古城くんは基本けだるげ   作:トマボ

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思ってたのと違う!!という感想を持たれた方。(←いつもだろ。)
安心してください?私もです。

そんな戯れ言はさておいて、ガルパンはいいぞ。




気だるげ補充回 1(随時加筆

 

季節は冬。いかに常夏の島であろうとも夜になり日が沈めばいささか吐いた息が白くなる程度には冷え込む時期である。

 

 

 

一部の意見ではあるが、外国から引っ越してきた者は声を大にして言っていた。

 

 

「雪綺麗だけど、寒すぎワロタ。薄着のオシャレとか日本人頭湧いてんちゃうの?」

 

 

聞いていた周りの人々は思っただろう。

 

 

(タンクトップ一枚で外出てるお前の方が湧いてんだろ)

 

 

 

 

まぁつまり何が言いたいかと言うと、常夏の島の住人であるところの、環境の変化に対して一般人のレベルよりもかなり低い耐性しか持たない人物。(正確には人間ではないが)

 

 

 

本話のメインである人物、暁古城は冬のこの時期は動けないということである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁ実際のところは、動きたくないだけであるが。

 

もちろんのことだが、そんな愚行が許されるほど暁家の纏め役(妹)は甘くはないんだぜ? …という訳で、いつも通りやっちまってくだせぇ凪沙の姉御!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、話を戻すが、妹の英断により大きめな炬燵に放り込まられてから暫くして意識の戻った古城は、めでたくコタツムリへとジョブチェンジした訳ではあるが、意識がある状態でしっかりものの妹に逆らおうものならば、兄としても、第四真祖としてであろうとも、決して勝てないのである。

 

 

 

頭の良い眷獣一同は、仕えるべき主人を決して間違えたりはしないのだが、逆らってはいけない存在に対しては手のひらはドリルのように回るし、尻尾は引きちぎらんばかりに振られている。

 

 

そんなところは主人に似ているとも言えるが、その原因が主人の威厳が無さすぎるのか、妹のカリスマがあり過ぎるせいなのかは分からない。

 

 

 

……一体一体が世界を滅ぼすに足る力を持ち、顕現するだけで甚大な被害を出すという、制御できないほどの力を持つ眷獣達が、懐柔されるという選択肢がある時点で既に、怠惰な主人の影響が出ているなんて事実は認められない。

 

無いったら無い。

 

 

 

 

そんな訳で学生であるのだから登校しろよ、とツッコミを躱しながら、古城は意識が戻ったばかりのための念の為、という自宅療養を名目にして冬の休業までズルズルと持ち込む作戦を画策していたりする訳なのだが、

 

そんな声を聞いた友人の矢瀬は苦笑しながらも、意識が戻らなかった間、割と心配をしていたので、家にいるのならば一日ぐらいは休ませてやるか…。と、情けと優しさから玄関先に見舞い品を置いて、登校して行った。

 

 

…矢瀬よ、少しぐらいは怒ってもいいんだぞ。

 

 

友人の為、暴走して家に押しかけようとする狂人達への対応も含めて、優しい能力者は今日もいろいろと頑張っている。

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

所変わって、絃神島の周辺の海ではさかんに漁が行われている。季節柄、沖で冷やされた海水が寒流として流れ込み、普段の暖かな水と混ざり合うことで魚種も増え、掻き入れ時となるこの時期なのだが、だが、それは通常時であればの話である。

 

 

昨日までは漁師達の熱い陣取りゲームが繰り広げられていたが(鮪漁感)、今現在は閑散としており、船の一隻も見られない。

 

 

その代わりと言ってはなんだが、海を一望できる監視塔の人員は増え、衛星や魔術による監視網は非常に警戒レベルの高い状態で敷かれていた。

 

 

 

警戒網を敷いて忙しく連絡を取り合っているのはもちろんだが、アイランドガードの面々とと派遣された海自のメンバー、そして、黒スーツを着た役人や白衣を着ている企業からの研究員などである。

 

 

本土であれば、熊でも眠りにつくこんな日に一体何を警戒し、動き回っているというのか。

 

 

 

 

……漁船と言えば、某ワンサマーな主人公さんなどは作戦中に紛れ込んでた密漁船を庇って結果的に死にかけたりしていた訳なのだが、この島の付近に…否、恐らくはこの人魔ひしめく世界で警戒網を潜り抜け、危険を承知で漁に出るものは居ないだろう。

 

 

若干オツムの弱い者達が船に乗っていたとしても、視界に入らなくとも分かるほどの脅威がゴロゴロと転がり込むのが日常茶飯事な魔族特区の住人たちがすぐさまどかしに行き、時間も取らせず排除するであろうことは想像に難くない。

 

 

海の男達や島の住人の彼らからしたらもはや慣れたものである。

 

新入りが言う。それでも成果をあげねば死んでしまう、と。

 

ーーそうか。ならば一瞬で死ぬか、苦しくとも死ねず、肉体が消し飛んだ後も苦しみ続けるような魔術や儀式に巻き込まれてこい。安心しろよ、きちんとど真ん中に送り出してやるからよ。

 

 

(漁師達のツンデレ誤訳 : おめえ、おっかねえこといってんじゃねえぞ?悪りぃことは言わねえから、専門家さんに任しとき。命あっての物種なんだから、若いうちから無茶すんのはいいが、無謀はやめとくがええぞ。)

 

 

 

 

 

海面からせり出す謎の海魔達を目にしながらも、漁師や住人達は、自主的に避難誘導を手伝い、厄介払いを引き受ける。

 

 

連絡など取らずともアイコンタクトで通じる闘う者達の信頼がそこにはあった。

 

 

 

 

 

海の男達は今日も非常事態と闘っている。古城が、炬燵でみかんを食べている間にも、異常は日常へと置き替わり、何でもない1ページに記されていくのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






島の皆んなが頑張っている中、古城くんは部屋でぬくぬくしているよ。というだけの話。

まとまってないのでそのうち修正します。

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