タマミツネinこのすば   作:アルタイル白野威

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三ヶ月以上待たせてしまい、申し訳ありませんでした。
出来も悪く更新も遅いですが、今後も見てくださるとありがたいです。


25話

 

 鍛冶屋で武器防具を新調してはしゃいで先に行ってしまったカズマ少年を追いかけて街の外壁付近まできたのだが、そのカズマ少年が止まるんじゃねぇぞ...とか言いそうなポーズで倒れている光景を目撃してしまった。

どう反応すればいいんだろうか。死ん..でる..とか何やってんだよ団長ォ!とかキボウノハナ~とか言えばいいのだろうか。

というか何があった。通り魔に襲われでもしたか?

とりあえず近寄らないとな。

 

「うう...やめろアクア...それ以上賭博しないでくれ...有り金が...有り金が...!」

 

夢の中でもアクアはカジノに行っているらしい。

そして有り金全部溶かしたようだ。至って平常運転である。

 

「...何があったんですか?」

 

ただカズマ少年がキボウノハナ~しているだけだ。

何故そうなったのかは知らんが。

 

 

「やめろォ!...ハッ」

 

どうやら起きたようだ。話は本人から聞けばいいだろう。

 

「あれ?俺は確か興奮してカエルに突っ込んだはずじゃ...?」

 

特攻したのか、カエルに。あれは水流ブレス一発で沈むし苦戦はしないはずだが。

ハンター達なら石ころか蹴りとかその辺でも倒せるぞ。そのくらいの雑魚のはずなんだがなぁ。

そもそも討伐しに行くのはトカゲのはずじゃなかったのか?

 

「でも怪我はないな。新しいこの装備の防御力が高いのか俺の悪運が強いのか..ああそういや俺幸運値高かったわ」

 

アクアが近くにいるせいで帳消しなんだろうな、その幸運値。

なぜあんなにも不幸を呼び寄せるのだろうか。不幸だわ..とか言ってる人の方がまだ運がいいだろう。

 

「で、置いていったことはどうお思いですか?カズマ」

 

「あっ..すまん、興奮して忘れてたわ。でも仕方ないだろ?俺だって男だし、かっこいいもん貰ったらすぐ使いたくなっちまうんだよ」

 

それは分かる。それがロマン武器だったりすればなお良し。性能はしょぼくても愛でカバーすればいいのだ!

....私は誰に向かって言っているのだろうか..。

 

「んじゃあ合流したしカエル討伐に行くか!」

 

「討伐しに行くのはカエルじゃありません!リザードランナーです!間違えないでください!」

 

カエルは何時でも狩れるだろう。めぐみんの爆裂魔法で誘い出したら私が水流ブレスで薙ぎ払え!すればいいんだし。私がいなければアクアでも食わせとけば時間稼ぎできるだろう。

 

「あれ?そうだったか?まぁいいや。リザードだか何だか知んないがタマミツネがいれば蹂躙できるだろ!待ってろ愛しのこたつ!」

 

こたつだけは覚えてるのか...何だそのこたつに対する執念は?

あと私にやらせようとするな。カズマ少年のレベルを上げれる機会だからな。

手助けはするが直接は殺らん。

 

「カズマ、ダクネス達と合流することを忘れてませんか?いつも通り四人と一匹で行く予定じゃないですか」

 

「あれ?そうだったか?う~んどうも記憶が...」

 

「そう言って逃げる気じゃありませんよね?逃がしませんよ?」

 

「いやそんなことは欠片も考えてなかったぞ」

 

どうでもいいからはよ、合流はよ。いつまでもここでたむろしてても時間の無駄だろう。

 

「よし行くか。合流場所はどこだっけ?」

 

「リザードランナーが蔓延っている平原です」

 

実際どのくらいいるんだろうな。黒光りする羽をもった虫くらい?

 

 

 

 

 

~~~

 

 

 

ダクネス達と合流し、リザードランナーの群れの一つをターゲットとして定めた。

群れの大きさはせいぜいドスジャギィのいない中くらいのジャギィの群れくらいだ。

あれくらいの数なら脅威でも何でもない。

まぁほぼ同じ大きさの群れが三つ四つあるようだし、大量発生といってもいいくらいにはいるんじゃないだろうか。

まぁよく大量発生しては周りをぶんぶん飛び回るランゴスタやブナハブラに比べればまだマシだ。

それに他の冒険者達も戦ってるみたいだし。

 

「いいか?作戦はこうだ。まず俺が弓でトカゲ共の進路をこっちに変える。そしたらタマミツネが泡で転ばせる。纏まって転んだらめぐみんの爆裂魔法で爆殺する。バラバラに転んだら各自で仕留める。もし泡を避けたらダクネスが『デコイ』を使って囮になってダクネスに群がったところをダクネスごと爆破する。以上だ、分かったか?」

 

「ああ」「はい」

 

「よし、皆位置につけ。始めるぞ」

 

木の上に上り、刀を腰に差し弓を構えたカズマ少年が皆に命令する。

 

「ああ、分かった。んんッこれ程私に得しかないクエストがあっただろうか!」

 

当たらない大剣を地面に突き刺し、柄頭に両手を重ねて置きながらダクネスが答える。

ところでダクネスの剣って種類は何なんだ?クレイモアか?バスタードソードか?それともただのロンソ?

 

「走るだけしか能のないトカゲなんぞ我が爆裂魔法をもって消し飛ばしてくれましょう」

 

ジョジョ立ちのような謎のポーズをとりながらめぐみんが返事をする。

 

「ねぇねぇ、いいこと思い付いちゃったわ。やっちゃてもいいわよね?」

 

「やめろっ!ろくなことにならない気がするからやめろっ!」

 

アクアがフラグを立てカズマ少年が折ろうとする、が。

 

「いいや、限界よ!放つね!『フォルスファイア』!」

 

カズマ少年の阻止も空しくフラグは回収される。

 

アクアが魔法を唱えるとアクアの手から青白い炎が放たれる。

なぜだかその炎を見ると無性にアクアをタックルでぶっ飛ばしたい衝動に駆られる。

リザードランナー達も炎を見たらしく、進路を変え奇声を上げながらアクア目がけ走りだした。

 

「あ”あ”あ”ぁ”ぁ”--!おいアクア!どうしてくれるこの状況!早速作戦が狂ったぞ!なんで俺の作戦通りに動かないんだ!?どうして我慢できないんだ!?」

 

「だって私の出番がないじゃない!わ”た”し”た”っ”て”か”つ”や”く”し”た”い”の”よ”-”!?」

 

「じゃあお得意のゴッドレクイエムでもぶちかましてこい!」

 

作戦は崩れ去るもの。とりあえず滑液まき散らして泡立てておきますねー。

 

 

..リザードランナーェ。一匹残らず泡に掛かってるよ。マジで走ることしか能のない生物だったよ。

モンハン世界でももっとましな生物達しかいないよ。ああでもバゼルギウスとかいうクソを落として場を乱すことしかできない燃えないゴミ未満がいましたねぇ...。

 

「おお、纏まって転んでやがる!やれめぐみん!木端微塵に粉砕してやれ!」

 

「既に詠唱は終わってます!『エクスプロージョン』ッ!!」

 

 

ドッガアアアアアアアア!!

 

 

なんか音がしょぼい。まぁリザードランナー達は欠片も残ってないから別にいいネ!

 

「よし、クエスト完了だ。とっとと帰ろう」

 

いつの間にか私の横にいたカズマ少年がそう言う。

ところでアクアがいないのだが。

 

「アクア?アクアならそこで黒焦げになってるだろ?」

 

ん?...ああ、本当に黒焦げになってクレーターでぴくぴくしてる。

ギャグ補正がなければ即死だった。

神殺しは紅魔族としてはどうなんだろうか。

邪神封印してるとか言ってたしアリなんだろう。多分恐らく。

 

「報酬はどんくらいでるんだろうなぁ。最低でも十万エリスあればいいなぁ」

 

それはどうだろうな。まぁカエルでも一万エリスぐらいにはなるのだからそこそこの金額にはなるんじゃないか?

 

「皆帰りの準備は整ったか?忘れ物はないな?ないならよし!帰るぞ!」

 

 

~~~

 

街につき、カズマ少年とめぐみんが冒険者ギルドに報告に向かい、

私はダクネスと一緒に黒焦げで白目をむき、口から黒煙を出し始めたアクアを引きずって屋敷に帰った。

アクアを水風呂にぶち込み、自室に戻ってグデェッとだらけている。

 

疲れたわけではないが偶にだらけたくなる。ムービーでも寝てたし別にいいよネ!

この後に面倒ごとはないだろうし、またゆっくりできるな。

まぁカズマ少年をこたつから発掘する作業があったりしそうだが。

 

む、窓からウキウキで手をつなぎながらスキップしているカズマ少年とめぐみんの姿が見える。

何をしているんだ?...人の頭くらいの大きさの袋、それが二つ。大分稼げたようだ。

それが群れ一個分ならば二つ潰しただけで数ヶ月は何もせず生きていけるんじゃなかろうか。

 

嗚呼、今でもそこそこの貯蓄があるのに更に増えたらカズマ少年が本当に働かなくなるな。

屁理屈と口撃で皆が撃破されていく姿が目に浮かぶ。

でも店主ならカウンターで致命傷いれそうだ。

 

「ただいま〜。これでもう働かなくてもいいぜグエヘヘ」

 

うん、 もうだめだな。堂々と働かない宣言してやがる。これからも家でゴロゴロしていることでしょう。

 

「カズマカズマ、活躍したのでスキルポイントが手に入る食材を買ってください。爆裂魔法を強化するので」

 

「ああ、分かった。お前のおかげで一掃できたからな。後でタマミツネにもなんかやらなきゃな」

 

「ダクネスとアクアはいいでしょう。ダクネスは何もしていませんし、アクアは結果こそどうにかなりましたが作戦が崩れましたし」

 

「そうだな。アクアにゃ何もやらん。活躍したいなら場を弁えてくれよな。ダクネスはうん、出番潰れちまったしシュワシュワ五杯ぐらい奢ってやるか」

 

私は何もいらないのだが。アクアは自業自得だが少しかわいそうだな。飲み物ぐらい奢ってやろうかな。

 

「む、カズマか。帰ってきてたのか。その上機嫌な顔を見る限り、満足できる額を貰えたようだな?」

 

「ああ、貯蓄と合わせればしばらく働かなくても過ごせるくらいにはな」

 

「..そうか。だが、屋敷の中だけでも働け。でないと貯蓄もそのエリスも没収だ」

 

「おいダクネス!そりゃねぇよ!いやだぞ!いやだからな!俺は部屋で一日中ゴロゴロするんだ!それを邪魔するならもう許してくださいと泣き叫ぶ目に合わせてやるぞ!」

 

「なにそれkws...んんっ!わ、私の決心は固いぞ!そのうらや..キツイ仕置きを受けようと!ギルドで縛られたまま放置されようと!カズマの黒歴史ノートが放送されようと!私の決意は揺らがない!さぁ、やるがいい!」

 

「お前...もうちょっとカッコいいこと言おうぜ...。ああわかったよ!働くよ!働きゃいいんだろ!」

 

「ああ、分かってくれたか。今日はもうクエストにいったからな、明日から働こう。もちろん監視するからな」

 

「ああクソ...そういや、アクアはどこ行ったんだ?結構騒いだし聞こえてると思うんだが」

 

「ああ、アクアならタマミツネが水風呂に叩き込んだぞ」

 

自称水の女神だし水に浸かったら回復しないかな、と思って入れた。反省も後悔もしていない。

....むぅ、ねむくなってきてしまった。まぁいい。夕食くらいにはダクネスあたりが起こしてくれるだろう。

昼寝といこうじゃないか。では、おやすみぃ。

 

 

 




お久しぶりです。ホントに。
最近fgo始めたんですがガチャの魅力やばいですね。

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