タマミツネinこのすば   作:アルタイル白野威

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10話

 ......ふぁぁ....。

おはよう...まだ夜ではないか..。夕方か?

首輪は...外れてないな。カズマ少年はまだ帰ってないか。

確かウィズの店に説明を聞きに行くとか言っていたな。

そこまで時間がかかるのか?外すのにクッソめんどい事しなきゃいけないとかじゃないよな。

 

 

「おう、ただいま」

 

帰ってきたか。....何故にやけている?何故そんな笑顔でこっちを見る?

 

「その魔道具だが、魔力が溜まったら発動するらしい。もっとも、数時間しか持たないらしいが」

 

そうか、良かった。で、外すにはどうするんだ?

 

「なんか、一回擬人化する必要があるらしい。そのあと持ち主が外すかを選べるらしい。ちなみに持ち主は俺に設定されてるそうだ」

 

カズマ少年に決定権があるのか....。外してくれるよな?

 

「モチロン、タクサンオセワニナッタシネ」

 

何故片言なんだ?外してくれるよな?外してくれるよな!?おい!なんか言え!

 

「ダイジョウブ、ダイジョウブ。アンシンシテネ」

 

全く安心できんわ!!...こいつ..!?私を見る目が性的になっている..!?

本当はケモナーだとでもいうのか!?

 

「とまぁ、冗談は置いておいて、今夜の晩御飯は何だ?」

 

冗談じゃなかっただろ!...それは私も知らない。匂いからして、カニかなんかじゃないのか?

 

「あっ!帰って来たのねカズマ!今夜はカニよ!!引っ越し祝いに、ダクネスの実家から来たんだって!高級品の霜降り赤ガニよ!高級酒までついて!」

 

いつになくハイテンションだな。それほどなのか?そのカニは。

 

「冒険者稼業を生業にしておきながら、霜降り赤ガニをお目にかかれる日が来るとは....!」

 

「そんなに高級なカニなのか?」

 

「当たり前なのです!これを食べる代わりに爆裂魔法を我慢しろと言われたら、喜んで我慢して、食べた後にぶっ放すくらいには!」

 

それ結局我慢して無いだろう。カニなら食べたことはあるが、そのあと凄くひどい目にあったから不安だ。

まぁ、この世界ならイビルジョーに会ったり、イビルを追ってきたG級ハンターに会うこともないだろう。

 

「そりゃすご....おい、最後なんて言った?」

 

ふむ。その霜降り赤ガニとやらがこれか。..どう取り出そうか...。

前の時は時は殻ごといったからな...。

 

「ほら、出してやったぞ。これで食えるだろ」

 

おお、ありがとう。カズマ少年。先ほどの不穏な言動は見逃そう。

....うん。うまいんじゃないか?私にはトロサシミウオの方が美味く感じる。

やはり私には魚だな。

皆黙々と食べているな。あと二本くらいで私は満足だが。

 

「カズマカズマ、ちょっとここにティンダーちょうだい。私が今からこのお酒の美味しい飲み方を教えてあげるわ」

 

へぇー。そういう飲み方もできるのか。

飲まないし関係ないが。おさけこわい。

 

「確かにこれはいけるな、美味い!」

 

カズマ少年がなんか我慢しているように見えるな。

 

「お、おう。残念だけど俺は昼間飲んじまったから明日にするな」

 

「明日残ってるとおもうの~~?私が全部飲んじゃうわよー?」

 

「クッ!」

 

「ちょっと早いが俺はもう寝るとするよ!ダクネス、ご馳走さん、おまえら、おやすみ!」

 

 

 

 

 

 

行ってしまった。...この残したカニをどうするか。

..ん?何だ?首輪が光って....?うわっ!?

 

「何だ!?何が起こっ...!?」

 

人の腕...だと?

 

「ええと?どちら様?タマミツネは何処に?」

 

「私がそうだが.....。何が起こったというんだ?」

 

「首輪のせいじゃないか?擬人化する魔道具とか言ってたろう」

 

....今魔力が溜まったとでもいうのか?

..げ。なんか色変わってる、何で白からピンクになるんだ。

うぐぐぐ..。やっぱり外せないか...。

 

「...やっぱりメスだったのね。」

 

「何?私はオスのはずだが?」

 

「じゃあ、何でそのモノがついてるの?」

 

なん....だと.....?

ほんとについていやがる!私はオスだ!断じてメスではない!

 

「ふむ。確かに女だな。なかなかの体つきをしている」

 

「やめろォ!ドウシテコウナッタ!?」

 

ア”ア”ア”ア”やっぱりカニは私を不幸にする!

 

「なんかヌルヌルしてますね」

 

してちゃ悪いか!そういう特性は変わらんのか!作った奴は誰だ!

見つけ出して八つ裂きにしてくれる!

 

「とりあえず風呂へ行ってはどうだろう」

 

......そうしなくてはダメか。

 

「物凄く歩きずらい.....。四足歩行したい...」

 

「そんなことをしてはダメだ。ちゃんと歩こう」

 

今まで私は四足歩行だったんじゃボケェ!

そう簡単に二足歩行出来るかッ!

 

「くそう、なぜ私がこんな目に....!」

 

「日頃の行いがわるいからじゃない?」

 

「そんなわけあるかボケェ!」

 

うがあああ!おのれぇ....!

 

 

 

~~~

 

やっとついた...!

 

「結構かかってしまったな」

 

「仕方ないだろ...両足で立つの難しいんだから....」

 

明かりがついている?誰かいるのか?いるとしたらカズマ少年か?

 

「どうした?何かあったか?」

 

「何でもない...」

 

まぁ、大丈夫だろう。

 

 

おお、前見た時とは視点が違うからか、違って見える。あとカズマ少年がいる。

カズマ少年がなんか驚いているが、どうでもいいか。

 

 

「んん?なにかい...」

 

ん?気づいたか。

 

「どうした、こっち来いよ。ダクネスと....タマミツネか?」

 

正解だ。では、そっちへ行こう。

 

「タ、タマミツネ!?どうしてそんな躊躇なく行けるんだ!?」

 

?別にみても興奮なぞしないし、見られてもどうでもいいし。

いや、まぁブツを見るのは嫌だが。

 

「背中を流してくれないか?ほら、ダクネスもそんなところでボケっとしてないで、こっち来いよ」

 

ぬ、人間の手だからやりづらい.....。

いっそ体全体でやってもいいが、何か調子乗りそうだしやめておこう。

 

「ほら、タマミツネはやってくれてるぞ?」

 

「ええっ!わ、私がおかしいのか?そ、そんなことをしなきゃダメなのか!?」

 

「違うが?」

 

「」

 

固まってしまった。

ぬぅ、この体滑りやすすぎじゃないか?

今も滑りそうになる。ちょっとした衝撃を受けたらすぐさますっ転んでしまいそうだ。

 

「ふふ、おっと手が滑ってしまった」

 

ふえっ!?何をするだぁー!うおっ。

 

「ふぐっ!」

 

「うわっなんだ!?どうした!?」

 

おい、どこをつかんでいる?どうしてそんな態勢になっている?

痛いからやめてほしい。

 

「...デュフフフ」

 

うわっ、気持ち悪い。

 

「ダクネスー助けてくれー」

 

「落ち着き過ぎだろう!?」

 

触られても、何にも思わないからな。そこらへんが人間とは違う。

 

 

「曲者ー!出会え出会え!皆、この屋敷に曲者よー!」

 

「....いいところだったのに....!!」

 

おお、すごい勢いで出て行った。

ん?首輪がまた光って?まだ一時間ぐらいしかたってないぞ?

あ、完全に戻った。

 

 

「かかってこいやぁーー!!」

 

何やら意気込んでるな。何を相手してるんだ?

...やっぱり首輪は外れないのか。

 

「何だったんだ....さっきのは」

 

私が知るか。

とりあえずもう私は出て、リビングで寝させてもらうぞー。

じゃあおやすみだ、ダクネス。

支えてくれてありがたかったぞ。

 

「あっおい、待ってくれ!」

 

断る。やっぱり四足歩行が一番だ。楽に歩いて行ける。

あんな長く感じた廊下がこんな短時間で行ける!

やっぱり私は、この姿じゃないとな。

 

さて、おやすみ。

 

 

 




お風呂のシーンクッソ書きづらい。何を書けばいいかわからなくなる。
あと、擬人化タマミツネは巨乳です。

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