タマミツネinこのすば   作:アルタイル白野威

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ロボット兵の小説を書きたいんですが、かまいませんね!


16話

 「た、ただいまー。うわっ、すごいㇴメル!?」

 

おお、帰ってきたのか。....確かカズマ少年はカエルに呑み込まれてないから、ヌメルはずがないと思うんだが。

 

「...クソォ、こんな嬉しくない抱擁は初めてだぞ」

 

「もっと喜んでもいいんですよ。ヌルヌルの女の子に抱きつかれるなんて、場合によってはお金を払う人だっていますよ」

 

「いやタマミツネに擬人化してもらえば何時でも体験できるし、あいつの液体ヌルヌルだけど気持ち悪くならないからちょうどいいし」

 

カズマ少年は何を言っているんだ?自分に纏わせるものを気持ち悪くしてどうする?

というか抱き着かれたのか、それならめぐみんに付着した粘液がついても仕方ないな。

 

「俺が先に入るからめぐみんは後に入ってくれ、お前じゃお湯湧かせないだろ?」

 

「レディーファーストという言葉を知らないんですか?こういう場面では女性に先に譲るのが常識でしょう?」

 

「俺は真の男女平等を願う存在。都合のいい時だけ女の権利を主張し、都合の悪い時は男のくせにとか言っちゃう輩は許さない人間だ。それにさっきも言ったがここの風呂は魔力を使って沸かすんだぞ?今のお前の魔力じゃ、せいぜいぬるま湯を作るくらいしかできまい。それになレディーとして扱われたいなら擬人化してるタマミツネみたいにボンッキュッボンッになってこい!」

 

「こ、こいつ...!私を子ども扱いしましたね!歳だって三つしかないのに!それになんですかボンッキュッボンッて!それならいつか私も....!!」

 

「いつかはいつかだ、俺は今を生きる男。俺の目には、今のお前はただの子供にしか見えん!無駄だ!」

 

 

話が長いし何処で口論してる。さっさと風呂に池。

邪魔だぞ、というか汚れる。

 

「そういう訳だ、一番風呂は貰ったぞ!んん!フゥーハハハ!!」

 

「あっ!待ってください!」

 

うわ、まき散らしてやがる。これは掃除させるしかないな。

カーペット、椅子、ドア、その他。かなり多く汚れたな。もう捨てるしかないんじゃなかろうか。

 

「フハハ!待たぬ!引かぬ!媚びぬぅ!これから先は有料だ」

 

「ほんとに脱ぐとか頭おかしいんですか!....そこまで私を女としてみていないということですか。なら一緒に入ってもいいですよね?」

 

「そうだな、そうすれば解決だな。何でこんなこの思いつかなかったんだろうな」

 

「あれっ!?」

 

いい加減静かにしてくれないだろうか。こちとら馴れない人間体になってまで汚れ落としてるんだから。

これが終わったら絞ってやろう。干からびるくらいに。金を。

 

それにしても汚れがひどい。落とそうとしても落ちないし。名前を呼んではいけない黒い虫くらいしぶとい。コックローッチ!

もうこれやっぱ買い替えるしかないんじゃないだろうか。

あっという間にシミになってしまった。

 

「ふ、ふつうこういう時の流れって、『バ、バカッ、そんなことできるかっ!俺は部屋に戻るぞっ!』とか言って照れて、渋々私に順番を譲るものではないのでしょうか」

 

「なんで俺がありきたりな流れに乗らなきゃならないの?バカなの?爆裂狂なの?というか死亡フラグみたいのたててんじゃねぇよ。俺はそんなお約束に惑わされたりしねぇからな」

 

「そ、そうですか。私の知識が間違っていたのでしょうか?....いや、この男が特殊なだけですね」

 

「俺は特殊でも何でもない、そこら辺にいる普通の男だよ。ところで、なんで脱衣所から出ていこうとすんの?まさか怖気づいたのか?根性なしめ。そんなんだから子供扱いされんだよ」

 

そんなこと言ってないでとっとと入れよ。犠牲になってた洗濯物あったんだから。

....もういいや、突入しようそうしよう。

 

「うおっ!?....なんだ、タマミツネか。どうしたんだ?」

 

「見てわからんのか、洗濯物に決まってるだろ。なんで私がカズマ少年とめぐみんが汚した物を洗わねばならないんだ」

 

「えっ、もしかして...まき散らしてた?」

 

「そうだ、その通りだとも、まだまだあるぞ」

 

カーペットやら椅子やらな!もうだめだろうあれ。

 

「何というか....すまん」

 

「す、すみませんでした」

 

「大丈夫だ問題ない、あとでたっぷり搾り取るだけだからな」

 

自腹で買ってもらわないとな。何かを勘違いしてるしてるのか、カズマ少年が顔を赤くしてるが無視だ無視。

というか...

 

「とっとと入ってその汚れを落としてこい。邪魔だ」

 

「「了解しました!」」

 

汚しに汚しおってからに....。

 

 

 

~~~

 

 

 

何とか終わった。椅子とかは無理だったがな!

アクアがいれば綺麗にできそうだがな。

 

「ただいまー、タマミツネェーどこー?あの時のお返しあるんだけどー」

 

あの時?....ああ、あの吹っ飛んでいったときか。自業自得ではなかろうか。

しっかり摑まっておけば吹っ飛ばなかったんだから。

 

「あっ、見つけたわよー。グフフ、ちょうどいい時に擬人化してるじゃない。ほれほれっ!」

 

何だ?それ。ピンクの...ガチでなんだそれ。

 

「フフフ、あのクソリッチーのところまで言った甲斐があったわ。これ、何だと思う?....正解はね、貴族がメイドに(性的な)罰を与えるときに使う道具らしいわよ?最初に作ったのは黒髪黒目の食べ物のこと以外では怒らない平凡な青年だとか」

 

明らかに日本人だろそれ。アカン予感しかしない。逃げよう。

 

「逃げられると思った?残念だけどね、既に結界を張ったのよ!あなたは一応モンスターだから逃げれないわ!」

 

アクアが有能....だと...?天変地異じゃ!天変地異が起こるぞ!

擬人化してるとアウト?ならばスイッチをオフにすればいいだけだ。

 

「ええーー!?何で今戻っちゃうのよーー!?理不尽!理不尽だわ!」

 

残念だったな、そこまでだ。スイッチをオンオフすることくらいはできるわ。

 

「キィー!ナンデヨー!」

 

運の差。私はそこそこの運を持っていると思うぞ。なんせ今日まで生き残ってきたんだからな。

 

「....また今度擬人化してるときに後ろから突っ込んでやるわ!ところでカズマは?」

 

風呂だ。めぐみんと一緒にな。

 

「へぇ!カズマさんはロリコンになったのね!」

 

「ちょっとまぁてぇぇぇぇ!誰がロリコンだ!?」

 

おう、びっしょびっしょで飛び込んでくるなよ。汚れんだろ。

 

「誰って、カズマ=サンしかいないじゃない、他に誰がいるのよ?」

 

「ほかにもいるだろ!ダストとか!」

 

「今ここにはって話よ?カズマさんしかいないじゃない」

 

それより拭けよ。濡れまくってんじゃねーかよ床。

ていうかまず体を拭け、水を切ってこい。

 

「とにかく!俺はロリコンじゃねぇ!ロリコンはダストだ!」

 

ロリコンなのか?あの名前がごみの人。

 

「カズマ、貴方にはロリニートの称号を与えましょう!」

 

「話をキケェ!」

 

 体を拭けぇ!

 

 

 

~~~

 

 次 の 日

 

 

アクアの魔法で椅子は綺礼になったので、カズマ少年がマネーを出す必要は無くなった。

むかついたから夜の間ずっとホラー映画見せ続けたけど。

ちなみに昨日もダクネスは帰ってこなかった。

 

今は不本意だがカズマ少年と一緒に街をぶらついている。

 

「なぁ、あの子、何してると思う?」

 

何?....何してるんだろうな。露店をじっと見つめて。

あっ、買ってった。

 

「なぁ、最近この街の近くに妙なモンスターが出るらしいぞ。何でも、強さ自体はそれほどでもないらしいんだが....」

 

「ああ、それ、俺も聞いたぜ。変わった姿をしていて、動くものを見かけるとくっついてステラアアアァァッ!する奴だろ?」

 

「何だよそのステラって」

 

「自爆だよ自爆」

 

 

自爆....お供.....イビルジョー....うっ頭が...。

 

「....妙なモンスターって何だろうな。爆発するらしいし」

 

しるか。爆弾岩でも出たんだろ。

 

「分かんないよなぁ....おっ、射的だ」

 

射的?高台からファンゴやブナハブラ、イビルジョーを狙い撃つのか?

 

「いや違うから、そんなことしないから」

 

違うのか。

 

「..またあの子を見つけたな。射的にゃカップルが多いのに良くいったな」

 

確かにカップルが多いな。まぁ私のようなモンスターには関係ない。

というか私はもうあきらめている。

 

 

「よう」

 

「...?あっ!あの、カズマさん、こんにちは...」

 

いつの間に近づいて声をかけた?

というか何をする気だ?

 

「ンソゲキッ」

 

おい、狙撃スキルはお断りって書いてあるぞ。

 

「ほら、これが欲しかったんだろ?」

 

「あ......ありがとうございま....!」

 

「駄目ですよぉお客さん。アーチャーと狙撃スキル持ちはお断りって看板に書いてあるじゃないですかぁー!景品はあげますけど、料金は倍払ってくださいよ...?」

 

だから言ったのに(言ってない)言わんこっちゃない。

 

「じゃ、じゃあ俺はウチのパーティーの連中探しているから。またな」

 

「ふ、ふぎゅ将軍ありがとうございました!」

 

噛んだな。ふぎゅってなんぞ?

 

「お、おう」

 

 

~~~

 

 

 

何でこんな見つからないんだ?あの青髪と帽子は目立ちそうなものだが。

 

「さぁ、次の挑戦者はー!次の挑戦者はいませんかー?」

 

何だ?何をやってるんだ?

 

「さぁ?聞いただけじゃわかんないな」

 

「おし!次はおれが行ってやる!」

 

ん~?ああ、ハンマーで何かを壊すのか、壊せなかったらやってみてもいいかな?

 

「えっ、やりたいのか?でも大丈夫か?」

 

安心しろ、最近モンスターの部分を残したまま擬人化できるようになったからな。

 

「チートやチーターやろそんなん!」

 

なんとでも言え。どうやら無理だったようだぞ。やらせてもらおう。

 

「今回のお兄さんでも無理でした!さぁ、次の賞金は一二万五千エリス!参加費は一万エリスだよ!お客さんが一人失敗するごとに、五千エリスが賞金に上乗せされます!腕力自慢はいませんか?魔法を使っても結構ですよ!これが破壊できるものは、一流冒険者を名乗ってもいいと言われるアダマンタイト!さぁ、ご自分の腕を試してみたいと思いませんか!?」

 

どんどん冒険者が壊せず散っていくな。壊し甲斐がありそうじゃないか。

 

「さあさぁ現在の賞金は二十万エリス!この街にはデストロイヤーを破壊した冒険者がいると聞いてやってきたのですが!?このまま誰にも破壊できないのでしょうか!?」

 

頃合いか?行こう。

 

「おーっと!次の挑戦者は!女性です!しかもかなりの美女です!果たして破壊できるのでしょうか!?」

 

.....ハンマー軽っ。軽すぎないか?

 

「なんと!そこそこの重さがあるハンマーを、軽々持ち上げてしまった!」

 

お前は実況兼店主なのか?うるさいんだが。

まぁいい。ハンマーを振り下ろすだけだ。

 

「フンッ!」

 

「たべぇ!?」

 

他愛なし。ハンターよりは柔らかい。

 

「は?はぁ?ええええええええ!?」

 

「さて、破壊したぞ?賞金は二十万エリスだったか?」

 

「は、はい!そうです!どうぞ持ってってくださひ!」

 

「そうか、では貰っていこう」

 

ハンターより柔い鉱石なぞ存在価値がないわ!

 

「容赦してやれよ、かわいそうだろ」

 

「このタマレイツォ!容赦せん!...それより二十万エリスを手に入れたぞ、喜べ」

 

「ああうん、嬉しいんだけどさぁ、後ろ見てみろよ」

 

後ろ?何かあるのか?

 

「カズマんとこにあんな人いたか?」

 

「いやいるはずがない。カズマんとこはポンコツだけだろ?あんなしっかりしてそうな人がいる訳ない」

 

「そうだよな、あんな美人いる訳ないよな」

 

「おい、いくら温厚なカズマさんでもキレるときはキレるぞ」

 

温厚?というか事実しか言ってないだろう。

そんなくだらないことは置いておいて行こう。

 

「あっ待ってくれよ!」

 

待たない、私達の街探索はこれからだ!

 

 

 

 

 

 




いきなり終わりましたが許してください、何でもしませんから!

最近涙腺が緩くなってるんですよね。誰かバルブを閉めてください。

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