メールペットな僕たち   作:水城大地

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前回の続きになります。
今回の話はちょっと長いですし、まだまだ会議に終わりが見えません。


ギルド会議 3 ~ ウルベルトの新たな就職先は? ~

恐怖公の、知られていなかった能力と、それを実際に体験する羽目になったウルベルトさんに、少し場の空気が変化した所で、モモンガはホッと安堵の息を吐いた。

正直、るし☆ふぁーさんの有能さと厄介さを同時に思い知らされた気分だが、今回ばかりは悪い事ばかりではない。

流石に、ただでさえ仕事を失った事で意気消沈している上、恐怖公の眷属召喚を体験したウルベルトさんに対して、ギルメン達もこれ以上の追い討ちを掛けるつもりにはならないのだろう。

 

この状況なら、もう少し冷静に話し合いが出来るだろうと、モモンガが胸を撫で下ろした瞬間、ふらふらとウルベルトさんに歩き寄る人影があった。

 

どこか、頼り無げな足取りでウルベルトさんまで近付いて行くのは、普段はウルベルトさんの席からかなり離れた場所に座っている、タブラさんだ。

その異様な様子に、今度は何事かと周囲が見守る中、ウルベルトさんの前に辿り着いたタブラさんは、迷う事なくウルベルトさんの両肩を掴む。

そして、彼に向けて確認する様な口調で、静かに問い掛けてきた。

 

「……ウルベルトさん、あなたに一つ確認したい。

私が、今日の朝一番にあなた宛てに送ったメールは、ちゃんと読んでいただけましたか?」

 

どこか焦りを声に滲ませたタブラさんの口調に、驚きつつウルベルトさんは少し考えてから首を振った。

 

「……すいませんタブラさん、今、デミウルゴスに連絡を取って確認しましたが、タブラさんからのメールが来ていないそうです。

もしかして、何か急ぎの用件で俺にメールをしてくれていたんですか?

そうだとしたら、すいません。

朝の時間帯は、出勤前にデミウルゴスに頼んだメールの配達に出るので、三十分程だけメールサーバー内に誰も居ない状態になるんです。

不在時に、アルベドがメールの配達を持ってきてくれていたのだとしたら、データを盗まれた際に一緒にその記録とメールも消去された可能性が高いんじゃないかと……」

 

何か拙い事があったのかと、今回の一件で色々とあった為か不安そうな様子でウルベルトさんが問えば、ますますどこか焦った様な様子で、タブラさんは頭を抱えていた。

一体どうしたのか、そんな彼の様子をみてギルメン達の視線が集まるうちに、自分の中である程度の状況を整理し終えたのだろう。

タブラさんは、がっくりとした様子で力なく口を開いた。

 

「……今の話を聞いて、確信しました。

もし、私のメールをウルベルトさんがタイムラグなく受け取ってくれていたら、今回のウルベルトさん絡みの一件は、もしかしたら阻止出来たかもしれないんです。

皆さんには話していませんでしたが、私、とある場所で接客業に従事していまして。

その仕事先の深夜勤務だった先輩の女性から、今日の朝の仕事の引継ぎの際に嫌な客の話を聞いたんです。

先輩の接客した相手が、どうも貧困層出身の同僚を嵌める為の算段を自慢していたそうで。

〖その為に、わざわざプロのハッカーにまでウィルスの作成を依頼したとか、自分たちの勤める職場のトップが自分の味方だから、もし嵌める相手がその事で何か騒ごうとしたとしても、先に職場を首にするから心配しなくていい〗とか。

〖貧困層出身者なんて、自分達中流層の為に働く存在だろう。

そんな奴は、利用するだけ利用して絞れる知恵を絞り取ったら捨てればいいんだ!〗とか、とにかくそんな感じの事ばかり言っていて、先輩は自分も貧困層出身だから聞いていて不快だったと言う愚痴を聞きました。

その話を聞いた途端、なんとなくここ暫く朱雀さんたちに色々聞いたりして忙しそうだったウルベルトさんと状況が似ている気がして、それで確認の為のメールを急いで入れたんです。

かなり早朝と言える時間でしたが、通勤時間が長い関係で既に仕事場に向かっているだろうウルベルトさんなら、あの時間帯に私からの緊急メール送れば、メールチェックをしているデミウルゴスが気付くでしょうし、そのままその場で確認してくれると思ったんです。

ですが、私のメールは届いていないのですね?」

 

タブラさんが、縋る様な口調でもう一度だけ確認する様に問えば、やはりウルベルトさんは届いていないと返事を返す。

その答えを聞いて、ますますがっくりと肩を落とすタブラさん。

どうやら、彼の中で何か確信を持ってしまったらしい。

 

「……私が配達を任せたアルベドは、〖間違いなく、届けた〗と言っていました。

だとすれば、ウィルスがウルベルトさんのサーバーに入り込んだのは、アルベドが出向いた直後辺りでしょう。

もしかしたら、アルベドが何らかの形でウィルスの侵入に関わった可能性もあります。

元々、ヘロヘロさんが太鼓判を押す様な、強固なセキュリティシステムを持つウルベルトさんの電脳空間に対して、そこいら辺のハッカーが作ったウィルスごときが、太刀打ち出来る筈がないでしょう。

そう考えるなら、アルベドがそちらにお邪魔した際に何かあったか、何かしたと考えれば筋が通ります。

ウルベルトさんの所から帰ったアルベドは、朝からずっと浮かれているというのかご機嫌な様子で、普段とは少し雰囲気が違っていました。

だから、〖アルベドがそんな風に機嫌が良くなる様な、そんな事があったのだろうか?〗と、とても気になっていたんです。

……すいません、ウルベルトさん。

この状況を考えると、むしろうちの子が絡んでいないとは、状況的にとても思えません。

もし、この状況を招いた一因にアルベドが絡んでいるのだとしたら……私はウルベルトさんに対して、何てお詫びをしたらいいのか判りません……

本当に、私の所のアルベドが粗相をして申し訳ありませんでした……」

 

がっくりとした様に手から力を抜き、それまでしっかりと掴んでいたウルベルトさんの肩を離すと、そのままその場で蹲る様にタブラさんは土下座した。

多分、彼の中ではアルベドが何かしたと言う確証があるのだろう。

だからこそ、そのせいでこんな事態になったウルベルトに対して、土下座して謝罪をしているのだ。

タブラさんがいきなり土下座をした事に、仰天したのはウルベルトさんである。

今回の一件が引き起こされた原因の一つとして、もし本当にアルベドが絡んでいたとしても、それを理由にタブラさんを責めるのはどこか違うと考えているのかもしれない。

 

彼が、少し前の会議でアルベドの問題行動に纏わる事をギルメンから言われた後、色々と思考錯誤しながらアルベドや他のメールペット達と接していた事は、ギルメンなら誰もが知っている話だ。

 

今回の一件も、彼が偶然職場で聞いた話の内容がウルベルトさんの状況と似ていた事から、心配して確認のメールを送ったのである。

むしろ、ウィルス侵入の原因が本当にアルベドだったとしても、ウルベルトさんの事を心配してメールを送る選択をしたタブラさんの事を責めるのは、逆に酷と言うものだった。

それこそ、まさか自分のメールを持参したアルベドが原因で、強固な護りを持つウルベルトさんのサーバーにウィルスが侵入するなどと、タブラさんにだって予想出来る訳がない。

ウルベルトさんも、それが判っているのだろう。

未だに自分の前で土下座しているタブラさんに対して、困惑した表情を浮かべている。

そこへ、横から声が飛んできた。

声の主は、またしてもるし☆ふぁーさんだ。

 

「……あのさぁ、多分、タブラさんが聞いた話が本当なら、電脳空間からウィルスによってデータを盗まれていなかったとしても、最終的にウルベルトさんは嵌められてたんじゃないのかな?

だって、ウルベルトさんの事を嵌めた奴と職場のトップが仲間なんでしょ?

それなら、無理してデータが盗めなかったとしても、会社側に提出されたものをそのトップが丸々コピーして作成日とか改竄して、そいつのデータが先に提出されていたって事にすれば、どっちにしても欲しいものは手に入るし、ウルベルトさんの事を冤罪に掛けて首に出来るじゃん。

状況的に、最初から出来レースだったんだよ。

ウルベルトさんは、そいつが出世する為に上手く利用されたんだ。

その方が、今のウルベルトさんが陥ってる状況的に考えても、筋が通るんじゃね?

……とまぁ、俺はこんな風にタブラさんの話も加味してウルベルトさんの状況を推測した訳だけど、ぷにっと萌えさんはどう思う?」

 

つらつらと、ウルベルトさんとタブラさんから聞いた内容から推測を立てていく彼の予想は、存外間違っていない気がした。

確かにその方法なら、万が一ウィルスでデータを盗めなかったとしても、ウルベルトさんを利用して嵌める事が出来るだろう。

彼が持参したデータを写すなんて、データの提出先である工場長の立場なら難しくはないのだから。

むしろ、タブラさんが同僚から聞いた様に、罠に嵌める事を人に自慢する様な相手だとしたら、そこまでやりそうな気がした。

 

だとしたら、どう考えてもウルベルトさんには、相手に嵌められる未来しか待っていなかったのだ。

 

最後に、るし☆ふぁーさんが名前を上げて問い掛けたギルド屈指の知恵者のぷにっと萌えさんは、少しだけ考える様に腕を組んだ後、首を傾げてから答えを出したらしい。

それまで組んでいた腕を解いて右手を挙げると、指折り数える様にるし☆ふぁーさんの推測に補足していく。

 

「そうですね……腹立たしいですが、多分るし☆ふぁーさんの推測でほぼ外れていないと私も思います。

ウルベルトさんの勤め先のトップが、今回の一件に最初から絡んでいるなら、事前に提示されていた〖ちょっとした役を付ける〗と言う昇進に近い内容と言うのも、彼のやる気と能力を引き出す為の餌だったと考えるべきでしょう。

実際は、既にウルベルトさんの事を嵌めた相手に人事は内定していたのにも拘らず、役を付ける為の拍付けの為に何らかのデータを作って貢献したと言う実績が欲しかった。

その為に利用されたのが、貧困層に割に色々と能力が高いウルベルトさんだったんでしょうね。

やり方としては、ほぼるし☆ふぁーさんの言った方法で可能ですし。

個人の端末を持ち込んで、こっそりデータコピー及び改竄作業が出来る様に準備もしてあった可能性も、かなり高いと思いますよ。

データを盗んだ犯罪者として、ウルベルトさんの事を警察に突き出さず、首にして工場に出入りで出来なくさせている辺りが特に怪しいと言っていいでしょう。

警察を呼んで、実際に工場内を調査されたら困るのはあちら側なので、早急に首を切った可能性が高いですね。

あちらとしては、そのままウルベルトさんに野垂れ死んで欲しいと考えていると思っていいでしょう。

その為に、工場側から小卒の人間の中途採用をしている企業に対して、〖ウルベルトさんを雇うと会社の情報を盗まれる〗的な情報として流している可能性もあります。

ウルベルトさんに、別の会社へ下手に就職されてその優秀さを示されてしまうと、工場側が首にした経緯などを改めて勘繰られる可能性も出て来ますから。」

 

つらつらと、ぷにっと萌えの口から出て来て並べられる可能性の言葉は、るし☆ふぁーさんの推測を更に強固に確定させていく様な内容ばかりだった。

実際、二人が言葉を連ねたこの推測に対して、ウルベルトさんの身に起きた状況を考えれば、否定出来る部分の方が少な過ぎると言えるだろう。

だとすれば、最後にぷにっと萌えさんが指摘した通り、ウルベルトさんがこの先まともな就職先を探すのは、かなり厳しいと考えておく必要があった。

 

非情に腹立たしいとは思うが、これに関してモモンガ達にはどうする事も出来ない。

 

ここまで計画されていたのなら、多分既に証拠になる可能性の品も時間経過的に残っていないだろう。

ウルベルトさんが、別の場所にバックアップを取ってあるのを示して自分の無実を証明しようとしたとしても、相応の対応策まで考えられている気もしなくもない。

デミウルゴスなら、ウィルスを作ったハッカーまでなら探し出せるかもしれないが、そこまで危険な真似をさせる気は、この場にいる誰にもなかった。

むしろ、そんな不条理を押し付けてくる職場に固執するよりも、ウルベルトさん本人の意思を確認してから今後の事を考えた方が、余程有意義な結果になるだろう。

 

それこそ、デミウルゴスにある程度纏まった金を預けた上で運用させた方が、余程収入があると思えるのは気のせいだろうか?

 

そんな考えが頭を掠めた事で、つい気を取られていたモモンガを他所に、ウルベルト達の方では話はどんどん進んでいた。

まず、この状況で申し訳なさそうな様子で、ウルベルトさんに話を切り出したのは、その場で土下座したままだったタブラさんだ。

多分彼は、ウルベルトさんのサーバーでアルベルが何かをやらかした事も今回の首騒動に絡んでいるだけに、酷く責任を感じているのだろう。

例え、るし☆ふぁーさんやぷにっと萌えさんの推測が当たっていたとしても、ウィルスに関しての引き金を引いたのはアルベドだろうし、この場合の管理責任は親として自分自身にあると、彼はそう考えているのだ。

ウルベルトさんの前で、ずっと土下座したままだったタブラさんがバッと顔を上げたかと思うと、真っ直ぐにウルベルトさんの顔を見てこんな事を言い出した。

 

「ウルベルトさん、今回の件でアルベドがご迷惑をお掛けしたお詫びとして、貴方の新しい就職先が決まるまでの間、私に今後の生活費の全て面倒を見させて下さい。

アルベドがこの騒動の原因の一つなら、その責任を取るのは親の私の役目です。

先程のぷにっと萌えさんの推測通りなら、それこそウルベルトさんの就職活動は困難を極めるでしょう。

すぐに、働き先が決まるとはとても思えません。

多分、月毎にお渡し出来る額は今までの給料に及ばないかもしれませんが、 ある程度纏まったお金をお渡しすれば、デミウルゴスが運用する事である程度安定した生活が出来ると思いますし。」

 

どこか、酷く思い詰めた様にそう言うタブラさんに、 待ったを掛けたのは建御雷さんだった。

未だに床に正座したままタブラさんの頭を軽く叩くと、 駄目だと言わんばかりに小さく首を振る。

いきなり頭を叩かれた事で、驚いた様に顔を上げたタブラさんの前に建御雷さんは膝を付いた。

そして、彼の顔を真っ直ぐに見詰めながら、改めてはっきりと駄目出しの言葉を口にする。

 

「幾らなんでも、それは流石にダメだろう、タブラさん。

例え、アルベドの行動が路頭に迷わせる一因になった詫びだとしても、そこまでの事をされてしまったら、ウルベルトさんが逆に恐縮してしまうだろう?

俺達が、ウルベルトさんに対してしても良い事があるとしたら、当面の生活費としてギルメン全員による善意のカンパを集めて渡す事か、それとも次の就職先の斡旋くらいだな。

という訳で、一つ質問なんだがな、ウルベルトさん。

あんたは確か、やり方さえ教えたら帳簿の計算とか出来るよな?

強面の同僚が沢山居ても平気で、多少の荒事に対応出来るんだったら、うちの職場を紹介してもいいぞ?

これでも、それ位の事が出来る立場ではあるつもりだ。」

 

タブラさんに対して、提案した内容に関する明確な駄目出ししながら、自分からウルベルトさんに対して就職先の斡旋を口にする建御雷さん。

その主張は正しく、言われたタブラさんもグッと詰まって反論の言葉が浮かばないらしい。

その様子は、とても男前だとモモンガは思う。

ちょっとだけ、言われた内容に気になる部分があるものの、仕事先が決まり難いかもしれないと言っていた矢先に彼から仕事を紹介すると言われて、モモンガはとても嬉しい気持ちになった。

こんな風に、ギルメン同士で助け合える関係になっているのを目の当たりにして、胸の奥が暖かい気持ちになったからだ。

そんな、タブラさん達のやり取りを聞いて、横からたっちさんが慌てた様子で口を挟んでくる。

 

「駄目ですよ、建御雷さん。

確かにあなたの今の立場なら、間違いなくウルベルトさんに今の職場を就職先として紹介する事は出来るでしょう。

それに関しては、否定しません。

ですが、ここでまだ完全に足場を固めていないあなたがそんな風に無理を通したら、それこそ今後の事にどう響くか判りませんよ?

それに、あなたの職場が主に取引している先を考えると、余りウルベルトさんの新しい就職先としてはお勧め出来ないですね。

もし、うっかり勘違いされてとんでもない事態に発展したら、逆に責任が取れないでしょう?

そう言う問題を避ける為にも、ウルベルトさんの新しい就職先として、私の娘の家庭教師になっていただけないかと、そう提案させていただきます。

丁度、うちの娘はデミウルゴスに良く懐いていますし、ウルベルトさんに住み込みに近い形で家庭教師をして貰えるなら、うちの娘も喜んで色々と学んでくれると思うんですよ。

セバスがうちに来てから、色々と自分で出来る事も増えてきてはいますけど、どうも娘は余り勉強が好きではないみたいでして。

あなたの事を〖デミウルゴスを育てた人だ〗と説明すれば、娘も素直に話を聞いて勉強をしてくれる様な気がするんです。

一先ず、次にウルベルトさんが本当にやりたい仕事が見付かるまで、うちに来ませんか?

少なくとも、このままあなたを路頭に迷わせてデミウルゴスに会えない様な事態になったら、私が娘に嫌われてしまいますからね。」

 

ニコニコと、笑顔のアイコンを示しながら提案をしてくるたっちさん。

どう聞いても、たっちさんの提案内容に関しては、色々と突っ込み所が満載だった。

だが、確かにたっちさんの所で娘さん相手に家庭教師をするのなら、ウルベルトさんの生活の保障に関しては心配しなくて大丈夫だろう。

この仕事なら、直接たっちさんの家で雇い入れる事もあり、ちゃんとウルベルトさん側の事情を理解しているし、他人が干渉される心配もない。

問題は、それを素直にウルベルトさんが受け入れられるかどうか、と言う点だけだ。

このナザリックを攻略する際にも、ウルベルトさんがたっちさんに対して隔意を持っている事を聞いているモモンガとしては、流石にそれは難しい様な気もした。

事実、たっちさんの申し出を聞いた途端、それまでタブラさんや建御雷さんからの申し出にワタワタ手を動かしていたウルベルトさんの動きが、ピシッと固まっている。

 

まさか、天敵に近いたっちさんの方から、自分に対してそんな申し出をされるとは、ウルベルトさんも思っていなかったのだろう。

 

あり得ない状況に、ウルベルトさんが本気で困惑しているのが、モモンガにも伝わってくる気がした。

だが、そんなウルベルトさんの様子を気にする事なく、たっちさんは更に勧誘の為の言葉を重ねる事を選択した様だ。

たっちさんも、タブラさんや建御雷さんの様にウルベルトさんの方へと移動して来ると、その肩を軽く掴む。

触れられた事で、ハッとなったウルベルトさんに対して言い放ったのは、ある意味彼らしい言葉だった。

 

「ウルベルトさんも、私のモットーを知っているでしょう?

〖困っている人が居たら、助けるのが当たり前〗です。

それが、幾ら仲が余り良いとは言えなかったとしても、同じギルドの仲間なら尚の事でしょう?

何と言っても、メールペットに私の娘が関わる為の一件では、色々とあなたに私はお世話になりました。

その恩を返す意味でも、あなたに対してこれ位のお世話を、私にさせていただけませんか?

それに、娘の為に小学校に通うまで家庭教師を雇うと言う話は、元々妻と話し合っていた事でもあります。

今回の一件を聞いた時点で、妻に相談して了承も得ていますから、安心してうちに来て下さって大丈夫ですよ?

ウルベルトさんの見識を広める意味でも、これは丁度良い機会だと思います。

私の娘に色々な事を教えるのと一緒に、ウルベルトさん自身の知識を増やす事が出来れば、次の就職にも有利だと思います。

この際なので、私を利用する位のつもりで家庭教師を引き受けて下さればいいんですよ。

デミウルゴスの為にも、すぐにつける仕事があるなら引き受けるべきでしょう?

違いますか、ウルベルトさん。」

 

つらつらと、勧誘の言葉を並べ立てていくたっちさんの主張を聞いて、何とも言えずに更に唸るウルベルトさん。

その様子をみれば、間違いなくウルベルトさんがたっちさんが持ち掛けたこの話に対して、心惹かれる部分があるからこそ揺れているのが伝わってくる。

本人的にはすごく抵抗があるのだが、デミウルゴスをこれからも今の状態で維持していく事を考えるなら、その為の最高の環境を用意出来るのも、たっちさんなんだろう。

それが分かっているし、何より自分も学べる環境をと言うたっちさんの言葉は、出来るなら自分の能力を上げたいウルベルトさんには、さぞかし魅力的な筈だ。

 

それが判っていながら、すぐにこの提案に対して飛びつかないのは、やはりたっちさん…と言うよりも、富裕層に対する憎悪などがあるからだろう。

 

だが、モモンガとしては考え方一つだと思うのだ。

たっちさんの言った通り、この際だから利用する位のつもりで話を受けて欲しいと、モモンガとしては思う。

ついでに、ここで富裕層側の世界を見ると言うのも、ウルベルトさんには必要な気がする。

どちらにせよ、今のウルベルトさんに対して今後に関する選択肢を示せる人間は多くない。

 

ギルメンの大半は、富裕層に使われる側の人間であって、使う側ではないのだから。

 

この話に関して、流石にギルメンの大半がウルベルトさんの事を心配していても、口を挟む者は居なかった。

彼らには、建御雷さんやたっちさんの様に、ウルベルトさん対して仕事を斡旋する事が出来ないからだ。

自分達の立場的に、どうする事も出来ないのを判っているから、二人の話の流れを見守るしかないのだろう。

そんな風に考えていると、それまで散々この提案を前に葛藤している様に動かなかったウルベルトさんが、漸く口を開いた。

 

「……別に、建御雷さんに仕事を紹介して貰えるなら、それでも構わないんじゃないのか?

俺だって、それなりに絡まれるから場数は踏んでるつもりなんだけど。」

 

どうやら、まだ素直にたっちさんの話を受けるには葛藤がある分、どうして建御雷さんの所では駄目なのか、ウルベルトさんが問う。

まぁ、そう言いたくなる気持ちは解るが、たっちさんがわざわざ口を挟んだのだから、ちゃんと意味があるのだろう。

実際に、ウルベルトさんの問いに対して、溜め息を吐きながらたっちさんは建御雷さんの顔を見た。

多分、自分が反対している理由を話しても良いのか、建御雷さんの顔を見る事で確認をとっているのだろう。

たっちさんの視線を受けて、意図を理解した建御雷さんは了承する様に頷く。

本人の了承を得た事で、ざっくりと話す決めたらしいたっちさんは口を開いた。

 

「……そうですね、この際なので正直に言ってしまうと、ウルベルトさんには余りお勧めしません。

彼の職場は、健全な会計事務所なのは間違いないですが、出入りしている場所が花街でして。

ウルベルトさんの場合、高確率でそんな場所に出入りしていたら、余計な勘違いで絡まれる可能性が高い容姿をしていますよね?」

 

たっちさんの口にした最後の一言に、周囲は固まった。

基本的に、リアルでは一度も顔を合わせた事がない筈なのに、どうしてウルベルトさんの外見をたっちさんが知っているのだろうか?

誰もが、たっちさんの発言に驚きに声が出なかったのだが、言われた本人であるウルベルトさんがハッと我に返って、ギッとたっちさんの事を睨み付ける。

今回ばかりは、内容が内容だけに誰も止めないでいると、ウルベルトさんが威嚇する様な鋭い声で問い掛けてきた。

 

「……どうして、てめぇが俺の素顔を知っている様な発言をするんだ、なぁ、たっちさんよぉ!」

 

鋭い問いをしつつ、不快さを示すアイコンを連打するウルベルトさんに対して、たっちさんの返答は割りと簡単なものだった。

ちょっとだけ、対応に困った時の様な雰囲気を漂わせながら、たっちさんは自分の頬を掻きつつ、答えを口にする。

 

「……いえ、以前、うちにメールを届けに来たデミウルゴスが、私の娘に〖デミウルゴスの主はどんな人なのか?〗と聞かれていた際に〖自分の主は、こんな感じの方だ〗と、ざっくりとした性格や外見を教えている場に偶然居合わせまして。

そこから考えるなら、花街関連は余り向いていないと予測したまでですよ?

うっかりしたら、あなた自身が花街の徒花の一つと間違われそうな外見をしているみたいですからね。」

 

「……人の外見について、勝手に口にしていいと思ってるのか、たっちさん?」

 

素直に答えを口にしたたっちさんに対して、間髪入れずギロリと睨み返すウルベルトさん。

流石に、たっちさんも自分がウルベルトさんの外見に関して許可なく口にしていたと気付き、「失敗した」と言う顔になった。

確かに、今のたっちさんの発言に関して言うなら、ウルベルトさんのプライベートに勝手に触れる事になるので、色々と本人の承諾なく口にしたのはかなり拙かっただろう。

幾ら、たっちさんなりにウルベルトさんの事を考えたからこそ、建御雷さんと同じ職場で働くのを止めに入ったのだとしても、やはりそれをみんなの前で口にした点に関して言えば、問題があるのは間違いなかった。

 

もしかして、これはギルド長として二人の仲裁に入るべき案件なんだろうか?

 

状況的に考えて、たっちさんの娘さんの家庭教師になるのが、多分一番の選択だと思っていたからモモンガ自身も口を挟まなかったのだが、今のたっちさんの不用意な発言の一件で、そのまま拗れそうな雰囲気も漂い始めているのは事実だ。

状況的に考えて、建御雷さんの職場が彼の言う通り会計事務所だとしても、取引先がほぼ花街が中心でウルベルトさんのリアルの容姿がたっちさんの言う通りなら、下手に仕事で花街に出入りするのは余りお勧め出来ないと言うのも良く判る。

それこそ、そこで働く従業員だと思われても仕方がない程端麗な容姿なら、むしろ様々な意味で危険を避ける為にも、花街には近付かないのが一番だろう。

 

つらつらと、そんな事を考えていたモモンガは、周囲の視線がいつの間にかウルベルトさんに集中していた事に気付かなかった。

 

多分、全員がついつい実際のウルベルトさんの容姿がどんなものなのかと、そう考える内に意識せず彼の事を見てしまっていたのだろう。

と言っても、そこに居るのは【ユグドラシル】のアバターである山羊の悪魔なので、見てもそこから実際の容姿がどんなものなのか、とても想像は出来ないのだが。

流石に、今のたっちさんの台詞で自分に視線が集まるのは不愉快なのか、スッと視線を反らしたウルベルトさんから、不快を示すアイコンが表示された。

 

まぁ確かに、あんな風に気になる発言を聞いた途端、わざわざ外見を確認する様に注目するのは、流石に失礼だろう。

 

ウルベルトさんの反応を前に、流石に自分たちが取った行動が色々と不躾だったと気付いたからか、その場に気不味い雰囲気が流れる。

今回ばかりは、たっちさんも自分の不用意な発言が原因なので、ウルベルトさんに対して自分の勧誘に対する答えを促せないらしい。

暫く沈黙が続いた後、それまで俯き気味だったウルベルトさん本人が顔を上げて天井を仰ぎ見る。

 

その様子に、ウルベルトさんの中である程度の考えが纏まったのだろうと、誰もがその答えを聞く為に何も言わず、固唾を飲んで見守っていた。

 

すると、スッと瞼を閉じる仕種をしたウルベルトさんが、何かを決めたかの様に小さく頷く。

漸く、答えが纏まったらしい。

そして、たっちさんの方へと振り返りながら、ウルベルトさんはどこか困惑した様な表情で、自分の気持ちをゆっくりと吐露していく。

 

「……そうだな、多分今の状況だとたっちさんの所で家庭教師をするのが、一番間違いないんだろうとは思う。

頭では、そう解ってはいるんだが、な。

この話を受ける事に、どうしても抵抗がなくなる訳じゃないんだよ。

この際だし、俺の事を家庭教師なんてもの好きな立場で雇い入れる事を提案したたっちさんに、正直な所を尋ねて良いなら……幾つかはっきりした事が聞きたい。

小卒でしかない俺が、あんたの娘に教えられる様な事があると、あんたは本当に思っているのか?

〖私の娘に色々な事を教えるのと一緒に、ウルベルトさん自身の知識を増やす事が出来れば〗とか、あっさりあんた言うけどな、それで娘の方は俺から何が学べる?

ものを知らない相手に、あんたの娘が本当に家庭教師として学ぶ事を、ちゃんと納得してくれると思っているのか?

奥さんはだってそうだ。

普通に考えたら、小卒の男が娘の家庭教師なんて反対するだろう?

大体、あんたの娘一人の家庭教師だけで、本当に俺が食っていけると思ってるのか?

人一人分の生活費を賄うのは、並大抵の事じゃない。

小遣い程度の金じゃ、話にならないって事も判ってるんだろうな?」

 

それこそ、幾つもの疑問がウルベルトさんの口から溢れ出る。

娘さんに対して、本当に自分が家庭教師になっても大丈夫なのかと言う点から、経済的な面までその内容は多岐に渡っていた。

経済面関連については、流石に毎日家たっちさんの家で庭教師をしていたとしても、短い時間だけなら生活費が賄えない可能性があるのだと、普通に就職を勧めてきた建御雷さんと比べて収入面を心配したのだろう。

ウルベルトさんが、その辺りに関して問い質す言葉を並べると、たっちさんは「大丈夫です」と言わんばかりに頷いて見せた。

本当に解っているのか、ちょっとだけ心配になる位あっさりと頷くたっちさんに、少しだけ横から建御雷さんが口を挟む事にしたらしい。

彼も、たっちさんと同じ様にウルベルトさんへ仕事を斡旋出来る立場だけに、彼の出す雇用内容が気になったのだろう。

 

「本当に大丈夫なのか、たっちさん。

幾らたっちさんが富裕層出身でも、家庭教師に対して月に払える金額なんてそこまで多くないんじゃないのか?

もしそうなら、ウルベルトさんは俺の会社の社長に頼んで、別の働き口を探して貰うが……」

 

もし、ウルベルトさんへの家庭教師代の支払いによって、たっちさんの家の経済状況に影響すると言うのなら、また別の働き口を探しても、と別の提案を口にする建御雷さん。

この辺りは、確かに考えるべき点だろう。

ウルベルトさんを家庭教師として雇う事で、幾ら富裕層とは言えたっちさんが経済的な面で困る事態になれば、それこそ奥さんとの家庭不和の元にもなり兼ねない。

それが原因で、たっちさんの家庭に迷惑を掛ける様な事は流石にウルベルトさんもしたくはないだろうと、モモンガが気にする様に視線を向けると、たっちさんは片手を挙げて「問題ない」と笑って答えた。

 

「そこに関しては、大丈夫です。

まず、家賃と光熱費などに関してですが、最初に〖住み込みに近い形で〗と言った様に、私の家の隣にある私の家や実家の使用人が住む集合住宅に引っ越して貰えれば、うちの実家の所有地の中にある建物としてうちの実家が纏めて払っていますから、ほぼ無料で済みます。

食事も、うちの使用人は基本的に朝昼晩の賄付きなので、家庭教師の話を受けてうちに来て貰い始めたら無条件で食事が出ますから、休日以外の食費も掛からないですよね。

その代わり、食事と家賃等をこちらでほぼ請け負う形になる事から、実際にウルベルトさんへお渡しする給料は今までより確実に減りますし、朝の八時から夜の六時までの間は、食事の時間を除いて娘の側で一緒に家庭教師として過ごして貰う事になりますけど。

先に言っておきますが、例えほぼ一緒に居る状態の家庭教師になったからと言って、娘に対して何もかも手取り足取り全部教える必要はありません。

正直言うと、表向きは〖家庭教師〗と言っていますけど、実質的には娘専属の保育士さんに近いかもしれませんね。

あなたが、自分の自慢の息子としてデミウルゴスの事を育てた様に、一緒に学んだり遊んだりしながら、娘の自主性を重んじつつあの子の中にある才能を伸ばす様にしてくれるだけでいい。

あなたは、自分が思っている以上に人の才能を伸ばす事が出来る人だと……そう、私はあなたから自慢する様に彼の育成記録を見せて貰っているからこそ、そう断言しても良いと思っていますよ、ウルベルトさん。」

 

予想以上に、たっちさんから好条件を提示された事で、周囲は息を飲んだ。

その条件なら、むしろ自分が変わりたいと言い出したいギルメンだっているだろう。

だが、たっちさんがそれだけの条件をウルベルトさんに対して出して来た理由は、彼が今の仕事を首になって職が無いからと言うだけじゃない。

 

デミウルゴスを育て上げたウルベルトさんの力量を、自分の娘でも発揮して欲しいと思っているからだ。

 

そんな風に、ギルメン全員が知っている程に仲が悪いたっちさんから全幅の信頼を向けられてしまったら、ウルベルトさんに断るなんて事は出来ないだろう。

この話を断ると言う事は、「自分には出来る自信が無い」と逃げるのとほぼ同意語だからだ。

他の誰かが相手なら、多分、そう言って逃げる選択をしたかもしれないけど、たっちさんが相手である時点で、ウルベルトさんがそんな真似をする筈がない。

実際、最後の台詞をたっちさんが言った途端、テーブルの突っ伏して軽く唸りながら頭を抱えている。

 

間違いなく、たっちさんの今の言葉がウルベルトさんの中に大きな葛藤を生んだんだろう。

 

暫く唸り声を上げながら、その場でテーブルに突っ伏したまま頭を抱えていたウルベルトさんだが、何とか自分の中で折り合いを付けて答えを出したのか、突っ伏していた顔を上げるとたっちさんの顔を見た。

それでも、まだその答えを口にするのに躊躇いがあるのか、視線だけはウロウロとあちらこちらを彷徨っている。

あー、うー、と言葉にならない様な声を漏らしていたウルベルトさんが、漸く覚悟を決めて答えを口にしたのは、顔を上げてから約三分後の事だった。

 

「……ったく、あんたにそこまで言われたら、それこそこの話を受けるしかないだろうが、この野郎!

あー、くそっ……解ったよ、たっちさん。

実際に、あんたの期待に沿える結果を出せるかどうかは、実際にやってみないと判らないが……それでも良いなら、娘さんの家庭教師を引き受けさせて貰う。

正直言って、まだ娘さんが使っているアバターのチェックを定期的に行っておいた方が、何か異常事態が発生してもすぐに解決出来るだろうし、な。

そう言う意味では、家庭教師役として俺が一緒に居るのも悪くないかもしれないな、確かに。

問題は、いつそっちの集合住宅に引っ越すのかだが……」

 

がりがりと、頭を乱暴に掻きながら了承したウルベルトさんが、次の問題を口にすればたっちさんも考える様に顎に片手を添える。

 

「今の時点で、集合住宅に空きがあるのか確認済みですし、いつ越してきていただいても問題はありませんね。

ただ、ベッドなどの大物家具とかはほぼ括り付けである部屋なので、今手持ちの家具の大半は処分していただいた方が良いでしょう。

それこそ、身の回りの品や着替えなどと言った生活用品と、自分が必要な品々……そう電脳空間に繋ぐ為の端末さえ持参してきて貰えれば、すぐにでも今まで通りの生活が出来ると思います。

今、ウルベルトさんが住んでいる部屋の家賃などの都合もありますし、出来れば早めに越して来られた方が良いと思いますが、どうされますか?」

 

本当に、至れり尽くせりの環境を提供されるのだと、少し羨まし気なギルメン達を他所に、ウルベルトさんは実際の引越しの為の都合を話し合うべく、たっちさんと少しだけ場所を移動して個人メールのやり取りを始めている。

予想よりも、割とウルベルトさんの問題が無事に片付いたと、ホッとモモンガが胸を撫で下ろした時だった。

ギルメン全員に、いきなりメールが一斉配信されてきたのは。

一体、何事かとそのメールを見たギルメンたちは次々と固まっていく。

その理由は、実に簡単だった。

突然、それぞれの手元に届いた一通のメール。

 

そのメールの差出人の名前が、【アルベドを除く全メールペット代表、デミウルゴス】となっていたからだった。

 

 

 




という訳で、前回の続きです。
今回の話ですが、割とpixiv版と相違点があったりします。
あちらでは、ぷにっと萌えさんの登場シーンとかありませんし。
そしてまだまだ終わりそうにありません。
予定では、前回の話とこの次の話まで合わせたものが一話分だったんですけど、長くなりすぎるのでここで切りました。
実際には、これでもかなり長いと思ってますけど。
ウルベルトさんの就職先に関して言うと、次点の建御雷さんの会計事務所にしようかかなり迷ったんですが、私の設定のウルベルトさんの外見は作中に出て来た通りなので、色々と拙い方向になりそうだと言う事で却下になりました。
そして、次はデミウルゴスたちメールペットが今回の一件に対してどう判断を下したのか、それが出てくる予定です。

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