まずは遅れ気味で申し訳ない。
そして、空いた時間にちょこちょこと書き上げたのでひたすら勢いだけです。
分割です。
人生を賭けて挑んだ儀式に失敗した者がいた。
他の全てを捨て去っても夢を叶えようとした者がいた。
初めから狂っていたがそれに気づかなかった者がいた。
望まぬ結末を受け入れられなかった者がいた。
時代も場所も生きてきた環境も各々違っていたが、皆一様に永きを生きる圧倒的な存在に潰された者達であったという。
ただ死んだ者、ただ殺された者、力を喰われた者、終わり方は違ったが、真祖などと呼ばれ、怖れられる者達により散らされた運命のほのかな残滓。
漂って忘れ去られて消え去るだけの者達の話である。
だが、幸か不幸か、この世界には言葉を伝える術が有った。言葉に力を載せることのできる技が有った。神事に携わる血筋に多く、大きな力を伝えるには支えが足らない事が多かった為、命を落とす巫女や術師は少なくはなかった。
そんな時、別れた血筋をほんの少しだけ受け継いだ術師が居た。
その術師はまさしく運の悪い事に、全ての真祖の通った道に、3度居合せてしまった。災害の通った場に居合わせて生きていたことが幸運と言えば幸運なのであろう。しかし、居合わせてしまった側からしたらたまったものではない。
真祖と呼ばれる者達の価値観は違ったが、常人ではない速度で、ただその場所を通っただけであり、その術師の顔すら見ては居ない。
術師ははぐれ者で有ったが、それ故に才を遊ばせていたため、格上に認知すらされなかった事実に打ちのめされ、己を妬み、腐っていった。
酒に溺れている際に、ふと噂話を耳にした。
酒の席での法螺話として聞かされたソレは、術師にとっては耐えられないものだった。
曰く、相入れることのない真祖達が新たな真祖を作った
曰く、災厄の化身たる十二の眷獣を持ち
曰く、その魂自体が呪われている
曰く、世界最強の吸血鬼たる第四真祖が居るらしい、と。
それはつまらない意地で、子供の癇癪よりもなお性質の悪い、他人にしてみれば馬鹿らしく、本人にしてみてもくだらないと思い返せる悪足掻き。
ーー自身が勝てない怪物が、最強であるはずなのだ。
ーーそれを超えるモノなど、あるはずが無い。
類は友を呼び、暗い怨念は寄せ集めの力を引き寄せた。
足らない分を賄って、欠けた想いを募らせた。
いつしかそれは言霊となり、たった一夜だけしかもたない怨恨となり、異境の島へと運ばれた。
第四真祖に災いを。
しかし、ある魔女が言っていたことがある。
島に関わる機関の持つ、神秘を消し去るその槍は、世界を元の形に戻しているだけなのではないか?
魔女の推測した世界では、神秘など残っては居なかった。しかし、世界は5分前に作られた物であるにしろ、そうではないにしろ、複数有る可能性という話。推測に過ぎない与太話。
そして、言霊は世界の法則に変換されて、干渉を起こし、偽の世界を一部だけ呼び寄せた。
偶然にしろ必然にしろ、出来上がったものは、誰にも知覚は出来ない波で、島の神秘とぶつかり合った。
向かう先だけを残して、残りかすだけが燃え尽きながらも辿り着く。
第四真祖に……………を。
シリアスなんてないので大丈夫です。
シリアル最近食べてない。