお前も手伝え!早く先生を運び出して俺らも逃げようぜ」
『遅いぞ!早く来い!時間が勿体ないだろう!!』
「行かなきゃ・・・」
とろとろしてると怖いんだよな・・・
「は?行く?何言ってんだよ!行くんじゃなくて逃げるの!!おい!行くなってば!おい」
「緑谷ちゃん戻って」
今日はどんなことやるんだろうか・・・・
――――――――――
―― オールマイト ――
「出入口を押さえられた・・・こりゃあ・・・ピンチだなぁ」
「皆!助かった!しかし下がるんだ!君たちの手に負えるような相手じゃない!!」
私の一撃を平然と受け止める
「攻略された上に全員ほぼ無傷・・・すごいなぁ最近の子供は・・・恥ずかしくなってくるぜ
「!!」
「なんだアイツ!!凍ってるのに無理やり動いてるぞ!!」
バキバキバキ
命令を受けた脳無と呼ばれる
「皆下がれ!!なんだ!?ショック吸収の【個性】じゃないのか!?」
「別にそれだけとは言ってないだろう。これは超再生だな」
無理やり立ち上がった反動で砕けた右半身が内部から盛り上がるようにして再生していく
ショック吸収に加えて超再生だと!?拙い!ただでさえ活動限界が迫ってるってのに長期戦仕様とは・・・
「脳無はおまえの100%にも耐えられるように改造された超高性能サンドバック人間さ」
再生後、すぐに主犯格の命令を実行するべく
速い!!
咄嗟に爆豪少年を生徒のそばへ突き飛ばした
「ゴホッゲホッ・・・・加減を知らんのか・・・」
身代わりとなって受けた一撃は交差した腕の上から全身に衝撃が伝わるほどの威力だった
こんな一撃を喰らったら今の生徒たちじゃ即死だ!!
ふと視界の端に動くものを捉えた。そこにはふらふらとした足取りでこちらに向かってくる緑谷少年の姿があった
「!!!緑谷少年!!」
―― 緑谷 ――
お爺ちゃん達に呼ばれるままに向かうと脳みそが剥き出しの人とボロボロのオールマイトがいた
あれ?なんでオールマイトがいるんだろ?・・・まいっか
「ほう、脳無に殴られてもう意識が戻ったのか、随分と頑丈だな。ククククッ」
「!!?緑谷少年!?何やってるんだ!早く離れなさい!フラフラじゃないか!」
オールマイトは何を言ってるんだろう?稽古途中の逃亡なんて地獄への片道切符じゃないか・・・
「脳無、黒霧、やれ、俺は子供をあしらう」
『ミド坊!今日はお前さんの全力を見極める!まずは遠距離戦じゃ!この練習台98号「走るチンピラ」を相手に戦うんじゃ!戦闘不能にすれば勝ち!ただし!!接近されたらお前さんの負けじゃ!負けたら夕暮れまで儂と殴り稽古だ!』
経爺との殴り稽古・・・絶対嫌だ
「クリアして帰ろう!」
あ、
経爺からの負けたら殴り稽古発言に身震いを起こしていると早速とばかりに練習台98号「走るチンピラ」が向かってきた
「おい来てる、やるっきゃねえって!!」
[
[雷]
[物を弾く]
カードケースから鉄球の絵が描かれた紙を取り出して実体化し、人差し指と中指で挟む
バチバチバチッ
そのまま雷を纏って
「
「ぐっ!」
ジュウゥゥ
放った球が的に当たり肉が焼ける音と焦げた匂いがした
左手に当たった・・・けど、当たるころには鉄球が溶けちゃうか・・・まあ高温だから火傷は負わせられるからいいかな?あと3発も当てれば止まるかな?
続けて鉄球を3つ作り出して指に挟み雷を纏って弾こうとした時、強烈な悪寒がして全力でその場から後ろに下がった
ズガン!!!
先ほどまでいた場所は大きく窪み、そこに黒い何かがいた
今度はなんだ?乱入ありの稽古なのか?
『次はこの練習台99号「木偶の坊」を全力でぶん殴れ!吹き飛ばすつもりで殴れ!手加減なしで本気で殴らんと儂がお前を殴るからな』
硬爺に殴られたら死んじゃうよ・・・あと経爺、的に当てたんだから殴り稽古は免除でいいよね?・・・・・・それにしても練習台99号、大きいな・・・黒い・・・巨人?
[怪力]
[剛力]
[剛腕]
[鉄腕]
[鬼]
[
[
[
[
[金剛石]
[衝撃強化]
「手加減なしの全力全開で・・・」
目の前の黒い巨人へ渾身の一撃を放った
ドム!
「グルゥゥ!」
あれ?吹っ飛ばない?てか効いてない?
『全力で殴らんか!こいつは特別性のゴムで作らせたからの、生半可な威力じゃ吹き飛ばんぞ!何発も全力で打ち込むんじゃ!出し惜しみなんぞせんと雑巾みたいに絞り出せ!あと反撃するらしいから気ぃ付けろよ』
出し惜しみ?・・・・・・あ、ワン・フォー・オール・・・
「少年!早く離れるんだ!」
今度こそ全力で・・・
[怪力]
[剛力]
[剛腕]
[鉄腕]
[鬼]
[
[
[
[
[金剛石]
[衝撃強化]
[
「倒れるまで殴る」
「グルルル」
ガガガガガガガガガガガ――
僕が繰り出した全力の連打に迎え撃つかのように『木偶の坊』も拳を合わせてくる。そして全身を硬く強靭にしているはずなのに打ち合うたびその衝撃と内部から溢れ出そうとする力によって両腕からピキピキと嫌な音が聞こえてくる
「ああぁぁぁらあぁ!!!!!!」
―――ガン!!!
一際強く殴ると『木偶の坊』の腕が跳ね上がり少しの硬直が生まれる
いまだ!
「鬼哭流・奥義:
ドガアァン!!!
今出せる全力でもって殴り飛ばした『木偶の坊』はその威力によって壁をブチ破って外に飛んでいった
「ウグゥッ!いっったあぁぁ!これ絶対腕の骨折れちゃったよ・・・でも硬爺、吹っ飛ばしたよ・・・殴るのはなしだよね?・・・硬爺?・・・・あれ?」
本気で殴った上に
[
この怪我じゃ何回かに分けて治さないとまた倒れるんだろうな・・・はぁ
[
「・・・
????切島君・・・に、かっちゃんと轟君?・・・あ、襲撃!!
怪我を治しつつ現状を確認していると聞き覚えのある声がしてそちらを向くと切島君たちが唖然とした表情で立っていた。そしてそんな彼らを見て襲撃のことを思い出した
「
たしか黒い
「少年!大丈夫か!」
若干頭の中が混乱してきたところでオールマイトから声を掛けられた
「あ、オールマイト!」
「ありがとう、君のお蔭で温存できた!さあ、ここからは私の番だ、下がって!」
????どういうこと?
唐突にお礼を言われるが何がどうしてお礼を言われたのか理解ができなかった
「さてと
「何なんだよ!全っ然弱ってないじゃないか!!しかもオールマイトモドキまで居やがるし!!アイツ、俺に嘘教えたのか!?」
手だらけの
「どうした?来ないのかな!?クリアとかなんとか言ってたが・・・出来るものならしてみろよ!!」
「ちぃっ!!」
オールマイトの凄まじい気迫に直接向けられたわけではないのにゾクリした
シュゥゥゥゥ
あれ?オールマイトから蒸気が出てる・・・・・・!!!まさか限界時間!?
「さぁどうした!?」
虚勢だ!不味い!このままじゃオールマイトが!!兎に角奴らをぶっ飛ばしてオールマイトを守らないと!!
オールマイトを守ると決めた時、
[
「離れろぉぉぉぉ!!!」
全力で地面を蹴り、
「二度目はありませんよ‼」
黒いモヤの
[火を噴く]
「ふぅぅぅぅぅぅ!!」
ブワァァ
「ぎい!!」
炎を吹いて出てきた手を焼いた時、聞き覚えのある声が聞こえた
「1-Aクラス委員長飯田天哉!!ただいま戻りました!!!」
声の発生源に目を向ければそこには飯田君と沢山のプロヒーローの姿が合った
飯田君!!後ろにいるのはヒーロー!!
「来ちゃったな・・・ゲームオーバーだ、帰って出直すか黒霧・・・ぐぅ!!!」
来た時のようにワープゲートを通って逃走しようとする
「今回は失敗だったけど、今度は殺すぞ!平和の象徴オールマイト」
ヒーローからの攻撃を受ける中
「オールマイト!無事で・・・!!?」
そこには皆から見える側――左半分――がマッスルフォームでもう半分――右半分――がトゥルーフォームとなった姿のオールマイトが立っていた
「ありがとう、君のおかげでやられずにすんだ、救われちゃったな」
この襲撃は後の大事件の始まりに過ぎないなんて知る由もなく、只々無事生き残ったことを喜んだ