古城くんは基本けだるげ   作:トマボ

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最近気だるげ成分が足りない!!!

と思ったので。


書いてたらちょっと長くて回りくどくなってしまったので、
適度に読み飛ばしてください。


もっと流れをスムーズに、分かりやすく読みやすくかつ丁寧にしたいですね……


少しリッチな古城くん

その日、古城くんは少しだけリッチな気分で、珍しく自分から外に出かけていた。

 

 

いつもなら部屋で寝ている所を起こされて追い出されたり、妹の友人である中学生達が集まったりするためにやはり追い出されたり、古城の友人達の心配やら気遣いやらで部屋で永眠する前に連れ出されたりするのが、普段の休日である。

 

 

古城がしっかりと休日を過ごすことができる(本人の希望や意思に沿うような過ごし方かどうかは定かではない)のは、ひとえに友人達の頑張りによるものである。

 

主に、試験勉強、授業に関するものなどの最低限の手伝いやら遅刻早退サボり改善のための奔走。

 

 

彼らが居なければ厳しい厳しい英語教諭によって長期休暇はおろか、毎週のように高校生にとっての週末という名の休日は無くなっていたであろう。

 

 

そのため、友人達へは感謝しつつもやはりダラけたいがために生活改善の意思はあまり見られない。

 

 

 

しかし、その日は、前日の試験で珍しくやまが当たり、高得点を取ったため、暁家のルール(全ては妹の意思である)により、褒美として増額された小遣いを手渡されたのである。

 

 

節約プロの世界に足を踏み入れている妹からの追加支給は、アルバイトもとある事情によって行うことのできない古城にとっては天の恵みのように感じられた。

 

 

 

 

 

そして最初に思いついた使い道は、安眠枕の購入であった。

 

携帯でのメールのやりとりすら面倒なものとなっている彼にとって、携帯電話はあまり多用されるものではない。

 

おつかいのメモやアラーム機能が一番使用頻度が高い機能である。

 

しかし、つい先日に彼はネットでの買い物という文化に触れ、とある大手の家具メーカーから出ている寝具のページに目が止まった。

 

 

'''どんな場所でも瞬時に安眠できる低反発COOL枕 〜身体のあちこちがこる貴方へ。もう寝違えたりしない〜'''

 

 

古城は一瞬で心を奪われた。

 

 

慣れない操作でwebページを開き、購入操作を進めていく。

友人から来た連絡をメールで返す時の倍以上の速度であることからも分かる通り、かなりの情熱であった。

 

 

 

寝苦しい夜に俺はもう困らない!

朝起きても首や腕が痛くない!!

最高の安眠は約束されている!!!

 

 

 

が、しかし、ここで暁家の良心(妹)によってストップがかかる。

 

 

「また()()を繰り返すようだったら許さないよ古城くん。」

 

 

「………。」

 

 

ここで、彼女の言うアレとは、過去の事件のことを指す。

 

 

ある時は人をダメにするという広告のクッション

 

またある時は着るタイプの毛布

 

そして、前回購入して一月で悲しい別れをすることとなった一年コタツ

 

 

いずれもいつも以上にだらけきった様子を見せ、解決に向けて動く周りの者たちとの虚しい死闘を繰り広げることとなった。

 

 

 

 

 

◯奥義 一体化

 

 

効果 : 某メーカーの大きいサイズのクッションと一体化する。その状態で床に張り付くことにより撤去を防ぐ。

 

 

デメリット : 呼吸がしずらい

 

 

 

 

 

◯特殊スキル 2重布団

 

 

効果 : 着るタイプの毛布を装備した状態で自身の元布団とカバーの中に入り込むことにより発動。とても掴みづらい。

 

 

デメリット : とても暑い

 

 

 

 

◯自滅技 コタツムリ

 

 

効果 : コタツの中に引きこもって全力で抵抗する事で近寄らせない。割と誰でもできる技だが、だらけることに命を賭ける者が使用するとマジでうざい。かなり強い技である。

 

 

 

デメリット : 空腹や尿意、脱水症状、その他諸々の活動が制限されるので死にかける。副次効果として対抗した相手にしばらく口を聞いてもらえなくなる。

 

 

 

 

 

 

いずれも全力で使った。

 

 

 

 

 

結果は言うまでもなく一方的な撤去であったが。

 

 

 

 

過去の自分を振り返って、恐らく今回も同じ轍を踏むことになるのは簡単に想像できる。

 

 

それでも、眠さには敵わないのだから仕方ないではないか。

 

 

古城はそんな逆ギレを起こしかけ………ものの数秒で引っ込めた。

 

 

笑顔の裏に般若を背負った妹御に敵うことなどないのだ。

 

 

 

 

 

「凪沙。」

 

 

「なあに?古城くん。」

 

 

「……俺、明日から早起き頑張ってみる。」

 

 

「そっか。応援してるよ♪」

 

 

「……何か欲しいものとかある?」

 

 

「特に無いかなぁ。」

 

 

「そっか。」

 

 

「うん。」

 

 

「………凪沙。」

 

 

「なあに?古城くん。」

 

 

「おねがい……します」

 

 

「駄目♡」

 

 

 

慈悲など無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

あくまでも、あくまでも余談なのだが、

 

○古城くんはお金持ちに憧れていたりする。

 

○彼はダラけたいので、自分を養ってくれたり、世話を焼いてくれる相手に好意を向けやすい傾向にある。

 

 

これはあくまでも余談である。

彼の人生経験からすれば、自分からは縁遠いものであるし、意識に登ることのない程度のものだからだ。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

そんな訳で、気分転換がてらにどこかの静かな店で豪遊でもしようと思いついた訳だ。

 

 

「大事に使うんだよ〜。」と、田舎のおばあちゃんみたいに小遣いを渡された訳なんだが、実は姉だったりするんだろうか?

 

いや、流石にあり得ないな。

 

 

 

ーー兄が際限無くだらけるので、結構な頻度で心を鬼にしている妹であったが、滅多に見られない兄の真面目に頑張った(と思われる)姿に、心打たれ、多めな額を渡してしまったあたり、やはり古城には甘いのだろう。

 

 

 

 

 

あいかわらず陽射しの強い街中をゆっくりと歩いて行く。

 

特に目的地を下調べしていた訳でもなく、当てもなく歩いていたのだが、休日の街というのは存外混み合うものだ。

 

 

半刻も経ってはいないが、普段からあまり活動的でない古城からすれば、良い運動のレベルを通り越すことになる。

 

 

 

ーーお前元運動部だったんだろ?などと言ってはいけない。

 

 

 

だんだんと足取りが重くなっていく。

 

 

疲労による疲れというよりも散歩に飽きてきたといった感じではあるが、それは普段は近くで事故が起ころうとも無関心でいられる周囲の人々の疲れきった心でさえも、心配を抱かせてしまうようなやさぐれたオーラである。

 

 

泥酔した人や元気な幼児のように右へ左へと動く様により

すれ違う人々は常にハラハラとしている。

 

 

 

そして、フラフラとしていた様子も、だんだんと遅くなり、今やナメクジでももう少し速いのでは?というスピードである。

 

(ちなみに亀はイメージよりもかなり速い)

 

 

 

上半身は項垂れて、膝はダンスしつつ足取りは重い。

 

 

ただ、歩いていただけでなぜこんな有様になっているのか。

 

それは、神秘に溢れた魔族特区の研究者にも分からない。

 

きっと、本人にも分からない。

 

 

 

 

 

 

見ただけ、それも彼を知らないものからしたらかなり深刻そうに思えるのだ。

 

 

すれ違ううちの何人かはすわ病人か⁈と疑い、様子を見て救急車を呼ぶまいかと悩んでいたりする。

 

 

そのせいか、目立つのが好きではない性格なのに視線を集めやすいと悩んでいるのはただの自業自得である。

 

 

 

 

長々と無駄に語ったが、ただ、歩くのが面倒になってきただけである。

 

 

 

 

きっと彼を知る者達がいたら、「「「ちゃんと歩け!!」」」とツッコミを入れていただろう。

 

 

(その後、結局見てられずに肩を貸してあげたりするのだが、それはまた別の話である。)

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、幸か不幸か今日に限ってはいつもとは違う時間に出かけた彼を見かけたのは、残念ながら彼の知人ではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーそれは本当に偶然それを見かけた心優しい中学生の目に止まった。

 

 

白髪の彼女は捨て猫を見かけたら放っておくことのできないような優しい少女だが、彼女はとても芯の強い心の持ち主だ。

 

彼女は何かの助けになりたいと思ったならば、怯えながら、震えながら、それでも足を止めることはない。

 

 

(そんなところのほんの一部でも彼に見習って欲しいと思うのは無粋かもしれない。)

 

 

 

ーー目に、とまってしまったからこそなのだろう。

 

 

 

 

よく事件が起こるこの島で、作為的で無い偶然など珍しいことではあるのだが、この時だけは本当にただタイミングが合ってしまっただけなのだ。

 

 

どうしようもなく目が離せなく(ある意味そうかも?)て

 

 

今にも倒れそう(平常時でもそんな感じ)で

 

 

放っておいたら今にも消えてしまいそうな……

 

 

 

不安そうな目をした色素の薄い髪の人。

 

 

 

そんな青年を見過ごすことが出来なくて、彼女は駆け寄って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー全くの同じタイミングで偶然その島に来ていた特殊な事情を持つ大人びた小学生の目にもその貧弱そうな男は止まっていた。

 

自分はおおよそ普通の人間とは違う事情を抱えている。同年代の子供と同じようには過ごせない。

 

今だって偶々この島に、研究成果の実験を行う下見に同行しているだけだ。

 

退屈な日々、自由な時間は少なく、自問自答を繰り返す中で、自分の心が徐々に荒んでいくのをずっとずっと自覚している。

 

 

 

 

少女の血筋は特殊ではあったが、ただそれだけだった。最初は普通に家族とともに暮らしていた。

 

けれど、ある時から変わってしまい、それからずっと人の悪意に触れ続けてきた。

 

 

それでも、歪むことなく、やさぐれることなく、自分を保っていた。

 

 

黒々としたそれを、外側に向けることが出来たのなら、きっと、とても楽であったのだ。

 

 

 

けれど、自身の経歴が異常であり、他人と違うことを嘆いてもなお、彼女は他人の不幸を望むことが出来なかった。

 

 

 

 

それは、その責任転嫁が無意味であると知っている賢さゆえなのか、

それとも、良い巡り合わせでは無かった人生の中で僅かに触れた優しさの温かさを尊いと感じたゆえなのか。

 

 

 

だが、例えば、そんな似たような境遇の人間が同じ立場にいたとして、その人がどれだけ温和であったとしても、それでも落ち着く時間が少なければ、ストレスというものは溜まってしまうものだ。

 

 

周囲へのあたりが強くなることは無かったが、誰かに心を開くことも無くなった。

 

 

 

それが本心でなくとも、世界の広さを知識としては知っていて、自身の抱える問題がたった一幕の事だと理解はしていても、心のほんの片隅から、黒いものが溢れて、こぼれてしまうくらいには、すりきれ、疲れきってしまっていた。

 

 

 

ーどうして私ばっかりが。

 

 

ーのうノウト生きているヤツらなンかより……。

 

 

ーツライ?キツイ?それハ本当二?私ヨリも………?

 

 

ーーソンナハズハナイヨネ?ドレダケカンガエナオシタッテ、ワタシノホウガ………………!

 

 

 

 

 

嫌な気分だ。

 

 

視界がボヤけそうだったから、袖で拭った。

 

 

今は何にも見たくない。

今は誰にも会いたくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでも何故なのか。

 

 

 

ネガティヴな考えが止まらなくて、抑えきれなくなりそうなのに、

 

 

 

全く進まないからずっと視界の端に映っていた、ふらつくそのポンコツを目で追っていて……

 

 

 

辺りを見渡し肩を落とす、そんな行き場のない姿に自分を重ね…

 

 

 

気付けば、少女も同様に、その震えた背中を追っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

家で一悶着あったが、滅多に手に出来無い資金を手に入れたのでほくほく気分で出かけてみたんだが、

 

 

近所の公園では、移動販売のアイスクリームを見てorzしていた幼児があまりにも不憫だったので一つ奢ってあげたら、周りにいたちびっ子全員にたかられてしまった。

 

 

人通りの多い場所を散歩していると、普段はスカスカなので盗られてもなんとも思わない財布にお金が入っていることを思い出し、疑心暗鬼で人の少ない方へ自然と意識が向いた為、無駄に遠回りして疲れてしまった。

 

 

まぁ、結構な時間サクサクと歩いたし、遠くまで来たか?(自覚無し)

 

なんか通学路で見覚えあるような店も多いけど、チェーン店の並びなんてどこもそんなもんだよな。

 

普段矢瀬に運んで貰ってるから道とか見渡すことあんまり無いんだよね。

 

それはそれとして、知らない場所とか初めてくる場所ってワクワクする反面、不安になったりするよな。

 

また迷子か?って思って冷や汗かいてしまった。

 

 

だが、陽射しがいい加減ヤバくてそろそろ視界が暗転しそうな気がしたので休憩しつつ、当初の目的を果たそうと、辺りを見渡して見ると、ファミリー向けのレストランが目に入ったのでそこに決めた。

 

 

やけに段差が多くて何回か躓いてしまったが、辿り着いたので冷房を期待しつつ店に入る。

 

 

 

 

「いらっしゃいませー!3名様で宜しいですか?」

 

「3名?」

 

 

 

元気な店員さんの言葉に疑問を抱いたので後ろを見たら見たことない女の子が2人いた。

 

片方は白髪で中学生くらいの身長

 

もう一人は茶髪で賢そうな感じの恐らく小学生

 

 

その両方から心配そうなどこか慈愛に満ちた暖かい目を向けられていた。

そう、優しい若者がご老人を労わるようなそんな視線を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、元気な店員さんの「お連れ様もどうぞ!お席へ!」とグイグイくるタイプの接客により、初対面の二人と向かいあう形で座席に着いた。

 

 

知らない人と相席になったことへの不安など二秒ほどで消えた。

いやだって、冷房効いてて快適だし、椅子がフカフカして座りやすい上にさっきまでの疲れも僅かにあったんで、ついぐでっとしてしまったんだが、この妙に優しい視線を向けてくる子達は誰なんだ?

 

多分こっちの方が年上だろうし、俺から切り出した方が良いよな。

 

 

 

「えっと……初対面だと思うんだけど、とりあえず俺なんかと相席になっちゃってごめんね。俺のことは気にしないでくれて良いから。」

 

 

「!いえ、そのこちらこそ勝手についてきてしまって…ごめんなさいでした。でも、お兄さんが、(倒れそうになっていて)心配で…。」

 

 

「わ、私も、その、お兄さんが…(寂しそうで)気になってしまって…。」

 

 

 

なんか凄く心配をかけてしまったみたいなんだが、こんないたいけな子達にまで迷惑かけてしまって罪悪感が半端じゃ無いな。

 

どうやら俺がフラフラしてたのが悪いみたいだし、知らない人間をここまで心配してくれるとは……ええ子やなぁ( ´∀`)

 

でも、凪沙にも浅葱にも口酸っぱく言われてるし…あんまり疑いたくは無いんだけど、俺みたいな奴に声をかけてくれる人って、経験上騙しやすそうって判断して近寄ってきた割合が高いんだよな。

 

仕方無いか。

 

 

 

「ちょっとごめんね。」

 

 

 

と、一言断って、2人に目を合わせるようにジッと見つめる。

 

……………。

 

……………………よし、大丈夫そうだ。

 

これは、特技とも呼べるかもしれんが、普段から周りの助けがあって生活が成り立ってる俺は、目を見たらそこに浮かんでる保護度?愛護心?みたいなものが大体分かるようになった。

 

それのおかげで、じっくりと見れば完全に心を閉じてたり隠してる人じゃ無い限りは悪意有りとか何かしらの感情、敵対心とかも判断できる。

 

もちろん、俺に対して限定ではあるけれど。

 

 

 

白髪の子は94 天使なの??

 

茶髪の子は75 凄く優しい子だけど抱えてるね。色々と。

 

 

本当にめっちゃ良い子じゃん。疑ってすまんかった。

 

ちなみに、矢瀬が85で凪沙が90だ。

 

 

 

かなり長い付き合いがあってこれだからな?知らない人で周りから優しいって印象持たれてる奴とかでも10や20ぐらいが平均だ。

 

だって、顔も名前もそもそもあったことすらない赤の他人に慈愛の心を向けられるって、宗教とか聖人とか医者の一部とかそんな特殊な人だけだと思うんだが。

 

 

この二人本当に会ったことないんだよな?ってレベルで高いんだけど……。

 

むしろ逆にこの子らが騙されてないか心配になってくるんだが。

 

まぁ、何かしらの事情は誰だって持ってる訳だし、疑ってばかりじゃ心配してくれた相手にも失礼だ。それに、勘だけど信用しても大丈夫そうだな。

 

 

 

######補足ですが個人差はあるってことで。動物愛護の精神だったり、同情だったり、友愛だったりと、まぁいろいろだから深くは考えるだけ無駄なので、やだ、あいつらやっぱりできてるの?とか言わないように!じゃないと古城君以外が泣いてしまうぞ!!!######

 

 

 

 

 

「お兄さん、その、あんまり、見られると……。」//

 

「流石に……恥ずかしいです……。」//

 

 

 

「あ、ごめんな。ジロジロ見たりして。悪気はなかったんだ。すまん!」

 

 

言われてすぐ、首を戻して再度背もたれに沈み込む。

 

またやってしまった。だから、この特技あんまり使えないんだよ。

じっくり見ないと分からんから凄く失礼だし。

 

 

 

「いえ、その、嫌では、無かったのでした…。(不思議な感覚でした)」

 

「…大丈夫です。(紅い目…綺麗だったな)」

 

 

あー…顔真っ赤だし。怒らせてしまったらしい。優しい子だから気を遣ってくれたけど、初対面の奴に顔見られたら嫌だよな。

 

 

周りの席からの視線も心なしか刺さって居心地悪いし、元気な店員さんも「早く頼めよ、あ?両手に華ってか?ええ??おい。当てつけですかァ?」…小声だから何言ってるかは分からんけどかなり怖い。

 

 

うん、お詫びも兼ねてここは俺が奢ろう。

 

 

そして、早く頼もう。

 

 

 

だって、あの店員さんがジワジワこっち来てる。

 

働いてる人って凄いな〜。あんな活動的に動くの俺には無理だな〜っていつも眺めてダラけてる俺でも分かる。

 

あの人働き詰めで疲れてるね。

そして、何故か俺が原因で怒ってるね。

 

 

 

 

 

「…とりあえず、何か頼もっか。俺が出すからさ。遠慮しないでいいから……早く決めよう。」

 

 

真後ろからのプレッシャーが凄いからさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が払うのを断ってむしろ私が!みたいな二人を説得……するスキルは無かったから普通に頭下げてお願いしつつ、

 

料理とドリンクバーとか頼んだ他にも無駄遣いしようと思ったんだけど、俺少食だったわ。

 

だから、デザートでも無いかなってメニューを開いてたら、浅葱が喜びそうな少しお高いジャンボパフェを見て(量的に胸焼け的な意味で)ウエッとしたけど、目の前の二人の視線がキラキラしてたので追加注文。

 

売り上げに貢献したので、後ろの店員さんも業務に戻ってくれた。

 

 

 

そして、適度にダラけつつ、3人とも自分から話すタイプじゃなさそうだったから、無言でも良かったんだけど、カノちゃん(自己紹介した。小学生はユメちゃんというらしい。)がオロオロしてたので空気を読んで俺が話すことにした。

 

(というか、この二人も初対面どうしだった)

 

いつもボーッとしてるし、基本任せっきりな俺でも、それくらいの空気は読める。

 

読めるだけで、基本は何もしないんだけど、泣かれそうになってたら動かないわけにもいかんよね、年齢的にも。

 

 

話題なんて無かったから、適当に、

 

 

「いつも(休日は追い出されるから)……居場所が無くてさ…。でも、(出かけたは良いけど)当てもなくて、彷徨ってたんだ。」

 

 

「そういえば、(珍しく今日は)ずっと一人で歩いてたな。この島は、(暑くて)辛いねぇ…。」

 

 

「あれから、結構考えたんだけど、どうしたら(枕を買っても)許されるのか分からないんだ…。」

 

 

 

「頑張って(睡魔とも)闘ったんだけどさ。結局、俺のせいで(撤去されちゃってさ。)…はぁ。失ってから改めて失くしたものの大きさって実感するんだねぇ…。」

 

 

 

「(コタツの時は)誰にも(口を)聞いてもらえなくなっちまってさ。ははっ。」

 

 

 

 

ああ……思い出したら少し目頭が……。俺に安眠をくれてありがとう。

 

 

 

 

 

「古城さん…!もう、良いんです…!もう大丈夫です。今は、私も……ここに居ますから。」

 

 

 

 

「お兄さん…。悲しそう…でした…。お兄さんは、一人じゃ無いです!だから、泣かないでください…!」

 

 

 

 

目を瞑って寝具達へ黙祷を捧げていたら、なんかまた心配させてしまったような?

 

なんか、変な事言ったかな…?いや、今日のことと寝具の話しかしてないし…。

 

話つまらなかったか…謝ろう。

 

 

「⁇ 俺は大丈夫だよ。心配しないで。それに、つまんない話してごめんね。」

 

 

「「そんなこと無いです/でした!」」

 

 

「あ、ハイ。」

 

 

「つまらなくなんて…ないでしたから……。」

 

「ちゃんと、聞こえてますから…!」

 

 

ーーーだから、そんな悲しそうな顔で笑わないで……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん?その後普通に食べて適度に休憩してから店出たよ?

 

勘違い? ああ、顔のことか?眠い時って瞼下がるよね。

寂しそう、とも言われたけど確かに布団達との別れは寂しかった。顔に出てたかな?

 

なんか、凄く気を遣わせちゃったみたいで、飲み物とか料理とか食べさせてくれた。

 

流石に断ればよかったと思ったけど、いつもの癖でつい……。

 

いやー、可愛い子で、しかも優しくて世話好きとは、二人とも将来有望だね。

 

 

あ、ちゃんと俺が払ったよ?

恐縮そうにしてた上に、ちゃんとお礼まで言ってくれた。

 

近所のちびっ子はたかるだけたかって、ボールぶつけて帰っていったのにね。

 

 

本当に出来た子だねぇ…。

 

 

 

 

 

 

 

でもさ、そんな良い気分で帰って来たんだけど。

 

 

 

 

「ねぇ、古城くん?」

 

 

「はい…。」

 

 

「連絡も無しにどっか行って、しかもほとんど使いきってきたの?」

 

 

「はい…。」

 

 

 

「私、大事に使うんだよって言ったよね。」

 

 

 

「…はい。」

 

 

 

「まぁ古城くんにあげたものだし、どう使っても良いんだけどさぁ。

 

で?その後ろに隠してるアイマスクはなあに?

 

完全に暗くして寝たら朝起きないよね?」

 

 

 

「……はい。」

 

 

 

「没収。」

 

 

 

「…………はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お金って大事だね。

 

 

 

 

 




口調が古城さんなのか田中くんなのか……イメージ的にどっちにもひっぱられるせいでぶれぶれしてるので中間という言い訳で気にしないことにした今日この頃。
もちろん、作者の方が酷い社会のゴミですがね?
ダメ人間な自覚のあるということで、若干控えめな口調が板についた古城さんだとこんなもんかな。

とか、ダラダラ〜〜っとしてるけど、偶にやさぐれたりすることもある田中さんは内心結構強めな感じかなー

みたいな感じです。


起きてる時は、内心も強めな口調。眠気が来てる時は丁寧なほにゃっと口調。を意識はしてるんですが、やっぱりぶれてますね。

無理あるんですが、適当に補完しといてくだちい。


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