古城くんは基本けだるげ   作:トマボ

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おひさです。遅くてすまねぇ…
またノリと勢いと現実逃避でハッチャケたヤツです

そして最近になってしおり機能に気付いたアホな作者です。マジかー。あったのかー。いや、そりゃあるわな…。


また空くかもしれないので申し訳ナス。(いつもの

今回もいつものごとく細かいところは目を瞑ってくりゃれ。
矢瀬さん語りとか口調違和感しかなくて書きながらぞわぞわするんでそこは頑張って脳内補完する練習をして頂く方向で。(丸投げ





新話
別枠 つまりミュータントってヤツだな!?1


最近、住んでいるマンションの上の階が騒がしい。

 

 

 

 

 

私はこの魔族特区の一企業に勤める研究者の端くれだ。

 

まあ、実際研究者というのも名ばかりで、普段の業務は外部から回ってきた情報の事実確認やら照合をしているだけなのだが…。要は雑用だ。

 

ん?ああ、勘違いはしないで欲しい。特に現状に不満がある訳ではないのだ。

 

 

そもそも僕の研究は…否、これは趣味と言っていいだろう。

 

 

本土からわざわざ魔族特区に来たのも知的好奇心を満たすためであるし、今の雑用業務に進んで就こうという物好きが居なかったために、食堂で興味のある素振りをしたら偶々上司にそれを聞かれ、なかば強制的に飛ばされたようなものである。

 

そこはどうでもいい。いや、良くはないが…。

 

が、結果的に外を歩けばいろんな種族を見かけることが出来る環境になったのだ。文句を言える筋合いはないだろう。

 

しかし、いくら魔族特区とはいえ、表立っての魔族という種族に関して(多種族含む)の私の研究は、各方面への配慮に欠けるということであまり受けが良くないらしい。

 

ニュアンスって難しいよなぁ〜。そんな重たい話でも成り立ち(に付随する歴史)に首突っ込むようなモンでも無いんだけどな〜。

 

私はマッドじゃないしそこらへんは人並みに配慮するゾ?

 

人並み(私の裁量)に、ね。

 

 

言うなれば夏休みの自由研究の延長のようなものだ。

 

 

あるだろ?人の脳波を測って、通常時の行動と(緊張時の時との違いとか適当なこと)の関連を計測したりだとか、そんな感じの話。

 

それの種族別バージョンで脳波と霊力を測る。

 

という建前で、直接いろんな奴の話を聞きたいだけだったんだがなぁ…。

丁度、そんな題目で研究内容を送って、検討しても良いんじゃね?ってなった手前で、種族差別の事件が起こった。

 

なんでこのタイミングだよコンチクショウ。

 

まあ、後は察しはつくよな?

 

 

権利団体やら保護団体にも顔向け出来ないから駄目で御座います。まる。

 

 

そんな訳で、検討は先送りという名のサヨナラバイバイ。

 

分かってはいたけど、センシティブな話ってのは慎重に行かねばならんのよねって話だ。

 

 

 

 

話を戻すが、プライベート大好きヒューマンの俺は、あんまり近所の付き合いとかはしていない。

というか、両隣に人は住んではいない。

 

苦手というほどではないが、休みの時はこもって考えているのが好きなタイプであるため、今の静かなマンションに越してきたのだ。

 

 

なんでもこのマンションは大家が気まぐれでかつ奇特な人のため、趣味で賃貸経営をしていたりするらしいとの噂である。

 

不動産屋によると、緊急時のために知り合いの何でも屋と契約を結んでいるが、年中大家の副業(という名のメイン業務)に駆り出されている可哀想な方々なので、ほぼ居ない。

 

そのためか、家賃は安いが、基本対応は全て住人が各々でしているとのこと。

 

時折身元不明な者や強面なお兄さん(意味深)な方々が短い期間住んでは、大家からの誘いが来て出て行ったりすることもあるらしく、全くもって大家さんが謎の存在である。

 

 

む?ということは、そんな場所に住んでいる私も変人という認識をされている?

 

いやいや、ちげーし?

 

とある事情で閉鎖的な空間で育ったから若干世間知らずなだけだし?

 

うっせーし?変人って言った方が変人なんじゃボケェ!

 

 

 

てなわけで、元々部屋数は多いが、空き部屋ばかりの謎マンションだったので、偶々この時期に入居者が集中して、上の階に人が増えたというだけの話だと思っていた。

 

上の階ばかりに集まってきたのは上の階が人気なのだろう。

眺めが良いんじゃね?多分

 

それに、新生活にいきなり慣れろというのも無理がある。だから、暫くは様子見だ。

バタバタしているのも引っ越してから暫くすれば落ち着くだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、思っていたのだが、大分人数が増えてから数ヶ月。

 

「全然落ち着かねーんじゃが?」

 

 

そう、いつまで経っても落ち着かない。というか、騒がしい。

 

業務内容的に、書類として纏めれば良いだけの時は自宅で終わらせる時もある(上司は割とそうしている。)ので、夜だけでなく、日中も騒がれると少しだけ困る。

 

ああ、勿論このマンションの壁は厚い。

 

が、困るのは音や振動ではない。

 

 

霊力とか魔力とかが、騒がしい。というか、漏れているのだ。

 

 

隠蔽術式的なものが外への対策に貼られているのは分かるのだが、いかんせん天井で接しているせいか自分のせいなのか…。

 

研究(泣)の話とは関係は無いが、まあ、なんだ。

 

私は生まれた時からそういうものに敏感な体質なのだ。

 

幼い頃に世話になった医者曰く、ひたすらに感受性が高い、らしい。

 

適切な言葉が無いため、カルテにそう書かれた。ボキャ貧な私と同じくらい適当である。

クソ長い病名(笑)をつけられるよりはマシかもしれんけど。

 

だが、今でこそ笑い話として言えるが、当時はかなり手を焼かされたものだ。

 

ひどい時には周りが人体模型の集団に見えたりする程であったため、一時期は対人恐怖症になった。

 

そんな折に獣人のカウンセラーに出会い、心的ショックで落ち着かない私に、人とは違う力の流れに触れさせることで新たな発見をくれたり、組成の異なる生物に興味が移り、それが今の自分に影響を与えていたりだとかは、今はおいておこう。

 

ピンと来なければ図鑑を片手にワクワクしていたかつてを思い出そう。生物学者なんて基本皆んなそんなものだ(偏見

 

 

 

しかし、実際問題どうしたものか。

 

 

「すみませーん。下の階の者なんですが、霊力とか魔力が漏れてるんで、ちょっと抑えてくれませんか?」

 

とでも言いに行けば良いのだろうか。

 

いやー………うーん。

 

 

相手が一般人ならまだね?(私を見て)あ、こいつ電波さんだ。

 

で、済むんだが。

 

しかしなぁ、ここに住んでる人ってことは、大抵がワケありな人らってことでしょう?

 

偶然安いから越して来たってことも無きにしもあらずだけど…。

 

魔力ダダ漏れ、結界張ってる専門家が居る、やべー集団

 

 

か、関わりたくねぇ〜……。

 

 

純粋に研究の為ならば色んなヤツと話してみたいと思うが、面倒ごとはちょっとなぁ。

荒事なんかに巻き込まれたらほぼ確実に詰むぞ?

 

貧弱な研究職(仮)を舐めるなよ?思ってる以上に貧弱だぞ。

 

む?いや、待てよ?

 

上の階で荒事が起きたら私も既に危険な位置にいるのでは?

 

 

………うん。諦めよう。引っ越すのもなんか癪だし。

 

 

しかし、ほっておこうにも今も何か巨大な魔力の塊でも出現したみたいにゾワゾワして落ち着かない。

 

 

 

……はぁ、しゃーない。様子見に行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

____________________

 

 

 

俺は矢瀬基樹。過能力者で絃神島の裏組織に関わる一族で第四真祖の影の監視役なんかをやってるただの高校生だ。

 

なんつってな。

 

 

確かに初めはその為に接触したかもしれんが、そんなもんはどうでもいい。それにんな大層な肩書き名乗るのなんざ俺らしくもない。

 

 

 

 

 

俺はこの暁古城(ナマケモノ)の友人兼世話役ってだけで十分だ。

 

 

 

俺は面倒ごとは嫌いだが、古城が引っ張ってくるトラブルは退屈しない。それに、もう諦めてるしな…(遠い目

 

放っておいても真祖の端くれなんだから死ななそうではあるんだが、そこいらの石に躓いてポックリと逝っちまう気がしてならない古城から目を離すことなんてできねえよなぁ…ホント。

 

おかげで監視対象といつの間にか四六時中一緒にいるわけだ。

 

俺自身でも意外なことに案外世話焼きが性にっていたらしい。

 

 

しっかり者とはいえども中学生の凪沙ちゃんには、思うところもあったんだろうが、まさか土下座で住み込んで欲しいとまで頼まれるとは思わなかったわ。

 

流石にそれは問題しかねーから隣に引っ越して来た訳なんだがな。今更ながら、もう少ししっかりしろよ…。妹にそこまでさせる兄貴が居てたまるか。

 

そんなことを思いながら、アラームが鳴り響く中平然と眷獣による音のバリアを張りつつスヤスヤと眠る古城を叩き起こす為に俺は踵を振り上げていった。

 

 

「いい加減に起きろ!古城ォ!!」

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「何も蹴ること無いじゃん…。」

 

「起きないのが悪い。それにどうせ無傷だろうがお前。」

 

「いや、そうなんだけどさ…」

 

 

アラームで起きない古城を蹴りで起こした矢瀬。暁家ではもはや見慣れた光景である。

 

時刻は正午前。臨時休校故に平日ではあるがのんびりとしていたが、放っておくとこの友人は際限なく眠っているのでこうして起こしに来た次第だ。

 

妹の部活前のクロスチョップ目覚ましの数分後に、行われている矢瀬のスヌーズ(蹴り起こし)は、凪沙の矢瀬への敬意と、矢瀬から凪沙への気遣いにより、日毎に順序が変わったりしている。

 

矢瀬も当初は自室で朝食を済ませていたのだが、多忙故に追い込まれて自身に土下座までして来た後輩の中学生女の子を放っておけず、家事と家計の手伝いを申し出たのだ。

 

矢瀬が引っ越してから、否、現状が始まったのは割と最近、古城が第四真祖(ナマケモノ)に成ってからのことであるが、青春真っ盛りの中学生が、部活と家事をこなし、兄の世話を焼き、家計に頭を悩ませ、不定期に訪れる疲れて帰って来た両親のどちらかを労わり、また送り出す。

 

時期的に半年程だが、一人で全てこなしていたのだ。

 

「えへへ…私は大丈夫ですよ?元気だけが取り柄ですから。」

 

と、疲れた様子で語った暁家の良心。

 

周りの友人が遊びに行く中、年頃の中学生が兄の世話の為に誘いを断っていたのだ。

(古城本人がそれを咎めて逆に怒られたりもしていたが)

 

家庭的に早熟な矢瀬は、その話を聞いた後、涙ぐんで背負っていた古城を床に落としたりしていた。

 

そんなこんなでドタバタとしつつも、魔族恐怖症(自力で克服)を抱えた妹、第四真祖の兄(古城は隠そうとしていたがまあ、バレるわな)、影の監視役の友人から始まった生活。

 

ほんわかと助け合いながらのんびりと始まった共同生活(お隣さん)だった……のだが…

 

 

古城が休日にぐーたらとしていて家を追い出されて繁華街へと出かけ、戻って来てみれば、ギターケースからはみ出た明らかにゴツい槍を背負ったバンド少女(剣凪兼監視役)を引っ付けて帰って来たり。

 

学校からの帰りが遅く、連絡も無いので何処かで寝落ちしているのでは?と、心配になって探しに行ってみれば、ランドセルでは無い方の立派な天使の羽に包まれて眠る後輩女子と古城(裏山ナマケモノ)を発見したり。

 

浜辺でで小学生(行き場無し身寄り無し)をナンパしてきたり。

 

空き地で眠っていた時にいつの間にか鞄にはぐれメタル(錬金術師)を入れて持ち帰ってきたり。

涼しさを求めて入り込んだ何処ぞの祠でワープ現象を引き起こして、氷漬けの吸血鬼に遭遇し、取り敢えず連絡して持って帰り、風呂場で解凍したら何処かで見覚えがある少女になったり。

 

 

徐々に隣人が増え、奇妙なご近所付き合いが始まっていた。

 

前半はともかく後半は少なくとも悪気は無かった古城に対して恨み言をぶつけるわけにもいかず、矢瀬は、自身の幼馴染でもある藍葉浅葱に久しぶりに愚痴を聞いて貰った。

 

そして、古城を好いているがとても出遅れている友人のことを想い、矢瀬は密かに涙した。

 

 

男装してた娘と魔女?メル友ですが何か?

 

 

 

さて、時間は戻って平日の正午前。(皆合鍵で勝手に入ってくる為に)久しぶりに使われた気がするインターホンの音が響いた。

 

「あ?誰だ?知り合いならチャイム押さねえし、裏の荷物なら正面から来ねえし、宅配でも誰かが頼んだのか…。古城は心当たりあるか?」

 

「いや、分かんねぇ。」

 

「んー、まぁとりあえず出るか。」

 

 

今出まーすと、返事をして扉を開ける矢瀬と後ろからついてくる古城。

 

扉を開くと見覚えの無い白衣の男性が立っていた。痩せ型に眼鏡、手には何かの紙袋、それ以外に特徴の無い姿。矢瀬のお仕事モードのセンサーにも特に引っかかりはしないため、普通に訪ねて来た一般人に見える。

 

が、逆に人避けの術式もある中、暁家に訪ねてくる知り合い以外の人間が一般人と呼べるだろうか。

 

そんな疑問を抱いた矢瀬は、少しだけ緊張を隠すように警戒のレベルを上げた。

一方の古城は、見覚えのあるようなないようなあやふやな記憶を探りながらも相変わらずぼーっとしているのでこの場の緊張感はないに等しい。

シリアスの値に音が付くならば随分とコミカルな不協和音であろう。

 

思わず古城を下がらせたくなったがいちようは家主である。そして、相手の素性が知れない以上は、警戒を解くこともできない。

 

たとえ不死身であろうと古城を放っては置けないし、この場は妹の凪沙の帰る家であり、古城の寝床がある場所なのだ。もしも目の前の人物が自爆特攻しにきたとすれば、黙って見ているわけは無い。

 

わざわざ第四真祖のいる場所へ訪ねてくる人物がどんな要件で来たというのか。

 

 

考えが浮かんでは消え、なんと切りだそうか迷っていると男性の方が話し始めた。

 

 

 

「どうも初めまして。私、下の階の部屋に住んでいる者です。突然訪ねて申し訳ありません。手短に伝えますので聞いていただきたく存じます。

 

えー、非常に申し上げずらいことなんですが、色々とこの階から漏れていますので、お気をつけ願えないでしょうか?

 

あ、これは手土産のお菓子です。どうぞ食べてください。」

 

 

 

「…は、はい?」

 

 

っと、結局そのまま伝えることにした男と、割と近くにいた予想外の要件の相手に固まる矢瀬。

 

 

(あ、階段で一回助けて貰った人だ。)

 

 

見覚えのある相手を思い出した古城は割と置いていかれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





ぐーだぐーだねー。

ぼちぼちヨロです

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