お久しぶりです。
かなり空いて申し訳ないです。
思いつくたびに書くのでスローペースなのはほんと申し訳。
少し忙しいのでゴタゴタが片付いたら連投するぜ〜みたいな感じ今後もぼちぼちよろしくお願いします。
ずっと会いたいと願っていたモノにふとした時に巡り合うことなんてのは結構あったりするものだ。
特に、同じ国で更に同じく狭い魔族特区に住んでいたのならば、そりゃあすれ違うことぐらいはあるだろう。
そこから更に関われるかはそいつ次第だけれどもね。
少なくとも私には無理だったよ。
それはそうだろう?魔族や能力者は基本生命力に溢れている分見た目は若々しいからね。こんか見も知らないオッさんと話なんてしたくないだろう。
それこそポリスメンのお世話だよ…ふふ。
まあ、会える逢えないの話は逆もまた然りだが、それはそれで良い時もある。余裕があればな。
さて、しがない一研究者、しかも引きこもり気味のおっさんのつまらない身の上話なぞさぞ退屈だったであろう。
すまないね。なかなか人と話すこともないものだから時間を忘れてしまったようだ。
ヘッドホンをした…あ、よろしくね。矢瀬少年。君が熱心に食い下がってくれるものだからついつい熱く語ってしまった。
はぁ、いい年こいて恥ずかしいことを……。
そして、こんな私の話を聞いてくれてありがとうとこちらから伝えたいところだけれど、なんならもう一つだけ聞いてくれるかな?
暁少年、矢瀬少年。君達も
うん、そうだねぇ。君達テレビゲームは好きかい?
忙しくてほとんどしない?
寝落ちしてしまうから初めから睡眠時間に当てた方が良い?
はっはっは。それほ今時珍しいね。いやはや、青春時代が忙しいのは良い事だよ、君達の年代なら尚更だ。
…まあ、睡眠も程よくね。…え?私かい?はっはっは。放っておいてくれるとありがたいかな。
うむ。じゃあ話を戻すけれど、例えば、王道的RPGという触れ込みで発売されたゲームがあるとしよう。
私達はそれを楽しみにしながら買ったんだ。
でもね……スタート直後の始まりの町付近にラスボス手前のレベルのモンスターが居たんだよ。たくさんね。
ベタベタな展開…例えば魔王軍が姫を〜とかね。そんなものすら無く、始まりの町付近から普通の雑魚敵なのにレベル的に倒せるわけもない強敵ばっかりという斬新なマゾゲーだったりしたら、白目を向いてしまうだろう?
うん。そうさ。つまり、何が言いたいかって言うとね?
レベル1のモブ村人(私)にとってはね。
…ここは魔王城並みだったりするんだよ。(副音声
ーーー魔族特区であろうとも、通常であれば絶対に会えない種族の者もいる。
または、同じヒト種であろうとも様々で、付いて回る偏見やしがらみがある。
そんな巡り合わせのもとに私は居ないのだと思う。
気にも留めない些細なことだ。今さらセンチになったりもしない。
しかし、いざ階段を一つ上ってみると、
真祖、過能力者、剣巫、伝説の錬金術師、天使、リリス、金属生命体、巫女、眷獣etc…
ほほう?ふん…なるほどね。
ああ、おそらきれい(血涙
ーーーそこには、私にとってのパラダイスな光景が広がっていた。
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「おい!?おっさん大丈夫か!?昇天しかかってんぞ!?」
「なんか最近見てなかったから矢瀬が焦ってんの珍しいな。」
「お前のせいだよ馬鹿古城ォ!!?(泣」
大抵の理不尽には耐性のある矢瀬さんでも目の前で幽体離脱(一方通行)もとい、真っ白になって昇天しかけている人間がいれば流石に取り乱すこともあるのだろう。
呑気な魔王城の主(というか姫?)は、そんな友人の珍しいくなってきた驚く姿に呑気にほっこりしていた。
大抵の矢瀬へと降りかかる理不尽の元凶が余りにも呑気すぎるために若干涙目でツッコミを返す矢瀬。
ツッコミ以外の会話の進行役が欲しいことこの上ないのが暁家の平常運行である。
(くそ…
そんな苦労人、ヘッドフォン少年、というか矢瀬基樹は油断していたことを反省して居た。
騒がしい毎日だからこそ忘れがちであるが、世界中に敵がいてもおかしくはない第四真祖と愉快仲間達がここに住んでいるのだ。
僅かな漏れが、やがて大惨事へとなる可能性は無視できない。
とは言え、暗部のスパイもこなす矢瀬が目の前の研究員、つまるところ同じマンションの住人の名簿を洗っておかないわけもなかった。
多少特殊な事情を抱える場所でかつ大家も中々にイかれているからこそ逆に安定している地雷原のような建物である。
だが、厳重な結界と対策を逆手に取るような体質の持ち主が偶々下の階に住んでいて、しかも田舎のガバガバな診察履歴(とうの昔に葬り去られていた)と本人も表に出なさ過ぎるせいで記録が少ないという倍プッシュである。
無害な引きこもりと判定されてもおかしくはなく、矢瀬と同じく過能力者などなら分かるが、表に出ない体質までは分かるはずもない。
それこそ、暁深森のような反則級の能力者でかつ、しかも直接接触しなければならないのだ。
矢瀬に落ち度はないといえよう。
だが、古城の危機管理能力の無さには流石に呆れるしかない。
矢瀬は最初話を聞いてから、嘘と本音を混ぜつつ適度に誤魔化そうと考えていた。
いくら無害な相手でも、住んでいる顔ぶれは特殊にすぎるからだ。
多少触れた程度のまだまだ一般人の側の人間を巻き込むわけには行かない。
と、思考を回し、返事を返そうとしたところ、
「…zzz…?んあ?話終わったか?あ、ごめんなさい。寝落ちしてしまって…」
と、起き出した古城。話を始めたのも矢瀬なので問題ではないが、失礼をしたか?と顔を向けても特に気に触った様子はなくホッとする。
むしろ、目の前の研究員は苦笑いを浮かべている分、普通に良い人の部類であろう。
「お邪魔しました〜」と、家主(仮)の割に変な挨拶を残してのそのそと去ろうとする古城。
逆に落ち着いて話ができるので矢瀬もありがたいと言えばありがたいと思っていたのだが…
「はぁ…吸血鬼にこの日差しはつらい。第四真祖になってもクーラーにはほんと頭が上がらないんだなぁ…。ニーナに涼しくなる錬金術でも習おうかな…。いや、安眠法でも聞くか。」
とか、去り際にシレッと言ったせいで口に含んだ麦茶を盛大に吐き出す野郎2名がお見合いをすることとなった。
「…えと、噂の第四真祖、なのかい?」
「ッ!?いやいや、まさか、そんなわけないじゃねえっすか。古城の妄言ですy」
「お、凪沙とアヴローラじゃん。おーい。ちょっとかき氷食いたいんだが、眷獣出して氷らせてくれねーかな。あとついでに氷枕欲しい。」
「えー…古城くん起きたばっかりじゃん。それにお腹壊すんだから食べるなら外に散歩でも行くこと!」
「お主、儂らをくだらんことに使い過ぎではないか?…かき氷に罪はないから許すが…」
「ん。じゃあ公園行って一緒に食べようぜ〜…あ、そうだ。姫柊と叶瀬はいるか?丁度◯んじろう先生の実験やってみたかったんだよな。天使の羽と剣凪の魔力ならいけるはずだ…!」
「お兄さーん!私も行く〜!」
「あ、結瞳ちゃん。ちゃおー。」
「凪沙お姉ちゃん!アヴローラお姉ちゃん!ちゃおー!」
「…ふん!やらんぞ?やらんからな!……ちゃお。」
「おお、行くか〜。あり?でも、結瞳って今日検査じゃなかったっけ?」
「…えへへ。」
「また、魅了かけたのか…。後で怒られるぞ?」
「だいじょーぶでーす。リリスの魅了かからないのなんてお兄さん達ぐらいだもん!」
「はぁ…今回だけな?矢瀬には黙っといてやる。」
「はーい!」
「……ず、随分と色々な方がいらっしゃるようだね…もしや、矢瀬少年も?」
「……いや、違うんすよ。俺は一般人でs」
「矢瀬〜。後で音響結界貼ってくれ〜?って、あ、まだ続いてた?すみません。」
「はぁ…なるほどね。大変だね矢瀬少年。」
「…はぁ…古城この野郎おおおお!!!!!?」
__________そんなこんなで後日からちょくちょく顔を合わせることが多くなり、気心の知れた仲として、カウンセラーの真似事をすることでお互いにwinwinな関係となった下の階と上の階のご近所づきあいがあったとか。
研究員の感応現象(仮)のイメージ
ーー天使の羽
「なんかフワフワしてるね。」
「えへへ。ありがとうございます。」
「もしかして元は4枚…だったのかな?今は大丈夫かい?」
「はい。大丈夫…でした。それに…」
「それに?」
「お兄さんを包むのに、この2枚が丁度良い…のでした!」
「ふふ。そうかい。」
ーー妹&眷獣's&アヴちゃん(昼寝している古城を膝枕中)
「番犬かな?」
「知ってるかい?そいつら、第四真祖の眷獣なんだぜ?」
「おや、矢瀬少年。君もネタがわかるんだねぇ。」
「嫌でも聞こえちまうんで…」
「それは失敬。」
「zzz…zzz…」
「ふふ…眠っておるうちはまだまだガキじゃなぁ。」
「お、おう。アヴローラ少女?だったかな。物凄い乙女空間でおじさんには辛いんだけど。あとよく眠れるね暁少年。」
「いやいや、まだまだここからですよ。ね、矢瀬さん。」
「ああ、確かにそうだなぁ。ちょっとコーヒー持ってくるわ。全員分。ブラックをお勧めするぜ。」
「おや、暁少女。あ、ありがとう矢瀬少年。出来れば砂糖を少し欲しいかな。…ここから?」
「凪沙で良いですよ。まあ、見ててください。すぐ分かりますから。」
「ふん…撫で心地だけは悪くない。……!?こら、抱きつくでない!……まぁ良いか。儂から返せるものなど無いのだから。」
「zzz…りんごがぁ……zzz…」
「なんの夢を見とるんじゃ戯けめ。というか本当によく眠る奴じゃな…ふふ。ならば、貴様があの長い夢の中で語ったお伽話の如く、目覚めの接吻でもしてやろうか。」
「zzz…いかな…でくれ…」
「……どこにも行かんよ。お主が手を離さん限りな…
ん…。ふむ。なかなか悪くない心地じゃ。」
「砂糖…いらないかな。」
「だと思って入れてませんよ。」
「はぁ…我が兄ながら泣かせてくれるねぇ。」