古城くんは基本けだるげ   作:トマボ

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遅れて申し訳ありません。

ごちうさの映画見たテンションで書きました。
あとガルパンの番宣の歌めっちゃいいですね。

いつもどうりの低クオリティでお送りしております。


ポリポリする古城くん

 

 

本日はカレンダーの日付に則り棒状のお菓子がよく売れる日である。

 

相方のいる諸君であれば友人、知人、家族、恋人、兄妹などで分け合って食べるとそれだけで盛り上がることもあるだろう。

一人を好む同士であれば、音と味を楽しみながら独り占めの快楽に酔いしれるのも良しだ。

 

 

 

では、そんな日においての古城の様子はどうなのだろうか。

 

 

 

いつもどうり怠惰に過ごすのだろうと?それも間違いではない。というよりかはむしろ正解なのだが…。

 

しかしイベント事に疎いことに定評のある古城はともあれ、事あるごとに盛り上がりたい年頃の者たちはそんな製菓会社のイベントを逃しはしないのである。

 

そのため、前日までに買い溜めした者や当日の朝にふと寄ってみた店のレジ横に並ぶ一箱を買ってしまった者も含めて、見渡してみれば皆それぞれ持ち寄ったお菓子をポリポリと小気味良い音を立てて齧っていた。

 

 

そんな朝、テンションの上がった妹殿によって口の中にそれを突っ込まれて起こされるというやや危険な起こされ方をした古城は現在モノレールに乗って登校していた。

 

運搬役の友人は所用により席を外しているため現在は珍しく一人………ではなく、通う方向が違う筈の友人とクラスメイトが複数人集まっている。

 

 

というのも、寝ぼけ眼を擦りながら先に出発した妹を追いかけていた古城だったのだが、通勤ラッシュの朝の時間帯の人の波に弾き出され妹とはぐれてしまったために、次発の列車を待っていた古城。

 

そこで、偶然…?偶然…ということにしておこう。偶然にもまさかの友人である藍羽浅葱嬢に声をかけられ、流れるように餌付けが始まった。

 

浅葱嬢にとっては、あーんなど当然であるので人が集まっていようと問題ではない。

古城も古城で、箸を動かすよりも雛鳥のごとく口を開けていた方が楽であると思っているので気にもしない。

 

そもそも頭が働いていないのだが、口の中に好みの甘味を感じて本日の栄養補給はこれで充分だなぁという感想は湧いてきていたので成されるがままになっていた。

 

 

こんな状況であれば周りからの舌打ちの一つも聞こえそうなものである。

 

が、当人達からすれば日常な一幕。

 

周りから見れば、守りたくなるような笑顔で1本ずつチョコ菓子を与える少女の幸せそうな雰囲気と、生命活動に積極的ではない少年の好みの味によって引き出されたほんやりとした幸せそうな表情。

 

 

ーーどうしてなのか、邪気が起きないのは。

 

 

独り身の者たちからしても邪魔できないのはきっと、背後に餌付けする親鳥と餌を待つ雛鳥を幻視したからであろうか?

 

 

 

それはさておき、僅かな時間とはいえ目立っている二人組を目にした彼らのクラスメイトは当然寄ってくる訳だ。

 

男子生徒達は、知人に向けて挨拶をしようとは思ったが、女子が3人寄れば姦しいと言うが倍以上集まれば近寄りがたいので遠目に。

 

もはや見慣れてはいるが、その手の話に飢えている女子生徒達は黄色い声をあげながら二人を包囲しつつちょうど来た次の車両にのりこんで、現在に至る。

 

 

「はい、暁くんこれも食べてー。」

 

 

ポリポリ。

 

 

「こっちも新しい味だよ!どうぞ!」

 

 

モグモグ。

 

 

「暁さん、塩っぽいのも食べてみる?」

 

 

カリカリカリカリ。

 

 

 

 

「「「……なんか、◯スっぽい」」」

 

 

 

「……美味しかった。」

 

 

 

散々されるがままだと嫌がる性格の者もいる難しい年頃のはずの古城であるが、楽しそうで何よりである。

 

 

そうした様子で会話は弾み、周りからの視線も集まるが、僅かな時間なので許して欲しいところだ。

 

 

「ねえ、浅葱さん!アレしないの?アレ!」

 

 

「あ、アレって何よ?」

 

 

「わかってるくせに〜。両側から咥えて食べ進めるアレだよー。」

 

 

「な!?そ、そんなことする訳!!………あ、後で…。

 

 

 

 

「「「藍羽さん可愛い〜!!!♡」

 

 

 

ほおを染めながら答える少女はまさしくな感じであったが、それに応えるべき相手はというと、

 

 

 

「暁くんちゃんと答えなきゃダメだよ!」

 

 

「??うん、ご馳走さま。」

 

 

 

ボルテージの上がっていない周りは、その返答に((あ、こいつ分かってないな))と感想を抱いたが、テンションの上がっていた少女達の会話は最高潮に盛り上がったという。

 

 

 

そんな一幕であった。

 

 

 

 





短いですが、そんな話です。ちなみに作者は最後までチョコたっぷりの方が好きだったりします。


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