古城くんは基本けだるげ   作:トマボ

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馬油ラーメンが気になって食べてみました。

びゃあああうまぃぃぃぃ。゚(゚´Д`゚)゚

ラララ ルァ〜メン 大好き フーフフフさん
いつものルァ〜メェン 味噌が食べたい〜


は置いといて、駄文注意です。





ある日の補習(強制)の風景

「おい、暁古城。土曜の午後から補習だ。それまでにこれを読み込んでおけ。」

 

 

学生にとっての週の真ん中の昼休み、午前中からうたた寝をしていた古城を呼び出したその人物は、開口一番、分厚いプリントの束を差し出しながらそう言った。

 

 

「……む「無理などとは言わせんぞ?試験中に爆睡していた貴様の自業自得なのだから。」…はい。」

 

 

彩海学園高等部の英語教諭を務める南谷那月。年齢とは裏腹に中等部の制服を着ていても何の疑いももたれないであろう容姿を持っているその人。裏の顔は魔導犯罪を取り締まってる凄い人である。

 

 

「せいぜいありがたく思うがいい。貴様のせいで休日が潰された私の怒りを理不尽にぶつけられないだけな。」

 

言いつつ、鉄製の扇子で座っている古城の頭をペシペシと叩く。若干力が強い。

 

 

「…悪いとは思ってますよ。那月先生。」

 

「南谷先生と呼べ、たわけ。」

 

 

古城にとっては会話のテンポが早く頭の回転が速い人物は基本的には苦手とする部類である。妹を筆頭として。そしてかつ、目の前の人物には過去何度も助けられており、頭も上がらない相手であるうえに、今回の英語の試験は古城にしては珍しく、しっかりと勉強をして臨んだが、午後の良い風の威力には勝てずに眠ってしまうという結果であったため、何も言い返すことはなかった。

 

 

未だにちゃん付けをして怒られている古城の世話係と違い、会話するごとに叩かれる方が労力を使うと学んだ古城くんは、敬意を持って先生と呼んでいる。

 

まぁ、怒られるのを承知でそう呼んでいる者達も親愛の現れなのだろうが、そんか感覚に疎い古城からすれば、叩かれるのが好きなのだろうかとぼんやりと思っていたりもする。

 

 

 

もっと厨二チックな部分を言えば、彼女は監獄結界なる世に放つととんでもないことになる者達、それも捕まえておくことの難しいレベルの犯罪者などを閉じ込めているところの主人をしている。

 

 

ここに居る彼女は現し身であり、本人の見る夢である。本体の彼女は、ずっとその場で眠り続けており、第四真祖に対する隠し球とも言える役割を持っている。

 

 

その人となりは謎に包まれ、あらゆる凶悪な魔導犯罪者達からも恐れられている畏れ多き空隙の魔女様である。

 

 

という、中々にややこしい事情をもっている上に、かなりの重要人物な訳であるのだが、意外なことにそのフットワークはかなり軽い。

 

というよりかは、彼女の得意とする魔術式の一つが空間転移、空間跳躍などの類であるため、止められる者が居ない。

 

そのため、一部の彼女の素顔を知っている者達からは、その容姿と関連付けて、暴走特急魔女っ子なつきちゃん、宙を馳ける合法ロリ、などと揶揄されている。

 

……口に出したものは即刻恐ろしい目にあっているが。

 

 

本人にその気があるかは不明だが、婚期はまだまだ先であるだろう…。

 

 

ちなみに、学内の生徒からはかなり人気が高い。整った美貌は言わずもがな、その人気の理由の多くは彼女の性格によるものである。

 

男子生徒は言うまでもなく、女子生徒、また、教員達からも、その隠しきれない人柄の良さにより多くの人気が集まっていた。

 

決して甘い人物では無い、むしろ厳しい。

 

当然であるが、今も最前線で闘っているプロの気質、雰囲気が甘いはずがない。

 

軍人の如き厳格さと言葉遣い、信賞必罰を体現するかのごとく、校内での持ち物や校則違反の取り締まり率も高い。生徒指導を任される前からである。そのため、しがらみも生徒からのヘイトも溜めやすい立場なのだが、しかし、どこか暖かい、面倒見の良いとても優しい人物として周知され、荒れている生徒の厚生も彼女にとってはお手の物であった。

 

 

 

そんな男女問わず人気が高く、カリスマ性を持つ彼女だが、その素顔を知る者達でも彼女の表沙汰には出来ない趣味を知るものはいない。

 

 

ほんの一部を除いて、だが。

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

 

さて、そんな一部の人物に不幸にも当てはまってしまっている古城が、2日間で覚えきれる量ではないプリントに恨みをぶつけながらも目を通し、迎えた土曜日。

 

補習当日。午睡の眠気と日差しにも負けず健気に登校した古城だったのだが、それだけでも割と体力は使い果たしていた。

 

 

「何故試験前からヘトヘトなんだ貴様は…?」

 

「…あつ…い……。」

 

正午の日差しを浴び、アスファルトの上のミミズの様に干からびかけている古城を見て呆れる南谷先生。

 

冷房を入れてやろうとするも、そもそも今日は部活動も含めて休養日であった。単位的に受けざるを得ない補習者を除いて、校舎に人の気配は無い。

 

職員も生徒も居ない状況で空調設備も動いておらず、省エネ、節電の時代に無駄に使うことも憚られたのだろう。

 

「はぁ……。仕方がないか。行くぞ。」

 

「…?」

 

 

古城が疑問を浮かべている間に、スッと周りの景色が様変わりする。

 

ファンシーなぬいぐるみが並ぶ優雅な一室。高価な家具類に涼しげな室内。偶に垣間見えるムチや鎖、開けたくないオーラを発する室内に不釣り合いなダンボールから目を晒せば、眺めの良く誰もが羨む高層マンションの最上階。

 

南谷先生のご自宅であった。

 

 

「これで多少は集中できるでだろう?落ち着いたらそこのテーブルで解き始めるがいい。」

 

戸惑うのを見越していたのか、色の濃いめな冷たい飲み物を渡しながら、声のあがらない古城を尻目に正面の席でくつろぎ始める那月。

 

彼女が座ると同時にピコン!と、恐らく携帯の着信音が響く。

 

 

 

はて、この場合は、どちらなのだろうか。

 

 

女性、しかも教諭の自宅に図らずも訪問してしまった高校男子か。

 

魔術行使により誘拐された憐れな子羊か。

 

 

だが、高級感のあるソファの座り心地と室内の適度に保たれた温度。

少し多めに焚かれたリラックスできるお香

 

一気に場所が変わり、何かを言おうとした古城だったが、直ぐに試験問題に取り掛かった。

 

とりあえずは、速攻で解き終わって、ふかふかのソファで少しでもくつろぐために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「zzz……」

 

「…採点が終わるまでは多めに見てやろう。」

 

 

授業も眠って居て、大切な試験を寝て過ごしたせいで補習を受けている生徒なのか怪しくなる程の集中力で問題と、オマケとして出された課題までものの数分で片付けた古城は、快適な空間でそのままくつろぎ始め、いつもどうりに眠り始めた。

 

その様子を見ていた那月は、呆れながらもそのまま採点を始め、そして、ものの見事に全問正解。思うところもあり、怒りを通り越して呆れ、ため息と共にもう少し寝かせてやるか、と、邪気のない寝顔を携帯でパシャり。

 

 

「これだけ出来るのならば普段から発揮せんか馬鹿者め。」

 

実に厄介な問題児である。教諭としてはどうするべきなのか、と目頭を押さえてため息をつき、ついでにカメラでパシャり。

 

 

まったく呆れたものである。

 

正面のこれが自分の警戒しなければならない、もしかすると自身が最後の砦とならねばならない第四真祖なのだから。

 

このアホ面でキュートな寝顔の一枚や十枚、写真に収めて馬鹿にしてやらねばなるまい。

 

本当に呆れた生徒である。

とりあえずは教育方針を考えるべく、大きめのビデオカメラで録画を開始するか。

 

 

「そういえば、私が眠れない時用に持っていた睡眠薬をどこかのコップに入れていたような気もするが、さて…。いかん、忘れた。気を使うなど慣れんことはするものではないな。」

 

 

ソファに仕込んだカメラの録画は一旦止めて無ければな。

 

こんなに凛々しい面も出来るのだから、普段からもう少し気を引き締めておけというものだ。

 

タイトルはそうだな……真剣な仔犬とでも書いておこう。

 

 

「…zzz……クシュッ……zzz…。」

 

「む?冷えすぎたか?はぁ、手間のかかるやつだ。」

 

 

吸血鬼が風邪なんぞひくのか疑問だが、唯でさえ頻繁に体調を崩す奴に風邪なんぞひかれても困るからな。

 

布団ぐらいは被せてやろう。

 

 

と、内心の微妙な変化により優しさが垣間見えたたのだが、途中で気づいた。

 

 

こいつは、最初に少量の汗をかいていた。つまり、そのせいで冷えてしまったのではないか?

 

だとすれば、眠っている間は比較的に体温は保たれるが、細かな体温調整ができず、寝汗でさらに冷えてしまうのではないか?

 

 

空調は切ったがそれでも汗を拭いて着替えさせてやらねばなるまい。

 

 

まったく、ガキのごとく手のかかる奴だ。

 

 

ああ、まったく仕方のない奴だ。

 

 

着替えは、メイド服か燕尾服しかなかったが、サイズが合えばなんでも良かろう。

 

 

まったく気は進まんが、脱がしてやるか。

 

 

 

さあ!

 

 

 

 

「うん…?あれ、寝てたか?あ、すいません。那月先生。」

 

 

「ふん。丁度採点が終わったところだ。見事に寝落ちしおって。普段からこれぐらいの点数を取るようにせんか馬鹿者。」

 

 

「…うっす。ところで、このメモリーカードは?」

 

 

「次のリスニングの試験問題の録音用だが?ククッ。せいぜい、励めよ」

 

 

「うえ…。了解です。」

 

 

 

その後、同じように学校へと戻り、そのまま荷物とともに下校する頃には、辺りも若干の夕涼みな気温となり、古城の静かな補習の一日は過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

 





途中で視点なのか地の文なのかわからなくなってきましたが、眠気があかんのでしゅーりょー。
気になったら直します。

若干ピンチだったって?いやいや、真面目な南谷先生に限ってそんなことあるわけないでしょうよ。
記録内容も第四真祖の調査の一環としてきちんと彼女の自室にプリントされて保管されていますから。




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