「……上海が堕ちたらしいですね」
翌朝の朝食の時間。
いつもなら訓練の疲労から朝まで爆睡している筈の紬が、目元に若干の隈を作って白米をちまちま口に運んでいる。その隣では杉田が豪快に味噌汁を啜り、二人の対照的な姿を視界に収めながらポツリと大谷が言葉を零した。この場には既に昨日残した好成績の喜びなど何処にもない、陰鬱な空気だけが流れている。
整備科と他の生徒もちらほら見かける食堂、軍隊生活に馴染んで来たのか紬達も徐々に早起きの習慣が身に着き始めていた。
「……知っていたんだね、そっちも」
「そう言うって事はそちらも? 耳が早いですね」
「……昨日、恋ちゃんから聞いた」
紬がそう素っ気なく返すと、大谷も「そうですか」と箸を止める。見れば杉田も驚く様子を見せず全員既に知っている情報らしかった。一体どこからそんな情報を仕入れて来るのか、紬は純粋に疑問に思う。
「上海なァ……俺は戦況を良く把握してねぇ、そんなにやべぇのか? まだ北京が残っているんだろ」
「上海は中国の守りの要、少なくとも重要防衛拠点の一つですよ、日本で言う国防首都の京都と同じです、上海が陥落したと言う事は戦線が大きく後退します、江蘇、南京の辺りは一気に占領されてしまうでしょうね、後ろに北京が控えていますが重要都市を獲られたのは痛手です――そして何より日本列島に迫るラインが破られてしまったのが拙いんですよ」
大谷は手を組んだまま大きな溜息を吐き出しそんな事を言う、恋にはその辺りの事は聞いていなかった。どうやら大谷は紬達より現状を良く理解しているようだ、或は彼ならばこの部隊が前線に赴くか否かも知っているかもしれない。紬は食事の手を止め神妙な顔つきで大谷に問いかけた。
「大谷、一つ聞きたいんだけどさ、今回の撤退で俺達が前線に出されると言うのはあり得るのか?」
「僕らが前線に、ですか? そんな、幾ら騎兵の数が足りていないからって速成学校に入校して数日の新兵を前線に送る何て――」
紬の問いかけに一瞬驚いた様な表情をした大谷は、それから何を馬鹿なと一蹴しようと口を開く。しかし途中不意に何か思い当たる節があったのか、完全な否定が成される前に言葉は止まってしまう。
その嫌な沈黙に紬は顔を顰め、「……あるのか?」と低く唸った。
「……可能性は限りなく低いと思います、そもそも此処には海上プラットフォームが三基あるんです、それで対応出来ない敵勢力が雪崩れ込むなんて――北京が陥落でもしなければ、あり得ません」
それは逆に言えば、北京が陥落すれば紬達すら駆り出される一大事という事になる。暗に大谷の言葉はそう言っていて、紬は何とも言えない焦燥感を抱いた。大谷も同じ感想を抱いた様で小さく息を吐き出しながら腕を組む。
「北京が攻略される可能性はどれくらいなンだよ?」
「……分かりません、僕も全部を知っている訳ではないですから、ただ北京は北朝鮮、韓国、日本に通じる最重要都市です、接触を許す最後の砦、最終防衛ラインと言っても良い、マレーシアとインドから此処まで押し上げられるとは思っていませんでしたが、此処を破られれば本当に僕らの出番ですよ、多分下手すると本土で撃ち合う事になります」
大谷の言葉に杉田は息を呑む、本土で撃ち合うという言葉に日本が傍観者で居られる時間は終わったのだと否応なしに自覚させられた。紬は大谷の言葉を真正面から受け止め、それから口元を緩めて無理に笑う。笑おうとして笑った訳では無かった、ただ自分ではどうしようもできない世界の流れに達観の情を抱いたのだ。
「……本当に、何ていうか、軍人になったんだなって気がするよ」
「……あぁ、確かに、分からなくもねぇ」
「……国防軍学校に入校するより、戦場に行くかもという話が出て来て漸く軍人に成った事を自覚するなんて、あぁ全く、我ながら覚悟が無かったのだと悲しくなります」
そうだ、誰だって最初からこんな――戦いに赴く覚悟を固められる訳無いじゃないか。戦争に行くのだ、戦争に行くのだと何度言い聞かせたって、実際その時が来るまではどこか他人事で斜めに構える。
たった十八歳の男に何を期待する? 錬鉄の精神か、老練の精神か、不屈の精神か。それは少々高望みが過ぎると言うものだろう。
「あぁ、やべぇ、ちょっとブルって来たぜ」
「ははは、奇遇ですね、僕はちょっと泣きそうです」
食べかけの朝食に再度手を出しながらそんな言葉を交わす二人、紬は彼等と昨日の恋を無意識の内に比較し――やはり何かがおかしいと、これが普通なのだと。
誰に言い訳する訳でも無く、そんな事を考えた。
「まぁでも、ほら、前線の兵士達は俺達なんかと違う手練ればっかりだからさ、俺達の出番何てきっと無いよ、ゆっくり訓練をしている間に防衛ラインが再構築されて戦線を押し戻せる、そうに決まっている、な?」
紬は意識して声のトーンを一つ上げてそんな事を口にする。場の暗い雰囲気を一拭しようと敢えてお気楽な様に振る舞った。恐らく二人もそんな紬の意図は理解していただろう、張り詰めた表情からヘラっと笑った紬を見て二人も表情を緩めた。
「……そうだな、下手に暗くなってもしょうがねぇ、どうせ俺達は訓練生、どうこうする力もねぇしよ、せめて明るく振る舞わねぇと」
「…えぇ、同感です、僕らには僕らの仕事がある」
二人の言葉に強く頷いた紬は止まった食事の手を再開させ、白米を勢い良く口の中に掻っ込む。こうした食料が今日の糧となって自分を成長させる。兎に角一歩でも前へ、強くなって――家に帰る。
大谷、杉田、紬の瞳にはそれぞれ目指すべき道が映り、確かな意思を持って足を進めようとしていた。
☆
「と言う訳で、今日は大掃除を行います」
「え」
「大掃除です」
午前中、本来であるならば座学の時間。食事の席で少々真面目な会話を交わしこれから先の事態に心構えをと思っていた紬達に掛けられた言葉、『大掃除』の三文字。今日は一段と気合を入れて訓練に望もうと意気込んでいた所でコレである。堂島教官ではなく静流教官が朝の教室に入ってきた時点で何となくいつもと違うとは感じていたが。
そこはホラ、緊急出撃命令とかそういう類のものを警戒してしまうじゃないか。
箒を持って教壇に立つ静流教官は黒いTシャツに迷彩柄のズボンを履き、ポカンとした表情で席に座る生徒たちに言い放った。
「一週間に一度、この国防軍速成学校では清掃時間が設けられています、金曜の一、二限目は各科に割り振られた場所の清掃です、私達の担当はこの教室と操縦科の廊下、それと中庭です、分担はこちらで割り振っておきました、教室が藤堂生徒、伊藤生徒、廊下は杉田生徒、風香生徒、中庭は大谷生徒と堂島二尉が担当して下さい、清掃用具は各担当場所に清掃用具入れがあるのでそちらの道具を使う様に――以上、何か質問は?」
ハキハキと担当場所を告げた静流は誰も一言も喋らない事を確認し、質問はないモノと断定。そのまま、「では急ぎ着替え担当場所に向かいなさい、解散!」と手を叩いた。慣れとは怖いモノで、彼女が手を叩いた瞬間勢い良く立ち上がってしまう。見れば杉田や大谷も同じで、全員が微妙そうな顔をしながら着替えを手に更衣室へと走った。
文句など言える筈もない、これでも軍人のひよっ子なのだから。
「掃除、掃除ねぇ……いや、まぁ掃除が大切だっていうのは分かるんだけどさ」
担当場所である教室、僅かに積もった埃を箒で集めながらボヤく。前の学校では毎日放課後に掃除を行っていた為、一週間に一度というのは少ない方なのだろう。しかし気合を入れた所に水を差された様で紬的には何となく納得いかない様な気分になっていた。黒板の前では紬と同じく箒を持った恋が黙々と掃除をこなしている、その様子は昨日と変わりなくいつも通りに見えた。
「……意外とマメだね、恋ちゃん」
「汚いのは嫌いなので」
紬がマメと称する程度には確りと掃除をしている恋、紬は適当に手を動かして掃除をしているが彼女のソレは酷く機械的で正確だ。教室の隅っこまできちんと掃き出している。
「恋ちゃん、あのさ、昨日の事なんだけど――」
「ストップです」
少し迷って無言で掃除をするのも気まずいと思い、紬は昨日の話を蒸し返そうとした。しかし恋は紬がそれを口に出す前に遮って、困った様に「昨日の話はしないで下さい」と言い放つ。面食らった紬がどうしてと問う前に、彼女は手を止めて告げた。
「昨日の紬さんの反応で何となく分かりました、多分私と紬さんは根本的に――だから昨日の話は昨日だけ、もうお終いです、何かを聞かれても私は何も答えられません、ごめんなさい」
「……そっか」
箒で床を履きながら紬は呟く、恋から顔を逸らすと何となく悲しい気持ちになった。彼女が話したくないと言うのであれば紬は無理強いする事は出来ない。何となく踏み入ってはいけない様な壁を感じて、紬は何とも言えない寂しさを覚える。
「……じゃあさ、別の話をしよう、中国の件で色々気分が沈んでたけどさ、普通の雑談位なら付き合ってくれるだろう?」
「それなら、まぁ」
「よっしゃ」
努めて明るく振る舞う紬は自身の箒を大袈裟に動かしながらそんな事を言う。いつまでも暗い気持ちじゃいられない、杏璃さんの件と上海陥落の知らせで大分陰鬱になっていた気分だが明るくいかなければ自分らしくないと言い聞かせる。
藤堂紬はポジティブに生きる人間なのだ。
「じゃあ手始めに、恋ちゃんの事を教えてよ」
「……私ですか?」
「そう、恋ちゃんの事」
紬の声に何処か驚いた様な表情を見せる恋。紬は恋という少女が普通とどこかズレた人間だと思った、同時にズレていると思ったからこそ知らなければならないと、そうも思う。分からないのなら知れば良い、それが紬の結論だった。
「何が好きで、何が嫌いかとか、趣味は何だとか、好きなテレビ、本は何だったとか、スポーツはやっていたのとか――何でも良いんだ、恋ちゃんの事を教えて欲しい」
「………」
朗々と流れる言葉、ぽかんと、それを聞いた恋は呆然とした表情を見せる。まるで何を言っているんだコイツと言わんばかりの表情で、紬は数秒の間を置き何か変な事を言っただろうかと不安になった。
しかしその沈黙は恋の漏らした小さな笑い声で破られ、紬を前に彼女はクスクスと小さく声を零す。
「紬さんは……ふふ、何ていうか、おかしな人ですね」
「そ、そうかい? おかしいかなぁ」
紬は恋に何故笑われているのか分からなくて少しばかり焦りを見せる。恋はそんな紬をおかしな人と称した、その言葉にどんな意味が込められているのか紬には分からない。何となく額面通りに捉えてはいけない気がした。
「いえ、すみません、悪い意味ではないんです、ただ――単純に良い人なだぁって、そう思いまして」
「良い人って、そんな事は無いさ」
恋の良い人発言に面と向かってそんな事を言われた事が無かった紬は照れを見せる。可愛い女の子に良い人だと言われて嬉しくない男は居ない筈だ、紬も例に漏れない。後頭部を掻きながら頬を赤くする紬を前に、「昨日、あれだけ変な事を口走った女に、そんな言葉を掛けるなんて、本当に」と小さく呟く。その言葉が紬の耳に届く事は無かった。
「それで、恋ちゃんの事を教えて貰って良いかな?」
「えぇ、はい、勿論――と言っても面白い事は何もありませんよ?」
「それは聞く人によって違うし、俺は恋ちゃんの話を聞いているだけで面白い」
「奇特な人ですね」
言葉とは裏腹に恋は嬉しそうに微笑む。
紬は箒で床を履きながら続く彼女の言葉に耳を傾けた。
「――好きな事は本を読む事です、後は映画鑑賞、嫌いな事、というか所は人の集まる場所です、テレビは見ていないので分かりません、お気に入りの本は久世陽光の『車輪の見える丘』、スポーツはやっていませんでしたが絵を描くのが好きでした」
「絵? それは初耳だな」
「言っていませんでしたから」
目を伏せ手を動かしながら淡々と自身の事を口にする恋、その内容に紬は驚きの声を上げる。絵を描いていたなんて知らなかった、確かに物静かな雰囲気と絵描きというイメージはピッタリだが。
「小さい頃から絵を?」
「初めてキャンバスに描いたのは小学生の時です、専ら家の外に見える風景を描いていました」
「へぇ、小学校か、随分早い」
「本を読んで、映画を見て、飽いたら絵を描く、そんなサイクルを繰り返していましたから」
成程、そんな生活を送っていたら確かに物静かな性格になりそうだ。そうは言ってみるものの紬とて外ではしゃいで回る様な小学校生活では無かった、ある意味彼女とそう大差ない。
「小さい頃は風景を描いていたって言うけれど、今も風景を描いているのかい?」
「えぇ、基本的には……ただ時折動物も描きます、電線に止まった雀とか、通りかかる猫とか、余り頻度は高くありませんが」
「ふぅん――何かを創れるっていうのは凄いと思うよ、本当に、尊敬する」
紬は心の底からそう言葉を彼女に送った。自分には真似出来ない事である、小学校の頃に先生の話そっちのけで落書きに興じていた頃はあったものの、それは所詮自分の手慰み程度の絵で堂々と見せられるものではない。
それを今まで続けて来たと言うのなら、それはれっきとした彼女の才能なのだろう。
紬がそんな事を口にすると、言葉に照れた様に頬を赤くした恋は「別に、大したものでは」とそっぽを向いた。基本的に余り表情を変えない彼女の変化に、紬は物珍し気に目を向ける。ここまで恰好を崩す恋は初めて見た、まるで熟れたリンゴの様だ。
「……っ、何ですか」
「いや、恋ちゃんが照れるのは珍しいなぁって」
「……絵の話は、人に余りしませんでしたから」
どうやらこの類の話は人としないらしい、恋はどこか落ち着きがなく箒も乱雑に扱っていた。彼女の内面が現れている様で少し面白い、紬は彼女に見えない様に笑いを零した。
「なら、そういう紬さんの趣味は何ですか?」
「俺?」
紬のニマニマとした視線に晒されていた恋は、耐えられなくなったのか不意に体を紬の方へと向けると半ば叫ぶような形でそう言い放った。突然趣味を問いかけられた紬は面食らい、それから指先で顎を撫でながら考える。
「趣味って言ったって……俺、結構無趣味人間だったんだよ」
「この間はゲームセンターで遊んでいたって言っていませんでしたか?」
「それは友達とかと遊ぶ為で、俺一人で楽しむ訳じゃないしなぁ……」
恋の言葉に紬は首を横に振り、それから箒を腕に抱え込んで考える。よくよく考えてみれば自分は何が好きだっただろうか? 放課後は友人と駄弁りながら街をふらつき、人の好きな本を読み、人の好きなゲームをして、人の好きなテレビを見て――話題に上った人気のあるものは一通り揃えているものの、どれも自分が好き好んで手に取っているかと言われれば疑問が残る。
まるで自意識を持たない、面白みのない人間。
改めて客観的に見た自身のアイデンティティの無さを自覚し愕然としていると、不意に一つだけ趣味と呼べるもの――かどうかは怪しいが、好き好んで行っている事があった。
紬は思い当たるや否や慌てて口を開いた。
「――夜空を眺める事、かな」
それは趣味と呼ぶには少々ライトすぎるかもしれないが、紬が誰の意見にも左右されず気の向くままに行う事柄と言えばそれしか無かった。恋は答えを聞くと少しばかり意外そうに目を瞬かせ首を傾げる。
「夜空――天体観測ですか?」
「あぁ、いや、星を見ている訳じゃないんだ、知識もある訳じゃないし、けれどウチって凄く田舎だったから夜間使用電力制限規定とかあったんだよ、夜間の電気の使用は控えましょうって……そのせいかは分からないけれど夜空が凄く綺麗でさ、明かりが無い分空が良く見えるんだ、だから夜に屋根に登って下に布か何か敷いて空を見ていたんだ、他にやる事も無かったし」
星を見ている訳じゃない、正しく言うのであれば星を含めた夜空全体を楽しんでいた。あの美しさは言葉じゃ表現しきれない、黒く吸い込まれそうな黒に点々とぼやけた光を放つ星々――見慣れた紬でさえ虜にされた光景。
そう言えば、沖縄の夜空も綺麗だった。
「良ければ、今度一緒にどうかな?」
気付けばそんな事を口走っていた。
周囲を海に囲まれたこの基地は非常警戒棟から離れれば暗闇が辺りに広がっている、見上げる夜空はきっと美しく輝いている事だろう。紬から夜空鑑賞を提案された恋は、まさかそんな事を言われるとは思っていなかったと驚きの表情を見せた。
それから少しばかり頬に赤色を乗せ、悪戯っぽく呟く。
「……デートのお誘いですか?」
「あー……多分?」
そんな意図は無かったのだけれど夜に二人きりで空を見ようなんて、デートだと言われたら否定する材料がない。
思えばこれまでの人生でデートなどというモノを経験したのは片手の指で事足りる、ましてや自分から提案するなんて初めての事だった。
デートと口にしながら否定されると踏んでいたのだろう、肯定した紬の言葉を聞いて逆に恋が言葉に詰まる。うっ、と呻いて視線を逸らした彼女は上ずった声で抗議した。
「あの、余りからかわないで下さい」
「いや、先にデートとか言ったのはそっちじゃ……」
「女性に恥を掻かせるつもりですか」
「うっわ、そういう事言う」
しかし紬が辛うじて胸を張って言える趣味と言えばそれ位で、今更ひっこめる事も出来ず。二人微妙な空気のまま、今夜にでも夜空を見る約束を恋と結んだ。何だかんだ言いつつも恋は満更でもない様子で、「行きますよ、えぇ、行きますとも」と頷いていた。
「でも後悔しないで下さいね紬さん、私、結構面倒くさい女ですから」
「えっ、何の話?」
どうにも甘い空気にはなり切れないが。
書き溜めが二十万字を超えたのに投稿する暇がない。
ロシア語の論文が何言ってるのか分からないし現実で、「お前は何を言っているんだ?」と言ったのは初めてです。
論文に向かってですが。
私もそろそろ就職を考える年代、あと二年後くらい……高らかに叫びたい。
働きたくないでござる、絶対に働きたくないでござる。
労働は美徳、働いてお金まで貰えるなんてとんでもない。
その美徳は誰かに譲りますので、私はお金だけ貰えれば十分でございます。
そのお金で小説を書いて毎日本を読むんだ……へへっ。
5000兆円欲しい何て言いませんよ、えぇ、私は1兆円で十分です。